この章では、Oracle WebCenter Contentサーバーでのワークフローの概念と、自分が属するワークフローに参加する方法およびワークフローを管理する方法について説明します。
ワークフローとは、コンテンツをシステムにリリースする前のレビューおよび承認のために、どのようにルーティングするかを定めたものです。ファイルのレビューが必要になると、レビューするユーザーに通知が電子メールで送信されます。
この項の内容は次のとおりです。
ワークフローの参加者の視点から見ると、ワークフローには2つのタイプがあります。
基本ワークフローは、特定のコンテンツ・アイテムのレビュー・プロセスを定義するワークフローで、手動で開始する必要があります。
基準ワークフローでは、ファイルのメタデータが事前定義済の基準と一致すると、そのファイルがチェックイン時に自動的にワークフローに入ります。
1つのワークフローにレビューや通知のステップを複数含めることができ、ファイルの承認または却下を行うレビューアを1つのステップに複数含めることができます。ワークフロー内の各ステップに対して、一連のユーザーとステップ・タイプが定義されている必要があります。ステップに対して定義されているユーザーが実行できるのは、そのステップ・タイプに対して許可されているタスクのみです。
ステップのタイプ | 説明 |
---|---|
このステップは、基本ワークフローの最初のステップです。ワークフローでは、だれがコントリビュータであるかが定義されています。 |
|
このステップは、基準ワークフローの最初のステップです。このステップには関連する事前定義済のユーザーはありません。 |
|
ユーザーが実行できるのは、ファイルの承認または却下のみです。編集はできません。 |
|
ユーザーは、必要に応じてファイルを編集した後で、そのファイルを承認または却下でき、既存のリビジョンが維持されます。 |
|
ユーザーは、必要に応じてファイルを編集した後で、そのファイルを承認または却下でき、新しいリビジョンが作成されます。 |
ワークフローや個々のワークフロー・ステップでは、レビュー中のアイテムをシステムにリリースすることを許可するかどうかを指定でき、それらが属するワークフローが完了する前でも、その索引作成、検索および表示ができるようになります。たとえば、あるワークフロー・プロセスで処理されるアイテムを、そのワークフローに参加していない人も使用できるようにすることや、ワークフロー内でアイテムのリビジョンを進めずにアイテムのコンテンツ情報を更新することが可能です。
ワークフローのプロセスは次のとおりです。
ステップに対して定義された最小数のレビューアがリビジョンを承認すると、そのリビジョンはワークフロー内の次のステップに進みます。
レビューアのいずれかがリビジョンを却下した場合、そのリビジョンは編集のために最後のコントリビューション・ステップに戻されます。
ワークフローの最後のステップでレビューアがリビジョンを承認すると、そのコンテンツ・アイテムはシステムにリリースされます。
基本ワークフローに複数のコンテンツ・アイテムが含まれている場合に、すべてのリビジョンがワークフローを完了していなくても一部のアイテムをシステムにリリースできます。
ワークフローでは、個々のステップおよびコンテンツ・アイテム自体に対する認証オプションが提供されます。
システム管理者がどのようにワークフローを設定したかに応じて、ユーザーは特定のステップでユーザー名とパスワードの入力を求められることがあります。再認証によって、正常に完了したステップにレビューアの資格証明が関連付けられます。
リビジョンを認証する場合、(ステップではなく)コンテンツ・アイテム自体に電子シグネチャを付加するオプションも使用できます。電子シグネチャは、ファイルのコンテンツを特定のリビジョンで一意に識別し、そのリビジョンと特定のレビューアを関連付けます。
電子シグネチャとはアイテムのコンテンツから計算された一意の識別子で、レビューアのユーザー名など、他のメタデータに関連付けられています。複数のレビューアが特定のコンテンツ・アイテム・リビジョンに「署名」できます。コンテンツ・アイテム自体が変更されると、異なる識別子が生成されることになります。コンテンツ・サーバーは、電子シグネチャを比較することで、コンテンツ・アイテムが変更されているかどうか、および既存の承認が有効かどうかを判定できます。
電子シグネチャの詳細は、4.4項「コンテンツの電子署名」を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
基本ワークフローが開始すると、電子メール・メッセージがコントリビュータに送信され、コントリビュータは、ワークフローの最初のステップとして、指定されたファイルをチェックインする必要があります。
基本ワークフローを開始するためにファイルをチェックインするには、次の手順を実行します。
「ワークフロー開始の通知」メッセージを読みます。
「ワークフロー・コンテンツのレビュー」リンクをクリックします。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページが開きます。
「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックアウト」を選択します。
チェックアウトの確認ページが開きます。
次のいずれかの方法を使用して、コンテンツ・アイテムをシステムにチェックインします。
チェックアウトの確認ページがまだ表示されている場合は、「チェックイン」をクリックします。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
「コンテンツ管理」トレイを開き、「アクティブなワークフロー」をクリックし、ワークフローの名前をクリックしてから、ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
コンテンツ・チェックイン・フォームに入力します。
「リビジョン編集の終了」チェック・ボックスを選択した場合、そのリビジョンは「編集」ステータスから「WWW生成」ステータスに移行し、ワークフロー内の次のステップに進みます。
「リビジョン編集の終了」チェック・ボックスの選択を解除したままの場合、ファイルはチェックインされますが、「WWW生成」ステータスには移行せず「編集」ステータスのままになります。手順3に戻ってファイルをチェックアウトしてから、もう一度チェックインしてください。
ヒント: チェックイン・プロセスで、ワークフローに含まれているドキュメントの変換に失敗した場合は、そのコンテンツ・アイテムが自動的に「編集」ステータスに設定されます。このような理由から、変換に対して有効であるドキュメントをワークフローに含めるようにしてください。 |
「チェックイン」をクリックし、ユーザーの資格証明を入力するよう求められたら入力します。
ワークフロー内の次のステップがレビュー・ステップのときは、レビューアに電子メール・メッセージが送信されます。適切な数のレビューアがリビジョンを承認すると、コンテンツ・アイテムはワークフロー内の次のステップに進みます。
ワークフロー内でファイルをレビューするには、次の手順を実行します。
「ワークフロー・レビューの通知」メッセージを読みます。
「ワークフロー・アイテムのレビュー」リンクをクリックします。
ワークフロー・レビュー・ページが開き、実行できるアクションが表示されます。
注意: レビューア・ステップの場合は、コンテンツ・アイテムを署名して承認、承認、または却下することを選択できます。レビューア/コントリビュータ・ステップの場合は、コンテンツ・アイテムをチェックアウト、承認または却下することを選択できます。 |
ファイルをレビューします。
「ワークフロー・レビュー」パネルの右側の領域に表示されているファイルをレビューします。
「Web表示可能」リンクをクリックすると、コンテンツのバージョンの1つがブラウザに表示されます。
「ネイティブ・ファイル」リンクをクリックすると、ファイルのコピーを元のフォーマットで保存できます。
「HTMLレンディション」リンクをクリックすると、ファイルがHTMLとしてブラウザに表示されます。
レビューア/コントリビュータの権限を持つユーザーがファイルを編集する場合は、「ワークフロー・レビュー」パネルの「チェックアウト」リンクをクリックしてコンテンツ・アイテムを編集用にチェックアウトします。それ以外の場合は、手順11に進みます。
チェックアウトの確認ページが開きます。
元のファイルのコピーを作成して編集します。詳細は、第6章「ファイルのチェックアウト」を参照してください。
次のいずれかの方法を使用して、コンテンツ・アイテムを再びシステムにチェックインします。
チェックアウトの確認ページがまだ表示されている場合は、「チェックイン」をクリックします。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
「コンテンツ管理」トレイを開き、「アクティブなワークフロー」をクリックし、ワークフローの名前をクリックしてから、ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
チェックアウト・コンテンツ・ページに入力します。
「リビジョンの承認」チェック・ボックスを選択した場合、そのリビジョンは「編集」ステータスから「WWW生成」ステータスに移行し、必要な数のレビューアが承認するとワークフロー内の次のステップに進みます。手順8は不要です。
「リビジョンの承認」チェック・ボックスの選択を解除したままの場合、リビジョンはチェックインされますが、「WWW生成」ステータスには移行せず「レビュー」ステータスのままになります。この場合は、リビジョンの承認または却下が必要です。
「チェックイン」をクリックします。
リビジョンを却下するには、「ワークフロー・レビュー」パネルの「却下」リンクをクリックします。
コンテンツ・アイテムの却下ページが開き、コンテンツ・アイテムを却下した理由について説明するメッセージをここで入力できます。却下されたコンテンツ・アイテムは、コントリビューションが許可されているワークフロー・ステップのうち、最も後のものに戻されます。
リビジョンを承認するには、「ワークフロー・レビュー」パネルの「承認」リンクまたは「署名と承認」リンクをクリックします。
「署名と承認」をクリックした場合、ワークフロー・コンテンツ・アイテムの署名ページが開きます。
パスワードとその他のメタデータ値を指定し、「署名と承認」をクリックします。
確認ウィンドウで情報を確認し、「ウィンドウを閉じる」をクリックします。
リビジョンが却下されたときは、最後のコントリビューション・ステップに割り当てられているユーザーに電子メール・メッセージが送信されます。
却下されたファイルを編集するには、次の手順を実行します。
「ワークフロー・コンテンツ・アイテム却下の通知」メッセージを読みます。
「ワークフロー・コンテンツのレビュー」リンクをクリックします。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページが開きます。
「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックアウト」を選択します。
チェックアウトの確認ページが開きます。
元のファイルのコピーを作成して編集します。詳細は、第6章「ファイルのチェックアウト」を参照してください。
次のいずれかの方法を使用して、コンテンツ・アイテムを再びシステムにチェックインします。
チェックアウトの確認ページがまだ表示されている場合は、「チェックイン」をクリックします。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
「コンテンツ管理」トレイを開き、「アクティブなワークフロー」をクリックし、ワークフローの名前をクリックしてから、ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページの「アクション」列のコンテキスト・メニューから「チェックイン」を選択します。
チェックアウト・コンテンツ・ページに入力します。
「リビジョン編集の終了」チェック・ボックスを選択した場合、そのファイルは「レビュー」ステータスから「WWW生成」ステータスに移行し、ワークフロー内の次のステップに進みます。
「リビジョン編集の終了」チェック・ボックスの選択を解除したままの場合、ファイルはチェックインされますが、「WWW生成」ステータスには移行せず「レビュー」ステータスのままになります。この場合は、ファイルの承認が必要です。
「チェックイン」をクリックします。
この項の内容は次のとおりです。
システム内のすべてのアクティブなワークフローを一覧表示するには、次の手順を実行します。
「コンテンツ管理」トレイを開きます。
「アクティブなワークフロー」をクリックします。
アクティブなワークフロー・ページが開きます。
自分のアクションが必要なワークフローを一覧表示するには、次の手順を実行します。
「コンテンツ・サーバー」トレイを開きます。
その後、「ワークフロー割当て」をクリックします。
キュー内のワークフロー・ページが開きます。
コンテンツ・アイテムをリストから削除するには、「アクション」列のコンテキスト・メニューから「キューからの削除」を選択します。(コンテンツ・アイテムがワークフローから削除されることはありません。)
ワークフロー履歴とワークフロー・ステップに関する情報を表示するには、次の手順を実行します。
ワークフロー・コンテンツ・アイテム・ページまたはキュー内のワークフロー・ページを表示します。
「アクション」列のコンテキスト・メニューから「ワークフロー情報」を選択します。
アイテムのワークフロー情報ページが表示されます。
ワークフロー内のリビジョンのコンテンツ情報を表示するには、次の手順を実行します。
「コンテンツ・サーバー」トレイを開きます。
その後、「ワークフロー割当て」をクリックします。
キュー内のワークフロー・ページが開きます。
「アクション」列のコンテキスト・メニューから「コンテンツ情報」を選択します。
コンテンツ情報ページが表示されます。