Oracle Database 管理者ガイド 11gリリース1(11.1) E05760-03 |
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ここでは、このマニュアルに記載されているOracle Database 11gリリース1(11.1)の新機能について説明し、追加情報の参照先を示します。
単一の初期化パラメータ(MEMORY_TARGET
)を設定して、データベース(SGAおよびインスタンスPGA)に割り当てられるメモリーの合計量を指定できます。システムでは、最適のパフォーマンスが得られるように、すべてのSGAおよびPGAコンポーネントを自動的かつ動的にチューニングします。SGAおよびインスタンスPGAの最小サイズを個別に指定することもできます。
「自動メモリー管理の使用」を参照してください。
障害診断インフラストラクチャの目的は、問題(クリティカル・エラー)の事前の防止および検出、問題検出後の破損や割込みの抑制、問題診断時間の短縮、問題解決時間の短縮、および顧客とOracleサポート・サービスとの間の対話の簡素化です。このフレームワークには、クリティカル・エラーの発生時に実行するヘルス・チェック、初期障害データを取得するための多数のデータベース・コンポーネントに対する事前のメモリー内トレース、問題に関するすべての診断データをZIPファイルにパッケージ化してOracleサポート・サービスに送信するインシデント・パッケージング・サービス、問題を調査、レポートおよび解決するためのグラフィカルな環境を提供するEnterprise Managerサポート・ワークベンチなどのテクノロジが含まれています。また、SQL関連の問題を診断および修復するための新しいSQL修復アドバイザ、SQL問題を別のOracleデータベース上で再現するのに必要なすべてのスキーマおよび環境情報を収集するSQLテスト・ケース・ビルダー、データ破損およびその他のデータ障害の診断、影響の評価および修復に役立つデータ・リカバリ・アドバイザと統合されています。
第8章「診断データの管理」を参照してください。
索引を削除することで全体的なパフォーマンスが向上するかどうかをテストする必要がある場合は、索引を使用禁止にしたり削除するかわりに、索引を不可視にできます。不可視索引は、デフォルトではオプティマイザで無視されますが、使用禁止状態の索引とは異なり、DML文が終了するまで保持されます。オプティマイザで不可視索引を使用できるように、初期化パラメータをシステム・レベルまたはセッション・レベルで変更できます。
「不可視索引の作成」を参照してください。
表に仮想列を追加できるようになりました。行にある仮想列の値は、式を評価して導出されます。式に使用できるのは、同じ表の列、定数、SQLファンクションおよびユーザー定義のPL/SQLファンクションです。仮想列を使用すると、別にビューを作成する必要がなくなる場合があります。仮想列に索引を作成でき、仮想列をパーティション・キーまたはサブパーティション・キーとして使用できます。
「表の概要」を参照してください。 仮想列の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。
「DBAの認証」を参照してください。
データベース常駐接続プーリング(DRCP)は、データベース接続を取得し、比較的短時間の処理を実行した後、データベース接続を解放するような一般的なWebアプリケーション使用に対して、データベース・サーバーの接続プールを提供します。DRCPは専用サーバーをプールします。これは、サーバー・フォアグラウンド・プロセスとデータベース・セッションの組合せに相当します。DRCPを使用すると、同じ中間層ホスト上の中間層プロセス間、および異なる中間層ホスト上の中間層プロセス間でデータベース接続を共有できます。この結果、大量のクライアント接続をサポートするために必要なデータベース・リソースが大幅に減少するため、中間層とデータベース層の両方のスケーラビリティが向上します。
「データベース常駐接続プーリングの概要」を参照してください。
永続表領域を暗号化して機密データを保護できます。表領域の暗号化は、アプリケーションに対して完全に透過的です。表領域を暗号化すると、すべての表領域ブロックが暗号化されます。暗号化は、表、クラスタ、索引、LOB、表パーティション、索引パーティションなどを含むすべてのセグメント・タイプに対してサポートされています。
「暗号化された表領域」を参照してください。
依存するオブジェクトの変更に伴う依存スキーマ・オブジェクトの無効化がOracle Database 11gでは大幅に減少したため、メンテナンス、アップグレードおよび表のオンライン再定義時のアプリケーション可用性が向上しました。参照オブジェクトとその依存オブジェクトの間で、データベースは、依存関係に含まれる参照オブジェクトの要素を追跡します。たとえば、単一表のビューで表内の列のサブセットのみが選択された場合、それらの列のみが依存関係に含まれます。オブジェクトの各依存関係について、依存関係に含まれる要素の定義が変更されると(要素の削除も含む)、依存オブジェクトは無効になります。逆に、依存関係に含まれない要素の定義のみが変更された場合、依存オブジェクトは有効なままです。
自動化メンテナンス・タスクのスケジューリングをきめ細かく制御できるようになりました。Oracle Databaseの新規インストールでは、自動化メンテナンス・タスクとそれを実行するメンテナンス・ウィンドウについて、次のデフォルト構成が用意されています。
自動SQLチューニング・アドバイザは、負荷が高いSQL文を検証して、問合せパフォーマンスを向上させるための推奨事項を示します。このアドバイザは、SQLプロファイルの推奨事項を自動的に実装するように構成できます。
Enterprise ManagerまたはPL/SQLパッケージ・プロシージャを使用すると、すべてのメンテナンス・ウィンドウの起動時間と継続時間を変更したり、メンテナンス・ウィンドウを削除または追加できます。さらに、特定のメンテナンス・タスクを特定のメンテナンス・ウィンドウで実行しないようにすることもできます。また、メンテナンス・タスクに対するリソース割当てを、他のメンテナンス・タスクやアプリケーションと関連させて調整できます。
第24章「自動データベース・メンテナンス・タスクの管理」を参照してください。
詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。
圧縮表で次の操作がサポートされるようになりました。
「表圧縮の使用」を参照してください。
問合せおよび問合せ断片の結果が、メモリー内の結果キャッシュにキャッシュできるようになりました。データベースでは、後で問合せおよび問合せ断片を実行する際に、キャッシュされた結果を使用できます。問合せを再実行するよりも結果キャッシュから結果を取得する方が処理が速いため、頻繁に実行する問合せでは、結果をキャッシュするとパフォーマンスが大幅に向上します。
結果キャッシュでは、共有プールのメモリーを使用します。
「結果キャッシュの最大サイズの指定」を参照してください。
Oracle Schedulerの拡張機能は次のとおりです。
「外部ジョブ」を参照してください。
「デタッチ済ジョブ」を参照してください。
「軽量ジョブ」を参照してください。
「スケジューラによるOracle Data Guardのサポート」を参照してください。
Oracle Database Resource Managerの拡張機能は次のとおりです。
「リソース・コンシューマ・グループの自動切替えの指定」を参照してください。
MIXED_WORKLOAD_PLAN
が用意されています。このプランでは、バッチ操作よりも対話型操作が優先されます。必要なサブプランと推奨するコンシューマ・グループも含まれています。「オラクル社が提供する複合ワークロード・プラン」を参照してください。
「Oracle Database Resource Managerの監視」を参照してください。
新規にインストールした11gインスタンスは自動UNDO管理モードにデフォルト設定され、Database Configuration Assistantを使用してデータベースが作成された場合は、UNDO表領域が自動的に作成されます。UNDO_MANAGEMENT
初期化パラメータがNULL値の場合は、自動UNDO管理にデフォルト設定されます。
「自動UNDO管理の概要」を参照してください。
以前のリリースでは、オンラインで索引を作成および再作成する際、再作成の開始時と終了時に短時間のDMLブロッキング・ロックが必要でした。このロックによって他のDML文が遅延するため、パフォーマンス・スパイクが発生しました。このロックは不要になり、オンラインでの索引操作は完全に透過的になりました。
「索引のオンラインでの作成」を参照してください。
マテリアライズド・ビュー・ログが含まれる表を、オンライン再定義できるようになりました。マテリアライズド・ビュー・ログは、DBMS_REDEFINITION.COPY_TABLE_DEPENDENTS
パッケージ・プロシージャを使用して仮表にコピーできる依存オブジェクトの1つになりました。
「表のオンライン再定義」を参照してください。
ALTER
TABLE
文を使用して、任意の表を読取り専用モードに設定できます。これは、表を含む表領域を読取り専用モードにする代替手段として使用できます。
「表を読取り専用モードにする方法」を参照してください。
データ・ポンプで、XMLType表を含む表領域、およびXMLTypesのスキーマ・オブジェクトを含む表領域に対して、トランスポータブル表領域機能がサポートされるようになりました。
「データベース間での表領域のトランスポート」を参照してください。
ALTER
TABLE
...ADD
COLUMN
の最適化特定のタイプの表に対して、NOT
NULL
制約とデフォルト値がある列を追加する場合、データベースでは操作に必要なリソース使用量と記憶域要件を最適化できます。新規列のデフォルト値を表メタデータとして格納することにより、既存のすべてのレコードに値を格納する必要がなくなります。
さらに、次のADD
COLUMN
操作は、DML操作と同時に実行できるようになりました。
初期化パラメータの処理に次の拡張機能が追加されました。
単一の初期化パラメータDDL_LOCK_TIMEOUT
を設定して、DDLコマンドが内部構造で必要な排他ロックを待機する時間を指定できるようになりました。この時間を超えるとDDLコマンドは失敗します。
「DDLロック・タイムアウトの指定」を参照してください。