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Oracle Database 2日でデータ・ウェアハウス・ガイド
11g リリース1(11.1)

E05764-01
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3 データ・ソースの識別およびメタデータのインポート

一般的に、データ・ウェアハウスのソース・システムは通常、トランザクション処理のアプリケーションです。たとえば、売上分析のデータ・ウェアハウスは通常、現行のオーダー・アクティビティを記録しているオーダー・エントリ・システムからデータを抽出します。

抽出プロセスの設計には問題が発生する場合があります。ソース・システムが複雑で文書化が不完全な場合、抽出するデータの決定は困難です。また、通常ソース・システムは変更できず、そのパフォーマンスまたは可用性も調整されません。これらの問題を処理するには、まずメタデータをインポートしてください。

メタデータはデータ・セットに与えられたオブジェクトのコンテンツを示すデータです。たとえば、表のメタデータは各列のデータ型を示します。

Oracle Databaseを使用する場合は、メタデータのインポートのためのツールとしてOracle Warehouse Builderをお薦めします。Oracle Warehouse Builderにメタデータをインポートした後、メタデータに注釈を付けて、さらにトランザクション処理のアプリケーションから抽出計画を個別に設計できます。

この項では、Oracle Warehouse Builderを使用してメタデータをインポートする方法を説明します。内容は次のとおりです。

ソースからメタデータをインポートする一般的な手順

メタデータをインポートする手順
  1. 「Oracle Warehouse Builderへのアクセス」の指示に従います。

  2. 「Oracle Warehouse Builderデモンストレーションのインストール」の説明に従ってOracle Warehouse Builderデモンストレーションをダウンロードおよびインストールします。

  3. Oracle Warehouse Builderのプロジェクトを指定します。

    詳細は、「Oracle Warehouse Builderのワークスペース、プロジェクトおよびその他のデバイスについて」を参照してください。

  4. 「例: フラット・ファイルからのメタデータのインポート」に従います。

    この例では、ソース・ファイルの場所を指定する方法、および「メタデータのインポート」ウィザードを起動する方法を説明します。ファイル、表およびビューなどのデータ・オブジェクトをインポートするプロセスは同じです。したがって、この例を完了すると、Oracle Warehouse Builderにすべてのデータ・オブジェクトをインポートする一般的な方法を理解したことになります。

後続の手順

メタデータをインポートすることによりソースを正しく定義した後は、第4章「Oracle Warehouse Builderでのウェアハウスの定義」の説明に従って、ターゲット・スキーマを設計します。

この時点では、メタデータのインポートが完了しているのみでデータを抽出していません。このガイドの後続の項でデータの抽出計画を設計および実装します。

Oracle Warehouse Builderのワークスペース、プロジェクトおよびその他のデバイスについて

Oracle Warehouse Builderデモンストレーションをインストールして「デザイン・センター」を起動した後、ワークスペースにログインします。「デザイン・センター」の上部にユーザー名およびワークスペース名が表示されます。

これに関する図と今後のポイントは、次のリンクを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/obe/10gr2_owb/owb10gr2_gs/owb/lesson1/start01.htm#s

ワークスペースには、関連するプロジェクトで作業する一連のユーザーが含まれます。作成するワークスペースの数を決定するためにセキュリティを考慮することは重要です。共通のモデルは、開発、テストおよび本番に個別のワークスペースを作成することです。このモデルを使用して、開発者などのユーザーによるワークスペースの開発およびテストへのアクセスを可能にしますが、本番ワークスペースへのアクセスは制限されます。

オプションで、ワークスペースをプロジェクトに分割できます。ただし実際は、ワークスペースには通常、アクティブなプロジェクトが1つのみ含まれます。これは、プロジェクトが単純に入れ物であり、セキュリティの実装またはサブジェクト指向のグループ化の確立には適さないためです。セキュリティはワークスペースを介して実装されます。後で説明するように、サブジェクト指向のグループ化の確立はモジュールを介して完了できます。

プロジェクトの目的は、権限に関連するメタデータのセットを含めることです。したがってデータ・ウェアハウスでも、ソースおよびターゲットのすべてのメタデータを同一のプロジェクトに含めます。さらに権限の実装に必要なすべての機能、プロシージャ、変換、マッピングおよびその他のオブジェクトを含めます。プロジェクトには、Oracle Warehouse Builderに作成またはインポートできるオブジェクトの各タイプのノードが含まれます。作成またはインポートできるオブジェクトのタイプの全般を理解するために異なるノードを展開します。

このデモンストレーションでは、プロジェクト・エクスプローラが左側に表示され、2つのプロジェクトが含まれます。MY_PROJECTはデフォルトで、事前にシードされたプロジェクトです。ワークスペース内での単一のアクティブなプロジェクトとしてMY_PROJECT を使用できます。このデモンストレーションでは、OWB_DEMOプロジェクトで作業します。

例: フラット・ファイルからのメタデータのインポート

この例では、フラット・ファイルからメタデータをインポートする方法を示します。具体的には、2つのファイルexport.csvおよびexpense_categories.csvなどのOWB_DEMOプロジェクトにメタデータをインポートして、「ファイル」ノードの下のプロジェクト・エクスプローラに表示することが目的です。

フラット・ファイルからメタデータをインポートする手順
  1. 「フラット・ファイルの場所の指定」の説明に従って、フラット・ファイルの場所を指定します。

  2. 「プロジェクトでのモジュールの作成」の説明に従って、OWB_DEMOを編成し、入力フラット・ファイルのメタデータを受け取ります。

  3. 「「インポート・メタデータ・ウィザード」の起動」の説明に従って、インポートするファイルを指定します。

  4. 「「フラット・ファイル・サンプル・ウィザード」の使用」の説明に従って、メタデータの構成を指定します。

  5. 「フラット・ファイル・データのインポート」の説明に従って、両方のフラット・ファイルのメタデータをインポートします。

後続の手順

メタデータをインポートすることによりソースを正しく定義した後は、第4章「Oracle Warehouse Builderでのウェアハウスの定義」の説明に従って、ターゲット・スキーマを設計します。

この時点では、メタデータのインポートが完了しているのみでデータを抽出していません。このガイドの後続の項でデータの抽出計画を設計および実装します。

フラット・ファイルの場所の指定

フラット・ファイルがある場所を指定します。

「デザイン・センター」では、右側の部分が接続エクスプローラと呼ばれるエクスプローラで、「場所」と呼ばれるノードが含まれます。「場所」ノードを使用してソース・データがある場所を指定します。

Oracle Warehouse Builderからアクセスできるソースおよびターゲットのタイプの全般を理解するために「場所」ノードおよびその中にあるノードを開きます。

この例では、「ファイル」を右クリックし、「新規」を選択してフラット・ファイルの場所を定義します。

ファイル・システムの場所を作成するダイアログ・ボックスのプロンプトに従います。定義する各場所はコンピュータのファイル・システムの特定のディレクトリに対応します。したがって、ドライブおよびディレクトリに基づいた場所の名前を付けるように考慮します。このデモンストレーションでは、場所にC_NEWOWBDEMO_SOURCEFILESという名前を付けます。

プロジェクトでのモジュールの作成

プロジェクト・エクスプローラで、OWB_DEMOを編成し、入力フラット・ファイルのメタデータを受け取ります。

データ・ウェアハウスの実装では、多数のソース・オブジェクトおよびターゲット・オブジェクトを所有する可能性があります。これらの様々なオブジェクトを編成する方法として、Oracle Warehouse Builderではモジュールを作成する必要があります。各モジュールは、接続エクスプローラに作成する場所に対応します。

この例では、2つのフラット・ファイルに対して1つの場所のみ所有するので、プロジェクト・エクスプローラに1つのモジュールを作成します。OWB_DEMO の下の「ファイル」ノードを右クリックし、「新規」を選択します。新規のモジュールにSALES_EXPENSESという名前を付けます。この場所には、前のステップで定義した場所、C_NEWOWBDEMO_SOURCEFILESを指定します。

「インポート・メタデータ・ウィザード」の起動

「インポート・メタデータ・ウィザード」を起動します。

モジュール「SALES_EXPENSES」を右クリックし、「新規」を選択して、「インポート・メタデータ・ウィザード」内のプロンプトに従います。ウィザード内のプロンプトは選択したモジュールのタイプによって異なり、したがってインポートするデータ・オブジェクトによっても異なります。

この例では、2つのフラット・ファイルのインポートを選択しました。「インポート・メタデータ・ウィザード」の「サマリー」ページで、ファイルの1つを選択し、次に「サンプル」を選択して「フラット・ファイル・サンプル・ウィザード」を起動します。

次のステップでは、順番に各ファイルのサンプルを作成し、このページの「終了」を選択してメタデータをインポートします。

図3-1に、「インポート・メタデータ・ウィザード」の「サマリーとインポート」ページの「サンプル」を示します。

図3-1    インポート・メタデータ・ウィザード


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「フラット・ファイル・サンプル・ウィザード」の使用

「フラット・ファイル・サンプル・ウィザード」のプロンプトに従って、メタデータの構成を指定します。

サンプルに指定する文字の数に基づいて、ウィザードによりフラット・ファイル・データが読み込まれ、メタデータの構成のための提案が提供されます。サンプルのサイズが小さすぎる場合は、ウィザードによりデータが誤って読み込まれ、無効な提案が作成される可能性があります。それに従って、ウィザードの設定を変更および調整できます。

この例の目的のため、ウィザードによりファイルが区切られないことが正しく決定され、シングル・レコード・タイプが含まれます。またキャラクタ・セットはWE8MSWIN1252です。「フラット・ファイル」ウィザードにあるすべてのデフォルト設定を受け入れます。

ウィザードによりサンプリングできる様々なタイプのファイルに精通するには、ウィザード・ページのオプションを確認してさらに知識を深めるために「ヘルプ」を選択します。

最初のフラット・ファイルをサンプリングした後、「インポート・メタデータ・ウィザード」のサマリーおよびインポートに関するページに戻り、2番目のファイルをサンプリングします。

前のファイルで行ったように、「フラット・ファイル」ウィザードのデフォルト設定を受け入れます。

フラット・ファイル・データのインポート

両方のフラット・ファイルのメタデータをインポートします。

サマリーおよびインポートに関するページに再度戻り、「終了」を選択します。

「終了」を選択する場合、ウィザードにより、データのサンプリング時に作成した選択基準に基づいてデータがインポートされます。OWB_DEMOプロジェクトの「ファイル」ノードの下にあるSALES_EXPENSESモジュールの下に、2つのカンマ区切りのファイルが表示されます。

図3-2に、SOURCE モジュールにインポートされた後の2つのファイルを示します。

図3-2    SOURCEフラット・ファイル・モジュール


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