この章では、次の項目について説明します。
この章では、Oracle Ultra Searchの概要について説明します。事例を示して、Oracle Ultra Searchのインストールおよび使用方法について説明します。これにより、データ・ソースを問い合せるブラウザベースの検索アプリケーションを作成できます。
例として、Ultra Appliance社という名前の架空のカスタマ・サービス・コール・センターを使用します。Ultra Appliance社は全国にわたる数十の製造元から仕入れた数百種類の電気製品を販売、サポートする小売会社です。技術的な問合せや電気製品に関するサポートを受けるために、毎日顧客がカスタマ・サービス・コール・センターに電話をします。
この章では、Ultra Appliance社の検索管理者が、コール・センターのスタッフがサポート対象の電気製品の情報を検索できるブラウザベースの検索アプリケーションをどのように設定できるかを説明します。また、Ultra Appliance社のコール・センター・スタッフとして、Oracle Ultra Searchを使用して企業イントラネットおよびデータベースを検索する方法を説明します。
Ultra Appliance社のコール・センター・スタッフは、顧客が必要とする情報を提供するために、様々なオンライン・リソースにアクセスする必要があります。この例のUltra Appliance社のコール・センター・スタッフは、次の2種類の情報にアクセスできます。
Ultra Appliance社が販売し、サービスを提供した電気製品の詳細情報をWebページに表示するドキュメントを含むイントラネット。
Ultra Appliance社が販売し、サービスを提供した電気製品について、これまでの保守に関する問題点とソリューションの情報を含むデータベース。
この例では、Ultra Appliance社のコール・センター・スタッフが、企業内イントラネットとトラブル情報データベースを使用してSpringmaster 2000 refrigeratorとそれに関連する問題を検索します。
この項は、Oracle Ultra Searchのインストールの概要です。インストールの詳細は、このマニュアルの第4章「Oracle Ultra Searchのインストール」を参照してください。インストール手順の詳細は、『Oracle Universal Installer Concepts Guide』を参照してください。
Oracleインストール・メディアを挿入し、Oracle Universal Installerを起動します。Oracle Ultra Searchをインストールして使用するには、次の手順を実行します。
Oracle Database 11gをインストールします。インストール・ウィザードの指示に従って、インストールを実行してください。Oracle Ultra Searchのバックエンドおよび中間層は、Oracle Database Serverとともに自動的にインストールされます。
注意: Oracle Database 10gリリース2では、Oracle Ultra SearchはCompanion CDからインストールされていました。 |
Oracle Ultra Searchスキーマおよびユーザーのロックを解除します。
DBAユーザー(SYS
など)としてデータベースにログインします。
Oracle Ultra SearchスキーマのWKSYS
のロックを解除し、パスワードを設定します。
ALTER USER wksys account unlock identified by password
Oracle Ultra SearchのWK_TEST
スキーマのロックを解除します。パスワードはwk_test
です。
ALTER USER wk_test account unlock identified by password
Oracle Ultra Searchアプリケーションを使用するにはOracle Ultra Searchインスタンスが必要です。データベースでOracle Ultra Searchコンポーネントを構成すると、インスタンスWK_INST
が作成されます。インスタンスは、WK_TEST
スキーマに構築されます。「WKSYSおよびWK_TESTのロック解除」の手順に従ってインスタンスを構成する必要があります。
管理アプリケーションにアクセスするには、次のコマンドを実行してOracle Ultra Search中間層を起動します。
$ORACLE_HOME/bin/searchctl start
中間層が起動したら、HTMLブラウザで次のように指定すると、管理インタフェースにアクセスできます。
http://your_computer.com:http_port/ultrasearch/admin/index.jsp
インストールの最後に、Oracle Universal Installerの画面でhttp_portを確認します。次の場所で、http_portの値を確認できます。
$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/OC4J_SEARCH/config/http-web-site.xml
Oracle Ultra Searchでは、カスタマイズしたJ2EE問合せアプリケーションを作成できるAPIが用意されています。Oracle Ultra Searchには、このようなアプリケーションも含まれています。
問合せアプリケーションを設定するには、ホスト名、ポートおよびSIDに適切な値を指定して、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/OC4J_SEARCH/config/data-sources.xml
ファイルに次のエントリを追加します。
<connection-pool name="UltraSearchCPool" max-connections="100" used-connection-wait-timeout="60" inactivity-timeout="600" property-check-interval="60"> <connection-factory factory-class="oracle.jdbc.pool.OracleDataSource" user="{username}" password="{password}" url="jdbc:oracle:thin:@{hostname}:{listener_port}:{database_SID}"/> </connection-pool> <managed-data-source name="UltraSearchDS" connection-pool-name="UltraSearchCPool" jndi-name="jdbc/UltraSearchPooledDS"/>
Oracle Ultra Search管理アプリケーションにアクセスするためにOracle Ultra Search中間層を起動している場合は、問合せアプリケーションを使用するように構成した状態で、再起動する必要があります。
$ORACLE_HOME/bin/searchctl stop $ORACLE_HOME/bin/searchctl start
中間層が起動されたら、HTMLブラウザで次のように指定すると、問合せアプリケーションにアクセスできます。
http://your_computer.com:http_port/ultrasearch/query/search.jsp.
インストールの最後に、Oracle Universal Installerの画面でhttp_portを確認します。次の場所で、http_portの値を確認できます。
$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/OC4J_SEARCH/config/http-web-site.xml