Oracle Database アップグレード・ガイド 11g リリース1(11.1) E05758-02 |
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この章では、データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティ、またはオリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティを使用して、データベース間のデータ移動を行う方法について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
データ・ポンプ・エクスポート(expdp)およびデータ・ポンプ・インポート(impdp)・ユーティリティの外観や使用感はオリジナルのエクスポート(exp)およびインポート(imp)ユーティリティと似ていますが、これらは別のユーティリティです。 データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティが最初にリリースされたのはOracle Database 10gリリース1(10.1)であり、オリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティに置き換わる高パフォーマンスのユーティリティです。 これらのユーティリティはオリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティに比べて大幅にパフォーマンスが向上しているため、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以降からアップグレードする場合は、ほとんどの場合、データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティの使用をお薦めします。
参照:
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データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートには、次のようなメリットがあります。
データベースに対して次の種類のアップグレードおよびダウングレードを行う場合は、オリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティが必要です。
データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティで生成されるダンプ・ファイルには、オリジナルのエクスポート・ユーティリティで生成されるダンプ・ファイルとの互換性がありません。したがって、オリジナルのエクスポート(exp)・ユーティリティで生成されたファイルは、データ・ポンプ・インポート(impdp)・ユーティリティでインポートすることはできません。逆もまた同様です。
いずれかのエクスポート・ユーティリティで作成されたダンプ・ファイルは、Oracle Databaseのすべての上位リリースにインポートできます。 たとえば、Oracle8のオリジナルのエクスポート・ユーティリティのダンプ・ファイルは、Oracle8i、Oracle9iおよびOracle Database 10gのオリジナルのインポート・ユーティリティでインポートできます。
表7-1に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前のリリースからデータをエクスポートし、そのデータをOracle Database 11gリリース1(11.1)にインポートする場合に使用するリリースを示します。
ダウングレードは、最大で1つ前のOracle Databaseリリースまで可能です。 たとえば、現行のデータベースがOracle Database 11gリリース1(11.1)の場合は、ダウングレードがサポートされているリリースはOracle Database 10gリリース2(10.2)のみです。
下位互換性のあるダンプ・ファイルを取得するための要件
VERSION
パラメータには、ターゲットである古いバージョンを設定します。データ・ポンプ・インポートでは、現行データベースのバージョンより新しいバージョンのデータベースで作成したダンプ・ファイル・セットは読み取れません。読み取れるようにするには、VERSION
パラメータをターゲット・データベースのバージョンに設定して、ダンプ・ファイル・セットを作成します。したがって、ダウングレードは、VERSION
パラメータをターゲット・データベースのバージョンに設定して、データ・ポンプによるエクスポートを実行するのが最もよい方法です。
オリジナルのエクスポートのダンプ・ファイルは、前のOracle Databaseリリースのインポート・ユーティリティとは下位互換性がありません。 そのため、エクスポートされたデータは、前のOracle Databaseリリースのインポート・ユーティリティではインポートできません。 たとえば、Oracle9iのエクスポート・ダンプ・ファイルは、Oracle8iのインポート・ユーティリティではインポートできません。また、Oracle Database 10gのエクスポート・ダンプ・ファイルは、Oracle9iのインポート・ユーティリティではインポートできません。次の表に、例を示します。
表7-2に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)からデータをエクスポートし、そのデータを前のリリースにインポートする場合に使用するリリースを示します。メジャー・リリースのダウングレードは、10.2と10.1でサポートされています。
データを以前のリリースにエクスポートする場合、以前のリリースと互換性のないデータはエクスポートできないか、またはいくつかの機能が失われた状態でエクスポートされます。
通常は、データを以前のリリースにエクスポートする必要がある場合は、データをエクスポートする前に、以前のリリースとの非互換性をできるだけ多く削除します。
エクスポート/インポート・ユーティリティを使用してデータベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。
一貫性のあるエクスポート結果を得るには、エクスポートの実行中と実行後は現行データベースが更新不可である必要があります。エクスポート実行後にユーザーが現行データベースを更新できるようにする場合は、現行データベースで行われた変更を、インポート完了後に新しいデータベースにコピーするためのプロシージャを設定し、その後で現行データベースを使用可能にします。
SYSDBA
権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。
STARTUP
を使用してOracle Databaseインスタンスを起動します。
新しいデータベースに表領域、ユーザーおよび表を事前に作成し、記憶域パラメータを変更することにより、ディスク領域の使用状況を改善できます。SQL*Plusを使用して表を事前に作成する場合は、元のデータベースとの互換モードで実行するか、またはインポート中に発生する特定のデータ定義の変換を許可するようにします。項目を事前作成した場合は、次のいずれかのオプションを選択します。
「エクスポート/インポートを使用したデータベースのアップグレード」にかわる手順として、データベース・リンクを介してデータ・ポンプ・インポート・ユーティリティを使用して、中間ダンプ・ファイルなしでソース・データベースからインポート先データベースにデータベース全体をインポートすることができます。 次の手順を実行します。
EXP_FULL_DATABASE
ロールがあることを確認します。データベース・リンク作成時に、このユーザーを指定する必要があります。
IMP_FULL_DATABASE
ロールがあることを確認します。
import_user
はインポートを実行するユーザーのユーザー名で、db_link
はエクスポートを実行するユーザーが所有するデータベース・リンクの名前です。
IMPDP import_user/password NETWORK_LINK=db_link FULL=Y;
SQL> select * from dba_directories where DIRECTORY_NAME like 'DATA_PUMP_DIR';
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