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Oracle Solaris 11 インストールマニュアルページ Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- 自動インストーラ (AI) で使用するための JumpStart ルールおよびプロファイルの変換
js2ai [-h | --version]
js2ai -r | -p profile_name [-d jumpstart_dir] [-D destination_dir] [-lSv]
js2ai -s [-d jumpstart_dir] [-D destination_dir] [-Sv]
js2ai -V manifest
js2ai は、Oracle Solaris 10 JumpStart の rules、プロファイル、および syscfg 構成ファイルを、自動インストーラ (AI) と互換性がある形式に変換するためのユーティリティーです。このユーティリティーは最適な方法で、AI コンテキストに変換可能な JumpStart キーワードを変換します。この変換で JumpStart と完全に 1 対 1 で対応するものは作成されませんが、あとで JumpStart 構成ファイルから収集された情報に基づいて、完全な AI 構成設定を作成するためのテンプレートとして使用できる AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルのエントリが提供されます。
js2ai を使用すると、次の操作を実行できます。
現在の作業用ディレクトリにおける rules ファイルおよび関連付けられたプロファイルの処理。
指定されたディレクトリにおける rulesファイルおよび関連付けられたプロファイルの処理。
特定のプロファイルまたは sysidcfg ファイルの処理。
生成された出力ファイルの特定のディレクトリへの送信。js2ai 出力ファイルについての詳細は、「使用例」および「ファイル」のセクションを参照してください。
表 1 JumpStart ルールのキーワード変換
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js2ai でサポートされていない JumpStart ルールのキーワード:
any installed disksize osname domainname probe hostname totaldisk
表 2 JumpStart プロファイルのキーワード
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js2ai でサポートされていない JumpStart プロファイルのキーワード:
archive_location geo backup_media layout_constraint bootenv local_customization client_arch metabd client_root no_master_check client_swap no_content_check cluster num_clients dontuse patch forced_deployment
プロファイルの変換中にシステムのルートディスクを決定する方法
プロファイルの変換プロセス中は、js2ai はプロファイルが参照する実際のシステムにアクセスしないため、js2ai はできる限り JumpStart と一致するプロセスを使用して、変換中にルートディスクを決定しようとします。
js2ai ツールは次のステップを実行して、ルートディスクで使用するデバイスを決定します。
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プロファイルの変換中に任意のデバイスを変換する方法
js2ai ツールは次のステップを実行して、any キーワードが指定されているときに使用するデバイスを決定します。
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プロファイルの変換中に ZFS ルートプールを決定する方法
js2ai ツールは次のステップを実行して、ZFS ルートプールで使用するデバイスを決定します。ZFS ルートプールが決定されると、その後に検出される定義がすでに決定されている ZFS ルートプールと競合する場合、エラーとしてフラグが設定されます。
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表 3 JumpStart sysidcfg キーワード
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js2ai でサポートされていない JumpStart sysidcfg キーワード:
nfs4_domain
js2ai コマンドには次のオプションがあります。これらのオプションの使用については、「使用例」のセクションで説明します。
使用法のヘルプメッセージを表示します。
js2ai ユーティリティーのバージョン番号を表示します。
rules ファイルおよびプロファイルファイル、または sysidcfg ファイルの場所を指定します。
出力ファイルの場所を指定します。
JumpStart プロファイルでの package キーワード値に相当する Image Packaging System (IPS) の値を検索する場合は、IPS パッケージリポジトリのパッケージではなく、ホストシステムにインストールされている IPS パッケージを検索します。
指定された JumpStart プロファイルを変換し、処理されたプロファイルに対応するマニフェストを生成します。この場合、条件ファイルは必要ないか、または生成されません。
ルールおよび関連付けられたプロファイルを変換し、処理されたプロファイルごとにマニフェストを生成します。
sysidcfg ファイルを処理し、その結果を sc_profile.xml に出力します。
検証をスキップします。
処理中に発生したアクションに関する詳細を表示します。
指定した AI マニフェストファイルまたは SMF システム構成プロファイルファイルを検証します。AI 条件の検証はサポートされていません。
js2ai ツールは、変換中に 1 つ以上のエラーが発生するとエラーレポートを生成します。
# js2ai -r Process Unsupported Conversion Validation Name Warnings Errors Items Errors Errors -------- -------- ------- ----------- ---------- ---------- rules 0 0 2 0 - profile1 0 0 0 2 1 Conversion completed. One or more failures occurred. For errors see ./js2ai.log
レポートには、js2ai でエラーが発生したファイルごとに 1 つのエントリが含まれます。エラーが発生しない場合でもエラーレポートを生成するには、- v または --verbose を指定します。
レポートでは、どのファイルでどのタイプのエラーが発生したのかが報告されます。定義されるエラーのタイプは、警告、処理エラー、サポート外項目、変換エラー、および検証エラーの 5 つです。
このメッセージの項目は修正する必要がありません。たとえば、ホスト名や root パスワードなどの情報が指定されなかったため、デフォルト値が使用される旨の警告メッセージを受信する場合があります。
このエラーは、js2ai がファイルまたはファイル内の行を処理できなくなる問題を指します。通常、処理エラーはファイルに構文エラーがある場合に発生します。
この項目は、js2ai でサポートされていない行を指します。キーワードに関連付けられた値を変更すると、このエラーが発生しなくなる場合があります。
このエラーは、js2ai が行を処理できなくなる状況を指します。これらのエラーを手動で修正するか、または問題のある行をファイルから削除するようにしてください。
このエラーは、AI で使用されるスキーマ定義に対して生成されたマニフェストを検証したときに発生するエラーを指します。マニフェストが AI で使用される前に、これらのエラーを修正する必要があります。
js2ai.log ファイルには、どの行でどのエラーが発生したのかが示されます。
# cat js2ai.log rules: line 4: unsupported keyword: disksize rules: line 4: unsupported keyword: installed net924_sun4c: line 4: unsupported keyword: cluster net924_sun4c: line 5: unsupported keyword: num_clients net924_sun4c: line 6: unsupported keyword: client_swap net924_sun4c: line 7: unsupported keyword: client_arch upgrade: line 1: unsupported value for 'install_type' specified: upgrade
マニフェストの検証エラーが発生した場合、次の例で示すように、js2ai.log ファイルには検証エラーを含むログファイルへのポインタが含まれます。
Validation Errors: profile1: manifest validation of ./AI_profile1/profile1.xml failed. For details see ./AI_profile1/profile_validation.log
ルールおよびプロファイルの変換で推奨される方針
JumpStart と AI との間には 1 対 1 の変換は存在しません。次のステップは、変換を実行するための一般的な手順を提供します。
js2ai ユーティリティーは、発生したエラーへのフラグ設定を試みます。ただし、js2ai では、変換されるルール、プロファイル、および sysidcfg ファイルが有効であることが前提となっています。
rules、プロファイル、および syscfg 構成ファイルの JumpStart 構成ディレクトリを、install/installadm パッケージがインストールされている Oracle Solaris 11 システムにコピーします。
ステップ 2 で Oracle Solaris 11 システムにコピーした JumpStart 構成ディレクトリで、js2ai 変換ツールを実行します。
# js2ai -rS
このコマンドは、rules ファイルおよび rules ファイルによって参照されるプロファイルで変換操作を実行します。rules ファイルで参照される各プロファイルは、AI クライアントプロビジョニングマニフェスト (/usr/share/auto_install/manifest/default.xml ) に対して処理されます。このステップでは、JumpStart rules ファイルで指定されたプロファイルごとに、AI_profile_name という名前のディレクトリを作成します。AI_profile_name ディレクトリには、変換されたプロファイルごとに 1 つ以上の AI マニフェストが profile_name${arch}.xml の形式で含まれています。詳細は、「ファイル」のセクションを参照してください。
-S オプションは検証処理をスキップします。検証はステップ 5 で実行されます。
「Successfully completed conversion」というメッセージが出力された場合は、ステップ 5 にスキップします。それ以外の場合は、js2ai.log ファイルを検査して、次のステップに従います。
処理エラーを修正します。
rules ファイルおよびプロファイルファイルから、サポート外項目として一覧表示されたすべての行を削除します。
変換エラーを検査して、可能な場合はエラーを修正します。それ以外の場合は、エラーの原因となっている行を削除します。
警告メッセージを検査して、修正が必要ないことを確認します。
処理中のエラー、サポート外項目、および変換エラーが報告されなくなるまで、ステップ 3 を繰り返します。
-S オプションを指定せずに js2ai を再実行します。
# js2ai -r
処理されたプロファイルのいずれかで検証エラーが発生した場合は、生成された AI マニフェストを手動で修正する必要があります。失敗の詳細について、js2ai.log ファイルを検査します。AI マニフェストについての詳細は、AI のドキュメントを参照してください。
この JumpStart 構成に関連付けられた sysidcfg ファイルを変換します。
sysidcfg ファイルごとに、次のコマンドを実行します。
# js2ai -sS -d sysidcfg_dir
このステップは、処理された sysidcfg ファイルごとに、sc_profile.xml という名前の AI システム構成プロファイルファイルを、js2ai コマンドが起動されたディレクトリに作成します。sc_profile.xml ファイルに別のディレクトリを指定するには、-D オプションを使用します。
「変換は正常に完了しました」というメッセージが出力された場合は、ステップ 8 にスキップします。それ以外の場合は、js2ai.log ファイルを検査して、次のステップに従います。
処理エラーを修正します。
sysidcfg ファイルから、サポート外項目として一覧表示されたすべての行を削除します。
変換エラーを検査して、可能な場合はエラーを修正します。それ以外の場合は、エラーの原因となっている行を削除します。
警告メッセージを検査して、修正が必要ないことを確認します。
処理中のエラー、サポート外項目、および変換エラーが報告されなくなるまで、ステップ 6 を繰り返します。
-S オプションを指定せずに js2ai を再実行します。
# js2ai -s -d sysidcfg_dir
処理された sysidcfg ファイルのいずれかで検証エラーが発生した場合は、結果となる AI システム構成プロファイルを手動で修正する必要があります。失敗の詳細について、js2ai.log ファイルを検査します。システム構成プロファイルについては、AI のドキュメントを参照してください。
js2ai 変換プロセスが完了しました。結果となる条件、AI マニフェスト、およびシステム構成プロファイルファイルの手動検証を実行します。Oracle Solaris 11 インストールのディスク容量の要件は、Oracle Solaris 10 インストールで必要なディスク容量とは異なります。AI マニフェスト内で割り当てられたディスク容量が Oracle Solaris 11 の要件を満たしていることを確認します。
新しく生成されたファイルを使用するように AI を構成します。新しく生成された条件、AI マニフェスト、およびシステム構成プロファイルファイルを既存の AI インストールサービスに追加します。
マニフェストを選択するための条件付きで各 AI マニフェストを追加するには、create-manifest サブコマンドを指定した installadm コマンドを使用します。各クライアントは、1 つの AI マニフェストのみを使用できます。
# installadm create-manifest -n ai_service_name \ -f manifest_file -m manifest_name \ -C criteria_file
構成プロファイルを選択するための条件付きで各プロファイルを追加するには、create-profile サブコマンドを使用します。各クライアントは、1 つ以上のシステム構成プロファイルを使用できます。
# installadm create-profile -n ai_service_name \ -f profile_file -p profile_name \ -C criteria_file
AI インストールサービスの構成についての詳細は、AI のドキュメントおよび installadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
例 1 JumpStart 構成を処理する
次のコマンドは、現在のディレクトリで JumpStart のルールおよびプロファイルを処理します。出力は、このディレクトリにも配置されます。
# js2ai -r
例 2 特定の JumpStart ディレクトリを処理する
次のコマンドは、指定されたディレクトリから JumpStart のルールおよびプロファイルを処理し、同じディレクトリに出力ファイルを配置します。
# js2ai -r -d /export/jumpstart
出力ファイルについての詳細は、例 4 および「ファイル」のセクションを参照してください。
例 3 特定の JumpStart ディレクトリおよび個別のインストール先ディレクトリでプロファイルを処理する
次のコマンドは、/export/jumpstart ディレクトリから JumpStart の rules ファイルおよびプロファイルファイルを処理し、/export/output に出力ファイルを配置します。
# js2ai -p profile1 -d /export/jumpstart -D /export/output
例 4 指定されたルールおよびそのプロファイルの入力例および生成された出力
ルール:
arch sparc && karch sun4u && \ model 'SUNW,Serverblade1' - profile -
プロファイル:
install_type initial_install pool mypool auto auto auto c1t0d0s0
変換コマンド:
# js2ai -r -d /jumpstart -D /tmp/output
出力ファイル:
/tmp/output/AI_profile/profile.x86.xml /tmp/output/AI_profile/profile.sparc.xml /tmp/output/AI_profile/criteria-1.xml
rules ファイルに CPU タイプが SPARC と指定されている場合でも、2 つのマニフェストファイル (SPARC と x86 で 1 つずつ) が作成されます。変換プロセス中は、ルールとプロファイルは相互に独立して処理されます。
例 5 生成されたファイルを AI インストールサービスに追加する
この例では、例 4 で生成されたファイルを使用して、マニフェストおよび条件を既存のサービスに追加します。
ファイル:
/tmp/output/AI_profile/profile.sparc.xml /tmp/output/AI_profile/criteria-1.xml
installadm コマンド:
# installadm create-manifest -n svc-name \ -f /tmp/output/AI_profile/profile.sparc.xml \ -m sparc_profile \ -C /tmp/output/AI_profile/criteria-1.xml
例 6 sysidcfgファイルを処理する
次のコマンドは、現在のディレクトリで sysidcfg ファイルを処理し、同じディレクトリに結果となる SMF システム構成プロファイルを sc_profile.xml として出力します。
# js2ai -s
次の終了ステータスが返されます。
すべてのファイルが正常に処理されました。
エラーが発生した。
プロファイルに関連付けられた新しい AI 構文に変換されたすべての対応するファイルが含まれるディレクトリ。
プロファイルを変換した結果として作成されるマニフェストファイル。 ${arch} には、3 つの値 sparc、x86、または generic のいずれかを指定できます。${profile_name}.generic.xml 形式のマニフェストファイルを使用して、x86 と SPARC の両方のシステムをインストールできます。
生成された criteria-rule_number.xml ファイルは rules ファイル内のルールに対応し、rule_number は rules ファイル内での場所に基づいたルール番号です。この条件ファイルは、installadm コマンドの -C オプションで使用できます。
複数のルールで同じプロファイルを指定できるため、各ディレクトリに複数の条件ファイルが存在できますが、 ${profile_name} のインスタンスは 1 つのみです。各出力ディレクトリには、${arch}.xml ファイルが存在する必要があります。
注 - -p オプションが使用される場合は、処理されるプロファイルに対して条件ファイルが生成されません。条件ファイルは、-r オプションを指定して使用された場合にのみ生成されます。
このファイルには、処理中に発生した予期しない状況のスタックトレースが含まれています。通常、このファイルは作成されません。
このファイルには、処理されたファイルおよび処理中に見つかったエラーのログが含まれています。
このファイルは、-s オプションを使用して sysidcfg ファイルを変換する際に生成される SMF システム構成プロファイルです。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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『Oracle Solaris 10 JumpStart から Oracle Solaris 11 自動インストーラへの移行』
『Oracle Solaris 11 システムのインストール』のパート III「インストールサーバーを使用したインストール」