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Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド
11gリリース1(11.1)for Microsoft Windows and UNIX Systems
E05735-03
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3 Oracle Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へのアップグレード

この章では、Warehouse Builderのアップブレードに関する次の項目について説明します。

Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へアップグレードする一般的な手順

原則として、Warehouse Builder 9.2.0.4以降のリリースはWarehouse Builderの現行リリースへ直接アップグレードできます。「コントロール・センター・アップグレード・アシスタントの使用」で説明しているように、以前のリリースのランタイム監査データを移行する場合は、このルールに例外が生じることがあります。

Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)にアップグレードするには、次の各項を参照してください。

  1. インストール要件の概要

    使用する環境がクライアントおよびサーバー・コンポーネントをホスティングするコンピュータの新しい最低要件を満たしていることを確認します。

  2. Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」で説明している製品アーキテクチャへの変更を理解します。

  3. データベース環境に必要な変更を確認し、実行します。

    Oracle Databaseの新しいバージョンへアップグレードする必要があることが確認されたら、「Oracle Database環境の移行」の手順を実行します。

    新しいコントロール・センターを既存以外のデータベースまたはサーバーでホスティングする場合、この手順を続行せずに、「Warehouse Builder環境の新しいデータベースへの選択的な移行」を参照してください。

  4. 『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認します。

    リリース・ノートに記載の指示は、このマニュアルよりも優先されます。

  5. リポジトリを引き続きOracle Database 10gでホスティングする場合は、「Oracle Database 10gリリース2のリポジトリ」を参照してください。

    その他の場合は、次の手順へ進みます。

  6. 新しいリポジトリをインストールします。

    Windowsでは、「スタート」→「プログラム」を選択し、Oracle製品グループへナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合は、owb home/owb/bin/unixに移動し、reposinst.shを実行します。

    第2章「ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーの管理」の手順に従います。

    オプションのPL/SQLパッケージを使用して複数のユーザーを作成した既存リポジトリの場合は、「ワークスペース・ユーザーの選択」の手順を参照してください。

  7. デザイン・リポジトリのアップグレード

  8. 既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリのアップグレード

  9. 特定のオブジェクトの再利用と再配布

    以前のリリースで設計したほとんどのオブジェクトを再利用するには、追加手順が必要になる場合があります。

  10. オプション・コンポーネントのインストールおよび有効化(オプション)

  11. クライアント・コンピュータへのWarehouse Builderソフトウェアのインストール

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」の手順を繰り返します。

  12. インストール・プロセスを完了すると、「Warehouse Builderコンポーネントの起動」で説明しているように、すべてのコンポーネントを起動できます。

  13. Oracle Warehouse Builderの削除(オプション)

    オプションとして、以前のリリースの既存コンポーネントを削除することができます。以前の既存コンポーネントは、後で削除することもできます。

Oracle Database環境の移行

Oracle Databaseの現在のバージョンがWarehouse Builderと互換性がある場合、現在のバージョンのままにしておくことも、オプションでデータベースの互換性のある上位バージョンにアップグレードすることもできます。Oracle環境を異なるOracle Databaseのインスタンスに移行することも、同じインスタンス上で続行することもできます。

開始する前に

Oracle Databaseをアップグレードする前に、コントロール・センター・サービスが実行されている場合はそれを停止します。

リポジトリ所有者としてホストにログオンします。owb home\rtp\sql\stop_service.sqlスクリプトを実行します。

注意: Warehouse Builder 10.1以前のバージョンでは、コントロール・センター・サービスはランタイム・プラットフォーム・サービスと呼ばれていました。stop_service.sqlは同じディレクトリにあります。

Oracle Database 11g(11.x)へのアップグレード

同じデータベース・インスタンスを維持しながらOracle Database 11gにアップグレードする場合は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』の関連する詳細な手順を参照してください。「Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へアップグレードする一般的な手順」の手順4を続行します。

新しいデータベース・インスタンスを作成する場合、次のいずれかの追加手順を実行する必要があります。

完全なデータベースの移行」(推奨)

または

Warehouse Builder環境の新しいデータベースへの選択的な移行

完全なデータベースの移行

Oracle Database 11gのアップグレードに関するマニュアルで説明しているように、Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)からアップグレードする場合は、完全なOracle Databaseを移行できます。

Oracle Workflowスキーマを移行する場合は、「Oracle Workflowスキーマの移行」を参照してください。

Oracle Workflowスキーマの移行

Warehouse Builder 10gリリース2で使用されているOracle Workflowスキーマ

ランタイム・メタデータをアップグレードする前に、ここで次の事前対策を実行します。

Oracle Workflowを新しいOracle Databaseインスタンスでアップグレードするには:

  1. 新しいデータベース・インスタンスで、Oracle Workflowインストール・ソフトウェアを見つけて実行します。

    Oracle Database 11gでは、インストール・ソフトウェアはowb home/wf/installにあります。UNIXプラットフォームの場合はwfinstall.csh、Windowsプラットフォームの場合はwfinstall.batを使用します。

  2. Oracle Databaseのエクスポートおよびインポート機能を使用して、Oracle Workflowスキーマをデータベース間で移動します。

    この操作では、権限が見つからないために無効なPL/SQLパッケージが生成されることがあります。これを解決するには、スクリプトowf_grants.sqlおよびtsupgrade_compile_pkg.sqlを使用します。これらのスクリプトはowb home/owb/rtasst/upgradeにあります。

    SYSとしてログオンし、owf_grants.sqlを使用して権限を付与します。

  3. Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へアップグレードする一般的な手順」の手順4〜6を続行します。

    この一般的な手順に従って、Warehouse Builderソフトウェアをインストールし、リポジトリをインストールして、Warehouse Builderのユーザーを登録します。ユーザーを登録するよう求められたら、使用するワークスペースのユーザーとしてOWF_MGRユーザーが登録されていることを確認します。

  4. 続いて「デザイン・リポジトリのアップグレード」を実行し、さらに「既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリのアップグレード」を実行します。

  5. 最後の手順は、「プロセス・フローおよびスケジュールの再利用」です。

    ワークフローのロケーションを手動で再登録し、新しいバージョンのWarehouse Builder内からプロセス・フロー・パッケージを再配布します。

Warehouse Builder 10gリリース1以前で使用されているOracle Workflowスキーマ

Oracle Databaseインスタンスを移行した後も、Warehouse Builderプロセス・フローは既存のOracle DatabaseインスタンスにインストールされたOracle Workflowに登録されたままになっています。この状況は、アップグレード元のWarehouse BuilderインストールがWarehouse Builder 10gリリース1(10.1)以前である場合にのみ発生します。

ランタイム・メタデータをアップグレードする前に、ここで次の事前対策を実行します。

Oracle Workflowを新しいOracle Databaseインスタンスでアップグレードするには:

  1. 新しいデータベース・インスタンスで、Oracle Workflowインストール・ソフトウェアを見つけます。

    Oracle Database 11gでは、インストール・ソフトウェアはowb home/wf/installにあります。UNIXプラットフォームの場合はwfinstall.csh、Windowsプラットフォームの場合はwfinstall.batを使用します。

  2. 新しいデータベース・インスタンス上で、Oracle Workflowアシスタントをアップグレード・モードで実行します。

    これでOracle Workflowスキーマがアップグレードされます。ただし、Warehouse Builderでは、関連付けられたロケーションがOracle Workflowの既存のインスタンスに登録されたままになっています。

  3. Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)へアップグレードする一般的な手順」の手順4〜6を続行します。

    この一般的な手順に従って、Warehouse Builderソフトウェアをインストールし、リポジトリをインストールして、Warehouse Builderのユーザーを登録します。

  4. 新しいリポジトリにWorkflowユーザーを登録します。

    新しいデザイン・クライアントを起動してセキュリティ・インタフェースにナビゲートします。右下のウィンドウの「グローバル・エクスプローラ」で、「セキュリティ」ノードを開き、「ユーザー」ノードを右クリックして新しいユーザーを作成します。移行元の既存のデータベースのワークフロー・ユーザーと同じ名前を持つ新しいユーザーを追加します。そのユーザーのターゲットとしての選択を解除します。

  5. 続いて「デザイン・リポジトリのアップグレード」を実行し、さらに「既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリのアップグレード」を実行します。

  6. 最後の手順は、「プロセス・フローおよびスケジュールの再利用」です。

    ワークフローのロケーションを手動で再登録し、新しいバージョンのWarehouse Builder内からプロセス・フロー・パッケージを再配布します。

Warehouse Builder環境の新しいデータベースへの選択的な移行

このオプションを使用して、あるOracle Databaseから別のOracle DatabaseにWarehouse Builder環境を部分的に移行できます。新しいコントロール・センターを、既存のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターとは別のデータベースまたはサーバーでホスティングする場合は、このオプションを使用する必要があります。

これは移行およびアップグレードのシナリオの中で最も難易度が高いため、可能であればこのシナリオは避けてください。同じデータベース・インスタンスを使用し続ける場合やデータベース全体を移行する場合は、このオプションは使用しないでください。

Warehouse BuilderをOracle Database 11gに移行する手順

  1. 『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認します。

    リリース・ノートに記載の指示は、このマニュアルよりも優先されます。

  2. 新しいリポジトリをOracle Database 11gにインストールします。

    Windowsでは、「スタート」→「プログラム」を選択し、Oracle製品グループへナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合は、owb home/owb/bin/unixに移動し、reposinst.shを実行します。

  3. デザイン・リポジトリのアップグレード

  4. 既存のランタイム環境からのターゲット・スキーマのエクスポート

  5. 新しいデータベースのターゲット・スキーマおよびユーザーの作成

  6. 新しいデータベース・インスタンスへの外部ディレクトリ参照のコピー(オプション)

  7. ターゲット・スキーマの新しいデータベースへのインポート

  8. 既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリのアップグレード

  9. 特定のオブジェクトのタイプを再利用する手順を手動で実行します。

    既存のWarehouse Builder環境にフラット・ファイルと外部表が含まれている場合、「異なるデータベース・インスタンスからのフラット・ファイルと外部ディレクトリの再利用」を実行します。

    以前のリリースで設計したアドバンスト・キューなどの特定のオブジェクトを再利用する追加手順は、「特定のオブジェクトの再利用と再配布」を参照してください。

  10. オプション・コンポーネントのインストールおよび有効化(オプション)

    オプション・コンポーネントのインストールと構成の手順は、第5章を参照してください。

  11. クライアント・コンピュータへのWarehouse Builderソフトウェアのインストール

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」の手順を繰り返します。

  12. インストール・プロセスを完了すると、「Warehouse Builderコンポーネントの起動」で説明しているように、すべてのWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

  13. Oracle Warehouse Builderの削除(オプション)

    オプションとして、以前のリリースの既存コンポーネントを削除することができます。以前の既存コンポーネントは、後で削除することもできます。

既存のランタイム環境からのターゲット・スキーマのエクスポート

新しいデータベース環境に、事前に表領域を作成します。この表領域は、以前のバージョンのOracle Database内の表領域に完全に一致する必要があります。

  1. 既存のバージョンのOracle DatabaseのOracle Exportを使用して、スキーマごとに次のコマンドで既存のターゲット・スキーマをDMPファイルにエクスポートします。

    exp OldOWBTargetUserName/OldOWBTargetUserPassword@Old_DBTNSConnection Owner=OldOWBTargetUserName FILE=OldOWBTarget.dmp LOG=OldOWBTarget.log

    OldOWBTargetUserは以前のバージョンのWarehouse BuilderでのWarehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーを表します。

    たとえば、次のように入力します。

    exp owb_target/owb_target owner=owb_target FILE=owb_target.dmp LOG=owb_target.log

  2. 既存のWarehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーごとにすべての表領域を確認します。

    Warehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーとして既存のバージョンのOracle DatabaseのSQL*Plusに接続して、次のコマンドを入力します。

    select distinct TABLESPACE_NAME from user_segments;

    次のように入力し、既存のWarehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーのデフォルトおよび一時表領域を確認します。

    select DEFAULT_TABLESPACE, TEMPORARY_TABLESPACE from user_users;

新しいデータベースのターゲット・スキーマおよびユーザーの作成

ここで実行する手順は、アップグレード元のバージョンによって異なります。

Warehouse Builder 9.2または10.1から移行する場合は、次の手順を実行します。

  1. 新しいデータベース・インスタンスに、「既存のランタイム環境からのターゲット・スキーマのエクスポート」で既存のインスタンスからリストした表領域を作成します。

  2. 新しいデータベースで、SYSユーザーとしてSQL*Plusに接続し、各ターゲット・スキーマを作成して権限を付与します。

    作成したターゲット・スキーマそれぞれに対して、SQL*PLusで次のコマンドを入力します。

    connect SYS/SYS as sysdba;

    create user OldOWBTargetSchemaUser identified by OldOWBTargetSchemaPassword default tablespace users temporary tablespace temp;

    SET DEFINE %

    define user=OldOWBTargetSchemaUser

    @new owb home\owb\rtasst\upgrade\preowb10_2\warehouse_system_rights.sql

    @new owb home\owb\rtasst\upgrade\preowb10_2\xmltk_grant.sql

Warehouse Builder 10.2から移行する場合は、次の手順を実行します。

  1. 新しいデータベース・インスタンスに、「既存のランタイム環境からのターゲット・スキーマのエクスポート」で既存のインスタンスからリストした表領域を作成します。

  2. 新しいデータベースで、SYSユーザーとしてSQL*Plusに接続し、各ターゲット・スキーマを作成して権限を付与します。

    作成したターゲット・スキーマそれぞれに対して、SQL*PLusで次のコマンドを入力します。

    connect SYS/SYS as sysdba;

    create user OldOWBTargetSchemaUser identified by OldOWBTargetSchemaPassword default tablespace users temporary tablespace temp;

    SET DEFINE %

    define user=OldOWBTargetSchemaUser

    @new owb home\owb\rtasst\upgrade\owb10_2\warehouse_system_rights.sql

新しいデータベース・インスタンスへの外部ディレクトリ参照のコピー

既存のWarehouse Builder環境に外部表とフラット・ファイルで使用する外部ディレクトリが含まれる場合、この項の手順を実行します。

外部ディレクトリには、論理要素と物理要素の2種類の要素があります。論理要素は、データベース内にある、そのデータベースの外部ディレクトリへの参照です。この手順により論理要素を移行できます。物理要素は、ランタイム環境のアップグレードの後の手順で移行します。

ターゲット・スキーマ・ユーザーごとに外部ディレクトリを移行するには:

  1. スクリプトgen_ext_dirs.sqlのコピーを作成します。

    新しいホスト(新しいWarehouse Builderインストールをホスティングするコンピュータ)上でowb home\owb\mig\gen_ext_dirs.sqlを見つけます。

    元のホスト(移行元の既存バージョンのWarehouse Builderをホスティングするコンピュータ)上でこのファイルを一時ディレクトリにコピーします。

  2. SQL*PlusでWarehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーとして接続し、元のホスト・コンピュータでTEMP\gen_ext_dirs.sqlを実行します。

  3. SQL*Plusのデフォルト・ディレクトリで生成されたext_dirs.sqlファイルを見つけます。

    通常、このデフォルト・ディレクトリはowb home\binです。

  4. 生成されたスクリプトの名前を変更します。

    この手順を実行したら、Warehouse Builderターゲット・スキーマごとに使用する個別のスクリプトが生成されます。対応するターゲット・スキーマがわかるようにファイル名を変更します。

  5. 生成し、名前変更したext_dirs_TargetUserName.sqlファイルを、新しいホストの一時的なロケーションに移動します。

  6. 新しいホストでSQL*Plusを使用してWarehouse Builder 11gリリース1(11.1)ターゲット・スキーマ・ユーザーとして接続し、ext_dirs.sqlを実行します。

  7. 移行するターゲット・スキーマ・ユーザーごとに手順2〜6を繰り返します。

ターゲット・スキーマの新しいデータベースへのインポート

Oracle Importを使用して、作成した新しいユーザーにターゲット・スキーマ・ファイルをインポートします。

ターゲット・スキーマをインポートするには:

  1. 既存のランタイム環境からのターゲット・スキーマのエクスポート」で作成したターゲット・スキーマDMPファイルをインポートするには、次のコマンドを入力します。

    imp OldOWBTargetUserName/OldOWBTargetUserPassword@New_DBTNSConnection FILE=OldOWBTarget.dmp LOG=NewOWBTarget.log

    OldOWBTargetUserは以前のバージョンのWarehouse BuilderでのWarehouse Builderターゲット・スキーマ・ユーザーを表します。

    たとえば、次のように入力します。

    imp owb_target/owb_target@New10gConnection FILE=owb_target.dmp LOG=c:\temp\owb_target_import.log

  2. インポート・コマンドで名前とロケーションを指定したインポート・ログ・ファイルを調べます。

    ログ・ファイルの最後の行に、処理が問題なく完了したことが示されている場合のみ、次の手順に進みます。

    ログ・ファイルの最後の行に、処理に失敗したことが示されている場合は、続行する前にすべてのインポート・エラーを修正する必要があります。

  3. 移行するターゲット・スキーマごとにこれらの手順を繰り返します。

デザイン・リポジトリのアップグレード

リポジトリのデザイン・メタデータをアップグレードする場合は、次のいずれかの操作を実行します。

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)のすべてのデザイン・メタデータの移行

Warehouse Builder 10gリリース2のリポジトリからデザイン・メタデータ全体をエクスポートして現行リリースにインポートする場合は、次の手順を実行します。

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)のすべてのデザイン・メタデータのエクスポート

この手順では、Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)を使用してtclスクリプトを変更および実行します。このスクリプトでは、デザイン・メタデータ全体をWarehouse Builder 10.2リポジトリからエクスポートします。すべてのデザイン・メタデータは、単一のユニットとしてエクスポートされます。

すべてのデザイン・メタデータをエクスポートするには:

  1. tclスクリプトを現行リリースのホーム・ディレクトリから一時ディレクトリにコピーします。

    owb 11.1 home/owb/bin/upgrade/ExportEntireRepos.tclを見つけます。

  2. テキスト・エディタを使用して、一時ディレクトリに保存したExportEntireRepos.tclのコピーを更新します。

    接続情報として、Warehouse Builder 10gリリース2リポジトリの所有者を指定します。これには、リポジトリ所有者のユーザー名、パスワード、ホスト、ポートおよびサービスを含めます。

    エクスポートおよびインポート・ディレクトリを指定します。これらのディレクトリには、同じロケーションを指定する必要があります。エクスポートおよびインポート・ディレクトリには、MDLデータ・ファイル、ログ・ファイルおよび生成済スクリプトが含まれます。

  3. Warehouse Builder 10gリリース2リポジトリにログインしているユーザーがいないことを確認します。アップグレード・プロセスでは、エクスポート・スクリプトはリポジトリに排他的にアクセスする必要があります。

  4. tclスクリプトを使用してOMB Plusを実行します。

    UNIXの場合は、次のコマンドを同じ行に入力します。

    owb 10.2 home/owb/bin/unix/OMBPlus.sh temp directory/ExportEntireRepos.tcl

    Windowsの場合は、次のコマンドを同じ行に入力します。

    owb 10.2 home\owb\bin\win32\OMBPlus.bat temp directory\ExportEntireRepos.tcl

  5. エクスポート・ディレクトリにあるExportEntireRepos.logを調べて、エクスポート処理が問題なく完了していることを検証します。

現行リリースへのすべてのデザイン・メタデータのインポート

この手順では、tclスクリプトを変更して実行します。このスクリプトでは、デザイン・メタデータ全体を単一のユニットとしてWarehouse Builder 10.2からWarehouse Builder 11.1リポジトリにインポートします。

すべてのデザイン・メタデータをインポートするには:

  1. まだ作成していない場合は、新しいリリースにワークスペースおよびワークスペース所有者を作成します。

    詳細は、第2章「ワークスペースおよびワークスペース・ユーザーの管理」を参照してください。

  2. 新しいリポジトリが以前のリポジトリと同じデータベース上に存在する場合は、次の手順に進んでください。

    新しいリポジトリが以前のリポジトリと異なるデータベース上に存在する場合は、SQL*Plusなどを使用して、以前のリポジトリと同じWarehouse Builderユーザーを新しいデータベースに作成します。

    SQL> CREATE USER owb User Name IDENTIFIED BY password DEFAULT TABLESPACE debasing...

    CREATE USERコマンドの詳細は、『Oracle Database SQLリファレンス』を参照してください。

    注意: この手順は、セキュリティ情報をWarehouse Builder 11gリリース1に移行する場合に重要になります。アップグレード・プロセスでは、データベース・ユーザーが存在する場合、Warehouse Builderユーザーが作成されます。したがって、Warehouse Builderユーザーを明示的に作成する必要はありません。

  3. テキスト・エディタを使用して、スクリプトowb 11.1 home/owb/bin/upgrade/ImportEntireRepos.tclを更新します。

    Warehouse Builder 11gリリース1のワークスペース所有者およびワークスペースを指定します。接続情報として、ワークスペース所有者のユーザー名、パスワード、ホスト、ポートおよびサービスを含めます。

    エクスポートおよびインポート・ディレクトリを指定します。エクスポートおよびインポート・ディレクトリは、ExportEntireRepos.tclに指定された同じディレクトリである必要があります。インポート・ディレクトリには、インポート処理のログ・ファイルが含まれます。

  4. tclスクリプトを使用してOMB Plusを実行します。コマンドを同じ行に入力します。

    UNIXの場合は、次のコマンドを同じ行に入力します。

    owb 11.1 home/owb/bin/unix/OMBPlus.sh owb 11.1 home/owb/bin/upgrade/ImportEntireRepos.tcl

    Windowsの場合は、次のコマンドを同じ行に入力します。

    owb 11.1 home\owb\bin\win32\OMBPlus.bat owb 11.1 home\owb\bin\upgrade\ImportEntireRepos.tcl

  5. インポート・ディレクトリにあるImportEntireRepos.logを調べて、インポート処理が問題なく完了していることを検証します。

デザイン・メタデータの選択的な移行

既存リポジトリの一部のみを移行する場合は、この手順に従います。たとえば、この手順を使用して選択したプロジェクトやコレクションをエクスポートおよびインポートします。

開始する前に、完全なデータベース・バックアップを作成します。さらに、すべてのWarehouse Builderプロジェクトに対してメタデータのエクスポート(MDL)ファイルを作成します。これらのバックアップは、すべてのアップグレード処理を完了し、テストするまで保持します。

次の手順は、Oracle Databaseをアップグレードしているかどうかにかかわらず実行してください。

  1. メタデータ・ローダーを使用してデザイン・メタデータを既存のバージョンのWarehouse BuilderからMDLファイルにエクスポートします。

  2. 新しいバージョンのWarehouse Builderを使用して新しいリポジトリを作成します。

  3. デザイン・メタデータを新しいリポジトリにインポートします。

以前のリリースのWarehouse Builderからのデザイン・メタデータのエクスポート

メタデータ・ローダーを使用して、移行する各プロジェクト、コレクションまたはパブリック変換をメタデータ・ローダー(MDL)ファイルにエクスポートします。ユーザーが作成した定義がある場合は、これらのオブジェクトもエクスポートします。メタデータのエクスポートの詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

注意: メタデータのエクスポートおよびインポートにはメタデータ・ローダーを使用する必要があります。Warehouse Builderのアップグレードでは、バック・エンド・データベース・コマンドを使用してエクスポートまたはインポートされたファイルはサポートされません。

メタデータをMDLファイルにエクスポートするには:

  1. Warehouse Builderクライアントの以前のバージョンを使用して、エクスポートするプロジェクト、コレクションまたはパブリック変換を選択します。

    ユーザーが作成した定義のエクスポートの詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. プロジェクト」メニューから「メタデータのエクスポート」を選択し、「ファイル」を選択します。

    メタデータ・ローダーによって、エクスポートされたMDLファイルにパスとファイル名が割り当てられます。エクスポートしたすべてのデータについて、パスとファイル名を記録します。メタデータのエクスポートの詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

デザイン・メタデータのWarehouse Builderへのインポート

新しいソフトウェアをインストールしたら、デザイン・メタデータを新バージョンのWarehouse Builderにアップグレードおよびインポートする必要があります。カスタムのパブリック変換がある場合、まずそれをインポートします。メタデータ・インポート・ユーティリティを使用してデザイン・メタデータをインポートします。メタデータのインポートの詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

注意: Warehouse Builderのアップグレードでは、バック・エンド・データベース・コマンドを使用してエクスポートまたはインポートされたファイルはサポートされません。

新しいWarehouse Builderリポジトリにメタデータをインポートしてアップグレードするには:

  1. 新しいWarehouse Builderデザイン・センターで、「設計」メニューから「インポート」を選択し、「Warehouse Builderメタデータ」を選択します。

    「メタデータのインポート」ダイアログが表示されます。

  2. ファイル名」フィールドで、以前のリポジトリからエクスポートしたデータのパスとファイル名を指定します。

  3. ログ・ファイル」フィールドでログ・ファイルのパスとファイル名を指定するか、「参照」をクリックしてディレクトリとファイル名を探します。Warehouse Builderによりインポートに関する情報がこのログ・ファイルに記録されます。

  4. 「インポート・オプション」セクションで、メタデータのインポート時に使用するインポート・オプションを選択します。使用可能なオプションは次のとおりです。

    • 新規メタデータのみの作成: 新しいメタデータをリポジトリに追加します。

    • メタデータの更新(既存のオブジェクトを置き換え、新規メタデータを作成): 新しいオブジェクトを追加して既存のオブジェクトをMDLファイルのオブジェクトに置き換えます。

    • メタデータのマージ (既存のオブジェクトをマージし、新規メタデータを作成): 新しいオブジェクトを追加して、既存オブジェクトがMDLファイルのものと異なる場合のみ既存オブジェクトを上書きします。既存オブジェクトは削除されません。

    • 既存オブジェクトのみの置換: リポジトリの既存オブジェクトを置き換えます。

  5. 「一致基準」セクションで、「ユニバーサルID」を選択します。

  6. (オプション)MDLファイルに追加言語やユーザー作成の定義が含まれている場合は、「拡張」ボタンをクリックしてインポートにそれらを含めるオプションを選択します。

    インポートするMDLファイルは以前のバージョンのWarehouse Builderで作成されているため、「メタデータのアップグレード」ダイアログが表示されます。「アップグレード」をクリックしてMDLファイルを現在のバージョンにアップグレードします。MDLファイルをアップグレードしない場合は、「取消」をクリックします。

    MDLファイルをアップグレードする場合、「インポート拡張オプション」ダイアログが表示されます。このダイアログを使用して次をインポートします。

    • 追加言語のメタデータ

    • ユーザーが作成した定義

    OK」をクリックすると、選択項目が保存され、「インポート拡張オプション」ダイアログが閉じます。拡張インポート・オプションの詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  7. (オプション)エクスポートMDLファイルの内容の詳細なサマリーを表示するには、「サマリーの表示」をクリックします。

    インポートするMDLファイルは以前のバージョンのWarehouse Builderで作成されているため、「メタデータのアップグレード」ダイアログが表示されます。「アップグレード」をクリックしてエクスポートMDLファイルを現在のバージョンにアップグレードします。MDLファイルをアップグレードしない場合は、「取消」をクリックします。

    MDLファイルをアップグレードする場合、「サマリーの表示」ダイアログが表示されます。このダイアログには、エクスポートMDLファイルの内容の簡潔なサマリーが表示されます。

  8. インポート」をクリックしてMDLファイルをインポートします。

    以前に手順6と7のMDLファイルのアップグレードが行われていないと、「メタデータのアップグレード」ダイアログが表示されます。「アップグレード」をクリックしてエクスポートMDLファイルを現在のバージョンにアップグレードします。MDLファイルをアップグレードしない場合は、「取消」をクリックします。

    「アップグレード」をクリックすると、「メタデータのインポート進行状況」ダイアログにアップグレードおよびインポート操作の進行状況が表示されます。アップグレードが終了したら「閉じる」をクリックしてデザイン・センターに戻ります。

以前のバージョンのWarehouse Builderでは、ロケーションとランタイム・リポジトリ接続は個々のプロジェクトで所有していました。Oracle Warehouse Builder 10gリリース2以降、ロケーションと接続はPUBLIC_PROJECTというプロジェクトで所有します。アップグレードするリポジトリのロケーションとランタイム・リポジトリ接続と同じ名前を持つものが存在する場合、Warehouse Builderでインポート時にアップグレード用の一意の名前が生成されます。アップグレードが完了した後にロケーションの関連付けを手動でクリーン・アップする必要がある場合があります。

アップグレードおよびインポート操作後にリポジトリ・オブジェクトに行う変更に関する詳細は、『Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド』を参照してください。

既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリのアップグレード

以前のリリースでは、ランタイム・リポジトリはデプロイメント・マネージャというインタフェースで管理されていました。Warehouse Builder 10.2リリース以降、デプロイメント・マネージャはコントロール・センター・マネージャに置き換えられています。以前のリリースでの「ランタイム・リポジトリ」という用語は「コントロール・センター」になります。

以前のリリースでは、複数のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターを単一のWarehouse Builderインストールに関連付けることができました。Warehouse Builder 11gリリース1(11.1)以降は、OWBSYSというデータベース・ユーザーがリポジトリを所有します。このリポジトリには、1つ以上のワークスペースを含めることができます。各ワークスペースは、以前のリリースのリポジトリに相当します。つまり、ここにデザイン・メタデータやランタイム監査データを含めることができます。そのため、今回のリリースにアップグレードする場合は、アップグレード・アシスタントによって各ランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターが新しい統合されたリポジトリ内のワークスペースとして再作成されます。

既存のコントロール・センターまたはランタイム・リポジトリをアップグレードするには、コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを起動します。

Windowsの場合は、owb home\owb\bin\win32\cc_migrate.batを起動します。

UNIXの場合は、owb home\owb\bin\UNIX\cc_migrate.shを起動します。

コントロール・センター・アップグレード・アシスタントの使用

コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを使用して、以前のリリースで作成したランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターから監査データを移動します。コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを使用した後は、コントロール・センター・マネージャを使用してランタイム・リポジトリを管理します。ここでランタイム・リポジトリは、コントロール・センターと呼ばれるようになります。

コントロール・センター・アップグレード・アシスタントでは、既存のWarehouse Builder環境を、より詳細な設計および管理が可能な現行リリースのWarehouse Builder環境へ移行するために必要な手順を実行できます。これらの手順には、監査データのワークスペースへの移行、および現行リリースの要件を満たすためのターゲット・スキーマのアップグレードが含まれます。Oracle Databaseをアップグレードする必要がある場合は、このアシスタントを実行する前にアップグレードしてください。また、PL/SQLマッピングを含むターゲット・スキーマが、それらの所有するコントロール・センターと同じデータベース・インスタンスにあることを確認してください。

サポートされるアップグレード・シナリオ

このアシスタントを使用して、図3-1に示す任意のシナリオを実行できます。監査データは、Warehouse Builderリリース10.2、10.1.0.5および10.1.0.4からWarehouse Builderリリース11.1に直接移行できます。

図3-1 ランタイム監査データを移行およびアップグレードするための有効なパス

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図3-1 ランタイム監査データを移行およびアップグレードするための有効なパス」の説明

新しいコントロール・センターへの接続

この製品の最新版を最近インストールしたときにOracle Databaseに作成したリポジトリに接続します。

リポジトリ所有者としてリポジトリに接続します。

ワークスペースの選択

新しく作成したリポジトリから、インストール・プロセスで作成したワークスペースを選択します。

既存のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターへの接続

コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを使用するとき、以前のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターへの接続の詳細を求められます。

アシスタントのデフォルトでは、新しいコントロール・センターと既存のコントロール・センターで同じホスト名、ポート番号、およびOracleサービス名を共有することを前提としています。これは最も一般的なアップグレード・シナリオのケースで、次のようなシナリオが含まれます。

  • ランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターを作成したときから、Oracle Databaseを新しいバージョンにアップグレードしていない。

  • Oracle Databaseをアップグレードしたが、「完全なデータベースの移行」の説明のような完全なデータベースの移行を実行した。

既存以外の異なるホストまたはデータベースでコントロール・センターにアップグレードする場合は、まず「Warehouse Builder環境の新しいデータベースへの選択的な移行」の手順を実行し、再度コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを起動して、正しい接続情報を入力します。

アップグレード操作の選択

次の順序でアップグレード操作を行います。

  1. 移動」を選択して、ロケーション登録情報と監査データを既存のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターから新しいコントロール・センターに移動します。

    ロケーション登録情報が正常に移動されると、「アップグレード」と「生成」の他のオプションにアクセスできます。

  2. アップグレード」を選択して、新しいコントロール・センターで使用する、以前に移動したロケーションの詳細をアップグレードします。

  3. 生成」を選択して、後でデザイン・リポジトリの更新に適用するTclスクリプトを作成します。

  4. デザイン・リポジトリでのロケーションのアップグレード」に進みます。

移動

移動操作を選択すると、元のランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターにリポジトリ所有者として接続するよう求められます。

この手順では、以前のリリースのランタイム・リポジトリまたはコントロール・センターで配布および実行されたオブジェクトの正しいステータス、履歴、ロケーションの詳細、およびバージョン番号が新しいコントロール・センターで表示されるようにランタイム監査データをアップグレードします。

このオプションは、新しいコントロール・センターにロケーションや監査データが登録されていない場合にのみ使用できます。

アップグレード

アシスタントで新しいコントロール・センターに登録されたロケーションがリストされ、有効または無効が表示されます。図3-2に「登録済ロケーションのアップグレード」ダイアログを示します。

図3-2「登録済ロケーションのアップグレード」ダイアログ

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図3-2「登録済ロケーションのアップグレード」ダイアログ」の説明

アップグレード操作: ロケーション詳細

ロケーションを選択し、このボタンを使用して、ロケーションのエラーをチェックし、修正します。処理を進める前にすべてのロケーションが有効であることを確認してください。図3-3に「登録済ロケーション詳細」ダイアログを示します。

図3-3「登録済ロケーション詳細」ダイアログ

この図の詳細は、前後のテキストで説明されています。
「図3-3「登録済ロケーション詳細」ダイアログ」の説明

このダイアログ・ボックスには、現在選択されているロケーションの登録の詳細が表示されます。「ステータスの取得」を選択すると、そのステータスが評価され、様々なテストの結果が表示されます。

ロケーションごとに、パスワードが有効であり、登録されたパスワードと同じであることがチェックされます。またそのロケーションに登録されているバージョンが、実際のバージョンと同じであることが検証されます。エラーが検出された場合は、「アップグレード」を選択してエラーを修正できます。

生成

この操作を使用して、OMB PlusコマンドのTclスクリプトを生成します。このTclスクリプトは、デザイン・リポジトリのロケーションについて格納されているロケーション情報を変更するために使用します。Warehouse Builder 10.1.xでは、ロケーションに対してこのような情報は格納されませんでした。また、移行パスによっては、移行処理の一部として情報が変更されていた可能性があります。

ロケーション情報を更新するTclスクリプトを生成するには:

  1. デザイン・リポジトリのアップグレード」で説明しているように、以前のデザイン・リポジトリから新しいWarehouse Builder 11.1リポジトリにあらかじめMDLがインポートされていることを確認します。

  2. 生成」をクリックします。

  3. スクリプトを編集して変数CC_NAMEの値を変更します。

    ユーザー・インタフェースを使用してスクリプトを編集し、再度「保存」を選択するか、メモ帳でスクリプトを編集します。

    CC_NAMEを新しいデザイン・リポジトリのコントロール・センター・オブジェクトの名前に設定します。たとえば、MY_DEV_RUNTIMEというランタイム・リポジトリを以前のWarehouse Builderから移行するとします。その場合、Tclスクリプトの

    CC_NAME cc_name

    の行を次のように変更します。

    CC_NAME MY_DEV_RUNTIME

  4. 編集したスクリプトを一時ディレクトリに保存します。

  5. 「生成」ダイアログで「OK」をクリックして、コントロール・センター・アップグレード・アシスタントを終了します。

  6. デザイン・リポジトリでのロケーションのアップグレード」に進みます。

アップグレード・アシスタントの選択項目の確認

終了」をクリックする前に、アシスタントの選択項目を確認します。

「サマリー」ページのコントロール・センターはアップグレード先の新しいコントロール・センターを示します。ランタイム・リポジトリは、アップグレード元のリポジトリを示します。

デザイン・リポジトリでのロケーションのアップグレード

  1. 生成」を使用してTclスクリプトを生成した後に、OMB PlusセッションでOMBCONNECTコマンドを使用して新しいデザイン・リポジトリに接続します。

    たとえば、次のように入力します。

    OMBCONNECT <repos>/<password>@<host>:<port>:<service_name> USE WORKSPACE <wokspace_name>

    OMB Plusコマンドの詳細は、『Oracle Warehouse Builder Scripting Reference』を参照してください。

  2. 新しいデザイン・リポジトリに対してTclスクリプトを実行します。

    たとえば、OMB Plusプロンプトで次のように入力します。

    source/temp_path/my_generated_script.tcl

    スクリプトを実行すると、コントロール・センターの詳細とロケーションのアドレスがデザイン・リポジトリに作成されます。各ロケーションはコントロール・センターに関連付けられます。登録の詳細も論理ロケーションに追加されます。これは、Warehouse Builder 11.1以降、この詳細をデザイン・センターに保存できるようになったためです。

  3. 移行したプロジェクトごとに、前述の手順でCC_NAME変数に指定したコントロール・センター・オブジェクトが構成オブジェクトで使用されていることを確認してください。

    デザイン・センターで、プロジェクトのノードを開き、「構成」ノードを開きます。「DEFAULT_CONFIGURATIONS」を右クリックして「エディタを開く」を選択します。

    「名前」ページで「設定および保存」オプションを有効にします。

    「詳細」タブで、CC_NAMEに設定したコントロール・センターと同じ新しいコントロール・センターを選択します。

  4. 「設計」メニューから「すべて保存」を選択して、デザイン・センターで行った変更を保存します。

  5. 移行したオブジェクトを表示および再配布するには、「ツール」メニューからコントロール・センター・マネージャを起動します。

  6. すべてのロケーションを登録してパスワードを入力します。

    セキュリティ上、ロケーションのパスワードは保存されません。コントロール・センター・マネージャで、各ロケーションを右クリックして「登録」を選択します。パスワードを入力して、オプションで接続をテストします。

特定のオブジェクトの再利用と再配布

原則として、以前のリリースからWarehouse Builder 11gに移行する場合、移行したマッピングは新しい環境で再配布せずにすぐに実行できます。ただし、他のすべてのオブジェクトについては、ジョブを最初に実行する前に追加の操作を実行する必要があります。追加の操作を必要とするオブジェクトには、ディメンションおよびキューブ、Discoverer統合、プロセス・フロー、スケジュールおよびデータ・プロファイルがありますが、これらに限定されるわけではありません。

この項では、以前のリリースで作成したオブジェクトを再利用するために、次の追加手順を説明します。

ディメンションとキューブの再配布

タイプ2の緩やかに変化するディメンションの移行

Warehouse Builder 11gから、タイプ2の緩やかに変化するディメンションで階層バージョニングがデフォルトとして使用可能になりました。タイプ2の緩やかに変化するディメンションを移行する場合、移行後にその設定が正しいことを確認してください。このディメンションに、以前のリリースで設計したとおりの動作をさせるには、まず階層バージョニングの選択を解除してからディメンションをデプロイする必要があります。

階層バージョニングを無効にするには、「タイプ2緩やかに変化するディメンションの設定」タブを選択します。各レベルは、そのレベル属性とともに一覧表示されます。今回の新しいリリースのWarehouse Builderでは、最上位レベル以外のすべてのレベルに親IDを表す属性があります。この属性の名前は親レベル名と類似しており、接尾辞に「_ID」が付いています。このIDの「レコード履歴」を「トリガー履歴」に設定すると、このレベルの階層バージョニングがオンになります。階層バージョニングをオフにするには、「レコード履歴」のエントリを削除して空白のままにします。

Warehouse Builder 10gリリース2からのディメンションの移行

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)からターゲット・スキーマを移行する場合は、ROLAPの実装を使用していたすべてのディメンションをOLAPカタログに再配布する必要があります。これを行うには、「配布オプション」という構成プロパティを「カタログにのみ配布」に設定してディメンションを配布します。

Warehouse Builder 10gリリース1からのディメンションおよびキューブの移行

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)では、ディメンションとキューブの論理モデルに大幅な変更が取り入れられました。Warehouse Builder 10gリリース1以前からアップグレードしたディメンションとキューブは、コントロール・センター・マネージャに新しいオブジェクトとして表示されます。

新しい検証ルールにより、以前のインストールでは存在しなかったエラーや警告が発生する場合があります。これは予期された事象であり、移行データに問題があるわけではありません。キューブとディメンションを検証して、オブジェクトを再配布できない原因となっているエラーを修正します。監査履歴の更新に必要なため、このオブジェクトを再配布します。

アドバンスト・キューの再利用

以前のリリースでアドバンスト・キューとのマッピングを作成している場合があります。このリリースでそのマッピングを再配布する場合のみ、最初に次の構造を持つ各AQの表を個別に作成する必要があります。

PAYLOAD SRC_TYPE107,

MSG_ID RAW(16) ,

CONSUMER_NAME VARCHAR2(30),

MSG_ORDER NUMBER ,

CORR_ID VARCHAR2(128),

MSG_PRIORITY NUMBER

Oracle Workflowのロケーションの再利用

以前のリリースで作成されたOracle Workflowのすべてのロケーションを再登録します。

プロセス・フローおよびスケジュールの再利用

Warehouse Builder 10gリリース2のプロセス・フローおよびスケジュール

ワークフローのロケーションを再登録し、新しい環境に再配布するプロセス・フロー・パッケージを1つ選択します。できれば、1つの単純なプロセス・フローを持つ小さなプロセス・フロー・パッケージを再配布します。その後は、今回のリリースで作成された他のプロセス・フローを再配布せずに実行できます。

スケジュールについては、以前のリリースのすべてのスケジュールを再配布します。

Warehouse Builder 10gリリース1以前のプロセス・フローおよびスケジュール

Warehouse Builder 10gリリース1以前のプロセス・フローおよびスケジュールは、各オブジェクトを新しい環境で個別に再配布する必要があります。

異なるデータベース・インスタンスからのフラット・ファイルと外部ディレクトリの再利用

この項の手順は、次の両方に該当する場合にのみ実行します。

これらの両方に該当する場合、次のオブジェクトを、既存のインスタンスのOracle Databaseをホスティングするコンピュータから、新しいインスタンスをホスティングするコンピュータにコピーする必要があります。

  • フラット・ファイル: SQL*Loaderによって使用されるフラット・ファイルを、既存のインスタンスのOracle Databaseをホスティングするコンピュータから新しいインスタンスをホスティングするコンピュータにコピーします。

  • 外部ディレクトリ: すべての外部ディレクトリを、Oracle Databaseの既存インスタンスをホスティングするコンピュータから、新しいデータベースが常駐するコンピュータにコピーする必要もあります。必ず同一のファイル・システム・ディレクトリを再作成します。

データ・プロファイルの再利用

以前のリリースで作成したデータ・プロファイルの移行は、Warehouse Builder 11gリリース1ではサポートされません。以前のリリースで作成したデータ・プロファイル・メタデータは、すべて手動で再作成する必要があります。