Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1) E05700-03 |
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この章では、Recovery Managerコマンドライン・インタフェースを起動する方法およびデータベースに接続する方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
このRecovery Manager実行可能ファイルは、データベースとともに自動的にインストールされ、通常、他のデータベース実行可能ファイルと同じディレクトリに配置されます。たとえば、Linuxの場合、Recovery Managerクライアントは$ORACLE_HOME/bin
に配置されています。Recovery Managerを起動する場合、次の基本的なオプションがあります。
% rman
% rman TARGET / # operating system authentication % rman TARGET SYS@prod NOCATALOG # RMAN prompts for SYS password % rman TARGET / CATALOG rco@catdb # RMAN prompts for rco password
注意: ほとんどのRecovery Managerコマンドでは、有効な作業を実行するためにRecovery Managerが1つ以上のターゲット・データベースに接続している必要があります。Recovery Managerを様々なタイプのデータベースに接続する方法の詳細は、「Recovery Managerによるデータベース接続の確立」を参照してください。 |
Recovery Managerやプログラムを終了するには、Recovery ManagerプロンプトでEXIT
またはQUIT
と入力します。
RMAN> EXIT
デフォルトでは、Recovery Managerはコマンド出力を標準出力に書き込みます。出力をログ・ファイルにリダイレクトするには、次の例に示すように、Recovery Managerの起動時にコマンドラインでLOG
パラメータを入力します。
% rman LOG /tmp/rman.log
この場合、Recovery Managerによってコマンド入力は表示されますが、Recovery Manager出力は表示されません。Recovery Manager出力をログ・ファイルと標準出力の両方に送信する場合は、Linuxのtee
コマンドまたは同等のコマンドを使用する方法が最も簡単です。たとえば、次の方法で、入力と出力の両方をRecovery Managerコマンドライン・インタフェース内に表示できます。
% rman | tee rman.log RMAN>
Recovery Managerを起動する前に、環境変数NLS_DATE_FORMAT
およびNLS_LANG
を設定しておくと役に立つ場合があります。これらの変数によって、RESTORE
、RECOVER
、REPORT
などのRecovery Managerコマンドの時間パラメータで使用される書式が決まります。
次に、一般的な言語および日付書式の設定例を示します。
NLS_LANG=american NLS_DATE_FORMAT='Mon DD YYYY HH24:MI:SS'
Recovery Managerを使用してマウントされていないデータベースに接続し、その後、Recovery Managerが接続された状態でそのデータベースをマウントする場合は、NLS_LANG
環境変数にデータベースが使用するキャラクタ・セットを指定してください。
マウントされていないデータベースのキャラクタ・セットは、デフォルトのUS7ASCII
とみなされます。キャラクタ・セットがデフォルトと異なる場合、Recovery Managerは、データベースのマウント後にエラーを戻します。たとえば、キャラクタ・セットがWE8DEC
の場合は、NLS_LANG
変数を次のように設定できます。
NLS_LANG=american_america.we8dec
NLS_LANG
およびNLS_DATE_FORMAT
は、使用されるNLS_DATE_FORMAT
に対して設定する必要があります。
Recovery Managerコマンドは、Recovery Managerプロンプトから直接入力するか、またはテキスト・ファイルから読み取ることができます。
この項の内容は、次のとおりです。
Recovery Managerクライアントでコマンドを受け入れる準備が整うと、次の例に示すようなコマンド・プロンプトが表示されます。
RMAN>
Recovery Managerで実行するコマンドを入力します。たとえば、次のように入力します。
RMAN> CONNECT TARGET RMAN> BACKUP DATABASE;
ほとんどのRecovery Managerコマンドでは、多くのパラメータを指定し、セミコロンで終了する必要があります。STARTUP
、SHUTDOWN
、CONNECT
などの一部のコマンドは、セミコロンで終了しているかどうかに関係なく使用できます。
完全なコマンドではないテキスト行を入力すると、Recovery Managerは、行番号を表示して入力の継続を求めます。たとえば、次のように入力します。
RMAN> BACKUP DATABASE 2> INCLUDE CURRENT 3> CONTROLFILE 4> ;
繰返し作業の場合は、Recovery Managerコマンドを含むテキスト・ファイルを作成し、@
引数の後にファイル名を続けてRecovery Managerクライアントを起動します。たとえば、現行のディレクトリに次のテキスト行を含むテキスト・ファイルcmdfile1
を作成します。
BACKUP DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
このコマンド・ファイルをコマンドラインから実行すると、コマンド・ファイルに含まれているコマンドが実行されます。次に例を示します。
% rman TARGET / @cmdfile1
コマンドの完了後、Recovery Managerは終了します。
Recovery Managerコマンド・プロンプトで@
を使用して、Recovery Managerセッション中にコマンド・ファイルの内容を実行することもできます。Recovery Managerは、ファイルを読み取り、ファイル内のコマンドを実行します。たとえば、次のように入力します。
RMAN> @cmdfile1
Recovery Managerは、コマンド・ファイル内のコマンドの実行後、次のメッセージを表示します。
RMAN> **end-of-file**
オペレーティング・システムのコマンドラインからコマンド・ファイルを実行した場合と異なり、Recovery Managerは終了しません。
Recovery Managerでのコメント文字は、シャープ記号(#
)です。行のシャープ記号から最後までのテキストはすべて無視されます。たとえば、次のコマンド・ファイルの内容は、データベースおよびアーカイブREDOログをバックアップし、コメントを追加します。
# Command file name: mybackup.rman # The following command backs up the database BACKUP DATABASE; # The following command backs up the archived redo logs BACKUP ARCHIVELOG ALL;
次の例では、単一のRecovery Managerコマンドを複数の行に分割できることを示します。
RMAN> BACKUP # this is a comment 2> SPFILE;
コマンド・ファイルの実行時に、コマンド・ファイル内の置換変数で使用される1つ以上の値をUSING
句に指定できます。この方法で、コマンド・ファイルを動的にすることができます。
SQL*Plusと同様に、&1
は最初の値を配置する場所を示し、&2
は2番目の値を配置する場所を示します。それ以降も同様です。置換変数の構文では、&
integer
の後にオプションのピリオドが続きます。たとえば、&1.3
のようになります。オプションのピリオドは変数の一部であり、値と置換されます。したがって、置換テキストの直後に別の整数を続けることができます。たとえば、値mybackup
を変数&1.3
を含むコマンド・ファイルに渡すと、置換の結果はmybackup3
になります。
次の手順では、置換変数を含むコマンド・ファイルをコールする動的シェル・スクリプトを作成および使用する方法について説明します。
次に、四半期ごとに実行されるquarterly_backup.cmd
という名前のコマンド・ファイルの内容の例を示します。このスクリプトでは、テープ・セットの名前、FORMAT
指定内の文字列および作成するリストア・ポイントの名前の置換変数が使用されています。
# quarterly_backup.cmd CONNECT TARGET / RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS 'ENV=(OB_MEDIA_FAMILY=&1)'; BACKUP DATABASE TAG &2 FORMAT '/disk2/bck/&1%U.bck' KEEP FOREVER RESTORE POINT &3; } EXIT;
次の例では、runbackup.sh
というシェル・スクリプトを作成します。この例では、書式およびリストア・ポイント名のシェル変数を作成し、これらの変数の値をスクリプトへのコマンドライン引数として受け入れます。
#!/bin/tcsh # name: runbackup.sh # usage: use the tag name and number of copies as arguments set media_family = $argv[1] set format = $argv[2] set restore_point = $argv[3] rman @'/disk1/scripts/whole_db.cmd' USING $media_family $format $restore_point
次の例では、runbackup.sh
シェル・スクリプトを実行し、メディア・ファミリ名としてarchival_backup
、書式文字列としてbck0906
、リストア・ポイント名としてFY06Q3
を渡します。
% runbackup.sh archival_backup bck0906 FY06Q3
Recovery Managerコマンドを実行せずに、その構文の正しさをテストする必要がある場合があります。コマンドライン引数CHECKSYNTAX
を使用して、Recovery Managerクライアントを起動します。これによって、入力したコマンドの解析のみが行われ、有効なRecovery Manager構文ではないコマンドに対してRMAN-00558
エラーが戻されます。
コマンドを実際には実行せずに、Recovery Managerコマンドの構文を対話形式で確認できます。
CHECKSYNTAX
パラメータを使用して、Recovery Managerを起動します。たとえば、次のコマンドを入力します。
% rman CHECKSYNTAX
次に、対話形式のセッションの例を示します。ユーザーが入力するテキストは太字になっています。
RMAN> run [ backup database; ] RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS =============== RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00558: error encountered while parsing input commands RMAN-01006: error signalled during parse RMAN-02001: unrecognized punctuation symbol "[" RMAN> run { backup database; } The command has no syntax errors RMAN>
コマンド・ファイル内のコマンドをテストするには、CHECKSYNTAX
パラメータを使用してRecovery Managerを起動し、渡すコマンド・ファイルを@
コマンドを使用して指定します。
次の内容の/tmp/goodcmdfile
を作成するとします。
# command file with legal syntax RESTORE DATABASE; RECOVER DATABASE;
次の内容の別のコマンド・ファイル/tmp/badcmdfile
を作成するとします。
# command file with bad syntax commands RESTORE DATABASE RECOVER DATABASE
filename
はコマンド・ファイルの名前です。
% rman CHECKSYNTAX @filename
次の例は、CHECKSYNTAX
を使用して/tmp/goodcmdfile
を実行した場合の出力を示しています。
RMAN> # command file with legal syntax 2> restore database; 3> recover database; 4> The cmdfile has no syntax errors Recovery Manager complete.
これに対して、次の例は、CHECKSYNTAX
を使用して/tmp/badcmdfile
を実行した場合の出力を示しています。
RMAN> #command file with syntax error 2> restore database 3> recover RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS=============== RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00558: error encountered while parsing input commands RMAN-01005: syntax error: found "recover": expecting one of: "archivelog, channel, check, controlfile, clone, database, datafile, device, from, force, high, (, preview, ;, skip, spfile, standby, tablespace, until, validate" RMAN-01007: at line 3 column 1 file: /tmp/badcmdfile
「コマンド・ファイルでの置換変数の使用」の説明に従って、置換変数を使用してコマンド・ファイルを動的にします。置換変数を含むコマンド・ファイルの構文を確認する場合は、Recovery Managerによって値を入力するように求められます。例4-1は、動的コマンド・ファイルの構文を確認する際に無効な値を入力した場合を示しています。太字のテキストは、プロンプトとして入力されたテキストを示しています。
RMAN> CONNECT TARGET * 2> BACKUP TAG Enter value for 1: mybackup abc COPIES Enter value for 2: mybackup abc RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS =============== RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00558: error encountered while parsing input commands RMAN-01009: syntax error: found "identifier": expecting one of: "integer" RMAN-01008: the bad identifier was: mybackup RMAN-01007: at line 2 column 25 file: /tmp/whole_db.cmd
文字列mybackup
はCOPIES
の有効な引数ではないため、Recovery Managerは構文エラーを示します。
この項では、ターゲット・データベースにRecovery Managerクライアントを接続する方法について説明します。この項では次の項目を取り上げます。
適切な作業を行うために、Recovery Managerクライアントをデータベースに接続する必要があります。次の表に、Recovery Managerで確立できるデータベース接続のタイプを示します。
データベース接続のタイプ | キーワード | 説明 |
---|---|---|
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Recovery Managerによってバックアップまたはリストアされるデータベース |
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制御ファイルとは別の、Recovery Managerリポジトリのオプションのバックアップ先となるデータベース |
|
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フィジカル・スタンバイ・データベース、または複製データベースの作成、表領域のトランスポート、表領域のPoint-in-Timeリカバリの実行などの特定の作業を実行するために作成されたデータベース・インスタンス 補助データベースを使用する多くのタスクとして、Recovery Managerは、タスク実行中に使用する自動補助インスタンスを作成し、そのインスタンスに接続してタスクを実行し、タスクの完了時にそのインスタンスを破棄します。自動補助インスタンスに接続するために明示的なコマンドは指定しません。 |
Recovery Managerによるデータベースへの接続は、SQL*Plusによるデータベースへの接続と同じ方法で指定および認証します。Recovery Managerによるターゲット・データベースまたは補助データベースへの接続にはSYSDBA
権限が必要である点のみが異なります。AS SYSDBA
キーワードは、ターゲット接続および補助接続に対して暗黙的に指定され、明示的には指定できません。
リカバリ・カタログへの接続では、SYSDBA
権限は必要ありません。カタログ・スキーマの所有者には、RECOVERY_CATALOG_OWNER
ロールを付与する必要があります。
オペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続するには、Oracle SIDを指定する環境変数を設定する必要があります。たとえば、UNIXシェルでSIDをprod
に設定するには、次のように入力します。
% ORACLE_SID=prod; export ORACLE_SID
オペレーティング・システム認証を使用すると、特別なオペレーティング・システム・グループによってSYSDBA
接続が制御されます。通常、このグループはOSDBAと呼ばれます。このグループは、データベースのインストール・プロセスの一環として作成され、特定の名前が割り当てられます。この特定の名前は、オペレーティング・システムによって異なります。
現行のオペレーティング・システム・ユーザーがOSDBAグループのメンバーで、Oracle SIDが設定されている場合は、次のように入力すると、Recovery ManagerがSYSDBA
権限でこのデータベースに接続できます。
% rman TARGET /
データベースでパスワード・ファイルが使用されている場合、Recovery Managerはパスワードを使用してこのデータベースに接続できます。パスワード・ファイルは、ローカルまたはリモート・アクセスに使用します。ネット・サービス名を指定してSYSDBA
でリモート接続する場合は、パスワード・ファイルを使用する必要があります。
Recovery Managerは、次の例のように、接続文字列にパスワードを含めずに起動できます。
% rman TARGET SYS@prod target database Password: password connected to target database: PROD1 (DBID=39525561)
Recovery Managerによってパスワードの入力が求められますが、文字はエコーされません。
オペレーティング・システムのコマンドラインからターゲット・データベースに接続するには、rman
コマンドの後に接続情報を続けて入力します。Recovery Managerプロンプトが表示されたら、コマンドの実行を開始できます。
表4-2に、この章の例で使用される一般的な値の意味を示します。
例4-2は、オペレーティング・システム認証を使用するターゲット・データベースへの接続を示しています。NOCATALOG
オプションは、セッションでリカバリ・カタログが使用されないことを示します。
% rman TARGET / NOCATALOG connected to target database: PROD (DBID=39525561) using target database control file instead of recovery catalog RMAN>
例4-3は、Oracle Net認証を使用するターゲット・データベースへの接続を示しています。Recovery Managerによってパスワードの入力を求められます。
% rman TARGET SYS@prod NOCATALOG target database Password: password connected to target database: PROD (DBID=39525561) RMAN>
CATALOG
キーワードを使用してリカバリ・カタログに接続します。例4-4は、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ・データベースに対してOracle Net認証を使用する接続を示しています。いずれの場合も、Recovery Managerによってパスワードの入力を求められます。
% rman TARGET SYS@prod CATALOG rco@catdb target database Password: password connected to target database: PROD (DBID=39525561) recovery catalog database Password: password connected to recovery catalog database RMAN>
NOCATALOG
またはCATALOG
を指定せずにRecovery Managerを起動することもできます。コマンドラインでNOCATALOG
を指定しなかった場合およびRecovery Managerの起動後にCONNECT CATALOG
を指定しなかった場合、Recovery Managerリポジトリを使用する必要があるコマンドを初めて実行すると、Recovery ManagerはデフォルトでNOCATALOG
モードに設定されます。
オペレーティング・システムのコマンドラインでターゲット・データベースに接続する場合は、Recovery Managerプロンプトが表示された後で、コマンドの実行を開始できます。
ターゲット・データベースに接続せずにRecovery Managerを起動する場合は、Recovery ManagerプロンプトでCONNECT TARGET
コマンドを発行し、ターゲット・データベースに接続してから有効な作業の実行を開始する必要があります。
rman
を次のように入力します。
% rman RMAN>
CONNECT
コマンドを入力します。次の例では、オペレーティング・システム認証を使用してターゲット・データベースに接続します。
RMAN> CONNECT TARGET /
次の例では、ターゲット・データベースに接続した後、リカバリ・カタログに接続します。ターゲット接続ではオペレーティング・システム認証が使用され、カタログ・データベース接続ではOracle Net認証が使用されます。Recovery Managerによって、リカバリ・カタログ・ユーザーのパスワードの入力を求められます。
RMAN> CONNECT TARGET / RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb recovery catalog database Password: password connected to recovery catalog database
次の例では、データベース・レベルの資格証明でターゲット・データベースに接続します。Recovery ManagerによってSYS
パスワードの入力を求められます。
% rman RMAN> CONNECT TARGET SYS@prod target database Password: password connected to target database: PROD (DBID=39525561)
DUPLICATE
コマンドを使用するには、補助インスタンスに接続する必要があります。Recovery Manager表領域のPoint-in-Timeリカバリを実行する場合にも、補助インスタンスに接続する必要がある場合があります。
注意:
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補助接続の形式はターゲット・データベース接続と同じですが、TARGET
キーワードのかわりにAUXILIARY
キーワードを使用します。例4-5では、Recovery Managerプロンプトからターゲット・データベースおよび補助インスタンスに接続しています。
% rman RMAN> CONNECT TARGET / RMAN> CONNECT AUXILIARY SYS@aux auxiliary database Password: password connected to auxiliary database: PROD (DBID=30472568)
参照:
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データベース・レベルの接続情報(ユーザー名およびパスワード)とともにCONNECT
コマンドを記述してRecovery Managerコマンド・ファイルを作成した場合、このファイルへの読取り権限を持っているすべてのユーザーがこのパスワードを参照できます。パスワードを含めたCONNECT
文字列を、コマンド・ファイルに安全に組み込む方法はありません。
CONNECT
コマンドを使用するRecovery Managerコマンド・ファイルを作成した場合、このコマンド・ファイルを@
コマンドで実行すると接続文字列はエコーされません。この動作によって、Recovery Manager出力を含むログ・ファイルに接続文字列が表示されなくなります。たとえば、次のようにlistbkup.rman
コマンド・ファイルを作成するとします。
cat > listbkup.rman << EOF CONNECT TARGET / LIST BACKUP; EOF
Recovery Managerを@
コマンドライン・オプションを指定して実行し、このスクリプトを実行します。
% rman @listbkup.rman
このコマンド・ファイルを実行すると、次の出力に示すように、接続文字列がアスタリスクに置き換えられます。
RMAN> CONNECT TARGET * 2> LIST BACKUP; 3> connected to target database: RDBMS (DBID=771530996) using target database control file instead of recovery catalog List of Backup Sets =================== . . .
ターゲット・データベース、カタログ・データベースおよび補助データベースへの接続時にRecovery Managerで発生したエラーを診断する際、SQL*Plusを使用してこれらのデータベースに直接接続すると、接続情報またはデータベースに関する根本的な問題を検出できます。
Recovery Managerは、常にSYSDBA
権限を使用してターゲット・データベースおよび補助データベースに接続します。このため、SQL*Plusを使用してターゲット・データベースおよび補助データベースへの接続時に発生した問題を診断する場合は、SYSDBA
接続を要求して、Recovery Managerの動作を再現します。
たとえば、次のRecovery Managerコマンドで接続エラーが発生したとします。
RMAN> CONNECT TARGET /
この場合、次のSQL*Plusコマンドを使用して前の接続操作を再現できます。
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
Recovery Managerでリカバリ・カタログ・データベースに接続する場合、SYSDBA
権限は使用されません。そのため、SQL*Plusを使用してリカバリ・カタログ・データベースへの接続時に発生した問題を診断する場合は、Recovery Managerに入力したものと同じデータベース接続文字列を入力する必要があります。AS SYSDBA
は指定しないでください。
Recovery Managerにコマンドを発行してそれらのコマンドから出力を受信するかわりに、Recovery Managerのパイプ・インタフェースを使用できます。このインタフェースを使用すると、Recovery Managerは、オペレーティング・システム・シェルではなくDBMS_PIPE
PL/SQLパッケージによってコマンドを取得し、出力を送信します。このインタフェースを使用することによって、Recovery Managerへのポータブル・プログラム・インタフェースを作成できます。
パイプ・インタフェースを起動するには、Recovery ManagerクライアントのPIPE
コマンドライン・パラメータを使用します。Recovery Managerは2つのプライベート・パイプを使用します。1つはコマンドの受信用、もう1つは出力の送信用です。パイプの名前はPIPE
パラメータの値から導出されます。たとえば、次のコマンドでRecovery Managerを起動できます。
% rman PIPE abc TARGET /
Recovery Managerは、ターゲット・データベースで2つのパイプをオープンします。ORA$RMAN_ABC_IN
はユーザー・コマンドの受信に使用するパイプ、ORA$RMAN_ABC_OUT
はすべての出力をRecovery Managerに戻すために使用するパイプです。入力と出力の両方のパイプでは、すべてのメッセージはVARCHAR2
型です。
セキュリティの問題が発生する可能性があるため、Recovery Managerでは、パイプ・インタフェースをパブリック・パイプで使用することはできません。パブリック・パイプの場合、パイプ名を知っているすべてのユーザーが、Recovery Managerにコマンドを送信してその出力を取得できます。
パイプは、初期化されていない場合はプライベート・パイプとして作成されます。Recovery Managerの起動前に入力パイプにコマンドを入力する場合は、DBMS_PIPE.CREATE_PIPE
をコールして最初にパイプを作成しておく必要があります。パイプは、プライベート・パイプとして明示的に作成しないと、そのパイプへの最初のアクセス時に自動的にパブリック・パイプとして作成されます。Recovery Managerでパブリック・パイプを使用しようとすると、エラーが戻されます。
注意:
複数のRecovery Managerセッションをターゲット・データベースに対して実行する場合は、各Recovery Managerセッションに一意のパイプ名を使用する必要があります。一意のパイプ名を生成する方法の1つとして、 |
この例では、Recovery Managerを制御するアプリケーションで複数のコマンドを連続実行します。パイプに各コマンドが送信および実行されて出力が戻されると、Recovery Managerは一時停止して次のコマンドを待機します。
PIPE
オプションを指定してRecovery Managerを起動します。たとえば、次のように入力します。
% rman PIPE abc TARGET /
TIMEOUT
オプションを指定することもできます。このオプションを指定すると、指定した時間内(秒単位)に入力パイプから入力を受信しなかった場合、Recovery Managerが強制終了されます。たとえば、次のように入力します。
% rman PIPE abc TARGET / TIMEOUT 60
DBMS_PIPE.PACK_MESSAGE
およびDBMS_PIPE.SEND_MESSAGE
を使用して目的のコマンドを入力パイプに入力します。パイプ・モードでは、Recovery Managerで入力の受入れ準備が完了すると、標準Recovery ManagerプロンプトではなくRMAN-00572
メッセージが表示されます。
DBMS_PIPE.RECEIVE_MESSAGE
およびDBMS_PIPE.UNPACK_MESSAGE
を使用して、出力パイプからRecovery Manager出力を読み取ります。
TIMEOUT
オプションを使用した場合は、指定した時間内に入力を受信しなければRecovery Managerが自動的に終了します。すぐにRecovery Managerを終了するには、EXIT
コマンドを送信します。
この例では、Recovery Managerを制御するアプリケーションで1つ以上のコマンドを単一ジョブとして実行します。パイプに入力されたコマンドの実行後、Recovery Managerが終了します。
ORA$RMAN_
pipe_IN
という名前のパイプが存在しない場合)。
RMAN-00572
メッセージが表示されます。
PIPE
オプションを使用してRecovery Managerを起動し、TIMEOUT
0
を指定します。たとえば、次のように入力します。
% rman PIPE abc TARGET / TIMEOUT 0
DBMS_PIPE.PACK_MESSAGE
およびDBMS_PIPE.SEND_MESSAGE
を使用して、パイプに入力されたコマンドを読み取り、実行します。入力パイプのすべてのコマンドを実行すると、Recovery Managerはすぐに終了します。
DBMS_PIPE.RECEIVE_MESSAGE
およびDBMS_PIPE.UNPACK_MESSAGE
を使用して、出力パイプからRecovery Manager出力を読み取ります。
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