2.2. Sun Ray サーバー発見を構成する

2.2.1. ファームウェアサーバー
2.2.2. セッションサーバー
2.2.3. ドメインネームサービス (DNS) の使用

クライアントによって検出され使用される必要のあるサービスタイプは 2 つあります。

デフォルトでは、これらのサービスは同じサーバーで提供されますが、別々にすることもできます。これらのサーバーが発見される方法を構成するには多くの方法があります。このセクションでは、事前定義された DNS エントリを使用して、クライアントがサーバーを検索できるようにする方法を説明します。詳細度や柔軟度がより高い可能性のあるその他の発見方法については、Chapter 20, 代替ネットワークの構成を参照してください。

オンスクリーンディスプレイ (OSD) が有効な場合は、クライアントのサーバー発見時のステータスが表示されます。たとえば DNS ルックアップ時には、ルックアップされている名前と (これが見つかった場合) その IP アドレスが OSD ウィンドウのステータス行に表示されます。

2.2.1. ファームウェアサーバー

Sun Ray Software 5.3 から、Sun Ray クライアント用のファームウェア (Sun Ray Operating Software と呼ばれます) は別途ダウンロードして Sun Ray サーバー上にインストールする必要があります。Sun Ray クライアント用の最新 Sun Ray Operating Software を提供する Sun Ray サーバーは、ファームウェアサーバーとみなされます。詳細については、Section 3.2.4, “Sun Ray Software をインストールする前にファームウェアをインストールする”を参照してください。

Sun Ray クライアントは、適切に構成された環境でブートするときに、ファームウェアサーバーでチェックを行い、Sun Ray Operating Software の更新が必要かどうかを判断します。Sun Ray クライアントのファームウェアサーバーは、次の順序で発見されます。

  1. ローカルで構成された値 (構成 GUI を使用して構成)

  2. DHCP Sun Ray ベンダーオプション (FWSrvr)

  3. 標準の DHCP オプション 66 (TftpSrvr) (IP アドレスまたは DNS 名)

  4. sunray-config-servers の DNS 検索 (複数アドレスにマップされている場合はランダムに 1 つを選択)

成功するまでこれらの各値が順番に試行されます。DNS 検索は試行される最後の値ですが、以下で説明するように推奨されるファームウェア発見構成です。

ローカル構成値が使用されて失敗した場合は、ほかのものは試行されません。これにより、制御しているファームウェアサーバーが一時的に応答しなくなるような状況で、カスタム構成ファームウェアが上書きされることを防ぎます。Sun Ray クライアントがファームウェアサーバーを検出する方法の詳細については、Section 13.18, “Sun Ray クライアントのブートプロセス”を参照してください。

ファームウェアサーバーが Sun Ray クライアントによって発見されると、クライアントは TFTP 経由でパラメータファイル (.parms) を取得します。このファイルは、現在インストールされている Sun Ray Operating Software がファームウェアサーバー上のバージョンよりも古いかどうかを判定するためにクライアントによって使用されます。その場合は、クライアントでより新しいファームウェアが自動的にダウンロードおよびインストールされます。

ファームウェアのダウンロードでエラーが発生した場合、OSD 表示アイコン (有効な場合) によるエラーメッセージが問題の診断と訂正に役立つ可能性がある追加情報を示します。詳細については、Chapter 16, Sun Ray クライアントのトラブルシューティングアイコンを参照してください。

Note

デフォルトでは、クライアントのファームウェアは、Sun Ray サーバーの .parms ファイルによって提供される構成を使用し、ファームウェアを管理するための集中管理メカニズムを提供します。ただし、クライアントで GUI を有効にできるため、ユーザーは Sun Ray クライアントのローカル構成を変更できます。詳細については、Chapter 14, Sun Ray クライアントのファームウェアを参照してください。

2.2.2. セッションサーバー

ブートプロセスで、最新のファームウェアがインストールされていることをクライアントが解決した次の手順は、Sun Ray サーバーからセッションを取得することです。ファームウェアサーバーの発見の場合と同様に、クライアントは次の順序でセッションサーバーを検索します。

  1. ローカルで構成された値 (構成 GUI を使用して構成)

  2. 標準の DHCP オプション 49 (IP アドレスまたは DNS 名)

  3. クライアントの .parms ファイル内の servers= キー

  4. sunray-servers の DNS 検索 (複数アドレスにマップされている場合はランダムに 1 つを選択)

成功するまでこれらの各値が順番に試行されます。DNS 検索は試行される最後の値ですが、Section 2.2.3, “ドメインネームサービス (DNS) の使用”の説明のように、推奨されるセッションサーバー発見です。

Sun Ray クライアントがセッションサーバーを検出する方法の詳細については、Section 13.18, “Sun Ray クライアントのブートプロセス”を参照してください。

2.2.3. ドメインネームサービス (DNS) の使用

サーバー発見を構成する方法は複数ありますが、推奨される方法は、DNS エントリを使用することです。Sun Ray の DNS エントリが Sun Ray クライアントに適切に定義されている場合は、基本的なネットワーク情報以外に Sun Ray クライアントで必要な追加の DHCP パラメータはありません。サーバーの解決にデフォルトの DNS 方法が使用される場合は、Sun Ray クライアント構成およびファームウェア更新に使用できる方法は TFTP 転送のみです。

Sun Ray サーバー発見用の DNS エントリは次のとおりです。

  • sunray-config-servers (ファームウェアサーバー用)

  • sunray-servers (セッションサーバー用)

どちらの場合も、DNS エントリに複数のサーバーアドレスが含まれている場合は、1 つがランダムに選択されます。また、どちらのエントリも冗長性のために、フェイルオーバーグループ内の複数のサーバーで構成されるべきです。

Note

Sun Ray クライアントのファームウェアに組み込まれた DNS クライアントでは、多くの値を IP アドレスではなく名前として指定できます。ほとんどの値は、名前または IP アドレスにできます。名前が指定されている場合は、DNS ルックアップは DHCP (または構成 GUI) で指定されるドメイン名を付加します。ルックアップが成功するまで、または 2 つのコンポーネントに絞り込まれるまで、コンポーネントやドメイン名が次々と検索されます。これらのルックアップがすべてが失敗した場合、名前自体がルックアップされます。名前自体がドット文字 (「.」) で終わる場合は、名前がルートの名前と見なされ、ドメイン名コンポーネントが付加されずにルックアップされます。