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iPlanet Calendar Server インストールガイド |
第 4 章 iPlanet Calendar Server データの移行
この章では、カレンダーデータサーバを iPlanet Calendar Server 5.1 に移行する方法について説明します。
iPlanet Calendar Server 2.x からの移行
iPlanet Calendar Server 2.x からの移行
ics2migrate 移行ユーティリティは、iPlanet Calendar Server 2.x のカレンダーデータと LDAP ユーザ基本設定の両方を Calendar Server 5.1 に移行できます。Calendar Server 2.x から 5.x への移行は、一方向の移行です。つまり、データをバージョン 2.x からバージョン 5.1 に移行することはできますが、バージョン 5.x からバージョン 2.x に移行することはできません。
移行要件
Calendar Server 2.x から 5.x に移行するには、次のハードウェアとソフトウェアが必要です。
ソースマシンには、移行対象の Calendar Server 2.x データが入っています。
ソースマシンと移行先マシンは、別々のサーバであっても同一のサーバであってもかまいません。次のプラットフォームがサポートされています。ターゲットマシンは、移行データを作成する場所です。このマシンには、Calendar Server 5.0 パッチ 4 (またはそれ以降) がインストールされている必要があります。
- ics2migrate.exe は、server-root\cal\bin ディレクトリに入っています。
移行されるもの
次の表で、ics2migrate が Calendar Server 2.x のデータと LDAP ユーザ基本設定をどのように移行するかを示します。
表 4-1 Calendar Server 2.x データの移行
移行処理を始める前に、Calendar Server 2.x と 5.x の両方のカレンダーデータベースのバックアップをとります。
Calendar Server のインストール先であるターゲットマシンに、システムに対する管理権限を持つユーザとしてログインします。
Solaris マシンの場合は、root としてログインする (あるいは root ユーザになる) か、またはインストール時に指定した Calendar Server を実行しているユーザおよびグループとして (icsuser および icsgroup など) ログインします。
Calendar Server 2.x の caldb.conf ファイルを検出します。このファイルのデフォルトディレクトリは、プラットフォームによって異なります。Windows NT マシンの場合は、完全な管理者権限を持つ管理者としてログインします。
caldb.conf ファイルの 1 行目を次のように変更します
。
データの整合性を保つため、Calendar Server 2.x と 5.x の両方のサービスをすべて停止します。詳細については、iPlanet マニュアルウェブサイトにある『iPlanet Calendar Server 管理者ガイド』を参照してください。
Calendar Server 2.x のデータベースと LDAP ユーザ基本設定の両方を移行する場合
ics2migrate [-q] [-s def|none] [-f def|none] [-l min|max] source target
Calendar Server 2.x データベースだけを移行する場合
ics2migrate [-q] [-m db] [-s def|none] [-f def|none] [-l min|max] source target
注 構文を表示するには、オプションを付けないで ics2migrate と入力します。
表 4-3 では、ics2migrate のオプションについて説明します。
移行結果のチェック
移行処理が終了したら、その結果をチェックします。
server-root\cal\bin ディレクトリにある ics2migrate.log ファイルに次のメッセージがあるかどうかをチェックします。(メッセージは、どのような移行処理を選択したかによって異なります)
データベースが壊れているのではないかと思われる場合には、csdb ユーティリティの check コマンドを実行してください。
- データベース移行は正常に終了しました
- LDAP ユーザ基本設定の移行は正常に終了しました
- check コマンドは、カレンダーデータベースが壊れていないかどうかをスキャンして調べます。回復不能な非整合性を check コマンドが見つけた場合には、その状況がスキャン結果にレポートされます。ここで、必要に応じて csdb ユーティリティの rebuild コマンドを実行することにより、カレンダーデータベースを再構築できます (caldb)。
- csdb ユーティリティの check コマンドと rebuild コマンドの詳細については、iPlanet マニュアルウェブサイトにある『iPlanet Calendar Server 管理者ガイド』を参照してください。
カレンダーデータベースと LDAP ユーザ情報の両方の移行
LDAP ユーザ情報と Calendar Server 2.x データベースの両方を移行します。Calendar Server 2.x のデータベースは /var/opt/SUNWicsrv/2x_db ディレクトリに、5.1 のデータベースは /var/opt/SUNWics5/50_db ディレクトリに格納されます。あらゆるカレンダーに対する空き時間/予定あり設定とスケジュール設定のアクセス権を付与し、server-root\cal\bin ディレクトリにある ics2migrate.log というログファイルに最低限の統計情報を記録します。
ics2migrate /var/opt/SUNWicsrv/2x_db /var/opt/SUNWics5/50_db -l min
Quiet モードでの移行
上記の例と同じ移行を Quiet モードで行います。ics2migrate は、移行統計情報をコンソール上に表示することもログファイルを生成することもしません。ics2migrate -q /var/opt/SUNWicsrv/2x_db /var/opt/SUNWics5/50_db
カレンダーデータベースだけの移行
2x_db ディレクトリ (現在のディレクトリに対して相対的) に格納されている 2.x カレンダーデータベースだけを移行し、/var/opt/SUNWics5/50_db ディレクトリに 5.1 データベースを作成します。ics2migrate -m db 2x_db /var/opt/SUNWics5/50_db
LDAP ユーザ情報だけの移行
Calendar Server 2.x LDAP ユーザ情報だけをバージョン 5.1 フォーマットに移行します。
カレンダーデータベースと LDAP ユーザ情報の両方の移行
LDAP 情報とカレンダーデータベース情報の両方を指定ディレクトリに移行します。各ユーザのデフォルトカレンダーに対してだけスケジュール設定アクセス権を付与し、サーバ上の全カレンダーに対する空き時間/予定あり設定アクセス権を付与しません。統計情報はログファイルに記録しません。ics2migrate -s def -f none 2x_db 50_db
Netscape Calendar Server 4.x からの移行
以降では、ncs4migrate 移行ユーティリティを使用して Netscape Calendar Server 4.x カレンダーデータを iPlanet Calendar Server に移行する方法について説明します。Netscape Calendar Server 4.x カレンダーは、開発会社 Corporate Software & Technologies Int. Inc. では CS&T カレンダーとも呼ばれています。
移行要件
- 1. Calendar Server 5.0 データベースのバックアップ
- 2. 移行準備
- 3. データの移行
- 複数のノードからのデータの移行
- 移行ログファイルのチェック
- 4. 移行データのチェック
移行要件
移行するには、次のハードウェアとソフトウェアが必要です。
ソースマシン−このマシン (1 台または複数台) には、Netscape Calendar Server 4.0 (またはそれ以上) の移行対象データが入っています。
ソースマシンとターゲットマシンは、別々のサーバであっても同一のサーバであってもかまいません。次のプラットフォームがサポートされています。ターゲットマシン−このマシンには、移行先である Calendar Server 5.0 データベースが入っています。Calendar Server 5.0 Patch 4 (またはそれ以上) を稼動している必要があります。
移行されるもの
次の表で、ncs4migrate が Netscape Calendar Server データを Calendar Server 5.0 に移行する方法を示します。
Calendar Server 5.0 データベースのバックアップ
移行処理をはじめる前に、以下の手順を行なってカレンダーデータベースの整合性を保つことをお勧めします。
csbackup ユーティリティ (または他のバックアップユーティリティ) を使用してカレンダーデータベースのバックアップを作成します。.
csdb ユーティリティの check コマンドをカレンダーデータベースに対して実行し、データベースが壊れていないかどうかをチェックします。check コマンドによって破損箇所が検出された場合は、csdb ユーティリティの rebuild コマンドを実行してデータベースを再構築します。
- csbackup の詳細については、iPlanet マニュアルウェブサイトにある『iPlanet Calendar Server 管理者ガイド』を参照してください。
- csdb ユーティリティと csbackup ユーティリティの詳細については、iPlanet マニュアルウェブサイトにある『iPlanet Calendar Server 管理者ガイド』を参照してください。
移行準備
ncs4migrate ユーティリティを実行する前に、以下の手順をターゲットマシン上で行います。
root としてログインする (あるいは root ユーザになる) か、システムに対する管理権限を持つユーザとしてログインし ます。
以上で、Netscape Calendar Server 4.0 データの移行準備が完了しました。server-root\cal\bin ディレクトリに移動します。
ncs4dirpaths.dat というテキストファイルを作成し、Netscape Calendar Server 4.0 を指す完全修飾ディレクトリパスを指定します。たとえば、次のようになります。
選択したユーザだけを移行する場合には、同じ server-root\cal\bin ディレクトリ内に ncs4userfilter.dat というユーザフィルタファイルを作成します。ncs4userfilter.dat は、移行対象のユーザを指定するテキストファイルです。次のいずれかのフォーマットで、1 行につき 1 名のユーザを指定します。
- /apps/ncs/calendar/unison/db/nodes/N0/perm
- Netscape Calendar Server 4.0 データベースが入っているディレクトリを検出するには、unison.dbd ファイルを検索します。
- 必要に応じ、ncs4migrate がノードにアクセスするために必要な条件を満たしてノードにアクセスし、Netscape Calendar Server 4.0 データベースが入っているディレクトリを読み込みます。
注 $CAL_HOME などの変数はパス名の中で使用しないでください。変数は、移行処理時に解決されません。
- 複数のノード上のデータのための ncs4dirpaths.dat ファイルを作成する方法については、複数のノードからのデータの移行を参照してください。
LDAP サーバが稼動していることを確認してください。
- 次は、ncs4userfilter.dat ファイルのエントリ例です
- caluser1
caluser2
10000:00256
10000:00257
- 1 つの ncs4userfilter.dat ファイルの中で両方のフォーマットを使用できます。
移行処理中にカレンダーデータベースが更新されないようにするため、iPlanet Calendar Server を停止してください。ただし、Netscape Calendar Server は、稼動していても停止していてもどちらでもかまいません。
root として、またはシステムに対する管理権限を持つユーザとしてログインし、必要があれば server-root\cal\bin ディレクトリに移動します。
ncs4migrate メニューで S オプションを指定すると、全ユーザが移行されます。ユーザフィルタファイル (ncs4userfilter.dat) に指定されているユーザだけを移行する場合には、O オプションを指定します。
- ncs4migrate ユーティリティが、表 4-5 のオプションとともにウェルカムメニューを表示します。
移行ログファイルを監視して移行ステータスをチェックします。詳細については、「移行ログファイルのチェック」を参照してください。
移行処理が終了したら、移行したカレンダーデータベースを「移行データのチェック」のとおりにチェックします。
複数のノードからのデータの移行
Netscape Calendar Server 4.0 のデータを複数のノードから移行するには、ターゲットマシン上で次の手順を行います。
root として、またはシステムに対する管理者権限を持つユーザとしてログインし、各ノードの Netscape Calendar Server 4.0 データベースディレクトリを ncs4migrate の実行場所であるマシンにコピーします。(Netscape Calendar Server の各 4.0 ディレクトリには unison.dbd ファイルが入っています。)
server-root\cal\bin ディレクトリに移動します。
- Netscape Calendar Server 4.0 データを各ノードから直接移行することも可能ですが、そのためには、他のノード上の Netscape Calendar Server 4.0 データに ncs4migrate がアクセスするための要件を、まず最初に満たす必要があります。
全ノードからのデータについて、ディレクトリパス名を ncs4dirpaths.dat ファイルに指定します。たとえば、次の ncs4dirpaths.dat ファイルには、3 つのノードのディレクトリパスが入っています。
移行ユーティリティを実行するには、コマンドラインに ncs4migrate と入力します。
- /apps/ncs/calendar/unison/db/nodes/N0/perm /apps/ncs/calendar/unison/db/nodes/N1/perm /apps/ncs/calendar/unison/db/nodes/N2/perm
ncs4migrate メニューで S オプションを指定すると、全ユーザが移行されます。ユーザフィルタファイル (ncs4userfilter.dat) に指定されているユーザだけを移行する場合には、O オプションを指定します。
移行ログファイルを監視して移行ステータスをチェックします。詳細については、「移行ログファイルのチェック」を参照してください。
移行処理が終了したら、移行したカレンダーデータベースを「移行データのチェック」のとおりにチェックします。
移行ログファイルのチェック
ncs4migrate ユーティリティは、バイナリが入っているディレクトリに次の名前のログファイルを生成します (デフォルトは server-root\cal\bin)。ncs4migrate_yyyymmdd-hhmmss.log
yyyymmdd-hhmmss は、移行開始時刻を示すタイムスタンプです。
ncs4migrate ユーティリティの実行に時間がかかる場合は、ログファイルのサイズをチェックしてください。ファイルのサイズが増え続けていれば、ユーティリティはまだ実行中です。
注 ログファイルが大きくなりすぎないようにするには、ncs4migrate の verbose (V) オプションを使用するとよいでしょう。
移行データのチェック
移行処理が終了したら、ターゲットマシン上で次の手順を行います。
csdb ユーティリティの check コマンドをカレンダーデータベースに対して実行し、データベースが壊れていないかどうかをチェックします。check コマンドによって破損箇所が検出された場合は、csdb ユーティリティの rebuild コマンドを実行してデータベースを再構築します。
必要であれば、Calendar Server を再起動します。
- csdb ユーティリティの check コマンドと rebuild コマンドの詳細については、iPlanet マニュアルウェブサイトにある『iPlanet Calendar Server 管理者ガイド』を参照してください。
- Calendar Express を使用すれば、移行したカレンダーデータベースにアクセスできます。
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最終更新日: 2002 年 1 月 18 日