Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

第 36 章 lx ブランドゾーンへのログイン (手順)

この章では、次の内容について説明します。

zlogin コマンドの概要

zlogin コマンドを使用して、大域ゾーンから稼働状態または準備完了状態にある任意のゾーンにログインします。


注 –

稼働状態にないゾーンへのログインに使用できるのは、zlogin コマンドと -C オプションの組み合わせだけです。


-C オプションを使用してゾーンコンソールに接続しない限り、zlogin を使用してゾーンにログインすると、新しいタスクが開始されます。1 つのタスクを 2 つのゾーンで実行することはできません。

「非対話型モードを使用して lx ブランドゾーンにアクセスする方法」に記述されているとおり、ゾーン内での実行を指示するコマンドを指定することで、zlogin コマンドを非対話型モードで使用できます。ただし、このコマンドおよびこのコマンドの処理対象となるファイルは、いずれも NFS 上に存在していてはなりません。開かれているファイルのいずれか、またはそのアドレス空間のいずれかの部分が NFS 上に存在する場合、コマンドは失敗します。アドレス空間には、コマンドの実行可能ファイル自体またはリンクされたライブラリが含まれます。

大域ゾーンを操作する大域管理者が使用できるのは、zlogin コマンドだけです。詳細は、zlogin(1) のマニュアルページを参照してください。

lx ブランドゾーンへのログイン方法

ゾーンコンソールログインおよびユーザーログインの方法の概要については、「非大域ゾーンへのログイン方法」を参照してください。

ログインで問題が発生し、zlogin コマンドまたは zlogin コマンドと -C オプションを使用してゾーンにアクセスできない場合は、フェイルセーフモードを使用します。このモードについては、「フェイルセーフモード」を参照してください。

ゾーンへのリモートログインについては、「リモートログイン」を参照してください。

対話型モードでは、ゾーン内部で使用する新しい仮想端末が割り当てられます。非対話型モードは、ゾーンを管理するシェルスクリプトを実行する場合に使用します。詳細は、「対話型モードと非対話型モード」を参照してください。

ブランドゾーンへのログイン手順 (作業マップ)

タスク 

説明 

説明 

ゾーンにログインします。 

ゾーンへのログインには、コンソールを使用する、対話型モードを使って仮想端末を割り当てる、またはゾーン内で実行するコマンドを指定する方法があります。実行するコマンドを指定する場合、仮想端末は割り当てられません。ゾーンへの接続が拒否された場合は、フェイルセーフモードを使用してログインすることもできます。 

lx ブランドゾーンへのログイン」

ブランドゾーンから抜けます。 

ブランドゾーンへの接続を切り離します。 

lx ブランドゾーンから抜ける方法」

ブランドゾーンを停止処理します。 

shutdown ユーティリティーまたはスクリプトを使用して、ブランドゾーンを停止処理します。

zlogin を使用して lx ブランドゾーンを停止処理する方法」

lx ブランドゾーンへのログイン

zlogin コマンドを使用して、大域ゾーンから稼働状態または準備完了状態にある任意のゾーンへログインします。詳細は、zlogin(1) のマニュアルページを参照してください。

次の手順に示すように、ゾーンへのログインはさまざまな方法で実行できます。「リモートログイン」で説明されているように、リモートでログインすることも可能です。

Procedurelx ブランドゾーンコンソールへのログイン方法

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. zlogin コマンドを -C オプションと lx-zone などのゾーン名とともに使用します。


    global# zlogin -C lx-zone
    [Connected to zone 'lx-zone' console]

    注 –

    zoneadm boot コマンドの実行後、すぐに zlogin セッションを開始すると、ゾーンからのブートメッセージが表示されます。


    INIT: version 2.85 booting
    	                Welcome to CentOS
    	                Press 'I' to enter interactive startup.
    	Configuring kernel parameters:  [  OK  ]
    	Setting hostname lx-zone:  [  OK  ]
    	[...]
    	CentOS release 3.6 (Final)
    	Kernel 2.4.21 on an i686

  3. ゾーンコンソールが表示されたら、root でログインし、Return キーを押します。プロンプトが表示されたら root のパスワードを入力します。


    lx-zone console login: root
    Password:

    注 –

    ゾーンを Sun tarball からインストールした場合、root (スーパーユーザー) パスワードは root です。ゾーンを ISO イメージまたは CD からインストールした場合、root (スーパーユーザー) パスワードは未設定 (空白) です。


Procedure対話型モードを使用してブランドゾーンにアクセスする方法

対話型モードでは、ゾーン内部で使用する新しい仮想端末が割り当てられます。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 大域ゾーンからゾーン (例: lx-zone) にログインします。


    global# zlogin lx-zone
    

    次のような情報が表示されます。


    [Connected to zone 'lx-zone' pts/2]
    Last login: Wed Jul  3 16:25:00 on console
    Sun Microsystems Inc. SunOS 5.10 Generic July 2006
  3. exit と入力して、接続を閉じます。

    次のようなメッセージが表示されます。


    [Connection to zone 'lx-zone' pts/2 closed]

Procedure稼働中の環境を確認する方法

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. ゾーン (例: lx-zone) にログインします。


    global# zlogin lx-zone
    
  3. Solaris オペレーティングシステムの下で Linux 環境が稼働していることを確認します。


    [root@lx-zone root]# uname -a
    

    次のような情報が表示されます。


    Linux lx-zone 2.4.21 BrandZ fake linux i686 i686 i386 GNU/Linux 

Procedure非対話型モードを使用して lx ブランドゾーンにアクセスする方法

ゾーン内部で実行されるコマンドを指定すると、非対話型モードが有効になります。非対話型モードでは、新しい仮想端末は割り当てられません。

コマンドおよびコマンドの処理対象のファイルは、いずれも NFS 上に存在してはならないことに注意してください。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 大域ゾーンから lx-zone ゾーンにログインして、コマンド名を入力します。

    command には、ゾーン内で実行するコマンドの名前を指定します。


    global# zlogin lx-zone command
    

例 36–1 ゾーン lx_master でコマンド uptime を使用する


global#  zlogin lx_master uptime
	21:16:01  up  2:39,  0 users,  load average: 0.19, 0.13, 0.11
	fireball#

Procedurelx ブランドゾーンから抜ける方法

  1. 非大域ゾーンへの接続を切り離すには、次のいずれかの方法を使用します。

    • ゾーンの非仮想コンソールを終了するには、次の操作を行います。


      zonename# exit
      
    • ゾーンの仮想コンソールへの接続を切り離すには、次のようにチルダ (~) 文字とピリオドを使用します。


      zonename# ~.
      

      画面には、次のようなメッセージが表示されます。


      [Connection to zone 'lx-zone' pts/6 closed]
参照

zlogin コマンドのオプションの詳細については、zlogin(1) のマニュアルページを参照してください。

Procedureフェイルセーフモードを使用して lx ブランドゾーンに入る方法

ゾーンへの接続が拒否された場合、zlogin コマンドと -S オプションを使用して、ゾーン内の最小環境に入ることができます。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 大域ゾーンから、zlogin コマンドと -S オプションを使用してゾーン (例: lx-zone) にアクセスします。


    global# zlogin -S lx-zone
    

Procedurezlogin を使用して lx ブランドゾーンを停止処理する方法


注 –

大域ゾーンで init 0 を実行して Solaris システムの完全な停止処理を実行すると、システム内のそれぞれの非大域ゾーンでも init 0 が実行されます。init 0 は、ローカルユーザーとリモートユーザーに対してシステムが停止する前にログオフするよう警告しないので、注意してください。


ゾーンを正しく停止処理するには、次の手順を実行します。停止処理スクリプトを実行せずにゾーンを停止する方法については、「ゾーンの停止方法」を参照してください。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 停止処理を行うゾーン (例: lx-zone) にログインし、ユーティリティーの名前として shutdown を、状態として init 0 を指定します。


    global# zlogin lx-zone shutdown -y -g0 -i0
    

    サイトによっては、特定の環境に合わせた独自の停止処理スクリプトが存在する場合もあります。

非対話型モードでの shutdown の使用

現時点では、非対話型モードで shutdown コマンドを使って、ゾーンをシングルユーザー状態にすることはできません。詳細は、6214427 を参照してください。

「対話型モードを使用してブランドゾーンにアクセスする方法」の説明に従って、対話型ログインを使用できます。