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Oracle Database 2日でデータベース管理者
11g リリース1(11.1)

E05759-03
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2 Oracle Databaseのインストールとデータベースの作成

この章では、Oracle Databaseソフトウェアをインストールし、データベースを作成する方法について説明します。

以前のリリースのOracle Databaseを使用しており、最新リリースのOracle Databaseをインストールする必要がある場合は、既存のデータベースを新しいデータベースにアップグレードし、新しいリリースのデータベース・ソフトウェアで使用するように指定します。詳細は、「データベースのアップグレード」を参照してください。

この章は次の項で構成されています。

Oracle Databaseソフトウェアのインストールとデータベースの作成の概要

Oracle Databaseソフトウェアをインストールするには、Oracle Universal Installer(OUI)を使用します。OUIはコンピュータにすでにインストールされているOracle Databaseソフトウェアを表示したり、新しいOracle Databaseソフトウェアをインストールしたり、使用しないOracle Databaseソフトウェアを削除することができるGraphical User Interfaceです。インストールのプロセスをガイドするオンライン・ヘルプも利用できます。

データベースは、インストール中に作成できます。データベースの作成を選択すると、データベースの作成から構成までのプロセスをガイドするOracle Database Configuration Assistant(DBCA)が自動的に起動します。

インストール中にデータベースを作成しない場合は、インストールの後、データベースを作成するときにDBCAを実行する必要があります。


注意:

インストール中またはインストール後に単独のプロセスとしてデータベースを作成すると、新しくデータベースを作成する必要はありません。個々のOracleインスタンスは、単一のデータベースしか処理できません。複数のアプリケーションでデータベースを使用する場合も、複数のデータベースを作成するのではなく、単一のデータベースを使用して、このデータベース内の複数のスキーマにデータを分割します。スキーマの詳細は、「ユーザー・アカウントについて」を参照してください。 


前提条件の確認

ソフトウェアをインストールする前に、OUIは多数の確認を自動で実行し、コンピュータがOracle Databaseをインストールするための基本的なハードウェアおよびソフトウェア要件を満たしていることを確認します。コンピュータが要件を満たしていない場合は、エラー・メッセージが表示されます。要件は実行しているコンピュータおよびオペレーティング・システムのタイプによって異なりますが、前提条件は次のとおりです。

OUIはOracle Databaseの動作に必要なオペレーティング・システムの環境変数を自動的に設定します。

参照:

  • 要件の詳細は、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

 

インストールの選択項目

Oracle Universal Installerからの質問のフェーズで、インストールおよびデータベース作成のための選択を行います。ご使用のオペレーティング・システムによって、手順が異なります。

インストール・オプションには、基本インストールと拡張インストールがあります。基本インストールでは、標準項目のみを選択します。これ以外の場合は、標準項目および拡張項目の両方を選択する必要があります。

基本インストール

基本インストールおよび拡張インストールの実行時にOracle Databaseをインストールする場合は、次の質問に回答する必要があります。OUIはすべての選択項目に対してデフォルトの値を提供します。

拡張インストール

拡張インストール時、標準オプションに加えて、この項に示す項目を選択するように求められます。インストール・プロセスでは、すべての選択項目に対してデフォルトの値が提供されます。

この章では、拡張インストールの選択項目については説明しますが、手順については扱いません。詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

拡張インストールの実行時には、次の質問に回答します。

プロンプトへの応答を終えると、選択したオプション、それらのオプションに基づく領域要件およびインストールされるコンポーネントがサマリー・ウィンドウに表示されます。データベースのインストールを選択した場合は、この手順はソフトウェアのインストールの完了直後に実行されます。

Oracle Databaseソフトウェアのインストール

この項では、基本インストールの手順について簡単に説明します。ほぼすべての手順がすべてのプラットフォームに共通です。これらの手順はOracle Universal Installerを実行して行う必要があります。プラットフォーム固有の手順は、マニュアルに記載されています。詳細は、オンライン・ヘルプまたはご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。


注意:

次の手順は、以前のOracleソフトウェアがインストールされていないホスト・コンピュータでのOracle Universal Installerのワークフローを示しています。ホスト・コンピュータにすでにOracleソフトウェアがインストールされている場合は、別のワークフローとなる可能性があります。 


基本インストールを実行する手順は、次のとおりです。
  1. Oracle Databaseソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成と実行を許可されている管理グループのメンバーとして、コンピュータにログオンします。

    新しいソフトウェアをインストールするために必要な権限があるかどうかを判断するには、使用するオペレーティング・システム固有のドキュメントを参照するか、システム管理者に問い合せてください。

  2. 次の操作を1つ実行します。

    • 配布メディアからインストールする場合は、データベース用の配布メディアをご使用のコンピュータに挿入します。

      オートラン機能によって、「インストールする製品の選択」ウィンドウが自動的に開きます。

    • OracleのWebサイトからインストール・ソフトウェアをダウンロードする場合は、Webサイトの手順に従い、Oracle Universal Installerを実行します。そうでない場合は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

  3. 「インストールする製品の選択」ウィンドウが表示されたら、「Oracle Database 11g」を選択して「次へ」をクリックします。

    「インストール方法の選択」ウィンドウが表示されます。

    図2-1    Oracle Universal Installerの「インストール方法の選択」ウィンドウ


    画像の説明

  4. 「基本インストール」を選択し、データベースに関する構成の詳細を指定します。

    「インストール方法の選択」ウィンドウで、「基本インストール」または「拡張インストール」を選択します。Oracle Databaseを簡単にインストールするには、「基本インストール」を選択します。このインストール方法では、最小限のユーザー入力しか求められません。ソフトウェアがインストールされた後、オプションとして、ユーザーが指定した情報に基づいて汎用データベースが作成されます。

    「基本インストール」を選択した場合は、次の情報も指定する必要があります。

    • OracleホームとOracleベースの場所: Oracle Databaseソフトウェアを新しくインストールするたびに、新しくOracleホーム・ディレクトリを指定する必要があります。

      デフォルトでは、Oracleホーム・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリになります。ORACLE_BASEの詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

      OUIの起動前にORACLE_BASE環境変数を設定しなかった場合、UNIXまたはLinuxシステムでは、/u01から/u09のうち最初に見つかった書込み可能なディレクトリ上のapp/username/ディレクトリにOracleホーム・ディレクトリが作成されます。Windowsシステムでは、使用可能な領域が最も多いディスク・ドライブ上にOracleホーム・ディレクトリが作成されます。UNIXまたはLinuxシステムで、/u01から/u09が存在しない場合は、デフォルトの場所はuser_home_directory/app/usernameになります。

      「参照」をクリックして、Oracle Databaseソフトウェアのインストール先ディレクトリを指定します。

    • インストール・タイプ: 「Enterprise Edition」「Standard Edition」「Standard Edition One」または「Personal Edition」(Microsoft Windowsのみ)のいずれかを選択します。詳細は、「基本インストール」を参照してください。

    • UNIX DBAグループ(LinuxおよびUNIXのみ): ご使用のオペレーティング・システムのDBAグループを指定します。このグループのホスト・コンピュータ・ユーザーは、データベースの管理権限を所有しています。通常、このグループの名前はdbaです。詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Linux』またはご使用のUNIX用のインストール・ガイドを参照してください。

    • 初期データベースを作成する: インストール中に事前構成済データベースを作成する場合は、このオプションを選択します。初回インストール時には、このオプションを選択することをお薦めします。SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMP管理者アカウントの「グローバル・データベース名」「データベース・パスワード」の値を入力する必要があります。グローバル・データベース名の詳細は、「基本インストール」を参照してください。

    インストールをカスタマイズする場合は、「拡張インストール」オプションを選択します。たとえば、この方法を使用して、データベースの自動ストレージ管理の構成、サンプル・スキーマのインストール、データベースのキャラクタ・セットの構成、自動バックアップの構成などを行うことができます。このオプションを選択すると、このマニュアルでは説明していないインストール手順を確認できます。拡張インストールの詳細は、「拡張インストール」を参照してください。ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』も参照してください。

    「基本インストール」を選択し、必要な情報を入力して、「次へ」をクリックします。「インストールの準備中」プログレス・バーが表示されます。

  5. LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムに初めてインストールする場合は、ファイルのインストール先ディレクトリと、そのディレクトリへの書込み権限を持つオペレーティング・システム・グループの名前を指定する必要があります。

    このコンピュータにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合は、「インベントリ・ディレクトリの指定」ウィンドウが表示されます。コンピュータにインストールされたすべてのOracleソフトウェアを追跡するためにOUIが使用するインベントリの場所を指定する必要があります。この情報は、既存のインストールにパッチを適用したり、既存のインストールをアップグレードしたり、Oracleソフトウェアを削除するときに使用します。このディレクトリは、後で指定するOracleホーム・ディレクトリとは別のディレクトリになります。インベントリ・ディレクトリの推奨値は、Oracle_base/oraInventoryです。Oracle_baseはOracleベース・ディレクトリの場所のことです。

    このウィンドウでは、インベントリ・ディレクトリへの書込み権限を持つオペレーティング・システム・グループも指定できます。これにより、他のユーザーがOracle製品インストール・ファイルを上書きするのを防止します。

    ディレクトリ・パスを入力し、オプションでオペレーティング・システム・グループを指定した後、「次へ」をクリックして続行します。

    「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウが表示されます。

  6. LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムを使用している場合は、ご使用のシステムが選択した製品をインストールおよび構成するための最小要件を満たしていることを確認した後、「次へ」をクリックします。

    OUIにより環境に関して多数のチェックが実行され、チェックが成功、警告または失敗のいずれであったかが示されます。チェックの詳細は、開いているウィンドウ内に表示されます。すべての確認のステータスが「成功」または「警告」にならないと、インストールを続行できません。1つでも環境チェックが失敗すると、手動で解決する必要があります。詳細は、「前提条件の確認」を参照してください。

    「次へ」をクリックすると、Oracle Configuration Managerの登録ウィンドウが表示されます。

  7. 「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウで、すべてのチェックが成功したことを確認し、「次へ」をクリックします。チェックが失敗したら、修正処理を実行します。

  8. 「Oracle Configuration Manager登録」ウィンドウで、Oracle Configuration Managerを有効にせずに「次へ」をクリックします。

    Oracle構成リポジトリに構成情報を収集およびアップロードするには、Oracle Configuration Managerを使用します。Oracle Configuration Managerを使用すると、サポートの問題の解決にかかる時間が短縮され、問題を回避するために役立つ情報が得られます。このオプションは、データベースのインストールが完了した後で構成できます。

    「次へ」をクリックすると、グローバル設定、領域要件、インストールする新しい製品などの情報を示す「サマリー」ウィンドウが表示されます。

  9. インストールのサマリーを確認してから、「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

    「インストール」ウィンドウに、インストールの進捗状況が表示されます。インストール・フェーズが完了すると、「Configuration Assistant」ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、自動的に起動するConfiguration Assistantが表示されます。初期データベースを作成する場合は、Database Configuration Assistantが別のウィンドウで自動的に起動します。

    データベースの作成が完了すると、データベースの作成内容についてのサマリー・ウィンドウが表示されます。

  10. (オプション)「パスワード管理」をクリックして、ユーザー・アカウントのロックを解除し、ユーザー・アカウントを使用できるようにします。

    SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPは、デフォルトでロック解除されます。

  11. 「OK」をクリックしてインストールを続行します。

  12. LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムを使用している場合は、指定のスクリプトを実行し、「OK」をクリックします。

    「構成スクリプトの実行」ウィンドウでは、新しい端末ウィンドウを開くかどうか、rootユーザーとしてスクリプトを実行するかどうかの確認を求めるプロンプトが表示されます。スクリプトを実行した後、このウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。

  13. 「インストールの終了」ウィンドウの内容を確認し、「終了」をクリックしてOUIを終了します。確認ウィンドウで、「はい」をクリックします。

    これで、インストールとデータベースの作成が完了しました。「インストールの終了」ウィンドウに、重要なURLが1つ以上表示されます。そのうちの1つは、Oracle Enterprise Manager Database ControlコンソールのURLです(コンソールは、Oracle Enterprise Manager Database ControlのWebアプリケーション部分を構成するユーザー・インタフェース)。ブラウザでこのURLに移動し、SYSユーザーとして対応するパスワードを使用してログインし、SYSDBAとして接続できます。共通のデータベース管理タスクは、Oracle Enterprise Manager Database Controlで実行できます。詳細は、第3章「データベース管理の概要」を参照してください。

    Database ControlのURLとポート情報は、インストール後、Oracle_home/install/portlist.iniファイルで確認できます。

DBCAを使用したデータベースの作成および管理

Oracle Databaseのインストール時に、初期データベースの作成を選択した場合(手順4を参照)、ソフトウェアのインストール完了後、Oracle Universal Installerによって自動的にDatabase Configuration Assistant(DBCA)が実行されます。その後、DBCAに示される手順に従ってデータベースを作成できます。初期データベースを作成せずに後で作成する場合または追加のデータベースを作成する場合にDBCAを使用します。


注意:

通常、Oracle Databaseでは、1つのデータベースで複数のアプリケーションをホストします。複数のアプリケーションを実行するために複数のデータベースは必要ありません。かわりに、各アプリケーションをサポートするオブジェクトを同じデータベースの別のスキーマに配置します。ただし、同じホスト・コンピュータに複数のOracle Databaseを作成する場合もあります。通常、DBCAを使用してこれを行うと、新しいデータベースでは1つ目のデータベースと同じOracleホームディレクトリが使用されますが、データベースのデータファイルは1つ目のデータベースのデータファイルとは別に格納されます。 


また、DBCAを使用してデータベース構成の変更、データベースの削除なども行うことができます。この項では、次のDBCAタスクについて説明します。 

オンライン・ヘルプを使用するには、「ヘルプ」をクリックします。構成オプションを選択するための情報を確認できます。

DBCAの起動

この項の手順に従い、DBCAを起動します。


注意:

Oracle Databaseソフトウェアのインストール時に初期データベースの作成を選択した場合は、OUIによってDBCAが自動的に起動されます。 


DBCAを起動するには、次の手順を実行します。
  1. Oracle Databaseソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成と実行を許可されている管理グループのメンバーとして、コンピュータにログオンします。

  2. 次の操作を1つ実行します。

    • Microsoft Windowsオペレーティング・システム上でDBCAを起動するには、「スタート」をクリックし、「プログラム」(または「すべてのプログラム」)→「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」「Database Configuration Assistant」を選択します。

    • UNIXまたはLinux上でDBCAを起動する場合、またはWindowsオペレーティング・システムのコマンドライン・プロンプトから起動する場合は、次のコマンドを入力します。

      dbca
      
      

      通常、dbcaユーティリティは、Oracle_home/binディレクトリにあります。

  3. 「次へ」をクリックして「ようこそ」ウィンドウが表示されないようにします。

DBCAを使用したデータベースの作成

DBCAを使用すると、次のガイド付きワークフローに従ってOracle Databaseを作成できます。

DBCAを使用してデータベースを作成するには、次の手順を実行します。
  1. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  2. 「操作」ウィンドウで、「データベースの作成」を選択して「次へ」をクリックし、データベースを作成するためのガイド付きワークフローを開始します。このワークフローでは次のウィンドウでの入力が要求されます。

後続の項では各ウィンドウの詳細を示します。大部分のウィンドウではデフォルト設定が提供されます。

手順2: データベース・テンプレート

このウィンドウでは、作成するデータベースのタイプを選択できます。DBCAを使用して、オラクル社提供のテンプレートまたは管理者が作成したテンプレートからデータベースを作成できます。これらのテンプレートには、ワークロードに応じて最適化された設定が含まれています。

DBCAには次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが付属しています。

「詳細表示」をクリックすると、各タイプのデータベースの構成が表示されます。データベースがサポートするワークロードのタイプに応じて適したテンプレートを選択してください。選択するテンプレートが不明な場合は、デフォルトの「汎用」または「トランザクション処理」テンプレートを選択します。

より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションを選択すると、テンプレートが使用されないため、より広範囲の質問が行われ、データベースの作成に時間がかかります。

データベース・テンプレートの使用方法の詳細は、「DBCAを使用したテンプレートの管理」を参照してください。

手順3: データベース識別情報

「グローバル・データベース名」フィールドに、database_name.domain_nameという形式でデータベース名を入力します。

「SID」フィールドにシステム識別子を入力します。SIDはデータベースを実行するインスタンスを一意に識別するためのものであり、デフォルトではデータベース名です。

手順4: 管理オプション

このウィンドウを使用して、データベースをOracle Enterprise Managerで管理できるように設定します。Oracle Enterprise Managerには、個々のデータベースを管理するWebベースの管理ツールと、Oracle環境全体を管理する集中管理ツールが用意されています。

Enterprise Managerを使用する場合は、「Enterprise Managerの構成」を選択します。次に、次のいずれかのオプションを選択します。

手順5: データベース資格証明

このウィンドウでは、SYSSYSTEMなどの管理者アカウントのパスワードを指定します。

手順6: 記憶域オプション

このウィンドウでは、データベースで使用する記憶域メカニズムのタイプを指定します。詳細は、「拡張インストール」を参照してください。

手順7: データベース・ファイルの位置

このウィンドウでは、Oracleソフトウェアのホームと、データベース・ファイルを作成するディレクトリ・パスを指定します。次のいずれかのオプションを選択します。

手順8: リカバリ構成

新しいデータベースを作成するときは、システム障害が発生した場合にデータ・リカバリを実行できるようにデータベースを構成することが重要です。REDOログには、データファイルへの変更内容が記録されます。このログの格納先のREDOログ・グループは、データベースごとに2つ以上必要です。グループ内のREDOログ・ファイルが一杯になると、ログ・ライター・プロセス(LGWR)ではREDOレコードを新しいREDOログ・グループに書き込みます。Oracle Databaseでは、非アクティブなREDOログ・ファイルのグループを自動的に1つ以上のオフラインの保存先に保存できます。これを総称して「アーカイブREDOログ」(アーカイブ・ログ)と呼びます。REDOログ・ファイルをアーカイブREDOログ・ファイルに変換するプロセスを「アーカイブ」と呼びます。

アーカイブは、データベースがARCHIVELOGモードで実行されている場合にのみ実行できます。グループがアーカイブされるまで、ログ・ライター(LGWR)ではREDOログ・ファイルのグループを再利用できません。データベースがNOARCHIVELOGモードで実行されている場合は、LGWRプロセスが新しいグループに切り替わった後にグループが非アクティブになると、LGWRプロセスでは非アクティブなグループをすぐに再利用できます。

NOARCHIVELOGモードでは、メディア障害からデータベースを保護することはできませんが、インスタンス障害から保護することはできます。オンラインのREDOログ・グループに格納された、データベースの最新の変更内容のみを使用して、インスタンス・リカバリを実行します。NOARCHIVELOGモードのデータベースをリストアする場合は、データベースの終了中に作成したデータベース全体のバックアップしか使用できません。このため、NOARCHIVELOGモードでデータベースを運用する場合は、データベース全体のバックアップを頻繁に作成します。

REDOログ・ファイルをアーカイブすることには、次の利点があります。

REDOログをアーカイブする前に、アーカイブ先を決定する必要があります。データベースのバックアップおよびリカバリ操作の簡略性の面から、アーカイブ・ログはフラッシュ・リカバリ領域に格納することをお薦めします。Oracle Databaseは、バックアップおよびリカバリ関連のファイルをフラッシュ・リカバリ領域に格納し、管理することができます。フラッシュ・リカバリ領域は、現行のデータベース・ファイル(データファイル、制御ファイルおよびオンラインREDOログ)が格納されるデータベース領域とは別の領域です。

データベースの作成時には、次のオプションを選択できます。

手順9: データベース・コンテンツ

データベースを作成すると、次のいずれかの方法でデータをロードできます。

手順10: 初期化パラメータ

このウィンドウのリンクを使用すると、デフォルトの初期化パラメータの設定を変更できる追加ウィンドウが開きます。これらのパラメータは、次のカテゴリに分類されます。

ウィンドウ下部の「すべての初期化パラメータ」をクリックして、すべてのデータベース初期化パラメータのリストと現在の設定を表示することもできます。

メモリー

このウィンドウを使用して、メモリーを管理するデータベースを制御する初期化パラメータを設定します。メモリーの管理方法は、次のいずれかを選択できます。

サイズ指定

このタブでは、最小のブロック・サイズと、データベースに同時に接続できる、オペレーティング・システムのユーザー・プロセスの最大数を指定します。

キャラクタ・セット

このタブを使用して、データベースで使用するキャラクタ・セットを定義できます。キャラクタ・セットは、コンピュータ画面に文字を表示するために使用するコード体系です。キャラクタ・セットによって、データベース内で表現できる言語が決定します。

データベースのキャラクタ・セットとしてUnicode AL32UTF8を使用することをお薦めします。Unicodeは、現在世界で使用されている言語のほとんどをサポートする汎用キャラクタ・セットです。Oracle Universal InstallerおよびDatabase Configuration Assistantで使用される推奨のデフォルト・キャラクタ・セットは、ローカル・オペレーティング・システムの言語設定によって決まります。別のキャラクタ・セットを選択する場合は、WE8MSWIN1252のように、このデータベースに接続するクライアントが最も頻繁に使用するキャラクタ・セットを選択してください。データベースに接続するクライアントの大半がMicrosoft Windowsオペレーティング・システムを使用している場合は、このキャラクタ・セットをお薦めします。

接続モード

このウィンドウを使用して、データベース・モードを選択します。データベースは次のいずれかのモードで実行できます。

手順11: セキュリティ設定

このウィンドウでは、拡張デフォルト・セキュリティ設定と以前のリリースの設定のどちらを使用するかを選択できます。オプションで、特定のセキュリティ機能を無効にすることもできます。拡張セキュリティ設定には、大/小文字を区別するパスワードなどがあります。

手順12: 自動化メンテナンス・タスク

このページでは、Oracle Database 11g の自動メンテナンス・タスク機能を有効にするかどうかを決定します。自動化メンテナンス・タスクは、データベースのメンテナンス操作を実行するために一定間隔で自動的に起動されるタスクです。

詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

手順13: データベース記憶域

このウィンドウでは、ナビゲーション・ツリーに、データベースの記憶域構造(制御ファイル、データファイル、REDOログ・グループなど)が表示されます。記憶域構造またはパラメータは、必要に応じて変更できます。

データベースに事前構成済テンプレートのいずれかを選択した場合は、制御ファイル、データファイル、UNDOセグメントの追加または削除はできません。

手順14: 作成オプション

このウィンドウでは、次のいずれかのオプションを選択してデータベースを作成します。

選択後、「終了」をクリックすると、確認ウィンドウが表示されます。表示された情報を確認したら、「OK」をクリックして続行します。

DBCAを使用したデータベースの構成の変更

DBCAを使用すると、既存のデータベースの構成を変更できます。たとえば、次の操作を行うことができます。

DBCAを使用してデータベースの構成を変更するには、次の手順を実行します。
  1. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  2. 「操作」ウィンドウで、「データベース・オプションの構成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  3. DBCAのガイド付きワークフローの手順に従います。

DBCAを使用したデータベースの削除

DBCAを使用して、データベースを削除することもできます。DBCAでデータベースを削除すると、データベース・インスタンスが停止され、すべてのデータベース・ファイルが削除されます。Windowsプラットフォームでは、関連Windowsサービスも削除されます。

DBCAを使用してデータベースを削除するには、次の手順を実行します。
  1. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  2. 「操作」ウィンドウで、「データベースの削除」を選択し、「次へ」をクリックします。

  3. 削除するデータベースを選択して「終了」をクリックします。

DBCAを使用したテンプレートの管理

DBCAテンプレートとは、データベースの作成に必要な情報が含まれているXMLファイルのことです。DBCAでテンプレートを使用すると、新しいデータベースを作成したり、既存のデータベースを複製することができます。テンプレートの情報には、データベース・オプション、初期化パラメータ、記憶域属性(データファイル、表領域、制御ファイルおよびオンラインREDOログの属性)などがあります。

テンプレートは、スクリプトと同様に使用できますが、データベースの複製もできるため、スクリプトよりも強力です。複製では、シード・データベースと呼ばれる既存のデータベースのファイルを正しい場所にコピーするため、時間が節約できます。

テンプレートは、次のディレクトリに格納されています。

Oracle_home/assistants/dbca/templates

テンプレートを使用することの利点

テンプレートの使用には、次の利点があります。

テンプレートのタイプ

テンプレートは、次のタイプに分類されます。

表2-1に、それぞれの特性を示します。

表2-1    DBCAテンプレートのタイプ 
タイプ  ファイル拡張子  データファイルの有無  データベース構造 

シード 

.dbc 

あり 

このタイプのテンプレートには、既存のデータベース(シード・データベース)の構造および物理データファイルの両方が含まれています。新しいデータベースは、シード・データベースのコピーとして起動し、次の変更のみを必要とします。

  • データベースの名前

  • データファイルの格納先

  • 制御ファイルの数

  • REDOログ・グループの数

  • 初期化パラメータ

これ以外の設定は、データベースの作成後にカスタム・スクリプトを使用して変更できます。スクリプトは、DBCA、コマンドラインのSQL文、またはOracle Enterprise Manager Database Controlによって起動できます。

シード・データベースのデータファイルは、Recovery Managerバックアップの圧縮形式で、拡張子が.dfbのファイルに格納されます。シード・データベースの制御ファイルは、拡張子が.ctlのファイルに格納されます。(このファイルは、データファイルを自動ストレージ管理(ASM)ディスク・グループに格納する場合またはデータファイルをOracle Managed Filesとして格納する場合にのみ必要となります。).dbcファイルには、シード・データベースのデータファイルの場所、および制御ファイルをマウントする場合に使用するソース・データベースの名前が含まれています。 

非シード 

.dbt 

なし 

このタイプのテンプレートは、新しいデータベースを作成するときに使用します。作成するデータベースの特性が含まれています。非シード・テンプレートは、シード・テンプレートより柔軟です。すべてのデータファイルおよびオンラインREDOログを指定に従って作成でき、名前、サイズ、その他の属性を必要に応じて変更できるためです。 

オラクル社によって提供されるDBCAテンプレート

表2-2に示すテンプレートが用意されています。

表2-2    オラクル社提供のDBCAのテンプレートおよび対応するワークロード 
テンプレート  ワークロード 

データ・ウェアハウス 

ユーザーは非常に多数の複雑な問合せを実行して、大量のデータを処理します。したがって、応答時間、精度および可用性が重視されます。

数レコードのフェッチから、多数の異なる表の何千ものレコードをソートする問合せまで、様々な問合せ(SELECT文)が実行されます。 

汎用またはトランザクション処理 

多くのユーザーが非常に多数のトランザクションを同時に実行するため、データに迅速にアクセスすることが要求されます。可用性、速度、同時実行性およびリカバリ能力が重視されます。

トランザクションは、データベース表内のデータの読取り(SELECT文)、書込み(INSERTおよびUPDATE文)、削除(DELETE文)で構成されます。 

カスタム・データベース 

このテンプレートを使用すると、最も柔軟にデータベースを定義できます。作成したデータベースのあらゆる設定を変更できます。 

DBCAを使用したテンプレートの作成

独自のテンプレートを作成する場合は、この項の手順に従います。

テンプレートを作成するには、次の手順を実行します。
  1. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  2. 「操作」ウィンドウで、「テンプレートの管理」を選択して「次へ」をクリックします。

  3. 「テンプレート管理」ウィンドウで、次のいずれかのオプションを選択して「次へ」をクリックします。

    • 既存のテンプレートを使用

      既存のテンプレートを使用して、事前定義済のテンプレートの設定を基に新しいテンプレートを作成できます。初期化パラメータ、記憶域パラメータ、カスタム・スクリプトを使用するかどうかなど、テンプレートのあらゆる設定を追加または変更できます。

    • 既存のデータベースを使用(構造のみ)

      既存のデータベースの構造情報を持つ新しいテンプレートを作成できます。構造情報とは、データベース・オプション、表領域、データファイル、初期化パラメータなどです。ユーザー定義スキーマとそのデータは、作成するテンプレートには含まれません。元のデータベースは、ローカルとリモートのいずれに存在していてもかまいません。元のデータベースと同様の構造にする場合でも、データは使用しないで新しいデータベースを作成するときは、このオプションを選択します。

    • 既存のデータベースを使用(データおよび構造)

      既存のデータベースの構造情報と物理データファイルの両方を含む新しいテンプレートを作成できます。このようなテンプレートを使用して作成したデータベースは、元になるデータベースと同一になります。ユーザー定義スキーマとそのデータは、作成するテンプレートにも含まれます。元のデータベースは、ローカルにある必要があります。このオプションは、元のデータベースの正確なレプリカを作成できるテンプレートが必要な場合に選択します。

    既存のデータベースからテンプレートを作成するときに、ファイル・パスをOptimal Flexible Architecture(OFA)に変換するか、または既存のファイル・パスを維持できます。OFAは、Oracleソフトウェアおよびデータベースに関するファイルの命名および配置のガイドラインです。データベースを作成するコンピュータとテンプレートを定義したコンピュータのディレクトリ構造が異なる場合は、OFAを使用することをお薦めします。データベースの作成先コンピュータと作成元のコンピュータのディレクトリ構造が同じ場合には、標準のファイル・パスを使用できます。

  4. DBCAのガイド付きワークフローの手順に従ってテンプレートを作成します。

テンプレートの削除

テンプレートを削除すると、新しいデータベースまたは新しいテンプレートを作成する場合に使用できなくなります。

テンプレートを削除するには、次の手順を実行します。
  1. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  2. 「操作」ウィンドウで、「テンプレートの管理」を選択して「次へ」をクリックします。

  3. 「テンプレート管理」ウィンドウで、「データベース・テンプレートの削除」を選択して「次へ」をクリックします。

  4. 削除するテンプレートを選択して「終了」をクリックします。

DBCAを使用した自動ストレージ管理の構成

DBCAを使用すると、データベースの作成とは別の操作として自動ストレージ管理(ASM)を構成することもできます。この場合は、DBCAによってデータベースのOracleホームではなく独自のOracleホームにASMインスタンスが作成されます。ASMインスタンスを作成してディスク・グループを定義した後、別のDBCA操作を実行して、データベース・ファイルの格納にディスク・グループを使用するデータベースを作成できます。ASMインスタンスは独自のOracleホームに作成することをお薦めします。複数のOracle DatabaseでASMディスク・グループを使用できるというメリットがあるためです。この構成は、データベースを作成し、データベース作成プロセスの一部としてデータベースと同じOracleホームを使用するASMインスタンスを作成する拡張インストール(「拡張インストール」を参照)で選択できる構成とは異なります。詳細は、ご使用の環境のインストール・ガイドおよびプラットフォーム・ガイドを参照してください。ASMの概要については、付録A「自動ストレージ管理の管理」を参照してください。詳細は、『Oracle Databaseストレージ管理者ガイド』を参照してください。

DBCAを使用して自動ストレージ管理を構成するには、次の手順を実行します。
  1. rootユーザー(UNIXおよびLinux)または管理ユーザー(Windows)として次のコマンドを実行してクラスタ同期サービス(CSS)を構成します。

    Oracle_home/bin/localconfig add
    
    
  2. 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。

  3. 「操作」ウィンドウで、「自動ストレージ管理の構成」を選択してから、ガイド付きワークフローに従って、ASMインスタンスを作成して起動し、ディスク・グループを作成します。

インストール: Oracle by Example Series

Oracle by Example(OBE)には、このマニュアルに関するシリーズが含まれています。このOBEでは、この章のタスクを段階的に説明し、注釈付きのスクリーンショットを使用します。

インストールに関するOBEを参照するには、ご使用のブラウザで次のURLを指定します。

http://www.oracle.com/technology/obe/11gr1_2day_dba/install/install.htm

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