ヘッダーをスキップ
Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05734-03
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

4 データ・ソースの識別およびメタデータのインポート

Oracle Warehouse Builderでは、様々なソースからデータにアクセスできます。カスタム、パッケージ済アプリケーションおよびデータベースからメタデータを解析および抽出できます。データ・セットの抽出に先行して、そのメタデータを最初にインポートします。

この章の内容は次のとおりです。

ソース・データおよびメタデータについて

データ・ウェアハウスのソース・システムは通常、トランザクション処理のアプリケーションです。たとえば、売上分析のデータ・ウェアハウスは通常、現行のオーダー・アクティビティを記録しているオーダー・エントリ・システムからデータを抽出します。抽出プロセスの設計には問題が発生する場合があります。ソース・システムが複雑で文書化が不完全な場合、抽出するデータの決定は困難です。また、通常ソース・システムは変更できず、そのパフォーマンスまたは可用性も調整されません。最初にメタデータをインポートすることで、これらの問題を解決できます。

メタデータはデータ・セット内の指定のオブジェクトの内容を表します。たとえば、表のメタデータは各列のデータ型を表します。メタデータをWarehouse Builderにインポートしたら、トランザクション処理アプリケーションから独立して、メタデータに注釈を付け、抽出計画を設計できます。

ソース・メタデータをWarehouse Builderにインポートする前に、メタデータが定義されているモジュールを最初に作成します。作成するモジュールのタイプは、メタデータのインポート元のソースによって異なります。たとえば、メタデータ定義をOracleデータベースからインポートするには、Oracleモジュールを作成します。メタデータ定義をフラット・ファイルからインポートするには、フラット・ファイル・モジュールを作成します。

サポートされているソースおよびターゲット

表4-1に、Warehouse Builder 11.1がアクセスできるデータ・ストレージ・システムおよびアプリケーションをリストします。また、接続エクスプローラに表示される各「ロケーション」ノードでサポートされているソースおよびターゲットもリストします。

表4-1 Warehouse Builder 11.1でサポートされているソースおよびターゲット

接続エクスプローラの「ロケーション」ノード サポートされているソース サポートされているターゲット

データベース/Oracle

Oracle DB 8.1、9.0、9.2、10.1、10.2、11.1

Oracle DB 9.2、10.1、10.2、11.1

データベース/Oracle以外

「Oracle異機種間サービス」を介してアクセス可能なデータベース。DB2、DRDA、Informix、SQL Server、SybaseおよびTeradataなど。

ODBC Data Source Administratorを介してアクセス可能なデータ・ストア。ExcelおよびMS Accessなど。

「ソースとしてのMicrosoft製品の使用」を参照してください。

「Oracle異機種間サービス」を介してアクセス可能なデータベース。DB2、DRDA、Informix、SQL Server、SybaseおよびTeradataなど。

ODBC Data Source Administratorを介してアクセス可能なデータ・ストア。ExcelおよびMS Accessなど。

データをスプレッドシートまたはサード・パーティのデータベースにロードするには、最初にカンマ区切りまたはXML形式のフラット・ファイルに配布します。

ファイル

デリミタ付きの固定長フラット・ファイル。

「フラット・ファイルからの定義のインポート」を参照。

カンマ区切りおよびXML形式のフラット・ファイル

「ソースまたはターゲットとしてのフラット・ファイル」を参照してください。

アプリケーション

SAP R/3: 3.x、4.0x、4.6x、4.7、5.0、mySAP ERP 2004、mySAP ERP 2005(SAP NetWeaver 2004、SAP BASIS 700コンポーネント付属)。「SAPアプリケーションからのデータの取得」を参照してください。

Oracle E-Business Suite、「E-Business Suiteとの統合」を参照。

PeopleSoft 8、9、「PeopleSoftとの統合」を参照

Siebel、「Siebelとの統合」を参照。

なし

プロセス・フローおよびスケジュール/Oracle Workflow

なし

Oracle Workflow 2.6.2、2.6.3、2.6.4、11i

プロセス・フローおよびスケジュール/コンカレント・マネージャ

なし

通常、バージョン10g以上のどのOracleデータベース・ロケーションにもスケジュールを配布できます。

Concurrent Managerでスケジュールを配布するには、バージョン11iまたは12iが必要です。ただし、どちらのバージョンでも、Warehouse Builderでロケーションを作成する場合のバージョンとして、バージョン11iを選択する必要があります。

ビジネス・インテリジェンス/Discoverer

なし

Discoverer 10.1

データベース/トランスポータブル・モジュールのソース

Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドの大量のデータの移動に関する項を参照してください。

N/A

トランスポータブル・モジュールのターゲット

N/A

Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドの大量のデータの移動に関する項を参照してください。


Oracle異機種間サービス

Warehouse Builderでは、Oracle以外のシステムと通信するときに、Oracle Database異機種間サービスとこれを補完するエージェントが使用されます。異機種間サービスでは、Oracle以外のシステムがリモートのOracleデータベース・サーバーとして表示されます。エージェントとして使用できるのは、Oracle Transparent Gateway、またはOracle Databaseに含まれる汎用接続性エージェントです。

ソースからメタデータをインポートする一般的な手順

表、ファイルまたはアプリケーションからメタデータをインポートしても、一般的なプロセスは同じで、常にモジュールを介してメタデータをインポートします。

  1. サポートされているソースおよびターゲットのリストを表4-1で確認して、データの抽出元のソースがWarehouse Builderでサポートされているかどうかを判断します。

  2. 「ロケーションの作成」の説明に従って、ロケーションを作成します。

  3. 「モジュールの作成」で説明されているように、ソース・メタデータのモジュールを作成します。

  4. モジュールを右クリックし、「インポート」を選択します。

  5. 「インポート・メタデータ・ウィザード」のプロンプトに従います。

    ウィザードに従って、選択したソースのタイプに基づいた情報を入力します。詳細は、「インポート・メタデータ・ウィザード」の使用」を参照してください。

  6. (オプション)Oracleデータ・オブジェクトの場合、データ・ビューアを使用してデータ・オブジェクトに格納されているデータを確認し、オブジェクトを右クリックして「データ」を選択します。

後続の手順

正常にメタデータをインポートしたら、ソースからデータを抽出し、データを変換後、ターゲット・スキーマへロードするようETLロジックを設計できます。

ソース・メタデータは、一定期間にわたって変更する可能性があります。この場合、Warehouse Builderを使用して、メタデータの変更により影響を受け、潜在的に無効になるETLロジックを識別できます。


関連項目:


Warehouse Builderに変更したメタデータを取り込むには、目的のモジュールを右クリックし、「インポート」を選択します。「Oracle Databaseからの定義の再インポート」で説明されているように、ユーザーがメタデータを再インポートしていることはWarehouse Builderで認識されます。

ロケーションについて

ロケーションを使用すると、Warehouse Builderでデータを抽出およびロードするためにアクセスする様々なファイル、データベースおよびアプリケーションに対する接続情報を格納できます。同様に、ロケーションには、ETL管理ツールおよびビジネス・インテリジェンス・ツールに対する接続情報も格納されます。詳細なリストは、「サポートされているソースおよびターゲット」を参照してください。

Oracleデータベース・ロケーションおよびファイル・ロケーションは、ソース、ターゲットまたはその両方に使用できます。たとえば、一時表またはステージ表を格納するためのターゲットとしてロケーションを使用できます。後でそのロケーションを、最終的なターゲット・スキーマを移入するためのソースとして再使用できます。

フラット・ファイル・データがある場合など、与えられたソースのデータおよびメタデータは別々に格納される場合があります。この場合、データとメタデータそれぞれにロケーションを作成します。

自動作成ロケーション

インストール中に、Warehouse BuilderによりOWB_REPOSITORY_LOCATIONと名付けられたOracleロケーションが作成されます。このロケーションでは、Warehouse Builderワークスペースへの接続の詳細が提供されます。ワークスペース・ロケーションの名前の変更または削除はできません。データベース管理者のみパスワードを変更できます。データベース管理者パスワードへの不正アクセスを防ぐため、すべてのユーザーはワークスペース・ロケーションへの配布を制限されます。

ロケーション・タイプ

配布は、いくつかの異なるタイプのロケーションに対して実行できます。各ロケーション・タイプで用途が異なります。

  • データベース: リレーショナルまたはディメンショナルなビジネス・インテリジェンス・システムが対象です。表やビュー、またはディメンションやキューブなどのオブジェクトも含まれます。

  • ファイル: カンマ区切りまたはXML形式でデータを格納することが目的です。

  • アプリケーション: SAPシステムが対象です。

  • プロセス・フローおよびスケジュール: ETLの管理が目的です。

  • ビジネス・インテリジェンス: データベースまたはOracleモジュールから導出されたメタデータが対象です。

ロケーションの作成

自動的なロケーションの作成の他に、ソースまたはターゲットとして使用するターゲット・スキーマに対応する独自のロケーションを作成できます。

ロケーションを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 接続エクスプローラで、「ロケーション」ノード、作成するロケーションのタイプを表すノードの順に開きます。

    たとえば、Oracleデータベース・ロケーションを作成する場合は、「ロケーション」ノード、「データベース」ノード、「Oracle」ノードの順に開きます。

  2. ロケーションのタイプを右クリックして「新規」を選択します。

    <location_type>ロケーションを作成するダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. このダイアログ・ボックスを完了します。詳細は、「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。

SQL*Netを使用したロケーションの作成

SQL*NetタイプのOracleロケーションを作成する場合、これらのロケーションにTNS名で設定する必要があります。このTNS名へのOracle Databaseホームからのアクセスを可能にする必要があります。これを可能にするには、Oracle DatabaseホームからNet Configuration Assistantを実行する必要があります。

マップおよびプロセス・フローを配布および実行中に使用するTNS名を設定しますが、このTNS名へのWarehouse Builderホームからのアクセスを可能にし、コントロール・センター・サービスの実行に使用する必要があります。TNS名をアクセス可能にするには、Warehouse BuilderホームからNet Configuration Assistantを実行します。次に、コントロール・センター・サービスを起動すると、変更を取得できます。

ロケーション、パスワードおよびセキュリティについて

すべてのWarehouse Builderユーザーがロケーション内の接続情報を表示できるようにすることを考慮すると、パスワードは常に暗号化されている必要があります。さらに、Warehouse Builder管理者は、ロケーションをユーザー間で共有できるようにするかどうかや、設計セッション間で保持できるようにするかどうかを決定できます。デフォルトではロケーションは公有、または永続化されていません。


関連項目:

パスワードの管理の詳細は、Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドを参照してください。

ターゲット・ロケーションに対する権限の付与

次のような一部の配布では、ターゲット・ロケーションの所有者に、新規ユーザーの作成時に付与された権限よりも強力な権限が必要です。

  • アップグレード・アクション

  • EUL配布

権限があるデータベース・ユーザーは、他の権限を付与できます。

ETLの場合、ターゲット・ロケーションの所有者には、ソース・ロケーションからデータを読み込むための十分な権限が必要です。たとえば、ソース・ロケーションがデータベース表の場合、ターゲット・ユーザーには、この表に対するSELECT権限が必要です。

アップグレード・アクション

GRANT_UPGRADE_PRIVILEGES PL/SQLスクリプトによって、アップグレード・アクションに必要なロールと権限がターゲット・ユーザーに付与されます。次の構文を使用します。

@%OWB_ORACLE_HOME%/owb/rtp/sql/grant_upgrade_privileges username

この構文の内容は、次のとおりです。

OWB_ORACLE_HOMEは、ターゲット・システムのWarehouse BuilderのOracleホーム・ディレクトリです。

usernameは、ターゲット・ロケーションの所有者です。

たとえば、次のコマンドでは、Windowsシステムに対する権限がSALES_TARGETユーザーに付与されます。

@%OWB_ORACLE_HOME%\owb\rtp\sql\grant_upgrade_privileges sales_target

EUL配布

Discovererロケーションでは、EULユーザーにCREATE DATABASE LINK権限が必要です。

ロケーションの登録および登録解除

ロケーションの論理定義は、設計プロセス時に作成します。すべてのモジュールは、そのソース・オブジェクトとターゲット・オブジェクトも含めて、配布する前にロケーションに関連付けられている必要があります。

ロケーションを登録すると、ワークスペースとソース・データおよび配布済オブジェクトのロケーションの間にリンクが設定されます。ロケーションの定義は、登録前は変更できますが、登録後は変更できません。ロケーションの登録後に変更できるのは、パスワードのみです。ロケーションまたはそのコネクタの1つをさらに編集するには、最初にそのロケーションの登録を解除する必要があります。登録を解除すると、ロケーションの配布履歴が削除されます。

ロケーションは、配布によって自動的に登録されます。または、コントロール・センターでロケーションを明示的に登録することもできます。

ロケーションを登録する手順は、次のとおりです。

  1. コントロール・センター・マネージャを開き、ナビゲーション・ツリーからロケーションを選択します。

  2. 「ファイル」メニューから、「登録」を選択します。

    「ロケーション」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. ロケーション詳細を慎重に確認します。

    詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

  4. 「OK」をクリックします。

ロケーションの登録を解除する手順は、次のとおりです。

  1. コントロール・センター・マネージャを開き、ナビゲーション・ツリーからロケーションを選択します。

  2. 「ファイル」メニューから、「登録解除」を選択します。

  3. 「OK」をクリックして、処理を確定します。

ロケーションの削除

ロケーションを削除するには、接続エクスプローラでロケーションを右クリックし、「削除」を選択します。ここで削除オプションを使用できない場合は、ロケーションがコントロール・センターに登録されていて、利用されている可能性があります。ロケーションが使用中でないことを確認し、コントロール・センター・マネージャでロケーションの登録を解除すると、接続エクスプローラからロケーションを削除できるようになります。

コネクタについて

コネクタは、ソース・ロケーションとターゲット・ロケーション間のマッピングによって作成される論理リンクです。2つの異なるOracleデータベースのスキーマ間のコネクタがデータベース・リンクとして実装されており、スキーマとオペレーティング・システム・ディレクトリ間のコネクタがデータベース・ディレクトリとして実装されています。

これらのデータベース・オブジェクトを作成するための資格証明がユーザーIDにある場合、コネクタを手動で作成する必要はありません。コネクタは、マッピングの初回配布時にWarehouse Builderによって自動的に作成されます。作成されない場合、権限を持つユーザーがオブジェクトを作成し、これらを使用するユーザーにアクセス権を付与する必要があります。これにより、コネクタを手動で作成し、データベース・オブジェクトをリストから選択できるようになります。


関連項目:


データベース・コネクタを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 接続エクスプローラで、「ロケーション」フォルダとターゲット・ロケーションのサブフォルダを拡張します。

  2. 「DBコネクタ」を右クリックし、「新規」を選択します。

    コネクタの作成ウィザードが開きます。

  3. ウィザードの手順に従います。特定の情報を参照するには、「ヘルプ」ボタンをクリックします。

ディレクトリ・コネクタを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 接続エクスプローラで、「ロケーション」フォルダとターゲット・ロケーションのサブフォルダを拡張します。

  2. 「ディレクトリ」を右クリックし、「新規」を選択します。

    「コネクタの作成」ダイアログ・ボックスが開きます。

  3. このダイアログ・ボックスの入力に関する特定の情報を参照するには、「ヘルプ」ボタンをクリックします。

モジュールについて

モジュールは、接続エクスプローラのロケーションに対応するプロジェクト・エクスプローラをグループ化するためのメカニズムです。1つのロケーションは1つ以上のモジュールに対応できます。ただし、特定のモジュールは一度に1つのロケーションにのみ対応します。

モジュールをロケーションに関連付けることによって、特定のアクションがWarehouse Builderで実行しやすくなります。たとえば、既存のモジュールを再使用することで、メタデータを再インポートできます。さらに、後続の手順でETLプロセスを配布するときに、プロセス・フローなどの関連オブジェクトを一緒に配布できます。

モジュールの作成

モジュールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 適切なメタデータ・タイプのノードを検出するまで、プロジェクト・エクスプローラを開きます。

    たとえば、ソース・データがOracle Databaseに格納されている場合は、「データベース」ノードを開いて「Oracle」ノードを表示します。ソース・データがSAP R/3システムにある場合は、「アプリケーション」ノードを開いて「SAP」ノードを表示します。

  2. 目的のノードを右クリックして「新規」を選択します。

    モジュールの作成ウィザードが開きます。このウィザードで、ユーザーが選択したデータ・ストアにアクセスできる使用する正しいインテグレータを決定します。

  3. 名前と説明ページに、モジュールの名前と説明(オプション)を入力します。

  4. 「次へ」をクリックします。

    接続情報ページが表示されます。

  5. このモジュールに関連付けられているロケーションの詳細を入力します。

    接続情報ページの内容は、作成するモジュールのタイプによって異なります。このページでの情報の入力の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

  6. 「次へ」をクリックして、サマリー・ページを表示します。

    入力した情報を確認して、「戻る」をクリックし、入力した値を変更します。

  7. 「終了」をクリックします。

Warehouse Builderの使用中に、モジュールを新規のロケーションに関連付ける必要がある場合があります。たとえば、本番環境では開発環境とは異なるロケーションを利用する場合、モジュールを再度関連付ける必要があります。

モジュールに関連付けられたロケーションを変更する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクト・エクスプローラで、モジュールを選択します。

  2. 「構成」アイコンをクリックします。

    「構成プロパティ」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「識別」フォルダで、ロケーション・プロパティに対する新規の値を指定します。

例: フラット・ファイルからのメタデータのインポート

ソース・システム上の2つの異なるドライブとディレクトリに多数のフラット・ファイルが格納されているとします。接続エクスプローラで、ソース・データが格納されているディレクトリを参照する2つのロケーションを作成します。次に、プロジェクト・エクスプローラで、「ファイル」ノードを右クリックして「新規」を選択し、新規モジュールを作成します。2つのディレクトリのそれぞれに対して、この操作を繰り返します。2つのモジュールそれぞれに対して、「インポート」を選択します。1つ以上のファイルを各モジュールにインポートする方法が指示されます。

図4-1は、ソース・システム上の異なるドライブまたはディレクトリに格納されたフラット・ファイル・データへのアクセスを図解したものです。各ロケーションはソース・システム上の特定のディレクトリに対応しています。

図4-1 フラット・ファイル・ソースからのデータのインポート

図4-1の説明が続きます
「図4-1 フラット・ファイル・ソースからのデータのインポート」の説明

インポート・メタデータ・ウィザードの使用

インポートは、リバース・エンジニアリングとも呼ばれます。既存のデータベース・オブジェクトのメタデータ定義をWarehouse Builderに取り込むことで、設計時間が短縮されます。メタデータ定義をターゲット・モジュールにインポートするには、インポート・メタデータ・ウィザードを使用します。

インポート・メタデータ・ウィザードでは、表、ビュー、マテリアライズド・ビュー、ディメンション、キューブ、外部表、順序、ユーザー定義型およびPL/SQL変換の直接のインポート、またはシノニムを使用してオブジェクトを参照したインポートをサポートしています。

表のインポートには、第2表のインポートを可能にする列、主キー、一意キーおよび外部キーのインポートが含まれます。外部表をインポートすると、Warehouse Builderにより関連フラット・ファイルの関連ロケーションおよびディレクトリ情報もインポートされます。

Oracle DatabaseカタログまたはDesigner/2000(Oracle Designer)のいずれかからメタデータ定義をインポートできます。

データベースからの定義のインポート

「インポート・メタデータ・ウィザード」を使用して、データベースからモジュールにメタデータをインポートします。Oracleデータベース、Oracle以外のデータベースまたはデザイナ・リポジトリからメタデータをインポートできます。

Oracleデータ・ディクショナリから定義をインポートする手順は、次のとおりです。

  1. データ・ソース・モジュール名を右クリックして「インポート」を選択します。

    「インポート・メタデータ・ウィザード」のようこそページが表示されます。このページには、オブジェクト・メタデータのインポート・ステップが表示されます。「次へ」をクリックしてインポートに進みます。

    Oracleモジュールのロケーション詳細を指定しなかった場合は、警告ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスは、最初にロケーション詳細を指定する必要があることを示します。「OK」をクリックします。Oracleモジュールの「Oracleデータベースのロケーションの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスを使用してロケーション情報を指定します。このダイアログ・ボックスで「OK」をクリックすると、「インポート・メタデータ・ウィザード」のようこそページが表示されます。

  2. 次のページを完了します。

フィルタ情報ページ

フィルタ情報ページを使用して、データ・ディクショナリの検索対象を限定します。検索対象を限定するには、次のいずれかの方法を使用します。

オブジェクト・タイプの選択 「オブジェクト・タイプ」セクションに、インポート可能なデータベース・オブジェクトのタイプが表示されます。これには、表、ディメンション、外部表、順序、マテリアライズド・ビュー、キューブ、ビュー、PL/SQL変換およびユーザー定義タイプが含まれます。インポートするオブジェクトのタイプを選択します。たとえば、表を3つとビューを1つインポートするには、「表」および「ビュー」を選択します。

オブジェクト名に基づく検索 「パターンに一致するオブジェクトのみを選択」オプションを使用して検索パターンを入力します。Warehouse Builderでは、指定のパターンと一致する名前を持つオブジェクトが検索されます。ワイルドカードとして複数の文字と一致する%および単一文字と一致する_を使用します。たとえば、ウェアハウス・プロジェクト名に続けて%と入力すると、そのプロジェクト名で始まるオブジェクトをインポートできます。

「次へ」をクリックすると、フィルタ条件と一致する名前がデータ・ディクショナリから取り出され、オブジェクト選択ページが表示されます。

オブジェクト選択ページ

インポートするアイテムを「使用可能」リストから選択し、右矢印をクリックして「選択済」リストに移動します。

特定のアイテムを名前順で検索するには、懐中電灯として表示されている「オブジェクトの検索」アイコンをクリックします。

すべてのアイテムを「選択したオブジェクト」リストに移動するには、「すべて移動」をクリックします。

依存オブジェクトのインポート インポート・メタデータ・ウィザードを使用すると、インポート対象となるオブジェクトの依存オブジェクトをインポートできます。定義を再インポートする場合は、前にインポートしたオブジェクトが太字で表示されます。

次のいずれかのオプションを選択して、依存オブジェクトをインポートの対象とするかどうかを指定します。

  • なし: 選択したオブジェクトのみが「選択済」リストに移動します。このオプションを選択すると、依存オブジェクトはインポートされません。

  • 1レベル: 選択したオブジェクトとその参照先オブジェクトが「選択済」リストに移動します。これはデフォルト選択です。

  • すべてのレベル: 選択したオブジェクトとその直接参照または間接参照がすべて「選択済」リストに移動します。

「次へ」をクリックして、サマリーとインポート・ページを表示します。

ディメンションのインポート リレーショナル実装を使用するディメンションをインポートすると、ディメンション・データが格納されている実装表はインポートされません。この表は、オブジェクト選択ページで「使用可能」リストから「選択済」リストに移動して明示的にインポートする必要があります。またインポート後に、ディメンションを実装表にバインドする必要もあります。バインドの実行方法の詳細は、「バインド」を参照してください。

サマリーとインポート・ページ

このページには、選択内容のサマリーがスプレッドシート形式で表示されます。サマリーは、名前、オブジェクトのタイプ、オブジェクトが再インポートされるか作成されるかを示すリストです。このページの内容を確認し、必要に応じて各オブジェクトの説明を追加します。

オブジェクト選択ページで選択したオブジェクトがインポート先モジュールに存在する場合は、再インポート関連のプロパティを追加指定できます。オブジェクトの再インポートに関連するオプションを指定するには、「拡張インポート・オプション」をクリックします。「拡張インポート・オプション」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスの内容の詳細は、「拡張インポート・オプション」を参照してください。

「終了」をクリックすると、選択したオブジェクトがインポートされます。「インポートの進行状況」ダイアログ・ボックスに、インポート・アクティビティの進行状況が表示されます。インポートが完了すると、インポート結果ページが表示されます。

インポート結果ページ

このページには、インポート・サマリーとオブジェクト・リスト、およびオブジェクトが作成されたか同期化されたかの詳細が表示されます。

「OK」をクリックすると、変更が確定されます。このインポートに関連付けられたMDLファイルを保存するには、「保存」をクリックします。「元に戻す」をクリックすると、インポートが取り消されます。Warehouse Builderにより、インポートの実行元データベース・モジュールに定義が格納されます。

Oracleデータベースからの定義の再インポート

ソース・データベース定義を再インポートすると、前回のインポート以降にソース・メタデータに対して行われた変更内容をインポートできます。元の定義をワークスペースから削除する必要はありません。Warehouse Builderには、前回のインポート以降に定義に対して行った変更内容も保持できるようにするオプションが用意されています。これには、Warehouse Builderで作成した新規のオブジェクト、外部キー、関係および説明が含まれます。

定義を再インポートする手順は、次のとおりです。

  1. データ・ソース・モジュール名を右クリックして「インポート」を選択します。

    インポート・メタデータ・ウィザードのようこそページが表示されます。

  2. 「次へ」をクリックします。

    フィルタ情報ページが表示されます。

  3. 同じオブジェクトが再インポートされるように、当初インポートに使用したのと同じ設定を選択して、フィルタ情報ページオブジェクト選択ページを完了します。

  4. サマリーとインポート・ページが表示されます。ワークスペースにすでに存在しているオブジェクトまたは再インポートするオブジェクトの場合、「再インポート」アクションが「アクション」列に表示されます。

    再インポートするオブジェクトに関連した新規オブジェクトがソースに含まれている場合は、新規オブジェクトも同時にインポートするように要求されます。この種のオブジェクトについては、「アクション」列に「作成」アクションが表示されます。

  5. 「拡張インポート・オプション」をクリックして選択します(オプション)。

  6. 「終了」をクリックします。

    Warehouse Builderはオブジェクトを調整し、作成します。これが完了すると、「インポート結果」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    レポートには、Warehouse Builderにより各オブジェクトに対して実行されたアクションが表示されます。

    「保存」をクリックしてレポートを保存します。再インポート固有のネーミング規則を使用する必要があります。

  7. 「OK」をクリックして次に進みます。

    ワークスペースの変更内容をすべて元に戻すには、「元に戻す」をクリックします。

拡張インポート・オプション

「拡張インポート・オプション」ダイアログ・ボックスには、オブジェクトのインポート中にユーザーが構成できるオプションが表示されます。このダイアログ・ボックスにより、Warehouse Builderワークスペース内のオブジェクト定義の編集および追加を保存できます。

デフォルトでは、このダイアログ・ボックスのオプションがすべて選択されています。これらのオブジェクトを保持せずに置換させるには、ボックスの選択を解除します。

たとえば、表やビューを初めてインポートした後、その表またはビューの定義に記述を手動で追加します。この記述が表またはビュー定義の再インポート中に上書きされないようにするには、既存の定義を保持するオプションを選択する必要があります。これにより、記述は上書きされなくなります。

このダイアログ・ボックスの内容は、インポートするオブジェクトのタイプに応じて異なります。各種オブジェクトの「拡張インポート・オプション」の詳細は、次の各項を参照してください。

ビューおよび外部表の拡張インポート・オプション

次のオブジェクトを選択して、ビューまたは外部表を調整します。

  • 記述のインポート: ビューまたは外部表の記述がインポートされます。リポジトリ内の既存の記述は保持されません。

  • リポジトリの追加列を保持します。: ワークスペース内のオブジェクトに追加した列が保持されます。

表の拡張インポート・オプション

次のオブジェクトを選択して、表を調整します。

  • リポジトリの追加列を保持します。: このオプションを選択すると、ワークスペース内の表に追加した列が保持されます。

  • リポジトリの追加制約を保持します。: Warehouse Builder内の表に追加した制約が保持されます。

  • 索引のインポート: このオプションを選択すると、索引のインポート方法の詳細を追加指定できます。索引のインポートは、次のオプションで構成されます。

    • リポジトリの追加索引を保持します。: このオプションを選択すると、ワークスペース表に追加した索引が保持されます。

    • 索引の物理プロパティのインポート: このオプションを選択すると、索引のインポート方法を指定できます。このオプションの下にある「リポジトリで追加された索引の物理プロパティを保持します。」オプションを選択し、索引に追加された物理プロパティを保持するように指定します。

    • 索引パーティションのインポート: このオプションを選択すると、索引パーティションのインポート方法を指定できます。「リポジトリの追加索引パーティションを保持します」オプションを選択して、ワークスペース表に追加された索引パーティションを保持するように指定します。

  • パーティションのインポート: このオプションを選択すると、パーティションのインポート方法の詳細を追加指定できます。パーティションのインポートには、次のオプションがあります。

    • リポジトリの追加パーティションを保持します。: このオプションを選択すると、ワークスペース表に追加したパーティションがすべて保持されます。

    • パーティションの物理プロパティのインポート: このオプションを使用すると、パーティションの物理プロパティのインポート方法を指定できます。「リポジトリで追加されたパーティションの物理プロパティを保持します。」を選択して、ワークスペース表のパーティションの物理プロパティをすべて保持するように指定します。

  • 物理プロパティのインポート: このオプションを選択すると、表の物理プロパティのインポート方法を指定できます。「リポジトリの追加物理プロパティを保持します。」オプションを選択して、ワークスペース表に追加された物理プロパティをすべて保持するように指定します。

  • 記述のインポート: このオプションを選択すると、表の記述をインポートできます。

オブジェクト・タイプの拡張インポート・オプション

次のオブジェクトを選択して、オブジェクト型を調整します。

  • 記述のインポート: このオプションを選択すると、オブジェクト・タイプの記述をインポートできます。

  • リポジトリの追加属性を保持します。: このオプションを選択すると、ワークスペース内のオブジェクト・タイプに追加した属性が保持されます。

SQLコレクションの拡張インポート・オプション

SQLコレクションには、ネストした表および可変長配列が含まれます。

記述のインポート: このオプションを選択すると、ネストした表および可変長配列の記述をインポートできます。

Oracleデータベースのソース定義の更新

「モジュールの編集」ダイアログ・ボックスでは、ソース・モジュールの名前、メタデータのロケーションおよびデータのロケーションを編集できます。

データベース定義を更新する手順は、次のとおりです。

  1. いずれかのOracleモジュールをダブルクリックします。

    「モジュールの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。メタデータのロケーションとデータベースのデータのロケーションを編集できます。

  2. メタデータのロケーションを編集するには、「メタデータのロケーション」タブをクリックして次の情報を指定します。

    • ソース・タイプ: ソース・タイプでは、データとメタデータのロケーションを識別します。「Oracleデータ・ディクショナリ」または「Oracle Designerリポジトリ」を選択できます。メタデータがOracle Databaseのデフォルト・ワークスペースに格納されている場合は、「Oracleデータ・ディクショナリ」を選択します。Oracle Designerリポジトリに格納されている場合は、「Oracle Designerリポジトリ」を選択します。

    • ロケーション: モジュールのロケーションを識別します。リストからロケーションを選択できます。

  3. データのロケーションを編集するには、「データのロケーション」タブをクリックします。既存のロケーションから選択するか、新規ロケーションを作成できます。新規ロケーションを作成するには、「新規」をクリックします。「Oracleデータベースのロケーションの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。ここでデータのロケーション詳細を指定します。