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Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
この Oracle Solaris リリースでのネットワーク構成
7. プロファイルでのデータリンクおよびインタフェース構成コマンドの使用
10. Oracle Solaris 上での無線インタフェース通信の構成
この節には、Oracle Solaris を実行するノートパソコンまたはデスクトップコンピュータで WiFi 接続を確立および監視するためのタスクが含まれています。
始める前に
次の手順では、「システムを WiFi 通信のために準備する方法」の手順に従っていることを前提にしています。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
# dladm show-link LINK CLASS MTU STATE BRIDGE OVER ath0 phys 1500 up -- -- e1000g0 phys 1500 up -- --
この例の出力は、2 つのリンクが使用可能なことを示しています。ath0 リンクは、WiFi 通信をサポートしています。e1000g リンクは、システムを有線ネットワークに接続するためのものです。
WiFi をサポートするインタフェースを作成します。
# ipadm create-ip ath0
リンクが plumb されていることを確認します。
# ipadm show-if IFNAME CLASS STATE ACTIVE OVER lo0 loopback ok yes -- e1000g0 ip ok yes -- ath0 ip ok yes --
# dladm scan-wifi LINK ESSID BSSID/IBSSID SEC STRENGTH MODE SPEED ath0 net1 00:0e:38:49:01:d0 none good g 54Mb ath0 net2 00:0e:38:49:02:f0 none very weak g 54Mb ath0 net3 00:0d:ed:a5:47:e0 none very good g 54Mb
scan-wifi コマンドのこの出力例では、現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークに関する情報が表示されています。この出力には、次の情報が含まれています。
WiFi 接続で使用されるリンク名。
拡張サービスセット識別子。ESSID は、WiFi ネットワークの名前です。この出力例では、net1、net2、net3 などです。
基本サービスセット識別子。特定の ESSID の一意の識別子です。BSSID は、ネットワークに特定の ESSID を提供する、隣接するアクセスポイントの 48 ビットの MAC アドレスです。
ネットワークにアクセスするために必要なセキュリティーのタイプ。この値は none または WEP です。WEP については、「セキュリティー保護された WiFi 通信」を参照してください。
現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークからの無線信号の強度。
ネットワークによって実行される 802.11 プロトコルのバージョン。このモードは a、b、g か、またはこれらのモードの組み合わせです。
特定のネットワークの速度 (メガビット/秒)。
信号強度のもっとも高い、セキュリティーで保護されていない WiFi ネットワークに接続します。
# dladm connect-wifi
ESSID を指定することによって、セキュリティーで保護されていないネットワークに接続します。
# dladm connect-wifi -e ESSID
dladm の connect-wifi サブコマンドには、WiFi ネットワークに接続するためのその他のオプションがいくつかあります。詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
次のいずれかを行います。
DHCP サーバーから IP アドレスを取得します。
# ipadm create-addr -T dhcp addrobj
ここで、addrobj は interface/user–defined–string の命名規則を使用します。
WiFi ネットワークで DHCP がサポートされていない場合は、次のメッセージが表示されます。
ipadm: interface: interface does not exist or cannot be managed using DHCP
静的 IP アドレスを構成します。
このオプションは、システムに専用の IP アドレスがある場合に使用します。
# ipadm create-addr -T static -a address addrobj
# dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED ath0 connected net3 none very good g 36Mb
この例の出力は、システムが現在 net3 ネットワークに接続されていることを示しています。前の scan-wifi の出力は、使用可能なネットワークの中で net3 の信号強度がもっとも高いことを示していました。別のネットワークを直接指定しないかぎり、dladm show-wifi コマンドは、信号強度のもっとも高い WiFi ネットワークを自動的に選択します。
システムの接続先のネットワークに応じて、次のいずれかを行います。
アクセスポイントが無料のサービスを提供している場合は、今すぐ目的のブラウザまたはアプリケーションを実行できます。
アクセスポイントが料金を必要とする商用ホットスポット内にある場合は、現在の場所で提供されている手順に従います。通常は、ブラウザを実行し、キーを指定して、ネットワークプロバイダにクレジットカード情報を提供します。
WiFi セッションを終了しますが、システムは実行中のままにします。
# dladm disconnect-wifi
現在、複数のセッションが実行されている場合は、特定の WiFi セッションを終了します。
# dladm disconnect-wifi link
ここで、link はセッションに使用されていたインタフェースを表します。
WiFi セッションの実行中に、システムを正常にシャットダウンします。
# shutdown -g0 -i5
shutdown コマンドを使用してシステムの電源を落とす前に WiFi セッションを明示的に切り離す必要はありません。
例 10-1 特定の WiFi ネットワークへの接続
次の例は、インターネットカフェで、Oracle Solaris を実行するノートパソコンを使用しているときに発生する可能性のある標準的なシナリオを示しています。
WiFi リンクが使用可能かどうかを調べます。
# dladm show-wifi ath0 type: non-vlan mtu: 1500 device: ath0
ath0 リンクは、ノートパソコン上にインストールされています。ath0 インタフェースを構成し、それが稼働していることを確認します。
# ipadm create-ip ath0 IFNAME STATE CURRENT PERSISTENT lo0 ok -m-v-----46 --- ath0 ok bm-------46 -46
現在の場所で使用可能な WiFi リンクを表示します。
# dladm scan-wifi LINK ESSID BSSID/IBSSID SEC STRENGTH MODE SPEED ath0 net1 00:0e:38:49:01:d0 none weak g 54Mb ath0 net2 00:0e:38:49:02:f0 none very weak g 54Mb ath0 net3 00:0d:ed:a5:47:e0 wep very good g 54Mb ath0 citinet 00:40:96:2a:56:b5 none good b 11Mb
この出力は、net3 の信号が最適であることを示します。net3 にはキーが必要です。このキーに対して、カフェのプロバイダは料金を請求します。citinet は、その土地で提供されている無料のネットワークです。
citinet ネットワークに接続します。
# dladm connect-wifi -e citinet
connect-wifi の -e オプションには、優先 WiFi ネットワークの ESSID を引数として指定します。このコマンドでの引数は、無料のローカルネットワークの ESSID である citinet です。dladm connect-wifi コマンドでは、WiFi ネットワークに接続するためのオプションがいくつか提供されています。詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
WiFi インタフェースの IP アドレスを構成します。
# ipadm create-addr -T static -a 10.192.16.3/8 ath0/v4 # ipadm show-addr ADDROBJ TYPE STATE ADDR lo0/v4 static ok 127.0.0.1/8 e1000g0/v4 static ok 129.146.69.34/24 ath0/v4static static ok 10.192.16.3/8 lo0/v6 static ok ::1/128
この例では、ノートパソコン上に静的 IP アドレス 10.192.16.3/24 が構成されていることを前提にしています。
# dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED ath0 connected citinet none good g 11Mb
この出力は、このノートパソコンが現在、ネットワーク citinet に接続されていることを示します。
# firefox
Firefox ブラウザのホームページが表示されます。
ブラウザやその他のアプリケーションを実行して、WiFi ネットワーク経由で作業を開始します。
# dladm disconnect-wifi # dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED ath0 disconnected -- -- -- -- --
show-wifi の出力により、WiFi ネットワークから ath0 リンクを切り離していることが確認されます。
この手順は、標準のネットワークツールを使用して WiFi リンクのステータスを監視したり、linkprop サブコマンドを使用してリンクプロパティーを変更したりする方法を示しています。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
構文は次のとおりです。
# dladm show-linkprop interface
たとえば、ath0 リンクを通して確立された接続のステータスを表示するには、次の構文を使用します。
# dladm show-linkprop ath0 PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE channel 5 -- -- powermode off off off,fast,max radio ? on on,off speed 36 -- 1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54
注意 - Oracle Solaris では、WiFi 接続の最適な速度が自動的に選択されます。初期のリンク速度を変更すると、パフォーマンスが低下したり、特定の WiFi 接続の確立が妨げられたりすることがあります。 |
リンク速度を、show-linkprop の出力に表示される、速度に指定可能な値のいずれかに変更できます。
# dladm set-linkprop -p speed=value link
# netstat -I ath0 -i 5 input ath0 output input (Total) output packets errs packets errs colls packets errs packets errs colls 317 0 106 0 0 2905 0 571 0 0 14 0 0 0 0 20 0 0 0 0 7 0 0 0 0 16 0 1 0 0 5 0 0 0 0 9 0 0 0 0 304 0 10 0 0 631 0 316 0 0 338 0 9 0 0 722 0 381 0 0 294 0 7 0 0 670 0 371 0 0 306 0 5 0 0 649 0 338 0 0 289 0 5 0 0 597 0 301 0 0
例 10-2 リンクの速度の設定
この例は、WiFi ネットワークに接続したあとにリンクの速度を設定する方法を示しています。
# dladm show-linkprop -p speed ath0 PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE speed 24 -- 1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54 # dladm set-linkprop -p speed=36 ath0 # dladm show-linkprop -p speed ath0 PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE speed 36 -- 1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54