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Oracle® WebCenter Content Site Studio管理者およびマネージャーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B69395-01
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1 概要

Site Studioは、エンタープライズ規模のWebサイトの包括的な設計、作成および管理を可能にする強力で柔軟なWeb開発アプリケーション・スイートです。Site Studioは、Webサイトの作成とコンテンツ管理が一体化されている点が、従来型のHTMLエディタやスクリプト・エディタより優れています。

Site Studioでは、Webサイト開発および管理プロセスに、別のサイト・ロール(デザイナ、コントリビュータ、マネージャ、管理者)向けのアプリケーション、管理可能なサイト階層、再利用可能なサイト・アセットとコンテンツ、フラグメント、および編集可能なサイト・リージョンなどの概念が導入されています。一緒に使用すると、エンタープライズ規模のWebサイトによくあるボトルネックが存在しないWebサイトを作成できます。

次の項で、Site Studioの詳細を説明します。

1.1 Site Studioソフトウェア・スイート

Site Studioには様々なコンポーネントがあり、コンテンツ・サーバーで動作するものやクライアント・コンピュータで動作するものがあります。コンポーネントを使用すると、組織は、適切なタイミングでシームレスにWebサイトを作成、管理および配置できます。組織は、サイトを担当している各ユーザーのロールを作成および変更できます。

これを実現するため、Site Studioは次のコンポーネントで構成されています。

Site Studio製品 説明
Content Serverコンポーネント まずこのコンポーネントをコンテンツ・サーバーにインストールする必要があります。Webサイトが機能するために必要です。このコンポーネントには多様なサーバー側機能が用意されており、クライアント(デザイナ)やサイトのその他のコンポーネントと通信します。

このコンポーネントは、サイト管理者がWebサイトの管理タスクで使用するSite Studio管理インタフェースも提供します。「Site Studio管理」を参照してください。

Site Studioデザイナ サイト・デザイナが、ページ・テンプレートの定義、編集可能ページ・リージョンの設定など、Webサイトの作成および設計を行う開発環境を提供するクライアント側アプリケーションです。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Designerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Site Studioマネージャ セクションの追加や削除、セクションに割り当てられたレイアウト・ページの変更、サイト・プロパティの変更など、サイト・マネージャがサイト階層の変更を行う環境を提供するWebベースのアプリケーションです。詳細は、「Site Studioマネージャの使用」を参照してください。
Site Studioコントリビュータ コントリビュータが既存のWebサイトのWebページへの追加や編集を実行できる、コンテキスト内編集環境を提供するクライアント側アプリケーションです。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド』を参照してください。

各アプリケーションは独立していますが、緊密に統合されています。デザイナで実行されたタスクはマネージャやコントリビュータに影響し、マネージャで実行されたタスクはコントリビュータに影響します。マネージャを使用するユーザーは、時にコントリビュータも使用します。

1.2 Site Studioユーザー

Site Studioには、3タイプのユーザーが、Webサイトの作成および管理を行える環境が用意されています。

通常、1人のデザイナが複数のマネージャと作業し、各マネージャは1人以上のコントリビュータと作業します。デザイナが、サイト階層の作成やコンテンツの配置場所の決定を行うマネージャにサイトを委任する場合もあります。マネージャは、サイト・ページのコンテンツの更新(または作成)を開始することをコントリビュータに通知します。


注意:

組織の大きさおよび構造により、1人が複数のロールを持つ場合があります。

これらのSite Studioロールに加え、サイトへのWebアドレスの割当て、サイトのバックアップ、サイトのレプリケートなどを担当するサイト管理者が個別にいる場合もあります。これらの管理タスクはすべてコンテンツ・サーバーで実行されます。

1.3 Site Studio公開モデル

Site Studioは、デザイナ、マネージャおよびコントリビュータの3つのユーザー・モデルを中心に設計されています。デザイナはサイトを作成し、マネージャはサイトを運営し、コントリビュータはサイトのコンテンツを追加および編集します。このモデルを使用すると、組織は簡単および効率的にサイトを作成して運営し、組織内のユーザーは、大規模なWebサイトによくあるボトルネックなしに迅速にコンテンツを更新できます。

実行されるタスクと、各タスクの実行に使用されるアプリケーションのサマリーを次に示します。

1.3.1 手順1: デザイナでのサイトの作成

サイトのデザイナは、サイトをホスティングしているサーバーへのサイト接続、サイト名およびサイト・アドレスの作成からプロセスを開始します。次に、デザイナは、サイト・アセット(プレースホルダ、ページ・テンプレート、要素定義など)を定義し、これらのアセットに基づいてサイトを作成します(このタスクがマネージャに委任されている場合を除く)。このとき、サイト階層も作成します。これらのタスクはすべてSite Studioデザイナで実行されます。

図1-1 デザイナ・アプリケーション

デザイナ・アプリケーションの表示

完了したら、デザイナからサイト・マネージャおよびサイト・コントリビュータに、サイトが作成され、管理および編集が必要であることが通知されます。デザイナはこれを実行するため、サイトのコントリビュータ専用セクションに指示を出すか、ワークフローまたは組織標準の手順に準拠した別のメソッドを使用してより形式的なプロセスを実装します。


注意:

Site Studioデザイナ・アプリケーションの詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Designerユーザーズ・ガイド』を参照してください。

1.3.2 手順2: マネージャでのサイトの管理

マネージャがサイトの場所を入力すると、サイト設計がほとんど完成します(つまり、サイト・ページのルック・アンド・フィール)。マネージャは、定義されたサイト階層の確認と変更(デザイナが階層を設定している場合)、セクションの追加と変更、サイト・ページへのテンプレートの割当ておよびサイト・プロパティの設定ができます。これらのタスクはすべてSite Studioマネージャで実行されます。

図1-2 マネージャ・アプリケーション

マネージャ・アプリケーションのスクリーンショット

サイト・デザイナがどのように設定したかにより、マネージャ・アプリケーションをサイトのすべてのページで使用できるか、専用のセクションでのみ使用できるかが異なります。Content Serverのユーザー・インタフェースのSite Studio管理ページから開くこともできます。

完了したら、マネージャは1人以上のコントリビュータに、サイトのコンテンツの追加および編集を開始できることを通知します。マネージャは、サイトのコントリビュータ専用セクションに指示を渡すか、ワークフローまたは組織標準の手順に準拠した別のメソッドを使用してより形式的なプロセスを実装します。


注意:

Site Studioマネージャ・アプリケーションの詳細は、第2章「Webサイトの管理」を参照してください。

1.3.3 手順3: コントリビュータでのコンテンツの追加および編集

コントリビュータが作業を開始する際には、サイト階層全体にコンテンツを配置できるようになっています。コントリビュータは、サイトの各ページに表示されるコンテンツを追加および編集できます。つまり、テキスト、グラフィック、リスト、ページへのリンクなどの作業が可能です。これらのタスクはすべてSite Studioコントリビュータで実行されます。

図1-3 コントリビュータ・アプリケーション

コントリビュータ・アプリケーションのスクリーンショット

デザイナおよびマネージャがサイトをどのように設定したかにより、コントリビュータの作業内容は、ページやWebサイトごとに異なります。コントリビュータ・アプリケーションのみで作業すること(コントリビュータ・データファイルを編集する場合)も、サード・パーティ・アプリケーションのみで作業すること(ネイティブ・ドキュメントを編集する場合)もあります。また、Site Studioコントリビュータで、多数のオプションが有効化されている場合も無効化されている場合もあります。

完了したら、コントリビュータはその他のコントリビュータまたはレビューアに、ページを追加または編集したことを通知します。コントリビュータ専用セクションで相互にやりとりするか、ワークフローまたは組織標準の手順に準拠した別のメソッドの形式的な確認プロセスに従います。


注意:

Site Studioコントリビュータ・アプリケーションの詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド』を参照してください。

1.3.4 手順4: 完成したWebサイトのプレビューおよび配置

全員の作業が完了したら、完成したWebサイトを公開できます。ユーザーにサイトを配布するには、サイト消費専用のサーバーにレプリケートする必要があります。

図1-4 公開版のWebページ

消費モードでの最終Webページのスクリーンショット。

1.4 Site Studio管理

デザイナ、マネージャおよびコントリビュータ・アプリケーションを使用したサイトの作成および管理に加え、Oracle Content Serverのインタフェースを使用して、サイトの開始および停止、プロジェクトへのデフォルトのメタデータの割当て、フラグメント・ライブラリの管理、サイトのレプリケート、サイトのバックアップおよびリストアなどの管理タスクを実行できます。

これらのタスクは、Oracle Content Serverインタフェースの「Site Studio Administration」ページから実行します。このページを表示するには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバーに、管理者としてログインします。

  2. 「Administration」セクションで、「Site Studio Administration」を選択します。

    「Site Studio Administration」ページが表示されます。Oracle Content Serverを「Top Menus」レイアウトで実行している場合、このページは表示されません。そのかわり、すべての管理オプションが「Site Studio Administration」メニューのアイテムとして使用できます。

図1-5 「Site Studio Administration」ページ

Content Serverの管理ページのスクリーンショット。

「Site Studio Administration」ページでは、次のオプションを使用できます。

要素 説明
Manage Web Sites 「Manage Web Sites」ページ(「「Manage Web Sites」ページ」を参照)が表示されます。各サイトの表示、ナビゲーションの更新、サイト・レポートの表示、サイトの開始と停止、およびサイトのリロードができます。

詳細は、第2章「Webサイトの管理」を参照してください。

Manage Web Site Addresses 「Web Site Addresses」ページ(「「Web Site Addresses」ページ」を参照)が表示されます。Webサイトを示すドメイン・アドレスを追加できます。

詳細は、第3章「Webサイト・アドレスの管理」を参照してください。

Manage Fragment Libraries 「Manage Fragment Libraries」ページ(「「Manage Fragment Libraries」ページ」を参照)が開きます。必要に応じ、フラグメント・ライブラリのデプロイおよびJSPサポートの構成ができます。

詳細は、第4章「フラグメント・ライブラリの管理」を参照してください。

Set Default Project Document Information 「Set Default Project Document Information」ページ(「「Set Default Project Document Information」ページ」を参照)が開きます。新しいプロジェクト・ファイル(デザイナで作成)に割り当てられたデフォルトのメタデータを指定できます。

詳細は、第5章「デフォルトのプロジェクト・ドキュメント情報の設定」を参照してください。

Manage Site Replication 「Manage Site Replication」ページ(「「Manage Site Replication」ページ」を参照)が表示されます。サイトをコンテンツ・サーバー間でレプリケートできます。

詳細は、第6章「サイト・レプリケーションの管理」を参照してください。

Backup and Restore 「Backup and Restore」ページ(「「Backup and Restore」ページ」を参照)が表示されます。Webサイトのバックアップの作成およびWebサイトのバックアップからのリストアができます。

詳細は、第7章「Webサイトのバックアップおよびリストア」を参照してください。

General Component Information 「General Component Information」ページ(「「General Component Information」ページ」を参照)が表示されます。バージョン、Site Studio固有のメタデータ、ディレクトリ・パスなどのサイトの有用な情報を確認できます。

詳細は、第8章「一般コンポーネント情報」を参照してください。


「Site Studio Administration」ページは、Content Serverの「Administration」セクションまたはデザイナ(「Site Studio Admin」オプション)のプレビュー・アイコン・メニュー(図1-6)を使用して表示できます。

図1-6 Site Studioデザイナのプレビュー・アイコン

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