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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.0)
B72085-01
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17 メール・サービスの管理

この章では、Oracle WebCenter Portalアプリケーションで使用されるメール・サービスを構成および管理する方法について説明します。また、アプリケーション・リソースから直接メールを送信できる「メール送信」機能の構成方法についても説明します。メール送信機能はメール・サービスを必要としません。つまり、アプリケーションでメール・サービスが構成されていなくても、ユーザーはローカルのメール・クライアントでメール通知を送信できます。メール通知の送信の使用に関する詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのメール送信機能の概要に関する項を参照してください。

WebCenter Portalアプリケーションのバックエンド・サービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してください。デプロイ後にWebCenter Portalアプリケーションに加えた変更は、MDSメタデータにカスタマイズとして格納されます。第1.3.5項「WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。


注意:

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったメール・サービスの構成の変更は動的ではありません。変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。


この章の内容は次のとおりです。

対象読者

この章の内容は、Fusion Middleware管理者(Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してAdminまたはOperatorロールを付与されたユーザー)を対象としています。第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」も参照してください。

17.1 メール・サーバー接続に関する必要な知識

WebCenter Portalでは、Microsoft Exchange Serverや、IMAP4およびSMTPをサポートするすべてのメール・サーバーをサポートしています。ユーザーがWebCenter Portalアプリケーション内でメールにアクセスし、読取り、返信、転送といった基本的な操作を実行できるようにするには、まず、適切なメール・サーバーをWebCenter Portalアプリケーションに登録する必要があります。メール・サービスは事前には構成されていません。

複数のメール・サーバー接続に登録できます。

17.2 メール・サービスの構成ロードマップ

この項では、ロードマップを構成プロセスにおける管理者のガイドとして使用します。

17.3 メール・サーバーの前提条件

この項の内容は次のとおりです。

17.3.1 メール・サーバー: インストール

インストールの詳細は、ご使用のメール・サーバーのドキュメントを参照してください。

17.3.2 メール・サーバー: 構成

WebCenter Portalでは、スペース配信リストをSpaces (またはWebCenter Portal: Spacesのスペース管理を利用するFrameworkアプリケーション)で作成および管理できます。この機能は、Microsoft Exchangeでのみサポートされます。

スペース配信リストは、スペースが作成されるたびに自動的に作成されます。LDAPベースDN (サポートされるLDAPベースDNは1つのみ)が変化せず、Microsoft Exchange Active Directory上に作成されたユーザーがWebCenter Portalアプリケーションで使用されるアイデンティティ・ストアに作成されたユーザーに対応している場合、スペースに追加されたユーザーは対応するスペース配信リストに自動的に追加され、スペースから削除されたユーザーは対応するスペース配信リストから自動的に削除されます。この機能を無効化するには、LDAP (Active Directory)サーバーの詳細をメール接続に入力しないでください。

詳細は、第17.4.1項「Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバーの登録」の手順7を参照してください。

メール・サーバーでのユーザーの追加の詳細は、メール・サーバーの製品ドキュメントを参照してください。WebCenter Portalアプリケーションのアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加の詳細は、第29.4項「組込みLDAPアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加」を参照してください。

構成の前提条件があるメール・サーバーは、Microsoft Exchange 2007およびMicrosoft Exchange 2010のみです。他のメール・サーバー(Microsoft Exchange 2003を含む)を使用している場合は、この項の以降の部分を飛ばしてかまいません。

17.3.2.1 WebCenter PortalのためのMicrosoft Exchange Server 2007または2010の構成

Microsoft Exchange Server 2007またはExchange Server 2010の証明書をWebCenter Portalキーストアに追加する必要があります。これには、次の手順が必要になります。

  1. 第17.3.2.1.1項「Microsoft Exchange Serverからの証明書の取得」

  2. 第17.3.2.1.2項「WebCenter Portalキーストアへの証明書の追加」

  3. 証明書をインポートしたら、サーバーを再起動します。

17.3.2.1.1 Microsoft Exchange Serverからの証明書の取得

ご使用のメール・サーバーのインストール管理者から証明書を取得します。この項では、Microsoft Exchange Serverから証明書を取得する方法の1つを説明します。

Microsoft Exchange Server 2007または2010から証明書を取得する手順は次のとおりです。

  1. ブラウザを開き、次のコマンドを使用してIMAPサーバーに接続します。

    https://host_name/owa
    

    host_nameはMicrosoft Exchange Serverのホスト名です。

  2. ページにカーソルを置いて、右クリックし、「プロパティ」を選択します。次に、「証明書」をクリックします。

  3. ポップアップ・ウィンドウで「詳細」タブをクリックし、「ファイルにコピー...」をクリックします。

    必ずDER encoded binary (X.509)形式を使用して、ファイルにコピーしてください。

  4. .DER形式の証明書を.PEM形式に変換します。


    注意:

    WebLogicは.PEM形式のみを認識します。


    Firefox 3.0以降を使用すると、証明書を.PEM形式で直接ダウンロードできます。それ以外のブラウザの場合、WebLogic Serverのder2pemツールを使用して.PEM形式に変換してください。der2pemの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンスを参照してください。

17.3.2.1.2 WebCenter Portalキーストアへの証明書の追加
  1. ダウンロードした証明書をキーストアにインポートします。通常、キーストアはJAVA_HOMEにあるcacertsという名前のファイルです。次に例を示します。

    keytool -import -alias imap_cer -file cert_file.cer -keystore cacerts -storepass changeit
    

    cert_fileは、ダウンロードした証明書ファイルの名前です。標準インストールでは、JAVA_HOMEは次の場所にあります。

    /scratch/wcinstall/ps2/1225/wlshome/jrockit_160_17_R28.0.0-616
    

    キーストアへの証明書の追加の詳細は、第31.4.2.1.3項「証明書の構成とエクスポート」を参照してください。

  2. サーバーを再起動します。

17.3.2.1.3 Microsoft Exchange Serverに関する考慮事項
  • IMAPポートは993で、secured=trueです。SMTPポートは587で、secured=trueです。

    (Microsoft Exchange Server 2005では465を使用していました。)

  • 次のエラーが表示される場合は、ドメイン起動ファイルsetDomainEnv.sh内のトラスト・ストアのエントリを変更する必要があります。

    Caused by: java.io.IOException: Keystore was tampered with, or password was incorrect
     at sun.security.provider.JavaKeyStore.engineLoad(JavaKeyStore.java:771)
     at sun.security.provider.JavaKeyStore$JKS.engineLoad(JavaKeyStore.java:38)
     at java.security.KeyStore.load(KeyStore.java:1185)
     at com.sun.net.ssl.internal.ssl.TrustManagerFactoryImpl.getCacertsKeyStore (TrustManagerFactoryImpl.java:202)
     at com.sun.net.ssl.internal.ssl.DefaultSSLContextImpl.getDefaultTrustManager (DefaultSSLContextImpl.java:70) 
    

    このエントリを変更する手順は次のとおりです。

    1. WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーをシャットダウンします。

    2. 次にある、ドメイン起動スクリプトsetDomainEnvを編集します。

      UNIX: DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh

      Windows: DOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd

    3. 次のように、Javaプロパティを追加します。

      -Djavax.net.ssl.trustStore=<path to truststore> -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<truststore password>
      

      次に例を示します。

      set JAVA_PROPERTIES=
      -Dplatform.home=%WL_HOME% -Dwls.home=%WLS_HOME% -Dweblogic.home=%WLS_HOME%
      -Djavax.net.ssl.trustStore=C:\jive\mailtool\jssecacerts
      -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=changeit
      
    4. 管理対象サーバーを再起動します。

17.3.3 メール・サーバー: セキュリティに関する考慮事項

詳細は、第33.8項「SSLを使用したSpacesからIMAPおよびSMTPへの接続の保護」を参照してください。


注意:

LDAPがセキュア・モードで実行するように構成されている場合は、LDAP保護プロパティを追加(true/falseに設定)して、配信リストの作成時にLDAPを使用するようにしてください。詳細は、表17-5を参照してください。


17.3.4 メール・サーバー: 制限事項

WebCenter Portal: Spacesでは、メール・サービスでスペース配信リストの自動管理を実現するために、Microsoft Exchangeメール・サーバー接続が必要です。

17.4 メール・サーバーの登録

複数のメール・サーバー接続を登録できます。新しいメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

17.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバーの登録

メール・サーバーをWebCenter Portalアプリケーションに登録する手順は次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。

  4. 新規のメール・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします(図17-3)。

    図17-3 メール・サーバーの構成

    メール・サーバーの構成
  5. この接続の一意の名前を入力し、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します(表17-3)。

    表17-3 メール・サーバー接続: 名前

    フィールド 説明

    名前

    接続の一意の名前を入力します。名前は、WebCenter Portalアプリケーションのすべての接続タイプにおいて一意である必要があります。

    アクティブな接続

    この接続をメール・サービスのデフォルトの(またはアクティブな)接続にするかどうかを指定します。

    複数のメール・サーバー接続に登録できます。

    • WebCenter Portal: Spacesアプリケーションは複数のメール接続をサポートしています。アクティブとしてマークされたメール接続が、Spacesでのメール・サービスのデフォルトの接続です。すべての追加の接続は代替として提供されます。Spacesユーザーは、使用する接続をユーザー・プリファレンスで選択できます。

    • WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションは、アクティブとしてマークされたメール接続1つのみを使用します。追加の接続は無視されます。


  6. メール・サーバーの接続の詳細を入力します(表17-4)。

    表17-4 メール・サーバーの接続パラメータ

    フィールド 説明

    IMAPホスト

    IMAP (Internet Message Access Protocol)サービスが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    IMAPポート

    IMAPサービスがリスニングするポートを入力します。

    IMAP保護

    IMAPを介する受信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。

    SMTPホスト

    SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)サービスが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    SMTPポート

    SMTPサービスがリスニングするポートを入力します。

    SMTP保護

    SMTPを介する送信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。

    関連付けられている外部アプリケーション

    メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます。ユーザーをIMAPおよびSMTPサーバーに対して認証するために、外部アプリケーションの資格証明情報が使用されます。メール・サービスでは、IMAPとSMTPの両方に対するユーザーの認証に同じ資格証明を使用します。

    リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。詳細は、第26章「外部アプリケーションの管理」を参照してください。

    メール・サービスの外部アプリケーションでは、認証方式=POSTを使用する必要があります。また、一部のメール・ヘッダー・フィールドをカスタマイズできます(「ユーザーに表示」が有効の場合)。

    • プロパティ: mail.user.emailAddress (メールの送信者)

      プロパティ: mail.user.displayName (メールの表示名)

      プロパティ: mail.user.replyToAddress (メールの返信先アドレス)

    これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メール・サービスで「送信元」「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます(図17-4)。

    WebCenter Portalアプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。たとえば、Spacesアプリケーションでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。


    図17-4 メール接続の追加プロパティ

    図17-4の説明が続きます
    「図17-4 メール接続の追加プロパティ」の説明

  7. スペース配信リストを管理するActive DirectoryサーバーのLDAP接続の詳細を指定します(表17-5)。

    この項は、Spaces (またはスペース管理機能を利用するFrameworkアプリケーション)に適用されます。WebCenter Portalアプリケーションは、配信リストをActive Directoryサーバーで管理するMicrosoft Exchangeをサポートしています。


    注意:

    配信リストをSpacesで動作させるには、Active Directoryサーバーの詳細をメール接続の一部として指定する必要があります。


    表17-5 LDAPディレクトリ・サーバーの構成パラメータ

    フィールド 説明

    LDAPホスト

    LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)ディレクトリ・サーバーが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    LDAPポート

    LDAPディレクトリ・サーバーがリスニングするポートを入力します。

    LDAPベースDN

    LDAPスキーマのベース識別名を入力します。例: CN=Users,DC=oracle,DC=com

    LDAPドメイン

    配信リスト名の後ろに追加するドメインを入力します。

    たとえば、このドメイン値をexample.comに設定した場合、Spacesでは、Finance ProjectというスペースはFinanceProject@example.comという配信リストを保持します。

    LDAP管理ユーザー

    LDAPディレクトリ・サーバー管理者のユーザー名を入力します。

    LDAPスキーマにエントリを作成する権限のある有効なユーザーを指定してください。

    LDAP管理パスワード

    LDAPディレクトリ・サーバー管理者のパスワードを入力します。

    このパスワードは保護されたストアに格納されます。

    LDAPデフォルト・ユーザー

    モデレーション機能を付与するユーザー名のカンマ区切りリストを入力します。これらのユーザーは、作成されるすべてのスペース配信リストのメンバーになります。ここで指定するユーザーは、(「LDAPベースDN」フィールドで指定した)ベースLDAPスキーマに存在する必要があります。

    LDAP保護

    WebCenter PortalアプリケーションとLDAPディレクトリ・サーバー間に保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。


  8. メール・サーバー接続の拡張オプションを入力します(表17-6)。

    表17-6 メール・サーバー接続: 拡張構成

    フィールド 説明

    接続タイムアウト

    接続の適切なタイムアウトを指定します。

    これは、WebCenter Portalアプリケーションが接続タイムアウト・メッセージを発行するまでにメール・サーバーからのレスポンスを待機する時間(秒)です。

    デフォルトは-1で、サービスのデフォルトが使用されます。サービスのデフォルトは10秒です。


  9. オプションとして、メール・サーバー接続にパラメータを追加できます(表17-7)。

    表17-7 追加のメール接続プロパティ

    追加の
    接続プロパティ
    説明

    charset

    接続で使用するキャラクタ・セット。

    デフォルトのキャラクタ・セットはUTF-8です。ISO-8859-1などの別のキャラクタ・セットを使用する場合は、charset接続プロパティを設定します。

    各種のIMAPプロパティ

    任意の有効なIMAP接続プロパティ。例: mail.imap.connectionpoolsize

    有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準IMAPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。

    http://java.sun.com/products/javamail/javadocs/com/sun/mail/imap/package-summary.html

    各種のSMTPプロパティ

    任意の有効なSMTP接続プロパティ。例: mail.smtp.timeout

    有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準SMTPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。

    http://java.sun.com/products/javamail/javadocs/com/sun/mail/smtp/package-summary.html


    メール・サーバーとの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します(表17-8「メール接続: 追加プロパティ」を参照)。

    表17-8 メール接続: 追加プロパティ

    フィールド 説明

    追加

    「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。

    • 名前: 接続プロパティの名前を入力します。

    • 値: プロパティのデフォルト値を入力します。

    • プロパティはセキュアか: 暗号化が必要かどうかを指定します。選択した場合、プロパティの値は、暗号化を使用してセキュアに格納されます。

      たとえば、この値が実際のパスワードである場合、admin.passwordプロパティを保護するためにこのオプションを選択します。

    削除

    「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。

    「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。

    注意: OKをクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。


  10. 「OK」をクリックして、この接続を保存します。

  11. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

17.4.2 WLSTを使用したメール・サーバーの登録

WLSTコマンドのcreateMailConnectionを使用すると、メール・サーバー接続を作成できます。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のcreateMailConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドのsetMailConnectionPropertyを使用すると、外部アプリケーションを介して必要な追加コマンドを追加できます。メール・サービスの外部アプリケーションでは、認証方式=POSTを使用する必要があります。また、一部のメール・ヘッダー・フィールドをカスタマイズできます(「ユーザーに表示」が有効の場合)。次に例を示します。

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.emailAddress', value='john.doe@example.com')

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.displayName', value='John Doe')

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.replyToAddress', value='feedback@example.com')

各要素の意味は次のとおりです。

  • mail.user.emailAddress = 電子メール・アドレス(メールの送信元)

  • mail.user.displayName = 自分の名前(メールの表示名)

  • mail.user.replyToAddress = 返信先アドレス(メールに返信するときのアドレス)

これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メール・サービスで「送信元」、「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます。WebCenter Portalアプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。たとえば、Spacesアプリケーションでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。

コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。

新規のメール・サーバー接続をデフォルトの接続として使用するようにメール・サービスを構成するには、default=trueを設定します。詳細は、第17.5.2項「WLSTを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択」を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

新しい接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


17.5 アクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

WebCenterアプリケーションには複数のメール・サーバー接続を登録できますが、デフォルトの接続として指定できる接続は1つのみです。デフォルトの接続は、次の項目のバックエンド・メール・サーバーとなります。

この項の内容は次のとおりです。

17.5.1 Fusion Middleware Controlを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

デフォルトの接続を変更する手順は次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。

    「メール・サーバーの管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます。

  4. アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。

  5. 「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。

  6. 「OK」をクリックして、接続を更新します。

  7. 新しいデフォルトの接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

17.5.2 WLSTを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

WLSTコマンドのsetMailConnectiondefault=trueで使用して、既存のメール・サーバー接続をメール・サービス用のデフォルトの接続にします。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionに関する項を参照してください。

デフォルト引数をtrueからfalseに変更しても、その接続がメール・サービス用のデフォルトの接続でなくなることはありません。

メール・サーバー接続を無効にするには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、またはremoveMailServicePropertyコマンドを使用します。

removeMailServiceProperty(appName='webcenter', property='selected.connection')

このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のremoveMailServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

アクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


17.6 メール・サーバー接続の詳細の変更

メール・サーバー接続の詳細はいつでも変更できます。

更新したメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

17.6.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバー接続の詳細の変更

メール・サーバー接続の詳細を更新する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。

  4. 接続名を選択し、「編集」をクリックします。

  5. 必要に応じて接続の詳細を編集します。パラメータの詳細は、表17-4「メール・サーバーの接続パラメータ」を参照してください。

  6. 「OK」をクリックして、変更を保存します。

  7. 更新した接続の詳細の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

17.6.2 WLSTを使用したメール・サーバー接続の詳細の変更

WLSTコマンドのsetMailConnectionを使用して、既存のメール・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionに関する項を参照してください。

メール・サーバーとの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setMailConnectionPropertyコマンドを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

更新した接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


17.7 メール・サーバー接続の削除

メール・サーバー接続はいつでも削除できますが、アクティブな(またはデフォルトの)接続を削除する際は注意が必要です。メール・タスク・フローはバックエンド・メール・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると機能しなくなります。

接続を削除するとき、メール・サーバー接続に関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、第26.5項「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

17.7.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール接続の削除

メール・サーバー接続を削除する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。

  4. 接続名を選択し、「削除」をクリックします。

  5. この変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。


    注意:

    管理対象サーバーを再起動する前に、他の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないとサービスが無効になります。


17.7.2 WLSTを使用したメール接続の削除

WLSTコマンドのdeleteConnectionを使用して、メール・サーバー接続を削除します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のdeleteConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

17.8 メール・サービスのデフォルトの設定

WLSTコマンドのsetMailServicePropertyを使用して、メール・サービスのデフォルトを設定します。

コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

17.9 メール・サーバー接続のテスト

Thunderbird、Outlookなどの任意のクライアントを使用してメール・サーバーに接続することによって、メール・サーバーが稼働していることを確認します。

Microsoft Exchangeの場合、「Administrative Tools」「Services」に移動して、次のサービスが実行中(「Status」が「Started」)であることを確認します。

17.10 メールに関する問題のトラブルシューティング

この項の内容は次のとおりです。

17.10.1 セキュア・モードでメール・サービスにアクセスできない

問題

セキュア・モードで動作するようにメール・サービスを構成したが、メール・サービスにアクセスできない。

解決策

次のことを確認します。

  • IMAPおよびSMTPポートが正しく指定されている。第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。

  • メール・サーバーで次のプロパティがtrueに設定されている。

    • mail.imap.secured = true

    • mail.smtp.secured = true

17.10.2 非セキュア・モードでメール・サービスにアクセスできない

問題

非セキュア・モードで動作するようにメール・サービスを構成したが、メール・サービスにアクセスできない。

解決策

次のことを確認します。

  • IMAPおよびSMTPポートが正しく指定されている。第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。

  • メール・サーバーで次のプロパティがfalseに設定されている。

    • mail.imap.secured = false

    • mail.smtp.secured = false

17.10.3 非セキュア・モードで配信リストを作成できない

問題

非セキュア・モードで、つまりLDAPサーバーでSSLが構成されていない状態でスペース配信リストを作成できない。

解決策

メール・サーバーが再インストールされていないか、またはユーザーが削除されていないか確認します。また、LDAPサーバーで、次のパラメータが非セキュア・モードで正しく構成されていることを確認してください。

  • ldapHost

  • defaultUser

  • ldapAdminPassword

  • ldapBaseDN

  • ldapPort

第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。

17.10.4 セキュア・モードで配信リストを作成できない

問題

セキュア・モードで、つまりLDAPサーバーでSSLが構成された状態でスペース配信リストを作成できない。

解決策

メール・サーバーが再インストールされていないか、またはユーザーが削除されていないか確認します。また、LDAPサーバーで、次のパラメータがセキュア・モードで正しく構成されていることを確認してください。

  • ldapHost

  • defaultUser

  • ldapAdminPassword

  • ldapBaseDN

  • ldapPort

  • ldap.connection.secure, 'true'

17.10.5 ダウンロードするメールの件数を構成できない

問題

各ユーザーの受信ボックスにダウンロードするメールの件数を構成できない。

解決策

WLSTコマンドのsetMailServicePropertyを使用します。たとえば、メール・クライアントから100件のメールをダウンロードする場合は、次の例のようにmail.messages.fetch.sizeパラメータに100を指定します。

setMailServiceProperty(appName='webcenter',  property='mail.messages.fetch.size', value='100')

コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailServicePropertyに関する項を参照してください。

17.10.6 スペース・メールを公開およびアーカイブできない

問題

スペース・メールをアーカイブできない。

解決策

アーカイブできない場合、次のことを確認してください。

  • WebCenter Portal: Spacesで「管理」→「構成」→「サービス」→「ディスカッション」に移動します。必要な構成が正しいかどうかを確認します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのディスカッション・フォーラムでスペース・メールの公開に関する項を参照してください。

  • ここで構成されているユーザー・アカウントが配信リストのメンバーであるかどうかを確認します。

  • 特定のスペースについて、構成されているフォーラムがディスカッション・サーバーで使用できるかどうかを確認します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのディスカッション・フォーラムでのスペース・メールの公開に関する項を参照してください。

  • 配信リストにメールを送信するユーザーがディスカッション・サーバーで使用できるかどうか、またそのユーザーのメール・アドレスが同じかどうかを確認します。

17.10.7 Microsoft Exchangeでのパスワードの変更

問題

複数のユーザーがMicrosoft Exchangeに同じユーザー名とパスワードでログオンし、1人のユーザーがパスワードを変更した場合、すべてのユーザーがログオフするまで元のパスワードは引き続き有効です。

たとえば、ユーザーmontyの現在のパスワードがwelcome1とします。AとBの2人のユーザーが別々のクライアントからWebCenter PortalまたはMicrosoft Exchangeのいずれかを使用してログオンします。2人ともmonty/welcome1でログオンし、2人ともメールを閲覧できます。ここで、ユーザーAがMicrosoft Exchangeのパスワードをoracle1に変更します。この時点では、パスワードoracle1を使用するユーザーとパスワードwelcome1を使用するユーザーが存在するため、どちらのパスワードも有効です。したがって、別のユーザーがmonty/welcome1でログオンして引き続きメールを閲覧できます。

解決策

元のパスワードを使用する既存のユーザー全員がログオフすると、新しいパスワードが有効になります。それまでは、両方のパスワードを使用してログオンできます。

17.10.8 メールの内容が添付ファイルとして送信される

問題

Frameworkアプリケーションでメールを受信したとき、メッセージの内容がメッセージ本文内ではなく、添付ファイル(content.html)として表示される。この現象が発生する可能性があるのは、メール・サーバーでMicrosoft Exchange Server 2007が実行されており、「Exchange Server 2007の更新プログラムのロールアップ3」がまだインストールされていない場合です。

解決策

「Exchange Server 2007の更新プログラムのロールアップ3」をダウンロードしてインストールすると、この問題を解消できます。詳細は、http://support.microsoft.com/kb/930468を参照してください。