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Oracle Database アップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1)

E05758-02
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7 データ・ポンプとエクスポート/インポートによるデータの移動

この章では、データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティ、またはオリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティを使用して、データベース間のデータ移動を行う方法について説明します。

この章では、次の項目について説明します。

データ・ポンプ・エクスポート/インポートとオリジナルのエクスポート/インポートを使用するタイミング

データ・ポンプ・エクスポート(expdp)およびデータ・ポンプ・インポート(impdp)・ユーティリティの外観や使用感はオリジナルのエクスポート(exp)およびインポート(imp)ユーティリティと似ていますが、これらは別のユーティリティです。 データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティが最初にリリースされたのはOracle Database 10gリリース1(10.1)であり、オリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティに置き換わる高パフォーマンスのユーティリティです。 これらのユーティリティはオリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティに比べて大幅にパフォーマンスが向上しているため、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以降からアップグレードする場合は、ほとんどの場合、データ・ポンプ・エクスポート/インポート・ユーティリティの使用をお薦めします。

参照:

  • このアップグレード方法を使用するタイミングの詳細は、「エクスポート/インポート」を参照してください。

  • パフォーマンスの向上および使いやすさを実現するデータ・ポンプ機能の詳細なリストは、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

 

データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートには、次のようなメリットがあります。

データベースに対して次の種類のアップグレードおよびダウングレードを行う場合は、オリジナルのエクスポート/インポート・ユーティリティが必要です。

エクスポートおよびインポートの要件

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティで生成されるダンプ・ファイルには、オリジナルのエクスポート・ユーティリティで生成されるダンプ・ファイルとの互換性がありません。したがって、オリジナルのエクスポート(exp)・ユーティリティで生成されたファイルは、データ・ポンプ・インポート(impdp)・ユーティリティでインポートすることはできません。逆もまた同様です。

アップグレードに必要なエクスポートおよびインポートの要件

いずれかのエクスポート・ユーティリティで作成されたダンプ・ファイルは、Oracle Databaseのすべての上位リリースにインポートできます。 たとえば、Oracle8のオリジナルのエクスポート・ユーティリティのダンプ・ファイルは、Oracle8i、Oracle9iおよびOracle Database 10gのオリジナルのインポート・ユーティリティでインポートできます。

表7-1に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前のリリースからデータをエクスポートし、そのデータをOracle Database 11gリリース1(11.1)にインポートする場合に使用するリリースを示します。

表7-1    リリース11.1より前のリリースからのエクスポートおよびリリース11.1へのインポート 
エクスポート元  インポート先  使用するエクスポートのバージョン  使用するインポートのバージョン 

Oracle10gリリース2(10.2) 

リリース11.1 

データ・ポンプ・エクスポート・リリース10.2 

データ・ポンプ・インポート・リリース11.1 

Oracle10gリリース1(10.1) 

リリース11.1 

データ・ポンプ・エクスポート・リリース10.1 

データ・ポンプ・インポート・リリース11.1 

リリース9.2 

リリース11.1 

オリジナルのエクスポートのリリース9.2 

オリジナルのインポートのリリース11.1 

リリース8.1.7 

リリース11.1 

オリジナルのエクスポートのリリース8.1.7 

オリジナルのインポートのリリース11.1 

リリース8.0.6 

リリース11.1 

オリジナルのエクスポートのリリース8.0.6 

オリジナルのインポートのリリース11.1 

リリース7.3.4 

リリース11.1 

オリジナルのエクスポートのリリース7.3.4 

オリジナルのインポートのリリース11.1 

ダウングレードに必要なエクスポートおよびインポートの要件

ダウングレードは、最大で1つ前のOracle Databaseリリースまで可能です。 たとえば、現行のデータベースがOracle Database 11gリリース1(11.1)の場合は、ダウングレードがサポートされているリリースはOracle Database 10gリリース2(10.2)のみです。

下位互換性のあるダンプ・ファイルを取得するための要件

表7-2に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)からデータをエクスポートし、そのデータを前のリリースにインポートする場合に使用するリリースを示します。メジャー・リリースのダウングレードは、10.2と10.1でサポートされています。

表7-2    リリース11.1からのデータのエクスポートおよび以前のリリースへのインポート 
エクスポート元  インポート先  使用するエクスポートのバージョン  使用するインポートのバージョン 

リリース11.1 

Oracle10gリリース2(10.2) 

VERSION=10.2 に設定したデータ・ポンプ・エクスポート・リリース11.1 

データ・ポンプ・インポート・リリース10.2 

Oracle10gリリース2(10.2) 

Oracle10gリリース1(10.1) 

VERSION=10.1 に設定したデータ・ポンプ・エクスポート・リリース10.2 

データ・ポンプ・インポート・リリース10.1 


注意:

オリジナルのエクスポート・ユーティリティを使用する場合に、ソース・データベースがターゲット・データベースより新しい場合は、エクスポートを正常に終了させるために、前の(古い)リリースに付属しているcatexp.sqlスクリプトを実行する必要があります。いったんエクスポートが終了したら、新しいリリースのほうでcatexp.sqlスクリプトを実行し、エクスポート・ビューをリストアします。次の手順を実行します。

  1. エクスポートされるデータベース上で、古いほうのCATEXP.SQLスクリプトを実行します。

  2. 古いほうのエクスポート・ユーティリティを使用して、ダンプ・ファイルを作成します。

  3. 古いほうのインポート・ユーティリティを使用して、ターゲット・データベースにインポートします。

  4. エクスポートされたデータベース上で、新しいほうのCATEXP.SQLスクリプトを実行します。

 

以前のリリースと互換性がないデータでのエクスポート/インポートの使用方法

データを以前のリリースにエクスポートする場合、以前のリリースと互換性のないデータはエクスポートできないか、またはいくつかの機能が失われた状態でエクスポートされます。

通常は、データを以前のリリースにエクスポートする必要がある場合は、データをエクスポートする前に、以前のリリースとの非互換性をできるだけ多く削除します。

エクスポート/インポートを使用したデータベースのアップグレード

エクスポート/インポート・ユーティリティを使用してデータベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 現行データベースに付属のエクスポート・ユーティリティを使用して、現行データベースのデータをエクスポートします。現行データベースでのエクスポート・ユーティリティの使用方法の詳細は、現行『Oracle Databaseユーティリティ』のドキュメントを参照してください。

    一貫性のあるエクスポート結果を得るには、エクスポートの実行中と実行後は現行データベースが更新不可である必要があります。エクスポート実行後にユーザーが現行データベースを更新できるようにする場合は、現行データベースで行われた変更を、インポート完了後に新しいデータベースにコピーするためのプロシージャを設定し、その後で現行データベースを使用可能にします。

  2. 新しいOracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストールは、オペレーティング・システム固有の作業です。 Oracle Databaseのインストール手順は、ご使用のオペレーティング・システム固有のOracleマニュアルを参照してください。

  3. 新しいデータベースに現行データベースと同じ名前を付ける場合は、新しいデータベースを作成する前に現行データベースを停止します。

  4. 新しいデータベースを作成します。

    参照:

    データベースの作成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

  5. SQL*Plusを新しいOracle Database環境で起動します。

  6. SYSDBA権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。

  7. STARTUPを使用してOracle Databaseインスタンスを起動します。

  8. オプションで、ソース・データベースとは異なる記憶域パラメータを指定できます。

    新しいデータベースに表領域、ユーザーおよび表を事前に作成し、記憶域パラメータを変更することにより、ディスク領域の使用状況を改善できます。SQL*Plusを使用して表を事前に作成する場合は、元のデータベースとの互換モードで実行するか、またはインポート中に発生する特定のデータ定義の変換を許可するようにします。項目を事前作成した場合は、次のいずれかのオプションを選択します。

  9. 新しいデータベースのインポート・ユーティリティを使用して、現行データベースからエクスポートしたオブジェクトをインポートします。インポート・セッションからファイルに情報メッセージやエラー・メッセージを保存するには、次のいずれかのパラメータを組み込んでください。

  10. インポート作業が完了したら、どのオブジェクトのどのインポートが正常に終了してどれが失敗したか(失敗したものがある場合)を、インポート・ログ・ファイルで確認します。

    参照:

    エラーの対処については、『Oracle Databaseユーティリティ』およびOracle DatabaseのREADME.docを参照してください。 

  11. その他のインポート方法(『Oracle Databaseユーティリティ』を参照)を使用するか、またはデータベース・オブジェクトを作成するSQLスクリプトを使用して、インポートに失敗したオブジェクトを作成しなおします(または、完全に新規のインポートを開始します)。


    注意:

    データ・ポンプ・エクスポートまたはインポートのジョブで致命的なエラーが発生した場合は、エラーの原因となった条件を修正した後ジョブを再起動できます。ジョブは、エラーが発生した箇所から自動的に続行されます。 


  12. エクスポートの実行後に現行データベースに変更を加えた場合は、そのデータベースを使用可能にする前に、それらの変更が新しいデータベースに反映されていることを確認します。詳細は、手順1を参照してください。

  13. 第4章「新しいリリースへのアップグレード後の作業」に示す手順を実行します。

ネットワーク・リンクを使用したデータベース全体のインポート

「エクスポート/インポートを使用したデータベースのアップグレード」にかわる手順として、データベース・リンクを介してデータ・ポンプ・インポート・ユーティリティを使用して、中間ダンプ・ファイルなしでソース・データベースからインポート先データベースにデータベース全体をインポートすることができます。 次の手順を実行します。

  1. ソース・データベースでエクスポートを実行するユーザーにEXP_FULL_DATABASEロールがあることを確認します。

    データベース・リンク作成時に、このユーザーを指定する必要があります。

  2. インポート先データベースでインポートを実行するユーザーにIMP_FULL_DATABASEロールがあることを確認します。

  3. ソース・データベースとインポート先データベースとの間にデータベース・リンクを作成してテストします。

  4. 次のコマンドを実行します。import_userはインポートを実行するユーザーのユーザー名で、db_linkはエクスポートを実行するユーザーが所有するデータベース・リンクの名前です。

    IMPDP import_user/password NETWORK_LINK=db_link FULL=Y;
    
    
  5. インポート操作のログ・ファイルが、DATA_PUMP_DIRディレクトリに書き込まれます。 このディレクトリの場所は、次のコマンドを実行して検出できます。

    SQL> select * from dba_directories where DIRECTORY_NAME like 'DATA_PUMP_DIR';
    
    


    注意:

    XMLオブジェクトはソース・データベースからエクスポートされません。 


    参照:

    データベース・リンクを使用したデータ・ポンプ・インポートの詳細は、OracleMetalink(https://metalink.oracle.com/)のNote 466181.1を参照してください。 


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