NWAM 構成の動作

NWAM のデフォルト動作では、有線または無線ネットワークの基本構成がユーザー操作なしで「自動的に」実行されます。NWAM と対話する必要があるのは、無線ネットワークのセキュリティーキーやパスワードを入力するなど、システムから詳細な情報を要求された場合に限ります。

NWAM の自動構成は、次のイベントおよびアクティビティーで呼び出されます。

• Ethernet ケーブルを接続または切断する

• WLAN カードを接続または切断する

• 有線インタフェースまたは無線インタフェース (あるいは両方) が使用可能なときにシステムをブートする

• 有線インタフェースまたは無線インタフェース (あるいは両方) が使用可能な (サポートされている) ときに保存停止から再開する

• DHCP リースを取得または解放する

NWAM コンポーネントは、次の方法でほかの各コンポーネントと対話します。

• 常に、1 つの NCP と 1 つの場所プロファイルをシステムでアクティブにする必要があります。

• システムブート中に、ポリシーエンジンデーモン nwamd によって次の操作が実行されます。

  1. 現在アクティブな NCP についてサービスプロパティーを調査します。

  2. 1 つ以上の IP アドレスが構成されるまで続行します。

  3. 場所プロファイルの状況を確認します。

  4. ポリシーエンジンで指定された場所プロファイルをアクティブにします。

  5. ネットワーク (複数可) を適宜構成します。

• ネットワーク構成の変更を引き起こす可能性のあるイベントが発生すると、NWAM デーモン nwamd はさまざまな役割で機能し、次の操作を実行します。

  1. nwamd はイベントハンドラとして、各イベントの発生時にそのイベントを検出します。

  2. nwamd はプロファイルデーモンとして、アクティブなプロファイルを調査します。

  3. nwamd は変更に応じて、ネットワーク (複数可) を適宜再構成する場合があります。

NWAM のデフォルト動作

ユーザー定義のネットワークプロファイルが存在しない場合、nwamd は次の 3 つのシステム定義のプロファイルに基づいて、ネットワーク構成を管理します。

• Automatic NCP

• 場所「Automatic」

• 場所「NoNet」

Automatic NCP では、次の基本ポリシーが実装されます。

• DHCP を使用して、使用可能な (接続されている) すべての Ethernet インタフェースを構成します。

• Ethernet インタフェースが接続されていない場合や、IP アドレスを取得できない場合は、1 つの無線インタフェースをアクティブにすると、既知の WLAN リストから最適な WLAN が選択され自動的に接続されます。または、ユーザーが無線ネットワーク接続を選択するまで待機します。

• 1 つ以上の IPv4 アドレスが取得されるまで、場所「NoNet」はアクティブのままです。この場所プロファイルには、IP アドレスの取得に関連するデータ (DHCP および IPv6 autoconf メッセージ) のみを渡すという厳格な IP 振り分け規則があります。場所「NoNet」のすべてのプロパティーは、アクティブ化の条件を除いて変更可能です。

• 1 つ以上の IPv4 アドレスがシステムのインタフェースのいずれかに割り当てられると、場所「Automatic」がアクティブになります。この場所プロファイルには、IP フィルタや IPsec の規則はありません。場所プロファイルには、DHCP サーバーから取得された DNS 構成データが適用されます。場所「NoNet」と同様に、場所「Automatic」のすべてのプロパティーは、アクティブ化の条件を除いて変更可能です。

• システムで IPv4 アドレスが割り当てられていない場合は、常に場所「NoNet」が適用されます。1 つ以上の IPv4 アドレスが割り当てられている場合は、現在のネットワーク状況に最適なアクティブ化の規則を持つ場所プロファイルが選択されます。より適した一致が存在しない場合は、場所「Automatic」に戻ります。詳細は、「NWAM プロファイルをアクティブにする方法」を参照してください。