Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス 11g リリース1(11.1) E05703-02 |
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この章の内容は、次のとおりです。
第2章「Recovery Managerコマンド」では、すべてのRecovery Managerコマンドを、次の項目構成で説明しています。
コマンドの簡単な説明と、コマンドが使用される最も一般的な状況を示します。
コマンドを使用するための前提条件を示します。
コマンドを使用するための一般的な注意事項を示します(この項はオプションです)。コマンド・オプションに固有の注意事項は、そのオプションの説明に含まれています。
文を構成するキーワードとパラメータを構文図で示します。
構文を構成するキーワード、パラメータおよび句の用途を説明し、該当する制約事項と使用上の注意を示します。この章で使用されているキーワードおよびパラメータに関する表記規則は、「表記規則」で説明します。
文の各句と各パラメータの使用例を示します。
例の次の項では、文の使用方法と使用時期を説明します(この項はオプションです)。
このマニュアルでは、Recovery Managerのコマンドライン構成の構文記述に図形式またはバッカス正規形(BNF)を使用しています。構文図およびBNF記法についての基本的な情報は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。この項では、Recovery Managerの表記規則についてのみ説明します。
次のCATALOG
コマンドの例で示すように、Recovery Managerの構文図は、線と矢印で構文の構造を表します。
この項では、構文図の構成要素を説明し、Recovery Managerコマンドの書式の例を示します。構文図の構成要素は、次のとおりです。
キーワードは、Recovery Managerの構文で特殊な意味を持ちます。キーワードは、構文図では、図の例にあるワードCATALOG
のように長方形で囲まれた大文字で表されます。本文とコード例で使用されている場合、Recovery Managerキーワードは CATALOG
DATAFILECOPY
のように固定幅フォントの大文字で表されます。Recovery Manager文でのキーワードは、構文図に示すとおりに使用する必要があります。ただし、大文字と小文字は区別しません。
構文図でのプレースホルダは、キーワード以外を示します。構文図では、図の例にあるワードintegerのように楕円で囲まれて表されます。説明文の中では、Recovery Managerのプレースホルダは小文字のイタリック体で表されます。たとえば、'filename'となります。通常、プレースホルダは次の内容を示します。
構文図にプレースホルダがあるときは、Recovery Manager文中では、適切な型のオブジェクトまたは式に置き換えます。たとえば、DUPLICATE
TARGET
DATABASE
TO
'database_name'コマンドを記述する場合は、構文図のdatabase_nameプレースホルダを、dupdb
などの作成する複製データベースの名前に置き換えて使用します。
Recovery Managerの引用符付き文字列の場合、システムに依存しない有効な環境変数は、Oracleホームに使用する疑問符(?
)とSIDに使用するアットマーク(@
)のみです。ただし、ターゲット・システム上では、引用符付き文字列にオペレーティング・システム固有の環境変数を使用できます。環境変数は、Recovery Managerクライアントではなくデータベース・サーバーによって解析されます。
次の表に、構文図に表されるプレースホルダと、構文中でそれに代入する値の例を示します。
Recovery Manager構文図で示すプレースホルダの値には、引用符で囲むことが必要なものと任意のものがあります。構文図では一重引用符を使用していますが、Recovery Manager構文では、二重引用符も使用できます。たとえば、'filename'も"filename"も指定できます。SQL
コマンドの場合は、SQL文自体に引用符が含まれる場合があり、SQL文で最も一般的な引用符が一重引用符であるため、二重引用符を使用することをお薦めします。SQLでは、Recovery Managerの場合と異なり、一重引用符と二重引用符が別の意味を持ちます。
Recovery Managerの言語は自由区分形式です。複数のキーワードは、少なくとも1つの空白文字(空白、タブ、改行など)で区切る必要があります。Recovery Managerコマンドは、構文図で示すように、第2章「Recovery Managerコマンド」で説明するコマンドのいずれかに対応するキーワードで始まり、引数がその後に続き、セミコロンで終了します。次の例は、Recovery Managerのバックアップ・コマンドを示しています。
BACKUP DATABASE;
コマンドは、複数行になることがあります。たとえば、前述のコマンドの各キーワードを次のように別々の行に書き直すことができます。
BACKUP DATABASE ;
コメントは行の任意の場所で番号記号(#
)文字を使用して挿入することができます。#
文字に後続する行の部分は無視されます。次に例を示します。
# run this command once each day BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 FOR RECOVER OF COPY # using incrementally updated backups WITH TAG "DAILY_BACKUP" # daily backup routine DATABASE;
Recovery Manager言語にはいくつかの予約語があり、Recovery Managerコマンドで使用されていたか、現在も使用されているものがあります。表1-1に、現在予約されているすべての予約語を示します。
予約語のいずれかをRecovery Managerコマンドの引数として使用する必要がある場合(たとえば、ファイル名、表領域名、タグ名など)は、予約語を一重引用符または二重引用符で囲んでください。そうしないと、Recovery Managerでコマンドが正しく解析されず、エラーが発生します。例1-1に、Recovery ManagerコマンドでRecovery Manager予約語を適切に使用している例と適切でない使用例を示します。
ALLOCATE CHANNEL backup DEVICE TYPE DISK; # incorrect ALLOCATE CHANNEL "backup" DEVICE TYPE DISK; # correct BACKUP DATABASE TAG full; # incorrect BACKUP DATABASE TAG 'full'; # correct
通常、Recovery Managerコマンド言語の本来の意味と矛盾する方法で予約語を使用しないようにしてください。
表1-2に、Recovery ManagerプロンプトまたはRUN
コマンド、あるいはその両方で実行できるRecovery Managerコマンドの機能の概要を示します。使用できなくなっているコマンドとオプションもありますが、旧リリースのRecovery Managerのすべてのコマンドが、現行のリリースで動作します(付録A「使用不可になったRecovery Managerコマンド」を参照)。Recovery Managerクライアントのコマンドライン・オプションについては、「RMAN」を参照してください。
コマンド | 用途 |
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コマンド・ファイルを実行します。 |
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現在実行中のコマンド・ファイルと同じディレクトリにあるコマンド・ファイルを実行します。 |
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修復オプションを表示します。 |
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チャネルを確立します。これは、Recovery Managerとデータベース・インスタンス間の接続です。 |
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DELETEコマンドなどのメンテナンス・コマンドの発行に備えてチャネルを割り当てます。 |
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データベースをマウントまたはオープンします。 |
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データベース・ファイル、データベース・ファイルのコピー、アーカイブ・ログまたはバックアップ・セットをバックアップします。 |
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ファイル・コピーおよびユーザー管理バックアップに関する情報をレポジトリに追加します。 |
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バックアップ・ピース、イメージ・コピーまたはアーカイブREDOログをステータス |
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永続的なRecovery Manager設定を構成します。この設定は、明示的に変更または使用不可にするまで、すべてのRecovery Managerセッションに適用されます。 |
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Recovery Managerとターゲット・データベース、補助データベースまたはリカバリ・カタログ・データベースとの接続を確立します。 |
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プラットフォーム間で表領域とデータベースをトランスポートするために、データファイルの形式を変換します。 |
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リカバリ・カタログのためのスキーマを作成します。 |
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ストアド・スクリプトを作成してリカバリ・カタログに格納します。 |
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アーカイブ・ログ、データファイルのコピーおよびバックアップ・ピースなど、Recovery Managerで管理されるファイルが、ディスクまたはテープに引き続き存在するかどうかを判断します。 |
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バックアップとコピーを削除し、その参照をリカバリ・カタログから削除し、その制御ファイル・レコードをステータス |
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ストアド・スクリプトをリカバリ・カタログから削除します。 |
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リカバリ・カタログからスキーマを削除します。 |
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ディスクからターゲット・データベースを削除して登録を解除します。 |
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ターゲット・データベースのバックアップを使用して、テストに使用できる複製データベースを作成するか、スタンバイ・データベースを作成します。 |
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Recovery Managerストアド・スクリプトを実行します。 |
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Recovery Manager実行可能ファイルを終了します。 |
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データベースを過去のある時点またはSCNでの状態に戻します。 |
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リカバリ・カタログのユーザーに権限を付与します。 |
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Recovery Managerからオペレーティング・システムのコマンドライン・サブシェルをコールするか、特定のオペレーティング・システム・コマンドを実行します。 |
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あるリカバリ・カタログから別のリカバリ・カタログに、メタデータをインポートします。 |
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バックアップ・セットまたはコピーの詳細リストを生成します。 |
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ストアド・スクリプトを表示します。 |
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Recovery Manager実行可能ファイルを終了します。 |
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バックアップまたはデータファイルのコピーからリストアされたデータファイルまたはデータ・ブロックにREDOログおよび増分バックアップを適用して、その内容を特定の時点の状態に更新します。 |
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ターゲット・データベースをリカバリ・カタログに登録します。 |
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ALLOCATE CHANNELコマンドまたはALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCEコマンドで割り当てたチャネルを解放します。 |
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自動診断リポジトリに記録された1つ以上の障害を修復します。 |
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リカバリ・カタログに格納されている既存のスクリプトを置換します。既存のスクリプトがない場合は、 |
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リカバリ・カタログの内容の詳細分析を行います。 |
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SQL文 |
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バックアップ・セットまたはディスク・コピーから、デフォルト位置または新規の位置にファイルをリストアします。 |
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完全再同期化を実行します。これにより、スナップショット制御ファイルが作成され、そのファイルから新規または変更後の情報がリカバリ・カタログにコピーされます。 |
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リカバリ・カタログ・ユーザーから権限を取り消します。 |
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オペレーティング・システムのコマンドラインからRecovery Managerを起動します。 |
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1つ以上の一連のRecovery Managerコマンドを実行します。これは、 |
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ベンダー固有の引用符付き文字列を1つ以上の特定チャネルに送信します。 |
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RUNブロックまたはセッションの実行時にRecovery Managerの動作に影響する様々な属性の値を設定します。 |
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現行の |
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ターゲット・データベースを停止します。このコマンドは、SQL*Plusの |
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Recovery Manager出力をログ・ファイルに書き込みます。 |
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Recovery Manager内からSQL文を実行します。 |
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ターゲット・データベースを起動します。このコマンドは、SQL*Plusの |
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データファイルのコピーが現行のデータファイルであることを指定します。つまり、制御ファイルが指すデータファイルです。このコマンドは、データファイルに適用されるSQL文 |
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1つ以上の表領域のバックアップからトランスポータブル表領域のセットを作成します。 |
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リカバリ・カタログからデータベースを登録解除します。 |
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リカバリ・カタログ・スキーマを、旧バージョンからRecovery Manager実行可能ファイルに必要なバージョンにアップグレードします。 |
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バックアップ・セットを調べて、データの損傷がないかどうかをレポートします。Recovery Managerは、指定したバックアップ・セットのバックアップ・ピースをすべてスキャンし、チェックサムを参照して、内容が正しくリストアされるかどうかを検証します。 |
複数のコマンドで使用される副次句は、不要な重複を避けるために章を分けて説明しています。副次句を使用するコマンドの説明には、第3章「Recovery Manager副次句」の副次句の項目への相互参照が含まれています。表1-3に、Recovery Managerの副次句をまとめています。
副次句 | 指定内容. . . |
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アーカイブREDOログ・ファイルの範囲。 |
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バックアップまたはコピーが完了した時刻の範囲。 |
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ターゲット・データベース、リカバリ・カタログ・データベースまたは補助データベースに接続するための、ユーザー名、パスワードおよびネット・サービス名。この接続は、ユーザーの認証とデータベースの識別のために必要です。 |
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データファイル(ファイル名または絶対ファイル番号で指定)。 |
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バックアップまたはコピーに使用するストレージ・デバイスのタイプ。 |
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Data Guard環境のすべてのデータベース、または固有の |
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外部アーカイブREDOログ・ファイルの範囲。 |
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バックアップまたはコピーに使用するファイル名の形式。 |
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バックアップまたはコピーを現行の保存方針から除外するかどうか。 |
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LISTコマンドで表示する項目。 |
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CHANGE、CROSSCHECKおよびDELETEなどのメンテナンス・コマンドで操作されるファイル。 |
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指定条件に従って不要となるバックアップ。 |
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メンテナンス・コマンドで操作されるオブジェクト。 |
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上限(時刻、SCNまたはログ順序番号で指定)。通常、この句は不完全リカバリに必要な時点を指定するために使用します。 |
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