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Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド
11gリリース1(11.1)for Microsoft Windows and UNIX Systems
E05735-03
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2 ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーの管理

この章では、次の項目について説明します。

リポジトリ・アシスタントの使用

リポジトリ・アシスタントを使用すると、Oracle Databaseにリポジトリを定義できます。

このウィザードを使用しない場合は、OMB Plusスクリプト言語を使用してリポジトリをインストールすることもできます。リポジトリを作成するデフォルトの設定は、OMB Plusを使用する場合でもリポジトリ・アシスタントを使用する場合でも同じです。たとえば、どちらの方法を選択しても、デフォルトの索引の表領域にはUSERSが割り当てられます。

Oracle Databaseとの接続

アシスタントによって、Oracle Databaseへの接続情報を入力するよう求められます。

RAC環境では、ホスト名、ポート番号、Oracleサービス名の入力に加えて、「SQL*NET接続」オプションも選択します。owb home\network\admin\tnsnames.oraで定義されているネット・サービス名を入力します。

次の手順「ワークスペース・ユーザーの定義」へ進む場合は、データベースが稼動していること、およびSYSDBA権限を持つデータベース・ユーザーを入力することが必要です。

ワークスペース・ユーザーの定義

ユーザー名とパスワードのガイドライン」の説明に従って、ワークスペース・ユーザー名とパスワードを指定します。リポジトリ・アシスタントでは、ユーザーは配布ターゲットとして割り当てられます。つまり、そのユーザーはETLプロセスを設計する場合はデザイン・センターにアクセスでき、配布と監査を行う場合はコントロール・センター・マネージャにもアクセスできます。

ユーザー名とパスワードのガイドライン

リポジトリ・アシスタントでは、ユーザー名を作成してパスワードを確認する必要があります。

有効なユーザー名とパスワードを指定するには、Oracle Databaseに実装されているセキュリティ標準を守る必要があります。デフォルトの最小要件としては、ユーザー名とパスワードにVARCHAR(30)を使用する必要があります。また、特殊文字は使用できません。パスワードの複雑さを検証するルーチンが適用されている場合は、データベースでさらに厳密な要件が求められる場合があります。ユーザー名、パスワード、パスワードの複雑さの検証ルーチンに関する詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

ワークスペースの操作の選択

次のいずれかのオプションを選択します。

ワークスペースの管理

ワークスペースの管理には次のものが含まれます。

ワークスペースの削除

ワークスペース所有者を削除する場合は、1人のワークスペース所有者に複数のワークスペース・ユーザーが関連付けられている可能性があることに注意してください。ユーザーを残したままワークスペース所有者を削除すると、そのユーザーの関連付けは無効となり、リポジトリ・アシスタントを使用してユーザーを削除できなくなります。そのため、ワークスペース所有者を削除する場合は、その前にリポジトリ・アシスタントを使用して関連付けられたユーザーを削除する必要があります。あるいは、SQL Plusを使用して孤立したユーザーを削除します。

デフォルトの表領域の選択

アシスタントでは、デフォルトの表領域が推奨されます。推奨された表領域を使用することも、新しい表領域を指定することもできます。

図2-1 ダイアログ: デフォルトの表領域の選択

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図2-1 ダイアログ: デフォルトの表領域の選択」の説明

リポジトリのベース言語の選択

リポジトリは単一のベース言語を持ちます。つまり、各リポジトリ・オブジェクトの物理名は、ベース言語で記述されることが前提となります。

リポジトリ・アシスタントでは、デフォルトのベース言語は、リポジトリ・アシスタントを起動したコンピュータのロケールに基づいて決定されます。たとえば、ロケールが英語(イギリス)に設定されているコンピュータからアシスタントを実行する場合、そのリポジトリのデフォルトのベース言語は、英語(イギリス)を表すen_GBとなります。

ベース言語は、デフォルトの言語を使用することも、リストから選択することもできます。ただし、ベース言語を定義できるのは1回のみです。リポジトリを作成した後で、ベース言語を変更したり、他のベース言語を追加することはできません。そのため、新しいリポジトリ・オブジェクトを作成した場合、そのビジネス名は任意の言語で表現できますが、物理名は必ずそのベース言語で記述する必要があります。

ただし、ユーザーがオブジェクトの物理名に別の言語を使用する必要がある場合、「表示言語の追加」の説明に従って、複数の表示言語を使用することができます。

表示言語の追加

表示言語はベース言語とは異なり、複数の表示言語を使用したり、リポジトリを定義した後に追加したりすることができます。

表示言語はビジネス名にのみ関連付けられます。オブジェクトの物理名はベース言語で記述されますが、ビジネス名は、設定した表示言語ごとに対応する名前をユーザーが作成できます。

表2-1に、Warehouse Builderでサポートされている表示言語と、それぞれに対応する国際標準化機構(ISO)のIDを示します。

表2-1 サポート言語のISO ID

ISOID 言語

sq_AL

アルバニア語

en_US

英語(アメリカ)

ar_AE

アラビア語

ar_EG

アラビア語(エジプト)

as_IN

アッサム語

bn_IN

バングラ語

pt_BR

ポルトガル語(ブラジル)

bg_BG

ブルガリア語

fr_CA

フランス語(カナダ)

ca_ES

カタロニア語

hr_HR

クロアチア語

cs_CZ

チェコ語

da_DK

デンマーク語

nl_NL

オランダ語

en_GB

英語(イギリス)

et_EE

エストニア語

fi_FI

フィンランド語

fr_FR

フランス語

de_DE

ドイツ語

el_GR

ギリシア語

gu_IN

グジャラト語

he_IL

ヘブライ語

hi_IN

ヒンディー語

hu_HU

ハンガリー語

is_IS

アイスランド語

in_ID

インドネシア語

it_IT

イタリア語

ja_JP

日本語

kn_IN

カンナダ語

ko_KR

韓国語

es_US

スペイン語(南米)

lv_LV

ラトビア語

lt_LT

リトアニア語

ms_MY

マレー語

ml_IN

マラヤーラム語

mr_IN

マラティー語

es_MX

スペイン語(メキシコ)

no_NO

ノルウェー語

or_IN

オリヤー語

pl_PL

ポーランド語

pt_PT

ポルトガル語

pa_IN

パンジャブ語

ro_RO

ルーマニア語

ru_RU

ロシア語

zh_CN

簡体字中国語

sk_SK

スロバキア語

sl_SI

スロベニア語

es_ES

スペイン語

sv_SE

スウェーデン語

ta_IN

タミル語

te_IN

テルグ語

th_TH

タイ語

zh_TW

繁体字中国語

tr_TR

トルコ語

uk_UA

ウクライナ語

vi_VN

ベトナム語


ワークスペース・ユーザーの管理

すべてのユーザーとワークスペース所有者は、最初にOracle Databaseユーザーとして定義しておく必要があります。

ワークスペース所有者として実行できるアクションは、ワークスペース・ユーザーの追加と「ワークスペース・ユーザーの削除」です。

ユーザー・パスワードは、Warehouse Builderで変更することはできません。パスワードは、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』の説明に従って、Oracle Databaseで直接変更します。

ワークスペース・ユーザーの選択

図2-2の左のパネルには、既存のOracle Databaseユーザーとスキーマが表示されています。既存のデータベース・ユーザーはこのリストから選択します。新しいユーザーを追加する場合は、左下隅にある「新規ユーザーの作成」をクリックして、新規ユーザーを定義し、登録します。

既存のユーザーを選択した場合、次に進む前にパスワードの入力を求められます。

リストから選択する場合は、1人以上のデータベース・ユーザーを選択できます。ただし、セキュリティ上の理由から、SYSDBAのようなデータベース管理者ユーザーは、Warehouse Builderユーザーとして登録できません。

図2-2 ワークスペース・ユーザーの追加

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図2-2 ワークスペース・ユーザーの追加」の説明

ワークスペース・ユーザーの削除

ワークスペース・ユーザーを削除するには、ワークスペースからそのユーザーを登録解除して削除します。ワークスペースからユーザーを削除しても、Oracle Database内のユーザーのアカウントは削除または変更されません。

リモート・ランタイムの実装(オプション)

コントロール・センター・サービスは、オブジェクトのターゲット・スキーマへの配布を管理するWarehouse Builderサーバー・コンポーネントであることを思い出してください。通常、コントロール・センター・サービスはターゲット・スキーマをホスティングするコンピュータにインストールされます。しかし限定的に、Oracle Databaseをホスティングしていないコンピュータでコントロール・センターを実行する必要がある場合があります。

そのためには、リモート・ランタイム環境を実装します。つまり、ターゲット・スキーマは、別のサーバーで実行されているコントロール・センター・サービスとはリモートの関係にあります。

リモート・ランタイムのシナリオ

リモート・ランタイムを実装するシナリオはいくつかあります。ただしいずれの場合も、ETLプロセスを配布して実行するには、コントロール・センター・サービスが稼動している必要があることに注意してください。リモート・ランタイム環境には、次のシナリオがあります。

選択した特定のシナリオに関係なく、「リモート・ランタイムのインストールおよびテスト手順」の説明に従ってください。

専用コンピュータにインストールしたコントロール・センター・サービス

コントロール・センター・サービスをホスティングしているコンピュータには、Oracle Databaseは必要ありません。リモート・ターゲットに対してあらゆるタイプのマッピングを制限なく配布できます。

図2-3 専用コンピュータにインストールしたコントロール・センター・サービス

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図2-3 専用コンピュータにインストールしたコントロール・センター・サービス」の説明

ローカル・サーバーにインストールしたコントロール・センター・サービス

リモート・ターゲットに対してあらゆるタイプのマッピングを配布できます。ただし、マッピングでSQL*Loaderなどの外部プログラムがコールされると、これらのプログラムはローカル・サーバーで実行されます。

図2-4 ローカル・サーバーにインストールしたコントロール・センター・サービス

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図2-4 ローカル・サーバーにインストールしたコントロール・センター・サービス」の説明

スタンドアロン・ターゲット・スキーマ

推奨されるシナリオではありませんが、ターゲット・コンピュータにWarehouse Builderコンポーネントをインストールせずにリモート・ターゲットを実装できます。このシナリオには重要な制限があります。リモート・ターゲット・スキーマとリポジトリが2つの異なるデータベースに存在するため、スタンドアロンとなるターゲット・スキーマに対してPL/SQLマッピングを配布することはできません。

図2-5 スタンドアロン・ターゲット・スキーマ

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図2-5 スタンドアロン・ターゲット・スキーマ」の説明

リモート・ランタイムのインストールおよびテスト手順

リモート・ランタイム環境を実装するには、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、「リモート・ランタイムのシナリオ」の説明に従い、デザイン・センターとコントロール・センター・サービスを含むクライアント・コンポーネントをインストールします。

    Oracle Database 11gリリース1では、必要なコンポーネントがすでにインストールされています。次の手順へ進んでください。

    Oracle Database 10gリリース2については、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」を参照してください。

  2. クライアント・コンピュータからリポジトリ・アシスタントを起動します。

    スタート」→「プログラム」→owb home→「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

  3. 「拡張設定」オプションを選択します。

  4. スタンドアロン・ターゲット・スキーマをホスティングするサーバーに接続します。

    図2-6に示すダイアログが表示されます。「ローカル・コントロール・センター・サービスを許可」を選択し、「OK」をクリックします。

    図2-6 ダイアログ: OWBインストールのためのOracleホーム

    この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
    「図2-6 ダイアログ: OWBインストールのためのOracleホーム」の説明

  5. リポジトリ・アシスタントの指示に従います。

  6. クライアント・コンピュータでコントロール・センター・サービスを起動します。

    スタート」→「プログラム」→owb home→「Warehouse Builder」→「Administration」→「Start Control Center Service」を選択します。指示に従って、以前に作成したワークスペースに接続します。ワークスペース所有者のユーザー名とパスワードを使用します。

  7. コントロール・センター・マネージャを起動して、ターゲット・スキーマにETLプロセスを配布し、実行します。

    コントロール・センター・マネージャを起動するには、デザイン・センターの「ツール」メニューにナビゲートし、「コントロール・センター・マネージャ」を選択します。

  8. リポジトリ・アシスタントを再び起動し、別のターゲット・ユーザーを作成します。(オプション)


    注意:

    ターゲット・スキーマのユーザーを作成できるのは、リポジトリ・アシスタントのみです。デザイン・センターのセキュリティ・インタフェースでは、ワークスペースに対してローカルなユーザーしか作成できません。そのため、ターゲット・スキーマのユーザー作成には使用できません。

リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定

リポジトリをインストールすると、Warehouse Builderにより、デフォルトのメタデータ・セキュリティ・ポリシーが適用されます。デフォルト・ポリシーは、概念実証やパイロット・プロジェクトに適した最小のセキュリティ・ポリシーです。最小のセキュリティでは、デザイン・リポジトリのデータはOracle Databaseのセキュリティ・ポリシーによって保護されますが、ワークスペース所有者のログオン情報がわかれば誰でもメタデータにアクセスできます。

デフォルトの設定を変更して、最大のセキュリティ・ポリシーを選択することができます。あるいは、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』の説明に従い、Warehouse Builderのセキュリティ・インタフェースを使用して、独自のセキュリティ・ポリシーを設計することもできます。いずれの場合も、リポジトリ・データベースのOracle Advanced Securityオプションが有効であることを確認します。

デフォルトのメタデータ・セキュリティ・ポリシーを変更するには:

  1. Warehouse Builderデザイン・センターを起動します。

    Windowsでは、「スタート」→「プログラム」を選択し、前述の手順でインストールしたOracle製品グループにナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Design Center」を選択します。

  2. ワークスペース所有者としてログインします。

  3. メイン・メニューから「ツール」→「プリファレンス」を選択します。

  4. セキュリティ・パラメータ」を選択します。

  5. パラメータ「デフォルト・メタデータ・セキュリティ・ポリシー」で、適用するセキュリティ・ポリシーを指定します。

    最小のセキュリティでは、新規に登録されたユーザーが作成したオブジェクトを、すべてのユーザーが完全にコントロールすることができます。これに対し、最大のセキュリティでは、オブジェクトへのアクセスは、そのオブジェクトを作成した登録ユーザーとWarehouse Builderリポジトリの管理者に限定されます。

別のセキュリティ・パラメータの詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。

独自のセキュリティ・ポリシーを設計する手順や、最大のセキュリティと最小のセキュリティのポリシーの詳細は、第7章「Warehouse Builderのセキュリティの実装」を参照してください。