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Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05734-03
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5 サード・パーティ・デザイン・ツールからの設計定義のインポート

この章では、Oracle Designerなどのサード・パーティの設計ツールによる設計定義の統合方法を説明します。

この章には、次の項目が含まれます。

Oracle Designer 6i/9iの設計定義の使用

Oracle Designerリポジトリに接続するソース・モジュールを作成できます。アプリケーションの定義をOracle Designerリポジトリに格納して管理すると、アプリケーションへの接続の所要時間が短縮されます。

Designer 6i/9iリポジトリでは、ワークエリアを使用してオブジェクトのバージョンが制御されます。ワークエリアを選択することで、リポジトリ・オブジェクトのバージョンを指定できます。Designer 6i/9iで、オブジェクトをワークエリア内のコンテナ要素にグループ化することもできます。コンテナ要素にはオブジェクトのネームスペースの定義と所有権が格納されており、他のユーザーに所有されているオブジェクトも参照できます。Designer 6i/9iのコンテナ要素はワークエリアにより制御されるため、バージョン制御機能があります。ワークエリアとコンテナ要素の詳細は、Designer 6i/9iのマニュアルを参照してください。

Designer 6i/9iのワークエリアまたはコンテナ要素の参照可能なオブジェクトはすべて、データ・ソースとして使用できます。Designer 6i/9iのオブジェクトをソースとして選択する手順は、次のとおりです。

モジュール・エディタにより、接続しているDesignerのバージョンが検出されます。Designer 6i/9iが検出された場合は、「メタデータのロケーション」タブに「ワークエリア」および「コンテナ要素」という2つのリストが表示されます。ワークエリアを選択すると、そのワークエリア内のコンテナ要素が「コンテナ要素」リストに表示されます。

インポート可能なリポジトリ・オブジェクトのリストは、次の基準で決定されます。

Designer 6i/9iのソースから定義をインポートするには、データベースからの定義のインポートに示す手順に従う必要があります。

メタデータ・ソースとしてのDesigner 6i/9iの使用

Designer 6i/9iのソース・モジュールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. データベース・ソース・モジュールを作成します。

  2. 新規に作成したモジュールの名前をダブルクリックしてモジュール・エディタを開きます。

  3. 「メタデータのロケーション」タブで、ソース・タイプとして「Oracle Designerリポジトリ」を選択します。Designerオブジェクトが格納されているデータベースのロケーションを選択することもできます。

    ソース・タイプとして「Oracle Designerリポジトリ」を選択した場合、「ワークエリア」および「コンテナ要素」の2つのリストが「メタデータのロケーション」タブに表示されます。

  4. ワークエリアからDesigner 6i/9iオブジェクトを選択し、特定のコンテナ要素を選択します。

    図5-1 「メタデータのロケーション」タブ

    図5-1の説明が続きます
    「図5-1 「メタデータのロケーション」タブ」の説明


    注意:

    ソースとして指定するデータベースには、Designer 6i/9iオブジェクトが格納されている必要があります。格納されていないと、「ワークエリア」リストと「コンテナ要素」リストが空になります。

  5. 「OK」をクリックします。

関連情報は、次の項を参照してください。

例: CA Erwinからのインポート

シナリオ

ある映画レンタル会社では、様々なベンダーが提供するツールを使用して、データのモデリング、抽出、変換、ロード(ETL)およびレポートの作成を行っています。様々な種類のツールを使用しているため、この会社では、複数のメタデータの統合の問題が発生しています。1つのツールを使用して作成された設計作業が、他には完全に統合されない、または再利用できないという問題が頻繁に発生しています。この会社は、1つのツールを使用して、すべてのメタデータ設計およびETLプロセスを合理化および統合する方法を見つける必要があります。

解決策

Warehouse Builderにより、この会社は様々なツールによるメタデータ設計をインポートおよび統合し、かつ1つのツールのみ使用してデータのモデリングおよびETL用にこのメタデータ設計を使用できます。Warehouse Builderでは、Meta Integration Technology Inc.(MITI)の緊密な統合技術を使用して、メタデータをインポートし、他のサード・パーティのツールにより設計されたデータ・モデルを再利用します。

この事例では、Warehouse Builder内のCA ERwinを使用して、開発された設計ファイルを簡単にインポートする方法を示します。1つのツールを使用して、メタデータを再利用しETLを設計およびレポートを作成できます。Sybase社のPowerDesignerおよびBusiness Objects Designerなどの他のツールからファイルをインポートするためにこのモデルに従うことができます。

事例

この事例では、映画レンタル会社がERwinデータ・モデル設計をWarehouse Builderに移行する方法について説明します。また、ERwinデータ・モデルを使用して他のサード・パーティからの設計をインポートし、主要な表領域で設計メタデータを一元化できます。次の手順に従います。

  1. CA ERwinからメタデータをダウンロード

  2. Meta Integration Model Bridgeのインストール

  3. CA ERwinデータからのMDLファイルの作成

  4. Warehouse BuilderへのMDLファイルのインポート

Warehouse Builderの転送ウィザードを使用して、ERwinメタデータをWarehouse Builderにインポートします。

CA ERwinからメタデータをダウンロード

CA ERwinからローカル・システムに設計メタデータをダウンロードします。

Meta Integration Model Bridgeのインストール

Warehouse Builderを使用すれば、Meta Integration Model Bridges(MIMB)と統合できます。MIMBは独自のメタデータのファイルおよびリポジトリを標準CWMフォーマットに変換し、Warehouse Builderの転送ウィザードを使用してWarehouse Builderにインポートできます。様々な設計ツールからWarehouse Builderにファイルをインポートするには、最初にMIMBライセンスを取得してから、システムにMIMBをインストールする必要があります。インストールを行うには、次の手順に従います。

MIMBをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. 次のWebサイトからModel Bridge製品をダウンロードします。

    http://www.metaintegration.net

  2. システム上でセットアップを実行してMIMBをインストールします。

  3. インストール中に、Setup Typeページでインストール・タイプとして「Typical with Java Extensions」を選択します。

    コンピュータ上のJDKがセットアップ・プログラムで検出されない場合は、JNIライブラリのディレクトリ・パス名を入力してください。PATH環境変数にはmetaintegrationディレクトリが含まれている必要があります。含まれていない場合は、次のパスに追加してください。

    c:¥program files¥metaintegration¥win32

CA ERwinデータからのMDLファイルの作成

Warehouse Builderを使用してCA ERwinからMDLファイルを作成します。

MIMB製品をインストールした後、これらの手順に従ってERwinおよび他のサード・パーティの設計ツールからMDLファイルを作成します。

  1. プロジェクト・エクスプローラから、メタデータのインポート先の「プロジェクト」ノードを選択して開きます。この例では、ERwinファイルはMY_PROJECTにインポートされます。

  2. 「設計」メニューから、「インポート」「ブリッジ」を選択し、Warehouse Builderの転送ウィザードを開始します。

    このウィザードは、MITI技術と緊密に統合してサード・パーティのメタデータを標準CWMフォーマットに変換し、Warehouse Builderにインポートします。ウィザードに従ってインポートを実行します。

  3. メタデータ・ソースとターゲットの識別ページで、「ソース」フィールド内の「CA ERwin 4.0 SP1から4.1へ」を選択します。

  4. 転送パラメータの識別ページで、「Erwin4入力ファイル」フィールド内でのERwinファイルのロケーションを示すパスを指定します。この例では、会社はERwinからEmovies.xmlファイルをインポートする必要があります。

  5. 他のすべてのフィールドについては、デフォルトのオプションを使用します。

    「OWBプロジェクト」フィールドで、ERwinファイルのインポート先のWarehouse Builderプロジェクトを入力します。「Warehouse Builder MDL」フィールドで、名前を入力し、生成される.mdlファイルを格納するロケーションを選択します。

  6. ウィザードの残りの手順を完了し、インポート・プロセスを終了します。

Warehouse BuilderへのMDLファイルのインポート

CA ERwinファイルからWarehouse BuilderにメタデータをインポートするためにMDLファイルをインポートします。MDLファイルをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. MY_PROJECTを選択し、「設計」メニューから「インポート」「Warehouse Builderメタデータ」を選択して、「メタデータのインポート」ダイアログ・ボックスを開きます。

  2. 「ファイル名」フィールドで、「CA ERwinデータからのMDLファイルの作成」の項で生成したmdlファイルの名前を指定します。

  3. 「インポート」をクリックしてWarehouse Builderにメタデータをインポートします。

    メタデータ・ファイルのバージョンとワークスペースのバージョンで互換性がない場合は、メタデータのアップグレード・ウィンドウが表示されます。「アップグレード」をクリックして.mdlファイルを更新します。

  4. Warehouse BuilderへのERwinファイルのインポートが終了した後に、「MY_PROJECT」フォルダ、「データベース」ノード、「Oracle」ノードの順に開きます。図5-2に示すように、インポート済のソース・メタデータ・オブジェクトを表示できます。

    図5-2 CA Erwinからインポートされたメタデータ・オブジェクト

    図5-2の説明が続きます
    「図5-2 CA Erwinからインポートされたメタデータ・オブジェクト」の説明

  5. 表名をダブルクリックし、各表のプロパティを表示します。図5-3に示すように、Warehouse Builderにより、表の列と制約に関する説明および詳細情報を含むすべてのメタデータがインポートされます。

    図5-3 CA Erwinからインポートされた表のプロパティ

    図5-3の説明が続きます
    「図5-3 CA Erwinからインポートされた表のプロパティ」の説明

  6. 映画レンタル会社の設計者は、これらのソース表を使用して、Warehouse Builder内のETL設計のモデル化、ETLコードの生成、ETL設計のレポート作成を実行します。さらに、Warehouse Builderを使用して、すべての散在したサード・パーティの設計メタデータを簡単にインポートし、それらすべての設計および開発の成果を一元化できます。