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Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド
11gリリース1(11.1)for Microsoft Windows and UNIX Systems
E05735-03
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1 インストールの概要と要件

この章では、インストール・プロセスの概略を示し、ソフトウェアおよびハードウェアの要件について説明します。さらに、Oracle Warehouse Builderのアーキテクチャとそのコンポーネントを紹介します。この章では、次の項目について説明します。

Warehouse Builderのインストールの新機能

この項には、以前のリリースのWarehouse Builderをインストールする方法に習熟しているユーザーのための重要なヒントが記載されています。Warehouse Builderを初めて使用する場合は、「Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」に進んでください。

Oracle Database 11gに埋め込まれたOracle Warehouse Builder

このリリースから、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールすると、Warehouse Builderが自動的にインストールされるようになりました。

Warehouse Builderをクライアント・コンピュータにインストールするには、スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアをダウンロードしてからインストールします。Warehouse Builder 11gをOracle Database 10gにインストールするような場合にも、スタンドアロンのソフトウェアが必要です。詳細は、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」を参照してください。

インストールにはSYSDBA権限が不要になった

以前は、Warehouse BuilderリポジトリをOracle Databaseにインストールするには、ユーザーにSYSDBA権限が必要でした。このリリースから、これが不要になりました。Oracle Database 11gリリース1をインストールするときに、OWBSYSスキーマが作成されます。OWBSYSには、ワークスペースに分割されるメタデータが格納されます。Warehouse Builderの使用を始めるには、新しいワークスペースを作成します。SYSDBA権限は不要です。

Warehouse Builderリポジトリと複数のワークスペースが統合された

以前は、ユーザーはリポジトリ全体にアクセスしていました。このリリースから、ユーザーはリポジトリの内部にあるワークスペースに割り当てられるようになりました。したがって、リポジトリへのアクセス権を付与するのではなく、ワークスペースへのアクセス権を付与します。

ブラウザ・リスナーの起動と停止

以前のリリースでは、Windowsユーザーはブラウザ・リスナーの起動と停止を、プログラム・グループから実行できました。つまり、「スタート」→「プログラム」→「owb home」→「Warehouse Builder」にナビゲートしてから、「Start Browser Listener」または「Stop Browser Listener」をクリックすることで実行できました。このリリースから、ブラウザ・リスナーの起動と停止は、コマンドラインからのみできるようになりました。この変更により使いやすくなり、新しいパスワード要件の実現が容易になりました。

Warehouse Builder内部に埋め込まれたOracle Workflow

以前は、Oracle Workflowを利用してジョブ依存性を管理する場合や、プロセス・フローを配置する場合は、Oracle Workflowのインストールが必要でした。このリリースから、Oracle WorkflowのコンポーネントがWarehouse Builder内部に埋め込まれるようになったので、これらの追加インストール手順は不要になりました。

PL/SQLパッケージに基づいたセキュリティがサポートされなくなった

Warehouse Builder11gリリース1(11.1)以降、メタデータ・セキュリティを実装する方法としては、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』で説明されているように、デザイン・センターで使用できるユーザー・インタフェースを使用して行うことをお薦めします。以前のリリースでPL/SQLパッケージを使用してセキュリティを実装していた場合は、Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)では、その実装がサポートされています。

Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント

Oracle Warehouse Builderは、Oracle Databaseを使用してデータを高品質の情報に変換する情報統合ツールです。Oracle DatabaseはWarehouse Builderアーキテクチャの中心的なコンポーネントであり、このデータベースによって、Warehouse BuilderリポジトリおよびWarehouse Builderで生成されるコードがホスティングされます。

図1-1は、Warehouse Builderソフトウェアの主要コンポーネントの相互作用を示しています。

デザイン・センターは、データを移動および変換する際にETLプロセスを設計、管理、スケジュールおよび配布するためのユーザー・インタフェースです。デザイン・センターで実行された作業に関連するすべてのメタデータは、Warehouse Builderリポジトリに格納されます。リポジトリはOracle Databaseにホスティングされており、リポジトリ・ブラウザを使用してリポジトリ内のメタデータのレポートを作成できます。また、ターゲット・スキーマもOracle Databaseにホスティングされます。コントロール・センター・サービスを使用して実行したETLプロセスの結果データは、Warehouse Builderによってターゲット・スキーマにロードされます。

図1-1 Warehouse Builderコンポーネント

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図1-1 Warehouse Builderコンポーネント」の説明

デザイン・センター

デザイン・センターでは、ソースの定義、ターゲットの設計、およびETLなどのデータ変換プロセスの設計を行うためのグラフィカル・インタフェースが用意されています。デザイン・センターでデザインを作成するときには、論理デザインのみで作業し、物理的な実装では作業しません。

コントロール・センター・マネージャ

コントロール・センター・マネージャは、配布とジョブ実行を管理するためのコンソールです。以前は、デザイン・センターで、データを変換するための論理デザインを作成していました。論理デザインでは、まだ存在していないオブジェクト(ステージング表など)を導入した場合がありました。このリリースでは、コントロール・センター・マネージャでデザインを配布します。つまり、Warehouse Builderに対して、必要な物理オブジェクト(ステージング表など)を作成するように指示します。その後でデザインを実行します。実行中にWarehouse Builderでは、データの抽出、変換およびロードに関連付けられているコードが実行されます。

ターゲット・スキーマ

ターゲット・スキーマは、データや、デザイン・センターで設計したキューブ、ディメンション、ビュー、マッピングなどのデータ・オブジェクトのロード先となるターゲットです。ターゲット・スキーマには、シノニムなどのWarehouse Builderコンポーネントが含まれます。シノニムにより、ETLマッピングを使用してリポジトリの監査/サービス・パッケージにアクセスできます。リポジトリには、実行情報や配布情報などのターゲット・スキーマに関するすべての情報が格納されます。

ターゲット・スキーマは、Warehouse Builderソフトウェア・コンポーネントではなくOracle Databaseの既存のコンポーネントであることに注意してください。したがって、複数のターゲット・スキーマを単一のWarehouse Builderリポジトリに関連付けることができます。ターゲット・スキーマとリポジトリは、1対1の関係にすることも、多対1の関係にすることもできます。

Warehouse Builderリポジトリ

リポジトリ・スキーマには、デザイン・メタデータを構成するすべてのソース、ターゲットおよびETLプロセスのメタデータ定義が格納されます。リポジトリには、デザイン・メタデータだけでなく、コントロール・センター・マネージャおよびコントロール・センター・サービスで生成されるランタイム・データを含めることもできます。

Warehouse Builderの初期インストール時に、リポジトリ・アシスタントを使用してOracle Databaseにリポジトリを定義します。Warehouse Builder 11gリポジトリは、Oracle Database 10gリリース2(10.2)または11gのいずれかでホスティングできます。

ワークスペースについて

リポジトリを定義する際は、1つ以上のワークスペースを、各ワークスペースが関連プロジェクトで作業する一連のユーザーに対応するように作成します。開発、テストおよび本番のそれぞれに個別のワークスペースを作成するのが一般的です。この方法を使用すれば、開発者などのユーザーに対して開発およびテストのワークスペースへのアクセスを許可する一方、本番のワークスペースへのアクセスを制限できます。

その後の実装サイクルで、既存のワークスペースを管理したり、新しいワークスペースを作成したりする際にもリポジトリ・アシスタントを使用します。

リポジトリ実装のオプションの例は、「実装方針」を参照してください。

リポジトリ・ブラウザ

リポジトリ・ブラウザは、リポジトリのレポート作成を行うためのWebブラウザ・インタフェースです。メタデータの表示、レポートの作成、ランタイム操作の監査、および系統分析および影響分析を実行できます。リポジトリ・ブラウザは、デザイン固有およびコントロール・センター固有の情報を参照できるように編成されています。

コントロール・センター・サービス

コントロール・センター・サービスは、ロケーションを登録するためのコンポーネントです。マッピングやプロセス・フローなど、デザイン・センターで設計するETLロジックを配布および実行することも可能です。

実装方針

この項では、Warehouse Builderを実装するための様々な選択肢と検討事項について概要を説明します。各オプションの実装方法の詳細は、後続の各項を参照してください。

Warehouse Builderを実装するための選択肢は、次のとおりです。

基本実装

最も単純なオプションは、クライアントとサーバーのコンポーネントを単一のローカル・コンピュータでホスティングすることです。これは、概念実証を行ったり、パイロット・プログラムを開始したりする場合に適しています。

Oracle Database 11gをインストールすると、最も一般的に使用されるWarehouse Builderコンポーネントも自動的にインストールされます。次の手順では、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動して、ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーを定義します。

Oracle Database 11gインストールには、Discovererへの配布およびランタイム・スクリプト・コマンドの実行を行う、Warehouse Builderの2つのコンポーネントが含まれていません。これらのコンポーネントにアクセスするには、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」を参照してください。

既存のOracle Database 10gリリース2インストールで基本実装を行うには、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」を参照してください。

従来のクライアント/サーバー実装

この最も一般的な実装方法では、クライアント・コンポーネントを複数のクライアント・コンピュータに配置し、サーバー・コンポーネントを単一のサーバーに配置します。

Oracle Database 11gをインストールする場合、このインストールにはサーバーに必要なすべてのWarehouse Builderコンポーネントが含まれます。ユーザーに必要な作業は、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動して、ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーを定義することだけです。その後、クライアント・マシンにWarehouse Builderソフトウェアをダウンロードしてインストールします。

Oracle Database 10gリリース2のリポジトリ

Oracle Database 11gをインストールする場合、Warehouse Builderのサーバー・コンポーネントもインストールされます。

ただし、リポジトリをOracle Database 10gリリース2でホスティングするかどうかを選択できます。Oracle Database 11gで新たに導入された機能にアクセスできないことを除けば、Warehouse Builder 11gリポジトリをOracle Database 10gリリース2でホスティングすることについて既知の制限はありません。

詳細は、「Oracle Database 10gリリース2でのリポジトリのホスティング」を参照してください。

個別の設計およびランタイム環境実装

図1-2に示すような実装では、Warehouse Builderでの設計に必要なメタデータ定義が、1つのリポジトリに格納されます。これには、デザイン・センターを介してユーザーがアクセスするソース、ターゲットおよびETLプロセスのメタデータが含まれています。

ジョブ実行専用の環境を別に定義できます。この環境をランタイム環境と呼びます。各ランタイム環境では、単一のコントロール・センター・サービスで、コントロール・センターおよびその配布と実行のアクティビティを管理する必要があります。

ランタイム・データは監査表に格納されます。リポジトリ・ブラウザでコントロール・センターの固有レポートから監査表にアクセスできます。

デザイン・リポジトリとコントロール・センター・リポジトリ間の通信は、オブジェクトをターゲット・スキーマに配布するときにのみ発生します。

図1-2 分割リポジトリ実装

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図1-2 分割リポジトリ実装」の説明

開発、テスト、本番の各環境

組織は一般的に、プロジェクトを本番環境にリリースする前に、開発用の環境とテスト用の環境を別々に確保します。単一のWarehouse Builderリポジトリにおける共通の論理デザインに基づいて、複数の物理環境を用意することができます。または、各物理環境をそれぞれの固有Warehouse Builderリポジトリに関連付けることもできます。

いずれかの戦略を実施するには、第11章「開発から本番までの複数の環境の管理」を参照してください。

リモート・ランタイム環境実装

コントロール・センター・サービスは、オブジェクトのターゲット・スキーマへの配布を管理するWarehouse Builderサーバー・コンポーネントです。通常、コントロール・センター・サービスはターゲット・スキーマをホスティングするコンピュータにインストールされます。

しかし、Oracle Databaseをホスティングしていないコンピュータでコントロール・センターを実行することが望ましい場合があります。たとえば、ロード・バランシングの目的でリモート・ランタイムを実装することがあります。また、企業のセキュリティ・ポリシーで、ターゲット・スキーマをホスティングするコンピュータ上へのソフトウェアのインストールが制限されている場合も、リモート・ランタイム環境を考慮します。

このいずれかのケースを実装するには、「リモート・ランタイムの実装(オプション)」を参照してください。

Warehouse Builderをインストールする一般的な手順

既存のインストールをアップグレードする場合は、第3章「Oracle Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へのアップグレード」を参照してください。

新しいインストールを開始する場合は、次の指示に従って、該当するトピックを確認してください。

新しいインストールを開始するには:

  1. 実装方針を決定します。

    様々な環境と顧客のニーズに適合するために、Warehouse Builderはサーバーおよびクライアント・コンポーネントのインストール先を柔軟に選択できます。

    実装方針を策定するには、「Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」および「インストール要件の概要」を参照してください。

  2. http://otn.oracle.comから入手可能な『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認します。

  3. サーバーの準備

  4. Oracle RAC環境のみの場合は、「Oracle RAC環境にWarehouse Builderをインストールする手順」に進みます。その他の場合は、この説明の次の手順に進みます。

  5. Oracle Databaseの準備

  6. 必要に応じて、スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアをインストールします。

    Warehouse BuilderリポジトリがOracle Database 11gでホスティングされており、Oracle Discovererと統合しない場合またはランタイム・スクリプト・コマンドを使用しない場合は、この手順を省略してください。

    その他の場合は、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」の手順を参照してください。

  7. Oracle Database 11gにインストールされているデフォルトのWarehouse Builderスキーマを使用するには、最初にスキーマのロックを解除します。

    SQL*PlusへSYSまたはSYSDBAユーザーとして接続します。次のコマンドを実行します。

    SQL> ALTER USER OWBSYS ACCOUNT UNLOCK;

    SQL> ALTER USER OWBSYS IDENTIFIED BY owbsyspasswd;

  8. Oracle Databaseで、Warehouse Builderのワークスペースおよびワークスペース・ユーザーを定義します。

    Oracle Databaseをホスティングしているコンピュータで、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動します。

    Windowsの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、前述の手順でインストールしたOracle製品グループにナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには次のコマンドを実行します。

    owb home/owb/bin/unix/reposinst.sh

    リポジトリ・アシスタントの指示に従います。または、手順の詳細について第2章「ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーの管理」を参照してください。

  9. リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定

    リポジトリをインストールすると、Warehouse Builderにより、デフォルトのメタデータ・セキュリティ・ポリシーが適用されます。デフォルト・ポリシーは、概念実証やパイロット・プロジェクトに適した最小のセキュリティ・ポリシーです。

    最大セキュリティ・ポリシーを選択して、デフォルトを上書きできます。あるいは、Warehouse Builderのセキュリティ・インタフェースを使用して、独自のセキュリティ・ポリシーを設計することもできます。いずれの場合も、リポジトリ・データベースのAdvanced Security Option(ASO)を有効にしておく必要があります。

  10. オプション・コンポーネントのインストールおよび有効化(オプション)

    ブラウザ、サード・パーティ・ツール、および関連するOracle製品などのオプション・コンポーネントを有効にする方法については、第5章を参照してください。

  11. Warehouse Builderソフトウェアをクライアント・コンピュータにインストールします。

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」の手順を繰り返します。

  12. インストール・プロセスを完了したら、「Warehouse Builderコンポーネントの起動」で説明されているように、Warehouse Builderのコンポーネントを問題なく起動できることを確認します。

インストール要件の概要

実装方針を策定する際は、この項を参照してください。

表1-1は、Oracle Warehouse Builder環境で必要なコンポーネントの一覧です。オプションで、表1-2に示すコンポーネントとも統合できます。

必須コンポーネント

表1-1は、Oracle Warehouse Builder環境で必要なコンポーネントの一覧です。この表に、各コンポーネントをインストールする際の重要な検討事項と詳細情報の参照先を示します。

表1-1 必須コンポーネント

コンポーネント 重要な検討事項

サーバー

オペレーティング・システムは、Oracle DatabaseでサポートされているWindowsプラットフォームやUNIXプラットフォームにできます。

動作保証されているハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストは、OracleMetaLinkのWebサイト(http://metalink.oracle.com/)の動作保証リストを参照してください。

Windowsでは、32bitおよび64bitアーキテクチャがサポートされます。最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、および768MBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

すべてのUNIXプラットフォームでは、768MBの利用可能メモリー、1100MBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域が必要です。Linuxでは、最低1100MBのディスク領域があることを確認してください。その他すべてのUNIXプラットフォームでは、より多くのディスク領域が必要です。

サーバーの準備」を参照してください。

Oracle Database

データベースは次のバージョンを使用できます。

  • Oracle Database 11g Standard Editionリリース1

  • Oracle Database 11g Enterprise Editionリリース1

  • Oracle Database 10g Standard Editionリリース2

  • Oracle Database 10g Enterprise Editionリリース2

DB_BLOCK_SIZEに最適値の16384か、サーバーの最大許容ブロック・サイズが設定されていることを確認してください。オプションで、次の各項の説明に従って、追加の構成設定を変更する必要がある場合があります。

Oracle Databaseの準備」を参照してください。

クライアント・コンピュータ

クライアント・コンピュータには、WindowsまたはLinuxオペレーティング・システムが必要です。

Windowsでは、コンピュータに最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

Linux 32bit版では、コンピュータに最低1100MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

クライアント・コンピュータの準備」を参照してください。

Oracle Universal Installer

Warehouse Builderソフトウェアのインストール」で説明されている手順に従って、Universal Installerを起動します。

Warehouse Builderのホーム・ディレクトリは個別に指定してください。

Windowsでは、Windowsシステムに管理者としてログオンしてからUniversal Installerを起動するようにしてください。

Oracle Warehouse Builderコンポーネント

  • Warehouse Builderデザイン・センター(ETLプロセス設計に使用)

  • OMB Plus、スクリプト言語およびインタフェース

  • Warehouse Builderリポジトリ

  • リポジトリ・アシスタント(リポジトリ定義に使用)

  • コントロール・センター・サービス

  • リポジトリ・ブラウザ(リポジトリのメタデータおよび監査データの表示およびレポート作成に使用)

概要は、「Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」を参照してください。


互換性のあるコンポーネント

表1-2は、Oracle Warehouse Builder環境で使用可能な一部のオプション・コンポーネントの一覧です。この表には、互換性のあるコンポーネントがすべて記載されてはいませんが、Warehouse Builderのインストール方法に影響するコンポーネントやOracle Database管理者による介入が必要になるコンポーネントが記載されています。

この表に、各オプション・コンポーネントに関する重要な検討事項と詳細情報の参照先を示します。

表1-2 互換性のあるコンポーネント

コンポーネント 重要な検討事項

Oracle Discoverer

スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」を参照してください。

Oracle E-Business Suite

E-Business SuiteのデータまたはメタデータをWarehouse Builderユーザーが使用できるようにするオプションがあります。

Oracle E-Business Suiteとの統合」を参照してください。

PeopleSoft、SAP、Siebelなど、他のアプリケーションとも統合できます。これらの製品との統合については、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』に記載されています。

Oracle Workflow

Oracle Workflowを使用してジョブ依存性を管理できます。

Warehouse Builderプロセス・フローを使用する場合は、Oracle Workflowを有効にして配布を行えるようにします。

Oracle 11gリリース1以降、Oracle WorkflowはWarehouse Builderソフトウェアに同梱されており、Oracle 11gデータベースでのWarehouse Builderの使用に対してライセンスされます。

Warehouse BuilderリポジトリがOracle 10gリリース2でホスティングされている場合は、Oracle Workflow 2.6.4の適切なバージョンをインストールして、「Oracle Workflowとの統合」で説明されている手順に従う必要があります。

サード・パーティのName and Addressデータ

サード・パーティのName and Addressデータに基づいて、Name and Addressデータをクレンジングできます。

次のものをOracle Technology Networkに一覧されている認定ベンダーから入手する必要があります。


サーバーの準備

サーバーにOracle Databaseがインストールされていない場合は、使用しているオペレーティング・システム用のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを調べます。Oracle Databaseをインストールする前に、必要なオペレーティング・システムのパッチをインストールしてください。

動作保証されているハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システム・バージョンの最新リストは、OracleMetaLinkのWebサイトの動作保証リストを参照してください。このWebサイトでは、互換性のあるクライアントおよびデータベースのバージョン、パッチおよび不具合の回避策の情報も提供されています。OracleMetaLinkのWebサイトは、次のURLでアクセスできます。

http://metalink.oracle.com/

Warehouse BuilderリポジトリをOracle Database 11gでホスティングする場合、追加の手順は必要ありません。次のトピック「Oracle Databaseの準備」に進んでください。

Warehouse BuilderリポジトリをOracle Database 10gリリース2でホスティングする場合は、「Oracle 10gリリース2でWarehouse BuilderリポジトリをホスティングするUNIXサーバー」または「Oracle 10gリリース2でWarehouse BuilderリポジトリをホスティングするWindowsサーバー」のいずれかに進んでください。

Oracle 10gリリース2でWarehouse BuilderリポジトリをホスティングするUNIXサーバー

Linux以外のすべてのUNIXプラットフォームでは、Warehouse Builderサーバー・コンポーネントのみがサポートされます。ただし、Linux 32bit版のプラットフォームでは、サーバーとクライアント・コンポーネントの両方をインストールできます。つまり、UNIXサーバー上にはリポジトリおよびコントロール・センター・サービスをインストールできますが、デザイン・センターおよびリポジトリ・ブラウザにはWindowsまたはLinux 32bit版のプラットフォームが必要です。

サーバー・コンポーネントのみをインストールする場合、UNIXオペレーティング・システムが表1-3の要件を満たしていることを確認してください。Linuxからアクセスするクライアント・コンポーネントもインストールする場合、「クライアント・コンピュータの準備」に示す追加のハードウェア要件を参照してください。

表1-3 UNIX動作環境のソフトウェア要件

要件

ディスク領域

Linuxでは1100MB。その他すべてのUNIXプラットフォームでは、より多くのディスク領域が必要です。

メモリー

Linuxでは768MB。

必要なメモリーは、実行されている機能とユーザー数によって増加します。

ページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域

Linuxでは1GB。


UNIXサーバーでの環境変数の設定

UNIXへインストールする場合は、Oracleホームの環境変数を指定する必要があります。Oracleホームは、Warehouse Builderがインストールされているディレクトリです。

表1-4に示すUNIXコマンドを使用します。ここでfull_pathは、Warehouse Builderをインストールする場所のパスを示します。

表1-4 UNIXサーバーでのOracleホームの設定

変数 Cシェル・コマンド Kornシェル・コマンド Bourneシェル・コマンド

ORACLE_HOME

setenv ORACLE_HOME full_path

export ORACLE_HOME=full_path

ORACLE_HOME=full_path; export ORACLE_HOME


Oracle 10gリリース2でWarehouse BuilderリポジトリをホスティングするWindowsサーバー

Windowsプラットフォームでは、1台のコンピュータにWarehouse Builderサーバーまたはクライアント・コンポーネント、あるいはその両方をインストールできます。表1-5にWindowsオペレーティング・システムの要件を示します。これらの要件は、同じコンピュータにインストールする他のOracle製品の要件とあわせて必要となるものです。インストールする各Oracle製品のマニュアルを参照し、全体的なシステム要件を確認してください。

表1-5 Windows動作環境のソフトウェア要件

要件

ディスク領域

850MB

メモリー

768MB

必要なメモリーは、実行されている機能とユーザー数によって増加します。

ページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域

1GB

システム・アーキテクチャ

32bitおよび64bit

注意: Oracleでは32bit版および64bit版のWarehouse Builderを提供しています。32bit版のWarehouse Builderは、32bit版のオペレーティング・システムで実行する必要があります。64bit版のWarehouse Builderは、64bit版のオペレーティング・システムで実行する必要があります。

オペレーティング・システム

Warehouse Builderは次のオペレーティング・システムで動作します。

  • Windows 2000(Service Pack 1以上)。Terminal ServicesとWindows 2000 MultiLanguage Edition(MLE)のすべてのEdition。

  • Windows Server 2003。

  • Windows NT Server 4.0、Windows NT Server Enterprise Edition 4.0、Terminal Server Edition(Service Pack 6a以上)。Windows NT Workstationのサポートは廃止されました。

  • Windows XP Professional。


Oracle Databaseの準備

Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)は、次に示すリリースのOracle Databaseと使用する場合にサポートおよび動作保証されます。

注意: Warehouse Builderは、Oracle DatabaseのPersonal EditionまたはExpress Editionとの使用についてテストおよび動作保証されていないため、それらの使用はサポートされていません。

Oracle Database 11gのEnterprise EditionまたはStandard Editionをインストールする場合は、Oracle Warehouse Builder 11gで使用するための未実装のスキーマOWB_SYSが提供されます。

後の章で説明するように、Warehouse Builderデザイン・リポジトリまたはターゲット・スキーマを作成するすべてのコンピュータにOracle Databaseをインストールする必要があります。

リポジトリのサイズ要件は、キャラクタ・セットによって異なります。たとえば、AL32UTF8キャラクタ・セットを使用する空のリポジトリの表領域には、約90MBが必要です。シングルバイト・キャラクタ・セットのWarehouse Builderリポジトリを平均的に使用する場合は、1330MBを追加し、合計1420MBに設定することをお薦めします。マルチバイト・キャラクタ・セットの場合は、さらに表領域を増やします。

Warehouse Builderリポジトリを正常に作成するには、次のOracle Databaseコンポーネントが必要です。

Warehouse Builderで使用可能なメタデータ・セキュリティ・オプションを実装する場合、データベースのOracle Advanced Securityオプションを有効にします。メタデータ・セキュリティ・オプションの概要は、「リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定」を参照してください。

Warehouse Builderリポジトリのデータベース構成設定

Oracle 11gデータベースの構成設定

Oracle 11gデータベースでは、設計コンポーネントとランタイム・コンポーネントの両方をホスティングするためにサーバー・リソースを最適化するよう構成設定が自己調整されます。ユーザーに必要な追加の手順は、「フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定」のみです。

Oracle 10gデータベースの構成設定

Oracle 11gデータベース同様、Oracle 10gデータベースでも「フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定」以外の構成設定が自己調整されます。

さらに、Warehouse Builderの設計コンポーネントおよびランタイム・コンポーネントは個別のリポジトリに保持できます。その場合は、「デザイン・リポジトリおよびランタイム・リポジトリ用のOracle 10gデータベースの構成(オプション)」を参照してください。

フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定

フラット・ファイル・ターゲットに対するターゲット・データ・ファイルのパスを設定するには、ウェアハウス・インスタンスのinit.oraファイルにこのパスを設定します。UTL_FILE_DIRパラメータをフラット・ファイル・ターゲットのディレクトリに設定し、データベースからアクセスできるようにします。

たとえば、出力ファイルのロケーションがD:\Data\FlatFiles\File1.datの場合、init.oraファイルのUTL_FILE_DIRパラメータを次のように設定します。

UTL_FILE_DIR = D:\Data\FlatFiles

D:\Data\FlatFilesE:\OtherDataの両方など、複数の有効なファイルのロケーションの場合は、init.oraのパラメータを次のように設定します。

UTL_FILE_DIR = D:\Data\FlatFiles
UTL_FILE_DIR = E:\OtherData

この2行はinit.oraファイル内で連続している必要があります。

次のコマンドを使用すると、ディレクトリのチェックを省略できます。

UTL_FILE_DIR = *

デザイン・リポジトリおよびランタイム・リポジトリ用のOracle 10gデータベースの構成(オプション)

この項では、Oracle 10gデータベースを使用してWarehouse Builderのデザイン・リポジトリとランタイム・リポジトリを個別にホスティングする際のパフォーマンスを保証する構成パラメータの一覧を示します。

デザイン・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ

Oracle Databaseでは、サーバー・リソースを最適化するよう構成設定が自己調整されます。Warehouse Builderが効率的に実行されるように、DB_BLOCK_SIZEが最適値に設定されていることを確認してください。

表1-6は、Warehouse Builderデザイン・リポジトリの初期化パラメータを示しています。

表1-6 デザイン・リポジトリ・インスタンス用初期化パラメータ

初期化パラメータ 設定値 コメント

COMPATIBLE

データベース値

Oracle Databaseのリリース番号と同じ値に設定します。たとえば、10gの場合は10と設定します。

初期化ファイルにこのパラメータがない場合は、ファイルの最後に追加してください。

DB_BLOCK_SIZE

8192

このパラメータはデータベースの作成時に設定されます。この値は変更できません。

Warehouse Builderでは、デザイン・リポジトリに8192を超える値を設定することはお薦めしません。

DB_CACHE_SIZE

104877600

これは100MBです。

LOCK_SGA

TRUE

SGAの設計を物理メモリーにロックすることをお薦めします。

O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITY

TRUE

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータをEXCLUSIVEに設定する代替手段として、これをTRUEに設定します。

OPEN_CURSORS

300

これより高い値も設定できます。

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE

EXCLUSIVE

ユーザーsysがsysdbaとして接続できるようにするには、このパラメータをEXCLUSIVEに設定します。

ただし、このパラメータをNONEに設定する必要がある場合は、07_DICTIONARY_ACCESSIBILITYをTRUEに設定します。


ランタイム・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ

Warehouse Builderランタイム・コンポーネントをサポートするには、Oracle Databaseインスタンスを変更する必要があります。表1-7にデータベース構成パラメータを示します。

表1-7 ランタイム・インスタンスの初期化パラメータ

初期化パラメータ 設定値 コメント

AQ_TM_PROCESSES

1

このパラメータは、Warehouse BuilderおよびOracle Workflowアドバンスト・キューイング・システムの場合は必須です。

COMPATIBLE

データベース値

Oracle Databaseのリリース番号と同じ値に設定します。

初期化ファイルにこのパラメータがない場合は、ファイルの最後に追加してください。

DB_BLOCK_SIZE

16384

このパラメータはデータベースの作成時に設定されます。変更しないでください。

推奨値は16384です。サーバーで使用できるブロック・サイズがこれより小さい場合は、使用可能な最大サイズを設定してください。コンピュータのRAMが512MBより少ない場合は、9600をお薦めします。

DB_CACHE_SIZE

314632800

この値は、300MBまたはシステムの許容限度まで高くすることができます。より大きな共有メモリー・セグメントを使用できるようにオペレーティング・システム・パラメータを調整する必要がある場合があります。

SGA_TARGETパラメータの値を設定する場合は、DB_CACHE_SIZEパラメータの値は設定しないでください。

DB_FILE_MULTIPLE_BLOCK_READ_COUNT

16

16は推奨値ですが、可能なら32をお薦めします。

DB_WRITER_PROCESSES

コメントを参照

CPUが8個未満の場合は、DB_WRITER_PROCESSES1に設定します。このパラメータ値を8CPUごとに2ずつ増やします。

DBWR_IO_SLAVES

n

nはCPUの数を表します。

次のような場合は、このパラメータを0に設定して無効にします。

  • DB_WRITER_PROCESSESの値が1より大きい場合。この場合、DBWR_IO_SLAVESパラメータを調整してもその効果はありません。

  • CPUが1つのみで、プラットフォームで非同期I/Oがサポートされていない場合。

DISK_ASYNCH_IO

TRUE

プラットフォームで非同期I/Oがサポートされていない場合、DBWR_IO_SLAVES4などの正数に設定し、非同期I/Oをシミュレートします。

ENQUEUE_RESOURCES

3000以上(大きなMDLファイルをインポートする場合)。

エラーなしでインストールを完了するには、最小設定の「1」が必要です。

JAVA_POOL_SIZE

20MB

推奨最小値は20MBです。

0以外の値をSGA_TARGETパラメータに設定した場合は、JAVA_POOL_SIZEパラメータに値を設定しないでください。

JOB_QUEUE_PROCESSES

10以上

最適な設定は10です。JOB_QUEUE_PROCESSES0に設定した場合は、コントロール・センター・サービスは実行されず、エラー・メッセージが生成されます。

LARGE_POOL_SIZE

0

SGA_TARGETパラメータの値を設定した場合は、このパラメータの値は設定しないでください。このパラメータによって、サーバーでLARGE_POOL_SIZEが自動的に設定されます。

前提条件: PARALLEL_AUTOMATIC_TUNINGは、TRUEに設定する必要があります。

LOG_BUFFER

コメントを参照

512Kより大きい値に設定し、CPU数の128K倍にする必要があります。

LOG_CHECKPOINT_TIMEOUT

3000

この設定で、チェックポイントを実行するタイムアウトがデフォルトの3分間から5分間に増加します。

MAX_COMMIT_PROPAGATION_DELAY

0

Oracle RACシステムにインストールする場合にのみ必要です。これが0に設定されていない場合、データ伝播遅延によりコントロール・センター・サービスでNO_DATA_FOUNDエラーが発生する場合があります。

OPEN_CURSORS

500

複数のセッションを起動する場合や、1つのセッションで複数のマッピングか複雑なマッピングを実行する場合は、より高い値を指定できます。

OPTIMIZER_MODE

all_rows

使用可能な他のオプティマイザ・モードは、『Oracle Designing and Tuning for Performance』、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』および『Oracleデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。

PARALLEL_ADAPTIVE_MULTI_USER

TRUE

このパラメータの前提条件として、PARALLEL_AUTOMATIC_TUNINGTRUEに設定します。

PARALLEL_AUTOMATIC_TUNING

TRUE

この設定によって、パラレル処理のチューニングがサーバーで実行されます。

このパラメータは、Oracle9iまたはOracle8iデータベースの場合のみ設定します。Oracle 10g以降では、このパラメータは使用できないため、SGA_TARGETを0以外の値に設定することをお薦めします。

PGA_AGGREGATE_TARGET

314572800

これは300MBです。ソートや集計を頻繁に行う場合は、この値を増やすことができます。ただし、PGA_AGGREGATE_TARGETは、空き物理メモリー・サイズより小さくする必要があります。

PLSQL_OPTIMIZE_LEVEL

2

Oracle DatabaseのPL/SQLコンパイラはPL/SQLコードに対して、より綿密な最適化を実行できます。

QUERY_REWRITE_ENABLED

TRUE

QUERY REWRITEオプションを使用してマテリアライズド・ビューを生成する予定である場合は、このパラメータをTRUEに設定します。

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE

EXCLUSIVE

ランタイム・スキーマにアクセスするか、ランタイム・スキーマを作成するには、SYSDBA権限を持つSYSアカウントを使用する必要があります。ワークスペース・ユーザーには、特定のv_$表へのアクセス権が必要です。これらの権限付与は、ワークスペースを作成したときにSYSDBAアカウントによって行われます。この設定により、SYSDBA権限が必ずSYSに付与されます。

RESOURCE_MANAGER_PLAN

plan_name

Warehouse Builderランタイムのリソース使用率を管理するためにリソース・プランを作成することを強くお薦めします。リソース・プランの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

SGA_TARGET

500MB〜1GB

コンピュータのメモリーで可能であれば、最大値、またはできるかぎり大きい値をお薦めします。

SGA_TARGETパラメータを設定する場合、次のパラメータはサーバーによって自動的に調整されるので設定しないでください。

  • JAVA_POOL_SIZE

  • DB_CACHE_SIZE

  • LARGE_POOL_SIZE

  • SHARED_POOL_SIZE

かわりに、SGA_TARGETパラメータを0に設定できます。これによって自動サイジング機能がオフになります。その場合、上の4つのパラメータのサイズ設定に関する推奨事項に従ってください。

注意: Oracle 10g以降では、SGA_TARGETを設定することをお薦めします。

SHARED_POOL_SIZE

419430400

推奨最小値は400MBです。

SGA_TARGETパラメータの値を設定した場合は、SHARED_POOL_SIZEパラメータの値は設定しないでください。

STATISTICS_LEVEL

TYPICAL


UNDO_MANAGEMENT

AUTO

この設定では、ロールバック・セグメントを作成する必要はありません。

UTL_FILE_DIR

*


PL/SQLでファイル入出力に使用できるディレクトリを指定します。UTL_FILE_DIR = * と設定すると、すべてのディレクトリをファイル入出力に使用できます。個別のディレクトリを指定するには、それぞれのディレクトリに対して、このパラメータを連続した行に繰り返し指定します。

Warehouse Builderでフラット・ファイル・ターゲットを使用する場合は、このパラメータをフラット・ファイル・ターゲットを作成するディレクトリに設定し、データベース・エンジンからアクセスできるようにします。「フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定」を参照してください。

WORKAREA_SIZE_POLICY

AUTO

.


クライアント・コンピュータの準備

Windowsでは、コンピュータに最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

Linuxでは、コンピュータに最低1100MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。ORACLE_HOME変数が設定されていることを確認してください。

以前にWarehouse Builderを削除し、パスowb home\owb\j2ee\owbbが残っている場合は、Warehouse Builderを再インストールする前にowbbディレクトリを削除します。

Linuxクライアントでの環境変数の設定

Linuxにクライアント・コンポーネントをインストールするときに、Oracleホームの環境変数を指定する必要があります。

表1-8に示すUNIXのコマンドを使用します。ここでfull_pathは、Warehouse Builderをインストールする場所のパスを示します。

表1-8 Linuxクライアント上のOracleホームのパスの設定

環境変数 Cシェル・コマンド Kornシェル・コマンド Bourneシェル・コマンド

ORACLE_HOME

setenv ORACLE_HOME full_path

export ORACLE_HOME=full_path

ORACLE_HOME=full_path; export ORACLE_HOME


スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール

次のタスクを完了するには、スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアをダウンロードします。

スタンドアロン・ソフトウェアをダウンロードするには、次のリンクで該当するソフトウェアを見つけます。

http://www.oracle.com/products/index.html

Oracle Universal Installerの概要

スタンドアロン・ソフトウェアをインストールする場合、Oracle Warehouse BuilderではOracle Universal Installerを使用してコンポーネントがインストールされ、環境変数が構成されます。インストーラは、インストール手順を順に指示します。

OracleホームおよびWarehouse Builderについて

OracleホームはOracleソフトウェアをインストールする最上位のディレクトリです。Oracle製品の中には、同じOracleホームを共有できるものもあります。また、製品をインストールするごとに個別のホームを作成してそれぞれのホームに名前を割り当てることもできます。

ただし、Warehouse Builderのホーム・ディレクトリは他のOracle製品と共有できません。Oracle Universal InstallerでOracle Warehouse Builderのホーム・ディレクトリを指定するよう求められたら、Oracle Databaseや他のOracle製品とは異なるディレクトリを指定します。

この個別のディレクトリは、Warehouse Builderドキュメントでowb homeとして示されます。

Linuxでは、owb homeの指定に加えて、ORACLE_HOME変数を設定する必要もあります。

Warehouse Builderソフトウェアのインストール

Warehouse Builderコンポーネントは、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

ソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して実行します。

  2. WindowsでのWarehouse Builder用のOracle Universal Installerの実行」または「UNIXでのWarehouse Builder用のOracle Universal Installerの実行」のいずれかの指示に従ってインストーラを実行します。

  3. Warehouse BuilderリポジトリをOracle 10gデータベースでホスティングする場合は、「Oracle Database 10gリリース2でのリポジトリのホスティング」の手順を実行します。

次の手順

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

チェックリスト: Universal Installerを起動する前に

この項では、Universal Installerを起動する前に確認する必要がある補足事項を示します。

  • まだ確認していない場合は、『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認します。これは、Oracle Warehouse BuilderのCD-ROMに収録されています。また、最新版はOracle Technology Network(http://otn.oracle.com)より入手できます。

  • 他の開いているアプリケーションをすべて閉じます。

WindowsでのWarehouse Builder用のOracle Universal Installerの実行

WindowsでOracle Universal Installerを実行するには:

  1. 管理者グループのメンバーとしてシステムにログオンしていることを確認します。

  2. Oracle Warehouse BuilderのCD-ROMを挿入します。

  3. 使用しているコンピュータに自動実行機能がある場合は、自動実行ウィンドウでOracle Warehouse Builderのインストールが開始されます。

    使用しているコンピュータに自動実行機能がない場合は、CD-ROMまたはダウンロードしたソフトウェアのルート・ディレクトリで実行可能ファイルsetup.exeを見つけます。setup.exeプログラムを使用して、インストーラを起動します。

  4. プロンプトが表示されたら、Warehouse Builderインストール専用のホーム・ディレクトリを指定します。

    たとえば、C:\oracle\owb11_1などのディレクトリを指定します。

    表現を簡潔にするために、この手順で指定したディレクトリはガイド全体を通してowb homeとして参照されます。

  5. 画面の手順に従ってください。

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

UNIXでのWarehouse Builder用のOracle Universal Installerの実行

UNIXでOracle Universal Installerを実行するには:

CD-ROMからOracle Universal Installerを実行できます。CD-ROMディレクトリが現行のディレクトリとなっている状態では、インストーラを実行しないでください。この状態でインストーラを実行すると、指示があっても次のCD-ROMをアンマウントできなくなります。

  1. まだ確認していない場合は、「UNIXサーバーでの環境変数の設定」および「Linuxクライアントでの環境変数の設定」の説明に従ってORACLE_HOME環境変数を設定する必要があります。

  2. Oracle Databaseのオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

    たとえば、oracleユーザーとしてログインします。oracleユーザーとしてログインする場合は、シェルの起動ファイルでデフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定してユーザー環境を構成する必要があります。

    Oracle Universal Installerの起動時には、rootユーザーとしてログインしていないことを確認します。rootユーザーとしてログインした場合、Oracle Warehouse Builderの管理権限はrootユーザーにのみ与えられます。

  3. プロンプトで次のコマンドを入力して、インストーラを起動します。

    cd mount_point

    ./runInstaller

  4. インストールが進むと、Oracle Universal Installerにより、いくつかのスクリプトを実行するよう求められます。ユーザーを切り替えて、rootとしてスクリプトを実行する必要があります。

Warehouse Builderコンポーネントの起動

Oracle Warehouse BuilderのCDからは、クライアント側とサーバー側のソフトウェアが同時にインストールされます。インストールを完了すると、表1-9に示すWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

表1-9のコンポーネントは、一般的にインストール後に使用される順に記述しています。

表1-9 WindowsまたはLinuxクライアントからのWarehouse Builderコンポーネントの起動

Warehouse Builderコンポーネント Windows: 「スタート」→「プログラム」→「Oracle」→「Warehouse Builder」を選択した後... Linux: owb home/owb/bin/unixに移動した後...

リポジトリ・アシスタント

リポジトリとそのワークスペースおよびワークスペース・ユーザーを管理します。

「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

reposinst.shを実行します。

デザイン・センター

主要な設計インタフェースです。

「Design Center」を選択します。

owbclient.shを実行します。

コントロール・センター・サービスの開始

このコマンドは、リモート・ランタイム環境で作業している場合のみ必要となります。

「Administration」→「Start Control Center Service」を選択します。

次に示すようにlocal_service_login.shを実行します。

local_service_login.sh -startup owb home

サービスが開始されない場合は、owb home/owb/rtp/sql/service_doctor.sqlを実行します。

コントロール・センター・マネージャ

このコマンドは、リモート・ランタイム環境で配布および実行するために使用します。

デザイン・センターを起動します。「ツール」メニューの「コントロール・センター・マネージャ」を選択します。

次に示すようにlocal_service_login.shを実行します。

local_service_login.sh -startup owb home

コントロール・センター・サービスの終了

このコマンドは、リモート・ランタイム環境で作業している場合のみ必要となります。

「Administration」→「Stop Control Center Service」を選択します。

次に示すようにlocal_service_login.shを実行します。

local_service_login.sh -closedown owb home

OWBブラウザ・リスナーの開始

startOwbbInst.batを実行します。

初めてこのリスナーを起動する場合は、oc4jadminアカウントのパスワードを選択して再確認します。

startOwbbInst.shを実行します。

初めてこのリスナーを起動する場合は、oc4jadminアカウントのパスワードを選択して再確認します。

リポジトリ・ブラウザ

「Repository Browser」を選択します。

OWBブラウザ・リスナーを起動して、openRAB.shを実行します。

OWBブラウザ・リスナーの終了

次のコマンドを実行します。

stopOwbbInst.bat oc4jadmin pwd

次のコマンドを実行します。

stopOwbbInst.bat oc4jadmin pwd

OMB Plus

グラフィカル・ユーザー・インタフェースで使用可能なすべての操作を実行できるスクリプト・ユーティリティです。

「OMB Plus」を選択します。

OMBPlus.shを実行します。


Oracle Database 10gリリース2でのリポジトリのホスティング

Warehouse Builder 11gリポジトリをOracle Database 10gリリース2でホスティングするには、次の手順を実行します。

  1. Warehouse Builderソフトウェアのインストール」で説明されている手順に従って、Warehouse Builder 11gをOracle Database 10gリリース2をホスティングしているコンピュータにインストールします。

    ソフトウェアは次のリンクから見つけることができます。

    http://www.oracle.com/products/index.html

  2. Oracle 10gデータベースでのリポジトリのホスティングに関するその他の考慮事項は、「Oracle Databaseの準備」を参照してください。

  3. Warehouse Builderリポジトリ・スキーマを作成するスクリプトの実行」の手順を実行します。

  4. リポジトリ・アシスタントを起動して必要な作業を実行します。

    リポジトリ・アシスタントを使用して、Warehouse Builder 11gのリポジトリとワークスペースをOracle Database 10gに作成します。

  5. Oracle 10gデータベースでホスティングされているワークスペースへのアクセス」の手順を実行します。

Warehouse Builderリポジトリ・スキーマを作成するスクリプトの実行

Warehouse BuilderリポジトリをOracle 10gリリース2データベースに作成するには、次の手順を実行します。

  1. 現行ディレクトリをowb home\owb\UnifiedReposディレクトリに変更します。たとえば、次のように入力します。

    C:\> cd owb home\owb\UnifiedRepos\

  2. SYSDBA権限を使用して、Warehouse Builderで提供されているバージョンのSQL*Plusを実行します。この実行可能ファイルはowb home/binディレクトリにあります。たとえば、次のように入力します。

    C:\owb home\owb\UnifiedRepos> owb home\bin\sqlplus sys/sys_password as sysdba;

  3. owb home/owb/UnifiedReposディレクトリに保存されているcat_owb.sqlスクリプトを実行します。

    このスクリプトによってリポジトリが作成され、必要なロールと権限が10gリリース2データベースに設定されます。

    このスクリプトでは、OWBSYSスキーマを作成するデフォルトの表領域の名前を入力するよう求められます。たとえば、OWBSYSスキーマを、Windowsでホスティングされている10gリリース2データベースのUSERS表領域にインストールするには、次のように入力します。

    SQL> @cat_owb.sql

    Enter Tablespace Name for OWBSYS user:

    USERS

  4. OWBSYSユーザーのロックを解除してパスワードを割り当てます。たとえば、次のように入力します。

    SQL> alter user OWBSYS account unlock identified by owbsys_password;

  5. スクリプトowb home/owb/UnifiedRepos/reset_owbcc_home.sqlを実行します。

    このスクリプトを使用して、コントロール・センターがWarehouse Builder 11.1のホームから問題なく実行されることを確認します。owb homeの指定を求められたら、ディレクトリを慎重に入力します。このエントリでは大文字と小文字が区別されます。オペレーティング・システムに関係なく、後続のスラッシュは受け入れられず、スラッシュのみ(/)含める必要があります。たとえば、Windowsでowb homeが次のディレクトリである場合、

    C:\Oracle\My_OWB_Home\>

    次のように入力します。

    C:/Oracle/My_OWB_Home

Oracle 10gデータベースでホスティングされているワークスペースへのアクセス

Warehouse Builder 11gクライアントは、デフォルトでOracle 11gデータベースのワークスペースに接続します。Oracle 10gリリース2データベースのワークスペースにアクセスするには、追加の手順が必要です。

10gリリース2データベースのワークスペースにアクセスするには:

  1. 各クライアント・コンピュータで、ファイルowb home/owb/bin/admin/Preference.propertiesを見つけます。

    ファイルが見つからない場合は、同じディレクトリにあるサンプル・ファイルPreference.properties.tmpに基づいてファイルを作成します。

  2. Preference.propertiesを編集し、プロパティREPOS_DB_VERSION_ALLOWEDを追加して次のいずれかの値を設定します。

    • Oracle 10g

    • Oracle 10g, Oracle 11g

    たとえば、次のように入力します。

    REPOS_DB_VERSION_ALLOWED=Oracle 10g,Oracle 11g

    このファイルを保存すると、Oracle Database 10gリリース2に保存されたリポジトリへクライアントからアクセスできるようになります。

Oracle RAC環境にWarehouse Builderをインストールする手順

Oracle RAC環境にインストールするプロセスは、全体に「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」と似ています。ただし、次の手順で述べるように注意すべき点がいくつかあります。

Oracle RAC環境にインストールするには:

  1. 使用しているプラットフォームのOracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドの説明に従い、Oracle RAC環境を作成します。

  2. まだ確認していない場合は、最新の『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認してください。これは、http://otn.oracle.comから入手できます。

  3. ホスト・コンピュータを準備します。

    Warehouse Builderコンポーネントをホスティングするコンピュータごとに、owb home\owb\network\adminディレクトリにあるtnsnames.oraファイルを構成します。

  4. Oracle Databaseの準備

    Oracle 10g RAC環境では、初期化パラメータMAX_COMMIT_PROPAGATION_DELAYの値は必ず0に設定してください。

    また、Warehouse Builderデータ・ソースまたはターゲットになるOracle Databaseサーバーごとにtnsnames.oraを構成します。ホストまたはデータベース・サーバーでのtnsnames.oraの構成が失敗した場合は、リポジトリ接続エラーが出力されます。

  5. 必要に応じて、スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアをインストールします。

    Warehouse BuilderリポジトリがOracle Database 11gでホスティングされており、Oracle Discovererと統合しない場合は、次の手順へ進んでください。

    その他の場合は、「スタンドアロンのWarehouse Builderソフトウェアのダウンロードおよびインストール」の手順を実行します。

  6. ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーの管理

    リポジトリ・アシスタントにより、リポジトリのユーザーと所有者を定義するよう求められます。

    Windowsの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、前述の手順でインストールしたOracle製品グループにナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、owb home/owb/bin/unixに移動してreposinst.shを実行します。

  7. 各Oracle RACノードを登録します。

    ノードごとにリポジトリ・アシスタントを起動して、「拡張設定」オプションを選択します。Host:Port:Sidを使用してノードに接続します。Hostは物理ノード名です。Oracle RACインスタンスを登録するためのオプションを選択します。

  8. ソフトウェアが個別のディスクにインストールされている場合は、クラスタの各ノードにrtrepos.propertiesをコピーします。

    共有ディスクにインストールされていない場合は、手動でowb home/owb/bin/admin/rtrepos.propertiesファイルを1次ノードからクラスタの各ノードへコピーする必要があります。

  9. リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定

  10. オプション・コンポーネントのインストールおよび有効化(オプション)

    リポジトリ・ブラウザ環境の構成」(オプションの手順)を実行することを考慮します。リポジトリ・ブラウザにより、ノードを指定して他のノードを登録できます。

  11. Warehouse Builderソフトウェアをクライアント・コンピュータにインストールします。

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」を繰り返します。

  12. インストール・プロセスを完了すると、すべてのWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

    デザイン・センター、コントロール・センター・マネージャ、リポジトリ・アシスタントなどのWarehouse Builderコンポーネントを起動するときに(「Warehouse Builderコンポーネントの起動」)、ログオン・オプションの「SQL*NET接続」を選択してtnsnames.ora ファイルで割り当てたネット・サービス名を指定します。

    ネット・サービス名を使用してWarehouse Builderリポジトリに接続するため、Oracle RACプロパティを接続文字列に埋め込んで、接続時フェイルオーバー、サーバー上のロード・バランシングおよび接続のロード・バランシングなどのOracle RAC機能を使用できます。

  13. Oracle RACノードのサービス名を使用可能にする

    コントロール・センター・サービスでは、クラスタの個々のノードのサービス名が使用可能である必要があります。Oracle RACのインストール後に表示されない場合は、手動で使用可能にする必要があります。

クラスタの各ノードへのWarehouse Builderのインストール

Warehouse Builderコンポーネントは、Oracle Universal Installerを使用してサーバーまたはクライアント・コンピュータにインストールします。

Oracle RACでは、クラスタの各ノードにWarehouse Builderコンポーネントをインストールすることをお薦めします。コントロール・センター・サービスは、Oracle RACクラスタの各ノードに必要です。OCFSまたはNTS共有ディスクなどの共有ディスクにインストールする場合は、Warehouse Builderソフトウェアの一度のインストールでこれを実現できます。

Universal Installerを起動する前に、「チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して実行します。

チェックリスト: Oracle RAC環境でUniversal Installerを使用する前に

この項では、Universal Installerを起動する前に確認する必要がある補足事項を示します。

  • まだ確認していない場合は、最新版の『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認してください。これは、http://otn.oracle.comから入手できます。

  • 個別にowb homeがインストールされているディスクを使用する場合、つまり各サーバーのローカル物理ディスクを使用する場合は、インストールする場所は同じディレクトリ・パスにする必要があります。

  • 他の開いているアプリケーションをすべて閉じます。

WindowsユーザーがOracle RAC環境にインストールする場合

Oracle RAC環境でOracle Universal Installerを実行するには:

  1. 管理者グループのメンバーとしてシステムにログオンしていることを確認します。

  2. Oracle Warehouse BuilderのCD-ROMを挿入します。

  3. 使用しているコンピュータに自動実行機能がある場合は、自動実行ウィンドウでOracle Warehouse Builderのインストールが自動的に開始されます。

    使用しているコンピュータに自動実行機能がない場合は、CD-ROMまたはダウンロードしたソフトウェアのルート・ディレクトリで実行可能ファイルsetup.exeを見つけます。setup.exeプログラムを使用して、インストーラを起動します。

  4. クラスタ・ノードを指定するよう求められたら、すべてのホストを選択するか、ローカル・ノードを選択することができます。

    ローカル・ノードを選択した場合、共有ディスクへのインストールでなければ、Warehouse Builderを各システムに個別にインストールする必要があります。

  5. プロンプトが表示されたら、Warehouse Builderインストール専用のホーム・ディレクトリを指定します。

    たとえば、C:\oracle\owb11_1などのパスを指定します。

    表現を簡潔にするために、この手順で指定したパスはガイド全体を通してowb homeとして参照されます。

  6. 画面の手順に従ってください。

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Oracle RAC環境にWarehouse Builderをインストールする手順」に記載の次の手順に進みます。

UNIXユーザーがOracle RAC環境にインストールする場合

Oracle RAC環境でOracle Universal Installerを実行するには:

CD-ROMからOracle Universal Installerを実行できます。CD-ROMディレクトリが現行のディレクトリとなっている状態では、インストーラを実行しないでください。この状態でインストーラを実行すると、指示があっても次のCD-ROMをアンマウントできなくなります。

  1. まだ確認していない場合は、「UNIXサーバーでの環境変数の設定」および「Linuxクライアントでの環境変数の設定」の説明に従ってORACLE_HOME環境変数を設定する必要があります。

  2. クラスタウェアのインストールを使用可能にするために、/bin/sshなどの対話式のセキュアなシェルが実行されていること、およびすべてのノードでホスト・ユーザーが同じであることを確認します。

  3. Oracle Databaseのオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

    たとえば、oracleユーザーとしてログインします。

    Oracle Universal Installerの起動時には、rootユーザーとしてログインしていないことを確認します。rootユーザーとしてログインした場合、Oracle Warehouse Builderの管理権限はrootユーザーにのみ与えられます。

  4. プロンプトで次のコマンドを入力して、インストーラを起動します。

    cd mount_point

    ./runInstaller

  5. クラスタ・ノードを指定するよう求められたら、すべてのホストを選択するか、ローカル・ノードを選択することができます。

    ローカル・ノードを選択した場合、共有ディスクへのインストールでなければ、Warehouse Builderを各システムに個別にインストールする必要があります。

  6. インストールが進むと、Oracle Universal Installerにより、いくつかのスクリプトを実行するよう求められます。ユーザーを切り替えて、rootとしてスクリプトを実行する必要があります。

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

Oracle RACノードのサービス名を使用可能にする

  1. クラスタ内のインスタンスまたはノード名をすべて表示します。次のコマンドを発行します。

    srvctl config database -d dbname

    ここで、dbnameはinitパラメータdb_nameで指定された一意のデータベース名です。

  2. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスを追加できます。

    srvctl add service -d dbname -s instn -r instn

    その結果、サービス名はinstn.clusterdomainnameとなります。たとえば、インスタンス名がowbrac1の場合、サービス名はowbrac1.us.oracle.comのようになります。

  3. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスを開始できます。

    srvctl start service -d dbname -s instn

  4. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスが実行されていることを確認できます。

    srvctl status service -d dbname -s instn

  5. ノードごとに手順2〜4を実行します。