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Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition 管理者用設定ファイルリファレンス

第 1 章
サーバー動作の基本

SunTM Open Net Environment (Sun ONE) Application Server 7, Enterprise Edition の設定および動作は設定ファイルで決まります。管理インタフェースまたはコマンド行を使用すると、これらの設定ファイルの設定を変更できます。

この章には次の節があります。


設定ファイル

Sun ONE Application Server の設定および動作は設定ファイルによって制御されます。設定ファイルは、instance_dir/config/ ディレクトリにあります。このディレクトリには、異なるコンポーネントを制御するためのさまざまな設定ファイルがあります。設定ファイルの実際の数と名前は、サーバーで有効になっているコンポーネントまたはサーバーに読み込まれたコンポーネントによって異なります。

ただし、このディレクトリには、サーバーの動作に不可欠な 4 つの設定ファイルが常に含まれています。

dbswitch.conf および loadbalancer.xml などのその他の重要な設定ファイルについては、第 5 章「その他の設定ファイル」を参照してください。

server.xml

このファイルには、ほとんどのサーバー設定情報が含まれています。ファイルの書式と内容は、スキーマファイル sun-server_1_1.dtd に定義されます。サーバーがどのように sun-server_1_1.dtd および server.xml を使用するかについての詳細は、第 2 章「サーバー設定ファイル」を参照してください。

init.conf

このファイルでは、初期化時にサーバーを設定する変数の値を設定します。サーバーはこのファイルを参照し、起動時に設定を実行します。サーバーは、再起動されるまでこのファイルを再び参照することはありません。サーバーがどのように init.conf を使用するかについては、第 3 章「init.conf の構文と使い方」を参照してください。

obj.conf

このファイルには、クライアントからの HTTP 要求の処理方法、またネイティブサーバープラグインや CGI プログラムなどの Web サーバーのコンテンツの提供方法をサーバーに示す指示が含まれています。obj.conf ファイルには、要求応答プロセスの各段階でどのような処理を行うかを Sun ONE Application Server に指示する命令 (指令) が含まれています。サーバーは、クライアントからの要求を処理するときは必ず、このファイルで定義されている設定を参照します。

すべての obj.conf ファイルは、instance_dir/config/ ディレクトリにあります。複数の仮想サーバーが obj.conf ファイルを共有するように設定されている場合を除き、仮想サーバーごとに 1 つの obj.conf ファイルがあります。このマニュアルで示す「obj.conf ファイル」とは常に、すべての obj.conf ファイル、または説明中の仮想サーバーの obj.conf ファイルのことを指します。

プレフィックスを持たない obj.conf ファイルは、各仮想サーバーの obj.conf ファイルを作成するときに Sun ONE Application Server が使用するテンプレートです。このファイルを編集しても既存の仮想サーバーには影響しません。ただし、それ以後に作成する仮想サーバーには影響します。

デフォルト設定では、アクティブな obj.conf ファイルには virtual_server_name-obj.conf という名前が付けられます。サーバーインスタンスのデフォルトの仮想サーバーにはインスタンスに基づいた名前が付けられるので、サーバーインスタンスの作成時に obj.conf ファイルには instance_name-obj.conf という名前が付けられます。

サーバーがどのように obj.conf を使用するかの詳細については、『Sun ONE Application Server Developer's Guide to NSAPI』を参照してください。

mime.types

このファイルは、ファイル拡張子を MIME タイプにマップして、要求されたリソースのコンテンツタイプをサーバーが判別できるようにします。たとえば、.html 拡張子を持つリソースの要求は、クライアントが HTML ファイルを要求していることを意味し、.gif 拡張子を持つリソースの要求は、クライアントが GIF フォーマットのイメージファイルを要求していることを意味します。サーバーがどのように mime.types を使用するかについては、第 4 章「MIME タイプ」を参照してください。


動的再設定

server.xml ファイルの applications 要素と resources 要素に変更を加えると、その変更内容はすぐに適用されます。たとえば、JavaTM 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM プラットフォーム) アプリケーションの配備、JavaTM Database Connectivity (JDBCTM) 接続プールの登録などの変更がこれに該当します。変更内容を適用するために、サーバーを再起動する必要はありません。

loadbalancer.xml ファイルの変更がすぐに適用されるように設定したい場合は、このファイルの reload-poll-interval-in-seconds プロパティを変更します。詳細については、「loadbalancer.xml」を参照してください。

次のファイルに変更を加えた場合、変更内容を適用するためにサーバーを再起動する必要はありません。ただし、変更内容を明示的に適用する必要があります。

変更内容を適用するには、次のように管理インタフェースを使います。

  1. サーバーインスタンスのページに移動します。
  2. 「General (一般)」タブを選択します。
  3. 「Select the Apply Changes (変更の適用)」ボタンを選択します。

または、次のようにコマンド行を使います。

asadmin reconfig --user user [--password password] [--passwordfile password_file] [--host machine] [--port port] [--discardmanualchanges=false | --keepmanualchanges=false] instance_name

次に例を示します。

asadmin reconfig --user joeuser --password secret --keepmanualchanges=true server1

設定を変更してその変更を適用すると、上記に示した動的に設定可能なファイル内のすべての情報を含む新しい設定がメモリーに読み込まれます。


設定の変更を適用すると、サーバーインスタンスがエラーメッセージを表示する場合があります。たとえば、セキュリティがオンになっているときに変更を適用すると、設定が正しくない旨のエラーが表示されることがあります。

このエラーメッセージが表示された場合は、「Instance restart is required (インスタンスの再起動が必要です)」または「Server restart needed (サーバーの再起動が必要です)」などの再起動メッセージが表示されたらただちにインスタンスを再起動します。再起動が遅れると、同じエラーメッセージが繰り返し表示されることがあります。



設定ファイルの手動編集

管理インタフェースまたはコマンド行からサーバーインスタンスに変更を加えた場合、変更内容はメモリーに格納されます。変更内容を適用すると、この情報が内部で設定ファイルに書き込まれます。

手動で設定ファイルを編集してサーバーインスタンスに変更を加えた場合、ユーザーが変更内容を適用するまで、サーバーインスタンスは変更内容を認識しません。

このため、変更内容を適用せずに 2 種類の変更を加えるときは、どちらか一方の変更内容を確保し、もう一方を破棄する必要があります。このように、設定ファイルを手動で編集する場合、変更内容が上書きされることがあります。

ただし、loadbalancer.xml ファイルは例外です。このファイルは必ず手動で編集します。詳細については、「loadbalancer.xml」を参照してください。

次に、手動で設定ファイルを編集する際の注意事項を示します。


クラスタの再設定

サーバーインスタンスのクラスタの設定を変更するには、cladmin コマンドを使用します。このコマンドでは、クラスタに対して次の操作を実行できます。

詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。



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