この章では、Oracle Database 11gの新しいネットワーキング機能について説明します。また、関連項目も示します。
Oracle Database 11gのOracle Net Servicesに関連する新機能は、次のとおりです。
ネットワーク管理セキュリティの強化
ネット・ネーミングの非匿名LDAPアクセス
データベース管理者は、サービスにアクセス制御リスト(ACL)を関連付けることでサービスへのアクセスを制限できます。この機能は、きわめて高いセキュリティ・レベルを必要とするインストールに使用できます。
「ディレクトリ・ネーミング・メソッドの構成」および「データベース・アクセス制御の構成」を参照してください。
パフォーマンスの向上
一般的な用法のシナリオに対応する新しいOracle Net fastpathにより、Oracle Netパフォーマンスが大幅に向上します。この機能は、Oracle Database 11gではデフォルトで使用可能です。ユーザーは、この機能について構成を実行する必要はありません。
バルク・データ転送に対する効率的なネットワーク・サポート(LOBなど)。この機能は、セッション・データ・ユニット(SDU)の概念を緩和し、新規パラダイムを使用してOracle Net接続を介した大量のデータ転送を最適化します。「セッション・データ・ユニット(SDU)サイズ」を参照してください。
PHPの拡張性
この機能で追加されるOracle Netサポートにより、プラットフォームでの効率的なイベントディスパッチ・メカニズムが実現します。プラットフォームはこのメカニズムをサポートしている必要があります。この機能はPHP用法のシナリオについて内部で使用可能であり、ユーザーはこの機能を使用可能にするため構成を実行する必要はありません。
高可用性(HA)のための高速再接続
この機能は、接続時フェイルオーバーのための効率的な使用不能ノード検出メカニズムを追加します。構成可能なタイムアウトが様々なレベルで実装されています。
データベース常駐接続プーリングのサポート
この機能により、複数の中間層プロセス間で接続またはセッションを共有できます。
簡易接続ネーミング・メソッドの拡張
TCP/IP環境では、簡易接続ネーミング・メソッドを使用することにより、クライアント構成を簡略化できます。簡易接続ネーミング・メソッドを使用すると、クライアントは最初にネット・サービス名を構成しなくても、Oracle Databaseサービスに接続できるため、ネットワーク管理が容易になります。かわりにクライアントは、データベースのホスト名、およびオプションのポートとサービス名を使用して、接続を確立します。「簡易接続ネーミング・メソッドの使用」を参照してください。