この章では、tnsnames.ora
ファイルの構成パラメータの完全なリストを提供します。
この章では、次の項目について説明します。
このtnsnames.ora
ファイルは、ローカル・ネーミング・メソッドの接続記述子にマップされるネット・サービス名、またはリスナーのプロトコル・アドレスにマップされるネット・サービス名が含まれた構成ファイルです。
ネット・サービス名は、接続記述子に含まれているデータベース・ネットワーク・アドレスにマップされる別名です。接続記述子には、プロトコル・アドレスによるリスナーの位置、および接続先データベースのサービス名が含まれています。(他のデータベース・サーバーのクライアントである)クライアントとデータベース・サーバーは、アプリケーションとの接続時にネット・サービス名を使用します。
tnsnames.ora
のデフォルトの位置は、UNIXオペレーティング・システムの場合は$ORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリ、Windowsオペレーティング・システムの場合は%ORACLE_HOME%\network\admin
ディレクトリです。tnsnames.ora
は次の位置に格納することもできます。
環境変数TNS_ADMIN
またはレジストリ値で指定されたディレクトリ。
UNIXオペレーティング・システムの場合は、グローバル構成ディレクトリ。たとえば、Solarisオペレーティング・システムの場合、このディレクトリは/var/opt/oracle
です。
関連項目: オペレーティング・システム固有のOracleドキュメントを参照してください。 |
tnsnames.ora
ファイルの基本的な構文は、例6-1のとおりです。DESCRIPTION
には接続記述子、ADDRESS
にはプロトコル・アドレス、CONNECT_DATA
にはデータベース・サービス識別情報が含まれています。
tnsnames.ora
ファイルには、1つ以上の接続記述子を持つネット・サービス名を含めることができます。各接続記述子には、1つ以上のプロトコル・アドレスを含めることができます。例6-2には、複数のアドレスを持つ2つの接続記述子が示されています。DESCRIPTION_LIST
は、接続記述子のリストを定義します。
注意: Oracle Net Managerでは、1つのネット・サービス名に対する複数の接続記述子の作成はサポートしていません。 |
例6-2 tnsnames.ora内に複数の接続記述子を持つネット・サービス名
net_service_name= (DESCRIPTION_LIST= (DESCRIPTION= (ADDRESS=(protocol_address_information)) (ADDRESS=(protocol_address_information)) (ADDRESS=(protocol_address_information)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=service_name))) (DESCRIPTION= (ADDRESS=(protocol_address_information)) (ADDRESS=(protocol_address_information)) (ADDRESS=(protocol_address_information)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=service_name))))
tnsnames.ora
ファイルは、それぞれ独自の特性を備えた複数のアドレス・リストを持つ接続記述子もサポートします。 例6-3では、2つのアドレス・リストが示されています。 最初のアドレス・リストには、クライアント・ロード・バランスがあり、接続時フェイルオーバーがないという特徴があり、ADDRESS_LIST
内のプロトコル・アドレスにのみ影響を与えます。2番目のプロトコル・アドレス・リストには、接続時フェイルオーバーがありクライアント・ロード・バランスがないという特徴があり、ADDRESS_LIST
内のプロトコル・アドレスにのみ影響を与えます。クライアントは、最初に第1または第2のプロトコル・アドレスを無作為に試行し、次に、第3および第4のプロトコル・アドレスを順に試行します。
例6-3 tnsnames.ora内の複数アドレス・リスト
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST= (LOAD_BALANCE=on) (FAILOVER=off)(ADDRESS=(
protocol_address_information))
(ADDRESS=(
protocol_address_information)))
(ADDRESS_LIST= (LOAD_BALANCE=off) (FAILOVER=on)(ADDRESS=(
protocol_address_information))
(ADDRESS=(
protocol_address_information)))
(CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=service_name)))
注意: リストが1つのみの場合は、リリース8.1以前の場合のように、プロトコル・アドレス・リストを ADDRESS_LIST に埋め込む必要はありません。 |
tnsnames.ora
ファイルの接続記述子に、Oracle Connection Managerのプロトコル・アドレスが少なくとも2つ含まれている場合は、接続時フェイルオーバーとロード・バランシングのパラメータをファイルに組み込むことができます。
例6-4では、複数のOracle Connection Managerプロトコル・アドレスのフェイルオーバーが示されています。
例6-4 tnsnames.ora内の複数Oracle Connection Managerアドレス
sample1= (DESCRIPTION= (SOURCE_ROUTE=yes) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host1)(PORT=1630)) # hop 1 (ADDRESS_LIST= (FAILOVER=on) (LOAD_BALANCE=off) # hop 2 (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host2a)(PORT=1630)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host2b)(PORT=1630))) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host3)(PORT=1521)) # hop 3 (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=Sales.us.example.com)))
例6-4の場合は、次の処理が行われます。
次の記述によって、クライアントは、最初のOracle Connection Managerのプロトコル・アドレスに接続するように指示されます。
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host1)(PORT=1630))
次に、最初のOracle Connection Managerは、別のOracle Connection Managerの第1プロトコル・アドレスに接続するように指示されます。第1プロトコル・アドレスへの接続に失敗した場合は、第2プロトコル・アドレスへの接続が試行されます。この順序は、次の構成によって指定されます。
(ADDRESS_LIST= (FAILOVER=ON) (LOAD_BALANCE=off) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host2a)(PORT=1630)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host2b)(PORT=1630))
次に、Oracle Connection Managerは、次のプロトコル・アドレスを使用してデータベース・サービスに接続します。
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host3)(PORT=1521))
例6-5では、2つのOracle Connection Managerと2つのプロトコル・アドレスのクライアント・ロード・バランスが示されています。
例6-5 tnsnames.ora内のクライアント・ロード・バランス
sample2= (DESCRIPTION= (LOAD_BALANCE=on) (FAILOVER=on) (ADDRESS_LIST= (SOURCE_ROUTE=yes) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host1)(PORT=1630)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host2)(PORT=1521))) (ADDRESS_LIST= (SOURCE_ROUTE=yes) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host3)(port=1630)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host4)(port=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
例6-5の場合は、次の処理が行われます。
クライアントは、ADDRESS_LIST
を無作為に選択し、選択したADDRESS_LIST
に障害がある場合、別のリストにフェイルオーバーするように指示されます。この指示は、LOAD_BALANCE
パラメータとFAILOVER
パラメータがon
に設定されていることで示されます。
ADDRESS_LIST
が選択されると、クライアントは、最初にそのADDRESS_LIST
に指定されているポート1630を使用するOracle Connection Managerプロトコル・アドレスを使用して、Oracle Connection Managerに接続します。
次に、Oracle Connection Managerは、ADDRESS_LIST
に指定されているプロトコル・アドレスを使用してデータベース・サービスに接続します。
この項では、接続記述子を導出するtnsnames.ora
ファイルのパラメータをリストして説明します。構成パラメータは、次のカテゴリに分類されます。
各接続記述子は、DESCRIPTIONパラメータの中に組み込まれています。複数の接続記述子は、DESCRIPTION_LISTパラメータによって記述されます。 これらのパラメータについては、この項で説明します。
用途
DESCRIPTION
パラメータは、接続記述子のコンテナとして使用します。
このパラメータは、DESCRIPTION_LIST
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
tnsnames.ora
ファイルのプロトコル・アドレス・セクションは、リスナーのプロトコル・アドレスを指定します。
この項では、次のパラメータをリストして説明します。
用途
ADDRESS
パラメータを使用して、単一のリスナー・プロトコル・アドレスを定義します。
このパラメータは、ADDRESS_LIST
パラメータまたはDESCRIPTION
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-svr)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com))
用途
ADDRESS_LIST
パラメータを使用して、プロトコル・アドレスのリストを定義します。アドレス・リストが1つのみの場合、ADDRESS_LIST
は不要です。
このパラメータは、DESCRIPTION
パラメータまたはDESCRIPTION_LIST
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521))) (ADDRESS_LIST= (FAILOVER=on) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
アドレスが複数の場合は、次のパラメータが使用可能です。
用途
接続文字列内のDESCRIPTIONパラメータの下に(ENABLE=BROKEN)
を埋め込むことにより、サポートされているTCP転送でのキープアライブ機能をネット・サービス・クライアントに対して有効にできます。 キープアライブにより、コール元は接続されていないリモート・サーバーを検出できます。ただし、通知されるまで通常2時間以上かかります。 オペレーティング・システムのTCP構成はプラットフォームによって異なりますが、実際のキープアライブ時間の詳細を定義します。
デフォルト
tcp_keepalive
は、クライアント側のデフォルトではoff
です。
値
BROKEN
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (enable=broken) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com))
パラメータFAILOVER
を使用して、複数のプロトコル・アドレスに対して接続時フェイルオーバーを使用可能または使用禁止にします。
このパラメータをon
、yes
またはtrue
に設定すると、Oracle Netは、接続時に最初のプロトコル・アドレスに障害があった場合に別のアドレスにフェイルオーバーします。このパラメータをoff
、no
またはfalse
に設定すると、Oracle Netは、1つのプロトコル・アドレスを使用します。
このパラメータは、DESCRIPTION_LIST
パラメータ、DESCRIPTION
パラメータまたはADDRESS_LIST
パラメータの下に埋め込みます。
重要: listener.ora のSID_LIST_ listener_name セクションには、GLOBAL_DBNAME パラメータを設定しないでください。静的に構成されたグローバル・データベース名は、接続時フェイルオーバーを使用できません。 |
デフォルト
DESCRIPTION_LIST
、DESCRIPTION
およびADDRESS_LIST
の場合はon
値
on | off | yes | no | true | false
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (FAILOVER=on) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
用途
LOAD_BALANCE
パラメータを使用して、複数のプロトコル・アドレスに対してクライアント・ロード・バランスを使用可能または使用禁止にします。
このパラメータをon
、yes
またはtrue
に設定すると、Oracle Netは、無作為の順序でアドレスのリストを進み、各種リスナーまたはOracle Connection Managerのプロトコル・アドレスにかかる負荷を均衡化します。このパラメータをoff
、no
またはfalse
に設定すると、Oracle Netは、1つのプロトコル・アドレスが正常に作動するまでプロトコル・アドレスを順番に試します。
このパラメータは、DESCRIPTION_LIST
パラメータ、DESCRIPTION
パラメータまたはADDRESS_LIST
パラメータの下に埋め込みます。
デフォルト
DESCRIPTION_LIST
の場合は、on
値
on | off | yes | no | true | false
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (LOAD_BALANCE=on) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com))
用途
RECV_BUF_SIZE
パラメータを使用して、セッションの受信操作に使用するバッファ領域をバイト数で指定します。このパラメータは、TCP/IP、SSL付きTCP/IP、SDPの各プロトコルでサポートされます。
注意: オペレーティング・システムによっては、他のプロトコルもこのパラメータをサポートしている場合があります。このパラメータをサポートしている他のプロトコルの詳細は、オペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。 |
このパラメータを、DESCRIPTION
パラメータの下またはプロトコル・アドレスの最後に埋め込みます。
デフォルト
このパラメータのデフォルト値は、オペレーティング・システムによって異なります。Solaris 2.6オペレーティング・システムのデフォルトは、32768バイトです。
使用方法
クライアントの接続記述子にこのパラメータを設定すると、クライアント側のsqlnet.ora
ファイルのRECV_BUF_SIZEパラメータが上書きされます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-server)(PORT=1521) (RECV_BUF_SIZE=11784)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-server)(PORT=1521) (RECV_BUF_SIZE=11784)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com))) net_service_name= (DESCRIPTION= (RECV_BUF_SIZE=11784) (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=hr1-server)(PORT=1521) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=hr2-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=hr.us.example.com)))
用途
パラメータSDU
を使用して、ネットワークを介して送信されるデータ・パケットの転送レートを、指定されたセッション・データ・ユニット(SDU)・サイズで最適化するようにOracle Netに指示します。
このパラメータは、DESCRIPTION
パラメータの下に埋め込みます。
デフォルト
8192バイト(8KB)
値
512〜32767バイト
使用方法
クライアントの接続記述子にこのパラメータを設定すると、クライアント側のsqlnet.ora
ファイルのDEFAULT_SDU_SIZEパラメータが上書きされます。
関連項目: SDUの使用方法と構成情報の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (SDU=8192) (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-server)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-server)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA= (SERVER_NAME=sales.us.example.com))
用途
パラメータSEND_BUF_SIZE
を使用して、セッションの送信操作に使用するバッファ領域をバイト数で指定します。このパラメータは、TCP/IP、SSL付きTCP/IP、SDPの各プロトコルでサポートされます。
注意: オペレーティング・システムによっては、他のプロトコルもこのパラメータをサポートしている場合があります。このパラメータをサポートしている他のプロトコルの詳細は、オペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。 |
このパラメータを、DESCRIPTION
パラメータの下またはプロトコル・アドレスの最後に埋め込みます。
デフォルト
このパラメータのデフォルト値は、オペレーティング・システムによって異なります。Solaris 2.6オペレーティング・システムのデフォルトは、8192バイトです。
使用方法
クライアントの接続記述子にこのパラメータを設定すると、クライアント側のsqlnet.ora
ファイルのSEND_BUF_SIZEパラメータが上書きされます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-server)(PORT=1521) (SEND_BUF_SIZE=11784)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-server)(PORT=1521) (SEND_BUF_SIZE=11784)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com))) net_service_name= (DESCRIPTION= (SEND_BUF_SIZE=11784) (ADDRESS_LIST= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=hr1-server)(PORT=1521) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=hr2-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=hr.us.example.com)))
用途
パラメータSOURCE_ROUTE
を使用して、複数のプロトコル・アドレスを介するルーティングを使用可能にします。
on
またはyes
に設定すると、Oracle Netは、接続先に到達するまで順番に各アドレスを使用します。
Oracle Connection Managerを使用するには、クライアントからOracle Connection Managerへの第1接続、およびOracle Connection Managerからリスナーへの第2接続が必要です。
このパラメータは、DESCRIPTION_LIST
パラメータ、DESCRIPTION
パラメータまたはADDRESS_LIST
パラメータの下に埋め込みます。
デフォルト
off
値
yes | no | on | off
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (SOURCE_ROUTE=on) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=cman-pc)(PORT=1630)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com))
用途
パラメータTYPE_OF_SERVICE
を使用して、Oracle RDBデータベースに使用するサービスのタイプを指定します。このパラメータは、アプリケーションがOracle RDBとOracleデータベース・サービスの両方をサポートし、この両者間のロード・バランスをアプリケーションで行うようにする場合にのみ使用してください。
このパラメータは、DESCRIPTION
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name=
(DESCRIPTION_LIST=
(DESCRIPTION=
(ADDRESS=...)
(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=generic)
(RDB_DATABASE=[.mf]mf_personal.rdb)
(GLOBAL_NAME=alpha5))
(TYPE_OF_SERVICE=rdb_database))
(DESCRIPTION=
(ADDRESS=...)
(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=sales.us.example.com))
(TYPE_OF_SERVICE=oracle9_database)))
tnsnames.ora
ファイルの接続データ・セクションでは、接続先サービスの名前を指定します。
用途
CONNECT_DATA
パラメータを使用して、接続先のサービスを定義します。
このパラメータは、DESCRIPTION
パラメータの下に埋め込みます。
使用上の注意
CONNECT_DATA
には、次のサブパラメータを指定できます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
用途
FAILOVER_MODE
パラメータを使用して、実行時に最初のリスナーが失敗した場合に別のリスナーにフェイルオーバーするようOracle Netに指示します。構成に従って、実行していたセッションまたはSELECT
文が自動的にフェイルオーバーされます。
この種類のフェイルオーバーは、透過的アプリケーション・フェイルオーバー(TAF)と呼ばれます。接続時フェイルオーバーのFAILOVERパラメータと混同しないでください。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
サブパラメータ
FAILOVER_MODE
は、次のサブパラメータをサポートします。
BACKUP
: フェイルオーバー・ノードをネット・サービス名により指定します。フェイルオーバー・ノードに対しては個別のネット・サービス名を作成する必要があります。
TYPE
: フェイルオーバー・タイプを指定します。Oracle Call Interface(OCI)アプリケーションでは、デフォルトで3種類のOracle Netフェイルオーバー機能を使用できます。
session
: セッションをフェイルオーバーします。つまり、ユーザーの接続が消失した場合、バックアップ上にそのユーザーの新規セッションが自動的に作成されます。このタイプのフェイルオーバーは、リカバリ選択を試行しません。
select
: オープン・カーソルを持つユーザーはフェッチに失敗してもフェッチを継続できます。ただし、このモードは、通常の選択操作ではクライアント側のオーバーヘッドを伴います。
none
: これがデフォルトで、フェイルオーバー機能は使用されません。このパラメータを使用して、フェイルオーバーの発生回避を明示的に指定することもできます。
METHOD
: 1次ノードからバックアップ・ノードへのフェイルオーバーの実行速度を指定します。
basic
: フェイルオーバー時に接続を確立します。このオプションでは、フェイルオーバー時間までバックアップ・データベース・サーバーでの作業はほとんど不要です。
preconnect
: 接続を事前に確立します。これは、速いフェイルオーバーを提供しますが、バックアップ・インスタンスがサポート対象の全インスタンスからの全接続をサポートできることが必要です。
RETRIES
: フェイルオーバー後の接続試行回数を指定します。DELAY
が指定されている場合、RETRIES
は5回の試行回数にデフォルト設定されます。
DELAY
: 接続試行の間隔を秒数で指定します。RETRIES
が指定されている場合、DELAY
は1秒にデフォルト設定されます。
注意: コールバック関数が登録されている場合、 RETRIES サブパラメータおよびDELAY サブパラメータは無視されます。 |
例
関連項目: 実装例は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
用途
GLOBAL_NAME
パラメータを使用して、Oracle RDBデータベースを識別します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=generic) (RDB_DATABASE=[.mf]mf_personal.rdb) (GLOBAL_NAME=alpha5)))
用途
HS
パラメータを使用して、Oracle以外のシステムには異機種間サービスを介して接続するようにOracle Netに指示します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
デフォルト
なし
値
ok
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SID=sales6) (HS=ok)))
用途
INSTANCE_NAME
パラメータを使用して、アクセスするデータベース・インスタンスを識別します。値は、初期化パラメータ・ファイルのINSTANCE_NAME
パラメータに指定されている値に設定します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com) (INSTANCE_NAME=sales1)))
用途
RDB_DATABASE
パラメータを使用して、Oracle RDBデータベースのファイル名を指定します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com) (RDB_DATABASE= [.mf]mf_personal.rdb)))
用途
SERVER
パラメータを使用して、クライアントを特定タイプのサービス・ハンドラに接続するようにリスナーに指示します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
値
dedicated
: クライアントの要求が専用サーバー・プロセスによって処理されるように指定します。
shared
: クライアントの要求が共有サーバー・プロセスによって処理されるように指定します。
注意: クライアントが共有サーバー・プロセスでデータベースに接続するには、共有サーバーはデータベース初期化ファイルに構成されている必要があります。 構成情報の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
|
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVER_NAME=sales.us.example.com) (SERVER=dedicated)))
用途
SERVICE_NAME
パラメータを使用して、アクセスするOracle9i またはOracle8データベース・サービスを識別します。値は、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMES
パラメータに指定されている値に設定します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
用途
SID
パラメータを使用して、Oracle8データベース・インスタンスをOracleシステム識別子(SID)により識別します。 データベースがOracle9i またはOracle8の場合は、SID
パラメータではなく、SERVICE_NAMEパラメータを使用します。
このパラメータは、CONNECT_DATA
パラメータの下に埋め込みます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...) (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SID=sales)))
tnsnames.ora
ファイルのセキュリティ・セクションでは、Oracle Advanced Security機能で使用するセキュリティに関連する次のパラメータを指定します。
用途
SECURITY
パラメータを使用して、安全な接続を可能にします。
このパラメータは、DESCRIPTION
パラメータの下に埋め込みます。
使用上の注意
SECURITY
には、SSL_SERVER_CERT_DNサブパラメータを指定できます。
例
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-svr)(PORT=1521)) (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-svr)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)) (SECURITY= (SSL_SERVER_CERT_DN="cn=sales,cn=OracleContext,dc=us,dc=example,dc=com")))
用途
SSL_SERVER_CERT_DN
パラメータを使用して、データベース・サーバーの識別名(DN)を指定します。クライアントは、この情報を使用して、各サーバーに予定しているDNリストを取得し、データベース・サーバーのDNがそのサービス名と一致していることを確認します。
使用上の注意
このパラメータをsqlnet.ora
のSSL_SERVER_DN_MATCHパラメータとともに使用して、サーバーDNの一致を可能にします。
net_service_name= (DESCRIPTION= (ADDRESS=...)USE_DEDICATED_SERVER (ADDRESS=...) (CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=finance.us.example.com)) (SECURITY= (SSL_SERVER_CERT_DN="cn=finance,cn=OracleContext,dc=us,dc=example,dc=com")))