| Oracle Database 概要 11gリリース1(11.1) E05765-03 |
|
この章では、Oracle Databaseユーティリティでのデータ転送、データ・メンテナンスおよびデータベース管理について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
Oracle Databaseユーティリティでは、次のタスクを実行できます。
Oracleのデータ・ポンプ・テクノロジにより、データベース間でデータとメタデータを超高速で移動できます。このテクノロジは、Oracle Databaseのデータ移動ユーティリティであるデータ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポートのベースとなっています。
データ・ポンプでは、ジョブでデータとメタデータのサブセットを移動する必要があるかどうかを指定できます。これは、エクスポートおよびインポートのパラメータを介して実装されるデータ・フィルタとメタデータ・フィルタを使用して実行されます。
この項の内容は、次のとおりです。
データ・ポンプ・エクスポート(以降、読みやすいようにエクスポートと呼びます)は、データとメタデータをダンプ・ファイル・セットと呼ばれる一連のオペレーティング・システム・ファイルにアンロードするユーティリティです。ダンプ・ファイル・セットは、データ・ポンプ・インポート・ユーティリティを使用して他のシステムに移動してロードできます。
ダンプ・ファイル・セットは、表データ、データベース・オブジェクトのメタデータおよび制御情報を含む1つ以上のディスク・ファイルから構成されています。各ファイルは固有のバイナリ形式で記述され、データ・ポンプ・インポートでのみ読取りが可能です。インポート操作中に、データ・ポンプ・インポート・ユーティリティはこれらのファイルを使用して、ダンプ・ファイル・セット内で各データベース・オブジェクトを検索します。
データ・ポンプ・インポート(以降、読みやすいようにインポートと呼びます)は、エクスポートされたダンプ・ファイル・セットをターゲット・システムにロードするユーティリティです。ダンプ・ファイル・セットは、表データ、データベース・オブジェクトのメタデータおよび制御情報を含む1つ以上のディスク・ファイルから構成されています。各ファイルは固有のバイナリ形式で記述されます。
また、インポートを使用すると、ソース・データベースから中間ファイルなしでターゲット・データベースに直接ロードできます。これにより、エクスポート操作とインポート操作を同時に実行でき、全体の所要時間が短縮されます。これをネットワーク・インポートと呼びます。
インポートでは、実際にSQLを実行せずに、インポート・ジョブが実行されるSQL DDLをすべて確認することもできます。これは、インポートのSQLFILEパラメータを介して実装されます。
データ・ポンプAPIは、サイトに関するデータとメタデータの全体または一部をデータベース間で移動するための高速メカニズムを提供します。データ・ポンプAPIを使用するには、DBMS_DATAPUMP PL/SQLパッケージに用意されているプロシージャを使用します。データ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポート・ユーティリティは、データ・ポンプAPIをベースとしています。
Metadata APIは、次の手段を提供します。
Metadata APIを使用するには、DBMS_METADATA PL/SQLパッケージに用意されているプロシージャを使用します。Metadata APIの目的上、データベース内のすべてのエンティティは、1つのオブジェクト型に属するオブジェクトとしてモデル化されます。たとえば、表scott.empはオブジェクトで、そのオブジェクト型はTABLEです。オブジェクトのメタデータをフェッチする場合は、オブジェクト型を指定する必要があります。
SQL*Loaderでは、データが外部ファイルからOracleデータベースの表にロードされます。データファイル内のデータの書式にほとんど制限のない、強力なデータ解析エンジンです。SQL*Loaderを使用すると次の操作ができます。
典型的なSQL*Loaderセッションは、SQL*Loaderの動作を制御する制御ファイルと1つ以上のデータファイルを入力として使用します。SQL*Loaderの出力は、Oracleデータベース(データのロード場所)、ログ・ファイル、不良ファイル、および存在する場合は廃棄ファイルです。
外部表機能は、既存のSQL*Loader機能を補完するものです。この機能により、外部ソースのデータに対して、データベース内の表にあるデータのようにアクセスできます。外部表はORACLE_DATAPUMPアクセス・ドライバを使用して記述できます。外部表に対しては、データ操作言語(DML)の操作も索引作成も許可されません。したがって、ステージング表への追加の索引付けを必要とするデータ・ロード状況には、SQL*Loaderの方が適しています。
外部表機能を使用するには、プラットフォーム上にあるデータファイルのファイル形式とレコード形式に関してある程度の知識が必要です。また、外部表を作成し、それに対する問合せを実行するには、SQLについても十分な知識が必要になります。
Oracle LogMinerを使用すると、SQLインタフェースを介してREDOログ・ファイルを問い合せることができます。ユーザー・データまたはデータベース・ディクショナリに対して行われたすべての変更は、Oracle DatabaseREDOログ・ファイルに記録されます。したがって、REDOログ・ファイルには、リカバリ操作の実行に必要な情報がすべて含まれています。
LogMiner機能は、コマンドライン・インタフェースまたはOracle LogMiner ViewerのGraphical User Interface(GUI)を介して入手できます。LogMiner Viewerは、Oracle Enterprise Managerに付属しています。
REDOログ・ファイルに含まれるデータの使用方法を次に示します。
WHERE句の値が正しくないために間違った行を削除する、行を不正な値で更新する、間違った索引を削除するなどがあります。
DBVERIFYは、物理データ構造の整合性チェックを実行する外部コマンドライン・ユーティリティです。オフライン・データベース、オンライン・データベースおよびバックアップ・ファイルに対して使用できます。DBVERIFYを使用するのは、主として、リストア前にバックアップ・データベース(またはデータファイル)が有効かどうかを確認する必要がある場合で、データ破損エラーが発生した場合には診断に役立つ情報としても使用できます。
DBVERIFYはオフライン・データベースに対して実行できるため、整合性チェックは非常に高速です。
DBVERIFYでのチェック対象は、キャッシュ管理ブロック(つまりデータ・ブロック)のみです。DBVERIFYはデータファイル専用であるため、制御ファイルやREDOログには機能しません。
DBVERIFYには2つのコマンドライン・インタフェースが用意されています。最初のインタフェースでは、チェック対象となる1つのデータファイルのディスク・ブロックを指定します。第2のインタフェースでは、チェック対象となるセグメントを指定します。
DBNEWIDは、運用データベースの内部の一意データベース識別子(DBID)とデータベース名(DBNAME)を変更できるデータベース・ユーティリティです。このユーティリティを使用すると、次の情報を変更できます。
したがって、データベースのコピーを手動で作成し、制御ファイルを再作成して新規のDBNAMEとDBIDを指定できます。また、シード・データベースと手動でコピーしたデータベースを、同じRecovery Managerリポジトリにともに登録できます。
ADRCIはコマンドライン・ツールで、Oracle Database 11gに導入された障害診断性インフラストラクチャの一部です。ADRCIでは次の操作ができます。
診断データには、インシデントや問題の説明、トレース・ファイル、ダンプ、状態モニター・レポート、アラート・ログ・エントリなどが含まれます。
ADRCIには豊富なコマンド・セットが用意されており、対話モードで使用することもスクリプト内で使用することもできます。また、ADRCIでは、SQL*PlusでSQLおよびPL/SQLコマンドのスクリプトを実行するのと同じ方法で、ADRCIコマンドのスクリプトを実行できます。
|
![]() Copyright © 1993, 2008 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|