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Oracle Data Guard Broker
11gリリース1(11.1)
E05756-02
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8 Data Guardコマンドライン・インタフェース・リファレンス

Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を使用すると、Data Guard Broker構成とそのデータベースを、コマンドラインから直接、あるいはバッチ・プログラムやスクリプトから管理できます。Data Guardコマンドライン・インタフェースは、Data Guard構成を管理するためのOracle Enterprise Managerの代替手段として使用できます。

この章では、Data Guardのコマンドライン・インタフェースの参照情報を示します。この章の内容は、次のとおりです。

8.1 Data Guardコマンドライン・インタフェースの起動

DGMGRLを実行するには、SYSDBA権限が必要です。

コマンドライン・インタフェースを起動するには、Oracleがインストールされているシステム上で、コマンドライン・プロンプトからdgmgrlと入力します。

% dgmgrl

DGMGRL for Linux: Version 11.1.0.7.0 - Production

Copyright (c) 2000, 2005, Oracle. All rights reserved.

Welcome to DGMGRL, type "help" for information.

DGMGRL>

8.1.1 DGMGRLのオプション・パラメータ

コマンドラインからオプション・パラメータを入力して、Data Guardコマンドライン・インタフェースでのコマンド・プロンプト、バナーおよびメッセージなどの出力の表示方法を指定できます。

また、単一コマンド・モードも使用可能です。このモードのDGMGRLでは、1つのコマンドが実行され、そのコマンドの終了時にDGMGRLも終了します。終了コードとしてコマンドの結果が戻されます。終了コードが0であれば、コマンドは正常終了しています。それ以外の場合は、エラーがあります。

DGMGRLのコマンドラインは次のとおりです。

% dgmgrl [<options>] [<logon> [<command>] ]

DGMGRLコマンドライン・インタフェースの起動時に、次の任意のキーワードを指定します。

  • <options>には、次のいずれか1つを選択できます。

    • -echo

      コマンドの入力と出力をデフォルトの表示デバイスに表示します。このパラメータを使用しない場合、コマンドからの出力のみが表示されます。

    • -logfile<file-spec> "<dgmgrl-command>"

      DGMGRLコマンドライン・インタフェースの処理情報を取得するファイルを指定します。これは特に、ファスト・スタート・フェイルオーバーのオブザーバとして機能させるためにDGMGRLを起動する場合に役立ちます。詳細は、START OBSERVERコマンドを参照してください。

    • -silent

      DGMGRLのコマンド・プロンプト(DGMGRL>)をデフォルトの表示デバイスに表示しません。このオプションは、コマンド出力をファイルまたは他の表示ツールに送る場合に役立ちます。

  • <logon>は次のとおりです。

    • username [@connect-identifier]

      データベースに接続するには、usernameと、オプションでconnect-identifierを入力します。次に、パスワードの入力を求められます。connect-identifierは、完全指定の接続記述子またはOracleネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。


      警告:

      DGMGRLの起動時にコマンドラインでパスワードを指定することには、安全上のリスクがあります。このリスクは、DGMGRLの起動時はパスワードを省略し、後で求められたときに入力するか、外部の認証方式を使用することで回避できます。


    • オペレーティング・システム認証(リモート・データベースの再起動を除く)、SSLまたはウォレットに格納されたデータベース資格証明を使用する場合は、'/'として接続できます。

  • <command>は1つのコマンドです。

    次に例を示します。

    % dgmgrl sys/ "show database 'North_Sales'"

    Password: password

次の各項で、DGMGRL>コマンド・プロンプトから入力するコマンドの書式について説明します。

8.1.2 DGMGRLコマンドの書式とパラメータ

DGMGRLコマンドを使用すると、一度に1つのブローカ構成を作成およびメンテナンスできます。ブローカ構成は、1つのプライマリ・データベースと最大9つのスタンバイ・データベースで構成できます。

コマンドライン・インタフェースの起動後は、表8-1に示す任意のDGMGRLコマンドを入力できます。各コマンドとその関連パラメータの詳細は後述します。

表8-1 DGMGRLコマンドの要約

コマンド 効果

ADD DATABASE


既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースのプロファイルを追加します。

CONNECT


指定のユーザー名を使用して指定のデータベースに接続します。

CONVERT DATABASE


指定されたデータベースをスナップショット・スタンバイ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに変換します。

CREATE CONFIGURATION


ブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースのプロファイルを構成に追加します。

DISABLE CONFIGURATION


構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

DISABLE DATABASE


指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。

DISABLE FAST_START FAILOVER


ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION


ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

EDIT CONFIGURATION(プロパティ)


指定したブローカ構成のプロパティ値を変更します。

EDIT CONFIGURATION(保護モード)


ブローカ構成の現在の保護モード設定を変更します。

EDIT DATABASE(プロパティ)


指定したデータベースのプロパティ値を変更します。

EDIT DATABASE(名前の変更)


ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。

EDIT DATABASE(状態)


指定したデータベースの状態を変更します。

EDIT INSTANCE (AUTO PFILE)


指定したインスタンスの初期化パラメータ・ファイル名を設定します。

EDIT INSTANCE(プロパティ)


指定したインスタンスのプロパティ値を変更します。

ENABLE CONFIGURATION


ブローカ構成とそのすべてのデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE DATABASE


指定したデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE FAST_START FAILOVER


ブローカによるプライマリ・データベースからターゲット・スタンバイ・データベースへの自動的なフェイルオーバーを可能にします。

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION


ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の追加を可能にします。

EXIT


Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

FAILOVER


データベース・フェイルオーバー操作を実行します。この操作では、現在DGMGRLが接続しているスタンバイ・データベースが、プライマリ・データベースのロールにフェイルオーバーされます。

HELP


Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

QUIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

REINSTATE DATABASE


フェイルオーバー後、データベースを回復します。

REMOVE CONFIGURATION


すべてのデータベース・プロファイルを含め、ブローカ構成をブローカ構成ファイルから削除します。

REMOVE DATABASE


指定したスタンバイ・データベース・プロファイルをブローカ構成から削除します。

REMOVE INSTANCE


インスタンスに関する情報を、ブローカ構成の既存のデータベース・プロファイルから削除します。

SHOW CONFIGURATION


ブローカ構成に関する情報を表示します。

SHOW DATABASE


指定したデータベースに関する情報を表示します。

SHOW FAST_START FAILOVER


すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

SHOW INSTANCE


指定したインスタンスに関する情報を表示します。

SHUTDOWN


現在実行中のOracleデータベースをシャットダウンします。

START OBSERVER


オブザーバを開始します。

STARTUP


データベースのマウントやオープンなど、SQL*Plusと同じオプションを指定してOracleインスタンスを起動します。

STOP OBSERVER


オブザーバを停止します。

SWITCHOVER


スイッチオーバー操作を実行します。現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。


8.1.3 DGMGRLコマンドの使用上の注意

DGMGRLを使用するには、次の条件が満たされている必要があります。

  • DG_BROKER_START動的初期化パラメータをTRUEに設定します。

  • 手動操作なしでインスタンスを再起動する必要のあるブローカ操作を有効化するには、プライマリとスタンバイのデータベース・インスタンスを含む各ホスト上でOracle Net Servicesを構成する必要があります。特に、listener.oraファイルにインスタンスの静的構成情報が含まれていることが必要です。GLOBAL_DBNAME属性を、db_unique_name_DGMGRL.db_domainに設定する必要があります。詳細は、2.2項を参照してください。

  • 構成の作成時またはデータベースの追加時に使用する接続識別子は、構成内のすべてのホストから解決可能である必要があります。


    関連項目:

    Oracle Data Guard Brokerの準備および起動の詳細は、第7章を参照してください。スタンバイ・データベースでのネットワーク・ファイルとリスナーの設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Data Guardコマンドライン・インタフェースを使用するには、SYSDBA権限が必要です。SYSDBAはCONNECTコマンドのデフォルト設定であるため、このコマンドではAS SYSDBAを指定しないでください。

  • コマンドで複数のオプションを指定する場合、指定する順序は問われません。

  • 各DGMGRLコマンドの末尾にセミコロンを付ける必要があります。

  • DGMGRLコマンド文字列の値で指定する文字は、二重引用符(")または一重引用符(')で囲まれていない場合、小文字として解釈されます。たとえば、databaseとDatAbaSeは同じですが、"database"と"DatAbaSe"は異なります。

  • 一重引用符(')、二重引用符(")およびバックスラッシュ(\)が文字列に含まれている場合は、これらの文字のエスケープ文字としてバックスラッシュ(\)を使用できます。

  • ブローカ構成では、1つ以上のデータベースのシャットダウンと再起動が必要となる操作がいくつかあります。次の条件を満たす場合はほとんど、特定のデータベースのシャットダウンと再起動がDGMGRLによって自動的に行われます。

    • instance-nameがSID(これは、DGMGRLのみでなくEnterprise Managerにも適用されます)。

    • ブローカは、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された接続情報を使用してデータベースに接続できる必要があります。

コマンドの例


例1   

この例は、ローカル・システム上でDGMGRLコマンドライン・インタフェースに接続する方法を示しています。

% dgmgrl

DGMGRL for Linux: Version 11.1.0.7.0 - Production

Copyright (c) 2000, 2005, Oracle. All rights reserved.

Welcome to DGMGRL, type "help" for information.

DGMGRL> CONNECT sys;
Password: password
Connected.

例2   

この例は、リモート・システム上でData Guard(DGMGRL)コマンドライン・インタフェースに接続する方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT sys@remote-stby;
Password: password
Connected.

8.2 Data Guardコマンドライン・インタフェースの終了

コマンドライン・インタフェースでの作業を完了し、オペレーティング・システムに戻るには、DGMGRLコマンド・プロンプトからEXITまたはQUITコマンドを入力します。次に例を示します。

DGMGRL> EXIT;

ADD DATABASE

新しいスタンバイ・データベースのプロファイルを作成して既存のブローカ構成に追加します。AS CONNECT IDENTIFIER句は、オプションです。この句を指定しなかった場合、ブローカはプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータを検索して、追加するデータベースに対応するエントリを探します。

MAINTAINED AS句を使用して、スタンバイ・データベースのタイプを指定できます。この句を指定しなければ、スタンバイ・データベースのタイプがフィジカル、ロジカルまたはスナップショットであるかをブローカが自動的に判別します。

書式

ADD DATABASE database-name

[AS CONNECT IDENTIFIER IS connect-identifier]

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカでこのスタンバイ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、構成可能なデータベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。このオプションを指定しない場合、ブローカがプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを検索して、対応するスタンバイ・データベースのエントリを探し、そのSERVICE値を接続識別子として使用します。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースDR_Salesを追加する方法を示します。

DGMGRL> ADD DATABASE DR_Sales AS CONNECT IDENTIFIER IS DR_Sales.foo.com;
Database "DR_Sales" added

CONNECT

指定したデータベースに特定のユーザー名で接続します。

書式

CONNECT username [@connect-identifier];

コマンド・パラメータ

username

データベースへの接続に使用するユーザー名。ユーザー名と、オプションでconnect-identifierを入力すると、パスワードの入力を求められます。

connect-identifier

このパラメータはオプションです。このパラメータは、接続先データベースのOracle Net Services接続識別子を構成します。正確な構文は、Oracleのインストールで使用されるOracle Net Services通信プロトコルによって異なります。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

この例では、ローカル・システム上のデフォルト・データベースに接続しています。

DGMGRL> CONNECT sys;
Password: password
Connected.

例2   

この例では、connect-identifierNorth_Sales.foo.comのリモート・データベースに接続します。

DGMGRL> CONNECT sys@North_Sales.foo.com;
Password: password
Connected.

例3   

この例では、コマンドラインで接続情報を表示できないように、CONNECT '/'を使用してデータベースに接続しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.foo.com;

CONNECT '/'を使用するには、Oracleウォレットを設定する必要があります。Oracleウォレットを設定することで、スクリプトでデータベース接続情報を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。


関連項目:

Oracleウォレットの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


CONVERT DATABASE

フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換するか、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

スナップショット・スタンバイ・データベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースからスナップショット・スタンバイ・データベースへの変換によって作成される完全に更新可能なスタンバイ・データベースです。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースと同様に、スナップショット・スタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースからREDOデータを受信し、アーカイブします。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースとは異なり、スナップショット・スタンバイ・データベースは、受信したREDOデータを適用しません。スナップショット・スタンバイ・データベースが受信したREDOデータは、スナップショット・スタンバイが元のフィジカル・スタンバイ・データベースに変換され、スナップショット・スタンバイ・データベースに対するすべてのローカルな更新が破棄された後に適用されます。

スナップショット・スタンバイ・データベースの最適な使用例は、更新可能なフィジカル・スタンバイ・データベースのスナップショットが一時的に必要な場合です。スナップショット・スタンバイ・データベースでは、フィジカル・スタンバイに戻るまで受信したREDOデータが適用されないため、ロール推移の実行に要する時間は、適用する必要があるREDOデータの量に正比例します。

スナップショット・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

書式

CONVERT DATABASE db_unique_name TO {SNAPSHOT | PHYSICAL} STANDBY;

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次のコマンドを発行して、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'DR_Sales' to SNAPSHOT STANDBY;
Converting database "DR_Sales" to a Snapshot Standby database, please wait...
Database "DR_Sales" converted successfully

例2   

次のコマンドを発行して、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'DR_Sales' to PHYSICAL STANDBY;
Converting database "DR_Sales" to a Physical Standby database, please wait...
Operation requires shutdown of instance "dr_sales1" on database "DR_Sales"
Shutting down instance "dr_sales1"...
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "dr_sales1" on database "DR_Sales"
Starting instance "dr_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Continuing to convert database "DR_Sales" ...
Operation requires shutdown of instance "dr_sales1" on database "DR_Sales"
Shutting down instance "dr_sales1"...
ORA-01109: database not open

Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "dr_sales1" on database "DR_Sales"
Starting instance "dr_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Database "DR_Sales" converted successfully

CREATE CONFIGURATION

新しいブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースのプロファイルを構成に追加します。

書式

CREATE CONFIGURATION configuration-name AS

PRIMARY DATABASE IS database-name

CONNECT IDENTIFIER IS connect-identifier;

コマンド・パラメータ

configuration-name

作成する構成のわかりやすい名前。有効な名前には英数字が含まれます。名前に空白を含める場合は、その名前を二重引用符または一重引用符で囲む必要があります。名前は30バイト以内で指定してください。

database-name

ブローカでプライマリ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、構成可能なデータベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、プライマリ・データベースNorth_Salesを含む新しいブローカ構成DRSolutionを作成しています。

DGMGRL> CREATE CONFIGURATION 'DRSolution' AS
> PRIMARY DATABASE IS 'North_Sales'
> CONNECT IDENTIFIER IS North_Sales.foo.com;
Configuration "DRSolution" created with primary database "North_Sales"

DISABLE CONFIGURATION

構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

書式

DISABLE CONFIGURATION

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、ブローカ構成およびそのすべてのデータベースの管理を無効化しています。

DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
Disabled.

DISABLE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。つまり、ブローカではこのデータベースの状態を変更できなくなり、ブローカはデータベースの健全性ステータスや監視可能なデータベース・プロパティを監視しません。

書式

DISABLE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

無効化するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースDR_Salesを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'DR_Sales';
Disabled.

DISABLE FAST_START FAILOVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化し、オブザーバによりターゲット・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが開始されないようにします。詳細は、5.5.5項「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER [ FORCE ];

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER;
Disabled.

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION value;

コマンド・パラメータ

value

可能な値は、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで健全性条件またはOracleエラー番号として示される値です。

使用上の注意

条件が認識されないとエラーが発生します。条件が設定されていないと、エラーは発生しません。

コマンドの例


例1   

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

破損した制御ファイルが検出されてもすぐに自動的にファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。

例2   

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 27102;

ORA-27102エラーによってすぐに自動的にファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。


EDIT CONFIGURATION(プロパティ)

指定したブローカ構成のプロパティ値を変更します。

書式

EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY property-name = value;

コマンド・パラメータ

property-name

構成プロパティの名前

value

新しいプロパティ値。


関連項目:

構成プロパティの詳細は、第4章および第9章を参照してください。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、FastStartFailoverThreshold構成プロパティを90秒に設定する方法を示します。

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY FastStartFailoverThresdhold=90;

EDIT CONFIGURATION(保護モード)

ブローカ構成の現在の保護モード設定を編集します。

書式

EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE ASprotection-mode;

コマンド・パラメータ

protection-mode

構成が有効な場合に、その構成で実行するデータ保護モード。可能な保護モードは次のとおりです。


MAXPROTECTION
MAXAVAILABILITY
MAXPERFORMANCE

使用上の注意

EDIT CONFIGURATIONコマンドの入力時に構成のブローカ管理が無効になっている場合、構成の保護モードは、次回ENABLE CONFIGURATIONコマンドを使用して構成を有効化するまで有効にはなりません。

コマンドの例


例1   

次の例は、ブローカ構成をMAXAVAILABILITY保護モードにアップグレードする方法を示しています。

次のように、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されていること、REDO転送サービスがSYNCに設定されていることを確認します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'DR_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Property "LogXptMode" updated

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS MAXAVAILABILITY;
Succeeded.


EDIT DATABASE(プロパティ)

指定したデータベースのプロパティ値を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

SET PROPERTY property-name value;

コマンド・パラメータ

database-name

プロパティ値を変更するデータベースの名前。

property-name

データベース固有の既存のプロパティの名前。これがOracle RACデータベースの場合、このプロパティを変更するとデータベースのインスタンスすべてに影響します。


関連項目:

プロパティの情報については、第4章および第9章を参照してください。

value

新しいプロパティ値。


注意:

このコマンドを使用してインスタンスごとのプロパティの値を変更できるのは、指定したデータベースに関してブローカでインスタンスが1つしか認識されていない場合のみです。ブローカでデータベースのインスタンスが複数認識されている場合は、このコマンドを使用してインスタンスごとのプロパティを変更しようとしても拒否されます。インスタンスごとのプロパティの値の変更には、EDIT INSTANCE(プロパティ)のみを使用することをお薦めします。

コマンドの例


例1   

データベース・レベルの構成可能なデータベース・プロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY 'ArchiveLagTarget'=1200;
Property "ArchiveLagTarget" updated

例2   

インスタンス・レベルで、非RACデータベースの構成可能なデータベース・プロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'DR_Sales' SET PROPERTY
> 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Property "StandbyArchiveLocation" updated

例3   

Oracle RACデータベースのインスタンス・レベルのプロパティを編集します。プロパティの変更が適用されるインスタンスが明らかでないため、このコマンドは失敗します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY
> 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Error: ORA-16587: ambiguous object specified to Data Guard broker

Failed.

EDIT DATABASE(名前の変更)

指定されたデータベースを参照するためにブローカが使用する、構成内のそのデータベースのプロファイルに記録されている名前を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

RENAME TO new-database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

変更するデータベース名。

new-database-name

新しいデータベース名。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースを編集して名前を変更する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'DR_Sales_typo';
Disabled.

DGMGRL> EDIT DATABASE 'DR_Sales_typo' RENAME TO 'DR_Sales';
Succeeded.

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'DR_Sales';
Enabled.

EDIT DATABASE(状態)

指定したデータベースの状態を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

SET STATE = state

[WITH APPLY INSTANCE = instance-name];

コマンド・パラメータ

database-name

状態を変更するデータベースの名前。

state

データベースを実行する状態。可能な状態は次のとおりです。


TRANSPORT-ON(プライマリ・データベースのみ)
TRANSPORT-OFF(プライマリ・データベースのみ)
APPLY-ON(フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
APPLY-OFF(フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
instance-name

Oracle RACスタンバイ・データベースの場合に、適用インスタンスにするインスタンスの名前。

使用上の注意

コマンドの例

次の各例に、データベースの状態を変更する方法を示します。


例1   

DGMGRL> EDIT DATABASE 'DR_Sales' SET STATE='APPLY-ON';
Succeeded.

EDIT INSTANCE(AUTO PFILE)

指定したインスタンスの初期化パラメータ・ファイル名を設定します。

書式

EDIT DATABASE instance-name

[ON DATABASE database-name]

SET AUTO PFILE [= { initialization-file | OFF } ];

コマンド・パラメータ

instance-name

初期化パラメータ・ファイルを指定するインスタンスの名前(SID)。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。

initialization-file

後続のブローカ操作でインスタンスを自動的に起動する必要がある場合は、そのインスタンスの起動操作を実行します。SET AUTO PFILEOFFに設定すると、そのインスタンスの自動再起動は無効化されます。そのインスタンスを後続の操作で起動する必要がある場合は、手動で起動する必要があります。インスタンスに対してSET AUTO PFILEを指定しない場合、自動起動操作では初期化パラメータ・ファイルがデフォルト位置で検索されます。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースのインスタンスを編集する方法を示します。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'dr_sales1' ON DATABASE 'DR_Sales'
> SET AUTO PFILE='initsales1.ora';
Instance 'dr_sales1' updated

EDIT INSTANCE(プロパティ)

指定したインスタンスのプロパティ値を変更します。

書式

EDIT DATABASE instance-name

[ON DATABASE database-name]

SET PROPERTY property-name = value;

コマンド・パラメータ

instance-name

インスタンスごとのプロパティ値を変更するインスタンスの名前(SID)。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。

property-name

新しい値を設定するインスタンスごとのプロパティの名前。


関連項目:

プロパティの情報については、第4章および第9章を参照してください。

value

新しいプロパティ値。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

インスタンス・レベルのプロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'sales1' ON DATABASE 'North_Sales'
> SET PROPERTY 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Property "StandbyArchiveLocation" updated.

例2   

データベース・レベルのプロパティを編集します。この操作は許可されません。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'sales1' ON DATABASE 'North_Sales'
> SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Error: ORA-16586: could not edit database property through instance

Failed.

ENABLE CONFIGURATION

すべてのデータベースを含むブローカ構成をブローカでアクティブに管理できるようにします。

書式

ENABLE CONFIGURATION

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、ブローカ構成の管理を有効化しています。

DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION;
Enabled.

ENABLE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を有効化します。


注意:

回復する必要があるスタンバイ・データベースでENABLE DATABASEコマンドを発行しないでください。詳細は、5.4.3項を参照してください。

書式

ENABLE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ管理を有効化するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースDR_Salesを有効化する方法を示します。

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'DR_Sales';
Enabled.

ENABLE FAST_START FAILOVER

ブローカによる、具体的に選択されたスタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが可能になり、フェイルオーバーを起動するために手動による手順を実行する必要がありません。詳細は、5.5.2項「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」を参照してください。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER;

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しています。

DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER;
Enabled.

例2   

次の例では、最大パフォーマンス・モードで動作している構成で、ファスト・スタート・フェイルオーバーが正常に有効化されました。

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: ENABLED
 Threshold:           30 seconds
 Target:              DR_Sales
 Observer:            (none)
 Lag Limit:           30 seconds
 Shutdown Primary:    TRUE
 Auto-reinstate:      TRUE

Configurable Failover Conditions
 Health Conditions:
   Corrupted Controlfile          YES
   Corrupted Dictionary           YES
   Inaccessible Logfile            NO
   Stuck Archiver                  NO
   Datafile Offline               YES

 Oracle Error Conditions:
   (none)

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行する追加条件を指定します。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION value;

コマンド・パラメータ

value

可能な値は、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで健全性条件またはOracleエラー番号として示される値です。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

破損した制御ファイルが検出された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。

例2   

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 27102;

ORA-27102エラーが発生した場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。


EXIT

コマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

EXIT;

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> EXIT;

FAILOVER

指定したターゲットのスタンバイ・データベースをプライマリ・データベースのロールに変更するフェイルオーバーを開始します。このタイプのフェイルオーバーは、手動フェイルオーバーと呼びます。詳細は、5.4項「手動フェイルオーバー」を参照してください。


注意:

フェイルオーバーを実行すると、スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースのロールに推移するため、フェイルオーバーは、プライマリ・データベースに障害が発生するか使用不可になり、適時にリカバリできない場合に実行してください。フェイルオーバーの結果、実行時に有効になっている保護モード、およびターゲット・スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されていたかどうかによっては、データが消失する場合があります。

プライマリ・データベースに障害がなく、データの消失なしに現在のプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールを切り替えるには、SWITCHOVERコマンドを使用します。


書式

FAILOVER TO database-name

[ IMMEDIATE ];

コマンド・パラメータ

database-name

プライマリ・データベース・ロールへのフェイルオーバーの対象となるフィジカル、ロジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、スタンバイ・データベースDR_Salesがプライマリ・ロールに推移するフェイルオーバーを実行しています。

DGMGRL> FAILOVER TO 'DR_Sales';
Performing failover NOW, please wait...
Failover succeeded, new primary is "DR_Sales"

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxPerformance
 Databases:
   DR_Sales     - Primary database
   North_Sales  - Physical standby database (disabled)

Fast-Start Failover: DISABLED

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

Help

Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

書式

HELP [topic];

コマンド・パラメータ

topic

ヘルプ情報を表示するトピック。トピックを指定しない場合、すべてのトピックおよび書式が表示されます。有効なトピックは、次のとおりです。


ADD
CONNECT
CONVERT
CREATE
DISABLE
EDIT
ENABLE
EXIT
FAILOVER
HELP
QUIT
REINSTATE
REM
REMOVE
SHOW
SHUTDOWN
START
STARTUP
STOP
SWITCHOVER

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、EDITコマンドのヘルプを取得しています。

DGMGRL> HELP EDIT

Edit a configuration, database or instance

Syntax:

  EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS
    {MaxProtection|MaxAvailability|MaxPerformance};
  EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY <property name> = <value>;

  EDIT DATABASE <database name> SET PROPERTY <property name> = <value>;

  EDIT DATABASE <database name> RENAME TO <new database name>;

  EDIT DATABASE <database name> SET STATE = <state>
    [WITH APPLY INSTANCE = <instance name>];

  EDIT INSTANCE <instance name> [ON DATABASE <database name>]
    SET AUTO PFILE [ = {<initialization file path>|OFF} ];

  EDIT INSTANCE <instance name> [ON DATABASE <database name>]
    SET PROPERTY <property name> = <value>;

QUIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

QUIT

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> QUIT;

REINSTATE DATABASE

ブローカ構成内で、データベースを現在のプライマリ・データベースの新規スタンバイ・データベースとして回復します。

書式

REINSTATE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ構成内の回復するデータベースの名前

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、DR_Salesデータベースを、ブローカ構成のスタンバイ・データベースとして回復させる方法を示します。

DGMGRL> REINSTATE DATABASE 'North_Sales';
Reinstating database "North_Sales", please wait...
Operation requires shutdown of instance "sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "sales1"...
ORA-01109: database not open

Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Continuing to reinstate database "North_Sales" ...
Reinstatement of database "North_Sales" succeeded

REMOVE CONFIGURATION

Data Guardブローカ構成ファイルから、すべてのデータベース・プロファイルを含む全ブローカ構成情報を削除し、ブローカ構成に関連付けられているすべてのデータベースのブローカ管理を終了します。


注意:

REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用すると、Data Guardブローカ構成ファイルからすべてのプロファイル情報が削除され、リカバリできません。

書式

REMOVE CONFIGURATION [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例

次の例では、REMOVE CONFIGURATIONコマンドの成功例と失敗例を示します。


例1   REMOVE CONFIGURATIONコマンドの成功例

次のコマンドは、構成ファイルから構成情報を削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Removed configuration
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Error: ORA-16532: Data Guard broker configuration does not exist

Configuration details cannot be determined by DGMGRL

例2   REMOVE CONFIGURATIONコマンドの失敗例

次のコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっているために失敗しています。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Error: ORA-16654: Fast-Start Failover was enabled

Failed.
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxAvailability
 Databases:
   DR_Sales     - Primary database
   North_Sales  - Physical standby database
                - Fast-Start Failover target

Fast-Start Failover: ENABLED

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

REMOVE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのプロファイルをブローカ構成から削除し、スタンバイ・データベースのブローカ管理を終了します。


注意:

REMOVE DATABASEコマンドを使用すると、ブローカ構成ファイルからデータベースのプロファイル情報が削除され、リカバリできません。

書式

REMOVE DATABASE database-name [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ構成からプロファイルを削除するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、Data Guard Broker構成からデータベースを削除する方法を示します。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxPerformance
 Databases:
   North_Sales  - Primary database
   DR_Sales     - Physical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

DGMGRL> REMOVE DATABASE 'DR_Sales';
Removed database "DR_Sales" from the configuration

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxPerformance
 Databases:
   North_Sales  - Primary database

Fast-Start Failover: DISABLED

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

REMOVE INSTANCE

ブローカ構成の既存のデータベース・プロファイルからインスタンスを削除します。

書式

REMOVE INSTANCE instance-name

[ON DATABASE database-name];

コマンド・パラメータ

instance-name

ブローカ構成から削除するインスタンスの名前(SID)。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例に、データベースのインスタンスを削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE INSTANCE 'dr_sales3' ON DATABASE 'DR_Sales';
Removed instance "dr_sales3" from the database "DR_Sales"

SHOW CONFIGURATION

ブローカ構成のサマリーおよびステータスを表示します。サマリーには、ブローカ構成に含まれるすべてのデータベースと、ファスト・スタート・フェイルオーバーのステータスなど、ブローカ構成自体に関するその他の情報が表示されます。

書式

SHOW CONFIGURATION [VERBOSE | property-name];

コマンド・パラメータ

property-name

サマリー情報を表示するプロパティの名前。

プロパティの詳細は、第9章「データベース・プロパティ」を参照してください。

使用上の注意

コマンドの例


例1   DRSolution構成のサマリーの表示

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されているDRSolution構成のサマリーを表示しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxPerformance
 Databases:
   North_Sales  - Primary database
   DR_Sales     - Physical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

例2   ファスト・スタート・フェイルオーバー構成の準備状況レディネスの検証

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された構成の準備状況を検証しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION VERBOSE;
Configuration
 Name:                DRSolution
 Enabled:             YES
 Protection Mode:     MaxAvailability
 Databases:
   North_Sales  - Primary database
   DR_Sales     - Physical standby database
                - Fast-Start Failover target

Fast-Start Failover: ENABLED
 Threshold:           30 seconds
 Target:              DR_SALES
 Observer:            (none)
 Lag Limit:           30 seconds (not in use)
 Shutdown Primary:    TRUE
 Auto-reinstate:      TRUE

Current status for "DRSolution":
SUCCESS

SHOW DATABASE

指定したデータベースとそのインスタンスに関する情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW DATABASE database-name [VERBOSE | property-name];

コマンド・パラメータ

database-name

情報を表示するデータベースの名前。

property-name

値を表示するプロパティの名前。


関連項目:

プロパティの情報については、第4章および第9章を参照してください。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

データベース情報を簡略形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'DR_Sales';

Database
 Name:            DR_Sales
 Role:            PHYSICAL STANDBY
 Enabled:         YES
 Intended State:  APPLY-ON
 Instance(s):
   dr_sales1

Current status for "DR_Sales":
SUCCESS

例2   

データベース情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE VERBOSE 'DR_Sales';

Database
 Name:            DR_Sales
 Role:            PHYSICAL STANDBY
 Enabled:         NO
 Intended State:  APPLY-ON
 Instance(s):
   dr_sales1

 Properties:
   DGConnectIdentifier             = 'DR_Sales.foo.com'
   ObserverConnectIdentifier       = ''
   LogXptMode                      = 'ASYNC'
   DelayMins                       = '0'
   Binding                         = 'OPTIONAL'
   MaxFailure                      = '0'
   MaxConnections                  = '1'
   ReopenSecs                      = '300'
   NetTimeout                      = '30'
   RedoCompression                 = 'DISABLE'
   LogShipping                     = 'ON'
   PreferredApplyInstance          = ''
   ApplyInstanceTimeout            = '0'
   ApplyParallel                   = 'AUTO'
   StandbyFileManagement           = 'AUTO'
   ArchiveLagTarget                = '0'
   LogArchiveMaxProcesses          = '5'
   LogArchiveMinSucceedDest        = '1'
   DbFileNameConvert               = 'dbs/t, dbs/bt'
   LogFileNameConvert              = 'dbs/t, dbs/bt'
   FastStartFailoverTarget         = ''
   StatusReport                    = '(monitor)'
   InconsistentProperties          = '(monitor)'
   InconsistentLogXptProps         = '(monitor)'
   SendQEntries                    = '(monitor)'
   LogXptStatus                    = '(monitor)'
   RecvQEntries                    = '(monitor)'
   HostName                        = 'dr_sales.foo.com'
   SidName                         = 'dr_sales1'
   StandbyArchiveLocation          = '/archfs/arch'
   AlternateLocation               = ''
   LogArchiveTrace                 = '8191'
   LogArchiveFormat                = 'db2r_%d_%t_%s_%r.arc'
   LatestLog                       = '(monitor)'
   TopWaitEvents                   = '(monitor)'

Current status for "DR_Sales":
SUCCESS

SHOW FAST_START FAILOVER

すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

書式

SHOW FAST_START FAILOVER;

COMMAND PARAMETERS

なし

使用上の注意

SHOW FAST_START FAILOVERコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成のサマリーを表示します。

コマンドの例

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: DISABLED
 Threshold:           30 seconds
 Target:              (none)
 Observer:            (none)
 Lag Limit:           30 seconds
 Shutdown Primary:    TRUE
 Auto-reinstate:      TRUE

Configurable Failover Conditions
 Health Conditions:
   Corrupted Controlfile          YES
   Corrupted Dictionary           YES
   Inaccessible Logfile            NO
   Stuck Archiver                  NO
   Datafile Offline               YES

 Oracle Error Conditions:
   ORA-27102: out of memory

SHOW INSTANCE

指定したインスタンスの情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW INSTANCE instance-name [VERBOSE | property-name]

[ON DATABASE database-name];

コマンド・パラメータ

instance-name

情報を表示するインスタンスの名前。

property-name

値を表示するプロパティの名前。


関連項目:

構成プロパティの詳細は、第4章および第9章を参照してください。

database-name

情報を表示するインスタンスに関連付けられているデータベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、データベースの特定のインスタンスに関する情報を表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE sales1;

Instance 'sales1' of database 'North_Sales'
  Host Name:       north.foo.com

Current status for "sales1":
SUCCESS

例2   

インスタンス情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE VERBOSE sales1;

Instance 'sales1' of database 'North_Sales'
 Host Name:       north.foo.com
 PFILE:

 Properties:
   HostName                        = 'north.foo.com'
   SidName                         = 'sales1'
   StandbyArchiveLocation          = '/archfs/arch'
   AlternateLocation               = ''
   LogArchiveTrace                 = '255'
   LogArchiveFormat                = 'r_%d_%t_%s_%r.arc'
   LsbyMaxSga                      = '0'
   LsbyMaxServers                  = '0'
   LatestLog                       = '(monitor)'
   TopWaitEvents                   = '(monitor)'

Current status for "sales1":
SUCCESS

SHUTDOWN

現在実行中のOracleインスタンスをシャットダウンします。

書式

SHUTDOWN [ ABORT | IMMEDIATE | NORMAL ];

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次のコマンドにより、プライマリ・データベースをNORMALモードでシャットダウンします。

DGMGRL > SHUTDOWN;

Database closed.
Database dismounted.
Oracle instance shut down.

START OBSERVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始します。

書式

START OBSERVER [ FILE=observer_configuration_filename ];

コマンド・パラメータ

observer_configuration_filename

オブザーバ・コンピュータ上で明示的なディレクトリ・パスおよびファイル名を指定します。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、オブザーバの起動方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT sys@North_Sales.foo.com;
Password: password
Connected.
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started

例2   

次の例は、コマンドラインで接続情報を表示できないように、CONNECT '/'を使用してオブザーバを起動する方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.foo.com;
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started.

CONNECT '/'を使用するには、Oracleウォレットを設定する必要があります。Oracleウォレットを設定することで、スクリプトでデータベース接続情報を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。Oracleウォレットをセキュアな外部パスワード・ストアとして使用する場合は、プライマリ・データベースおよびファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースの接続情報を追加する必要があります。各データベースの接続情報を追加するとき、指定するデータベース接続文字列は、構成可能なデータベース・プロパティObserverConnectIdentiferまたはDGConnectIdentifierと一致している必要があります。


関連項目:

Oracleウォレットの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


STARTUP

次のいずれかのオプションを指定してOracleデータベース・インスタンスを起動します。

書式

STARTUP

[FORCE]

[RESTRICT]

[PFILE=filename]

[MOUNT | OPEN [open-options] | NOMOUNT];

コマンド・パラメータ

filename

データベース・インスタンスの起動時に使用する初期化パラメータ・ファイルの名前。PFILEパラメータ・オプションを指定しない場合は、(オペレーティング・システム固有の)デフォルトのサーバー・パラメータ・ファイルが使用されます。

open-options

指定したデータベースを起動するためのアクセス・モード。可能なモードは次のとおりです。


READ ONLY
READ WRITE

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、データベース・インスタンスの2つの起動方法を示します。各コマンドでは、標準パラメータ・ファイルを使用してデータベース・インスタンスを起動し、デフォルト・データベースを排他モードでマウントしてオープンしています。

DGMGRL> STARTUP;
DGMGRL> STARTUP OPEN;

例2   

次のコマンドでは、現行のインスタンスをシャットダウンし、その直後にマウントもオープンもせずにデータベースを再起動し、制限付きセッション権限のあるユーザーにのみ接続を許可しています。

DGMGRL > STARTUP FORCE RESTRICT NOMOUNT;

例3   

次のコマンドでは、パラメータ・ファイルtestparmを使用して、データベースをマウントせずにインスタンスを起動しています。

DGMGRL > STARTUP PFILE=testparm NOMOUNT;

例4   

次の例では、データベース・インスタンスを起動してマウントしていますが、オープンはしていません。

DGMGRL> STARTUP MOUNT;

STOP OBSERVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを停止します。

書式

STOP OBSERVER

コマンド・パラメータ

なし

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例ではオブザーバを停止しています。

DGMGRL> STOP OBSERVER;

SWITCHOVER

スイッチオーバー操作は、プライマリ・データベースがスタンバイ・データベースの1つとロールを交換する計画的な推移です。SWITCHOVERコマンドを発行すると、現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。

書式

SWITCHOVER TO database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

プライマリ・データベースのロールに変更するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

コマンドの例


例1   

次の例では、フィジカル・スタンバイ・データベースDR_Salesがプライマリ・ロールに推移する正常なスイッチオーバーを示しています。

DGMGRL> switchover to 'DR_Sales';
Performing switchover NOW, please wait...
New primary database "DR_Sales" is opening...
Operation requires shutdown of instance "sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "sales1"...
ORA-01109: database not open

Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Switchover succeeded, new primary is "DR_Sales"

例2   

オペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続する場合は、任意のユーザー名およびパスワードを使用して接続できます。ただし、DGMGRLはリモートでは自己認証できないため、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを自動的にシャットダウンして起動することができません。

次に、スイッチオーバーには成功したが、DGMGRLでプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのシャットダウンおよび起動ができなかったためにエラーが戻された例を示します。

DGMGRL> connect /
Connected.
DGMGRL> SWITCHOVER TO 'DR_Sales';
Performing switchover NOW, please wait...
New primary database "DR_Sales" is opening...
Operation requires shutdown of instance "sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "sales1"...
ORA-01031: insufficient privileges

You are no longer connected to ORACLE
Please connect again.
Unable to shut down instance "sales1"
You must shut down instance "sales1" manually
Operation requires startup of instance "sales1" on database "North_Sales"
You must start instance "sales1" manually
Switchover succeeded, new primary is "DR_Sales"

注意:

DGMGRLでインスタンスを自動的に再起動するには、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された接続情報を使用してデータベースに接続する必要があります。

SHUTDOWNおよびSTARTUPコマンドを手動で発行して、新しいプライマリおよび停止されたスタンバイ・インスタンスを再起動する必要があります。