| Oracle® XML Developer's Kitプログラマーズ・ガイド 11gリリース2 (11.2) B56264-06 |
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この章の内容は次のとおりです。
オラクル社のOracle XML Developer's Kit (XDK)は様々な用途に使用できるコンポーネントのセットです。これらのコンポーネントを使用して、XMLを処理するC、C++およびJavaのソフトウェア・プログラムを構築およびデプロイできます。ビジネスのニーズに応じて、これらのコンポーネントをXMLアプリケーションに組み込むことができます。
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注意: Oracle Databaseリリース8.1または9.2から移行した場合、Oracle XDKとPL/SQLを併用するには、データベース・キャラクタ・セットにAL32UTF8を使用することを強くお薦めします。他のキャラクタ・セットを使用すると、エスケープされたエンティティを含むXMLデータをPL/SQLで処理するときに問題が発生する可能性があります。 |
Oracle XDKは、Oracle XMLソリューションの基盤を提供します。XDKはOracle XML DBをサポートしています。これは、データベースにXMLを格納して処理するために使用する一連のテクノロジです。XDKをOracle XML DBとともに使用して、Oracle Databaseで実行するアプリケーションを構築できます。XDKは、XML DBとは関係なく使用することもできます。
XML Dateのフォーマット
生成されたXML内の日付およびタイムスタンプは、現在XMLスキーマによって指定された形式になっています。『Oracle XML DB開発者ガイド』の「データベースからのXMLデータの生成」の「XMLELEMENTおよびXMLATTRIBUTES SQL関数」の「XMLの日付とタイムスタンプのフォーマット」を参照してください。
オラクル社ではOracle XDKをフル・サポートしており、商用再配布ライセンスを受けています。Oracle Databaseの標準インストールにXDKが含まれています。
表1-1に、XDKコンポーネントとその説明、サポートされているプログラミング言語、およびコンポーネントの使用方法が記載されている参照先を示します。
表1-1 XDKコンポーネントの概要
| コンポーネント | 説明 | 言語 | 参照先 |
|---|---|---|---|
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Java、C、C++ |
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XML Compressor |
XML文書をバイナリで圧縮および解凍できるようにします。この圧縮プログラムはXML Parser for Javaに組み込まれます。 |
Java |
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Java API for XML Processing(JAXP) |
作成したJavaプログラムから、SAX、DOM、XML Schema Processor、XSLTプロセッサまたは別のプロセッサを使用できるようにします。 |
Java |
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XSLT Processor |
XMLを、HTMLなどの他のテキストベースの形式に変換します。 |
Java、C、C++ |
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XML Schema Processor |
スキーマを検証し、単純および複雑なXMLデータ型を使用可能にします。 |
Java、C、C++ |
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XML Class Generator |
DTDまたはXMLスキーマからJavaクラスまたはC++クラスを生成して、WebフォームまたはアプリケーションからXMLデータを送信できるようにします。Java実装では、Java Architecture for XML Binding(JAXB)がサポートされます。 |
Java、C++ |
第8章「JAXB Class Generatorの使用」および第29章「XML Class Generator for C++の使用」 |
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XML Pipeline Processor |
XML Pipeline宣言文書に指定されたXMLプロセスを適用します。 |
Java |
第9章「XML Pipeline Processor for Javaの使用」 |
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XML JavaBeans |
統合開発環境(IDE)、Java Server Pages(JSP)およびアプレットの使用を簡単にする、XDKコンポーネントをBeanでカプセル化したもののセットです。 |
Java |
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SQL問合せからXML文書、DTDおよびXMLスキーマを生成します。SQL問合せの結果をXMLに(またはその逆に)マップします。XSUのJavaクラスは、PL/SQLパッケージでミラー化されます。 |
Java、PL/SQL |
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XMLを使用して、変換されたシード・データおよびメッセージをデータベースにロードします。 |
Java |
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サーバー内のXML、SQLおよびXSLTを組み合せて、動的Webコンテンツを配信します。 |
Java |
第14章「XSQLページ・パブリッシング・フレームワークの使用」 |
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Oracle SOAPサーバー |
リクエストおよびレスポンスをインターネット経由で送受信するための軽量のSOAPメッセージング・プロトコルを提供します。 |
C |
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コンパイルされたスタイルシートをサポートする、高パフォーマンスのXSLT変換エンジンを提供します。 |
C、C++ |
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XDKコンポーネントを使用して、様々なXML処理を実行できます。たとえば、次のタスクを実行するプログラムを開発できます。
XMLを解析します。
XMLをDTDまたはXMLスキーマと照合して検証します。
XSLTスタイルシートを適用してXML文書を別のXML文書に変換します。
入力XMLスキーマおよびDTDからJavaクラスおよびC++クラスを生成します。
図1-1に、前述のタスクを実行するXMLプロセッサの例を示します。
XDKには、プログラム内で使用できるコンポーネントが含まれています。この項では、図1-1で示されている次のXDKコンポーネントについて説明します。
XMLパーサーは、XML文書を読み取り、データの構造とプロパティを決定するプロセッサです。データを複数の部分に分割し、他のコンポーネントに提供します。
XMLプロセッサは、次のAPIを使用して解析されたXMLデータにプログラムでアクセスできます。
データ要素ごとに順次アクセスする場合は、SAXインタフェースを使用します。SAXパーサーにイベント・ハンドラを登録して、特定のイベントが発生したときにコールバック・メソッドを起動できます。XML文書をインメモリー・ツリーとして表して操作またはナビゲートする場合は、DOM APIを使用します。
XDKには、XML Parser for Java、XML Parser for CおよびXML Parser for C++が含まれています。どのパーサーもDOM APIとSAX APIの両方をサポートしています。
XML Parser for JavaはJAXPバージョン1.2をサポートしています。これは、プロセッサの実装に関係なくDOM、SAX、XML SchemaおよびXSLTを使用可能にする標準APIです。これによって、プログラムに影響を与えることなくXMLプロセッサの実装を変更できます。
XML CompressorはXML Parser for Javaに統合されています。DOMインタフェースおよびSAXインタフェースでの要素レベルのXML圧縮および解凍が提供されます。この圧縮プログラムは、DOMツリーの構造情報と階層情報を失うことなく、XML文書を圧縮します。XML文書の解析後に、DOMまたはSAXでバイナリ・ストリームにシリアライズし、後で再構築できます。
この圧縮プログラムではXMLメッセージ・ペイロードのサイズを小さくすることができ、スループットが向上します。アプリケーション内部でのXML文書へのアクセスに使用すると、高速アクセスを維持しながらメモリー使用量が大幅に減少します。
図1-2に、XDK Parser for Java、XDK Parser for CおよびXDK Parser for C++の機能を示します。
図1-2 XML Parser for Java、XML Parser for CおよびXML Parser for C++
eXtensible Stylesheet Language Transformation(XSLT)は、プロセッサがXML文書を別のXML文書に変換するためのスタイルシート言語です。XSLTドキュメントは、変換を制御するテンプレート・ルールを含むスタイルシートです。
Oracle XSLT Processorは、W3C勧告のXSL Transformations 1.0を完全にサポートしています。また、このプロセッサはXSLTおよびXPath 2.0標準の現在の作業草案も実装しています。すべてのオペレーティング・システム上で、データベース内外のXML情報に対して、業界標準に準拠した変換を行うことができます。
Oracle XML Parserには、XSLTスタイルシートを使用してXMLデータを変換するためのXSLTプロセッサが統合されています。XSLTプロセッサを使用すると、XML文書をXMLからXMLやXHTMLなど、ほぼすべてのテキスト形式の文書に変換できます。
XML Schema言語は、XML文書のコンテンツおよび構造をXMLで記述するためにW3Cで作成された言語で、DTDが改善されたものです。XMLスキーマには、XMLアプリケーションの妥当性を定義するルールが含まれます。DTDとは異なり、XMLスキーマはそれ自体がXMLで記述されています。XMLスキーマがDTDより優れている点の1つは、要素と属性のコンテンツのルールを指定できることです。XMLスキーマは、string、float、dateなどの組込みデータ型のセットを指定します。ユーザーは、組込みデータ型から独自のデータ型を導出できます。たとえば、スキーマで、日付を2000年以降の日付に制限したり、有効な値のリストを指定できます。
Oracle XDKには、XML Schema Processor for Java、XML Schema Processor for CおよびXML Schema Processor for C++が含まれています。
XML Class Generatorは、解析済のXMLスキーマまたはDTDを入力として受け入れ、JavaまたはC++ソース・クラス・ファイルを出力として生成するソフトウェア・プログラムです。XDKには、JAXB Class GeneratorとC++ Class Generatorの両方が含まれています。JAXBは、XMLデータおよびJavaオブジェクト間でマップするJava APIおよびツールのセットです。JAXBは、XML文書をJava形式でJavaプログラムに提供するため、SAXパーサーを使用したりコールバック・メソッドを記述することなく、XMLデータを処理するプログラムを作成できます。各オブジェクトは、入力文書内のスキーマ・コンポーネントのインスタンスから導出されます。JAXBはDTDを直接サポートしていませんが、DTDをJAXBで使用可能なXMLスキーマに変換できます。XML Class Generator for C++は、DTDとXML Schemaの両方をサポートしています。
JAXBの使用方法の例としては、生成されたJavaクラスを使用してXML文書を段階的に構築するJavaプログラムを作成できます。人事部で使用するXMLスキーマを記述し、自分の個人データを変更するユーザーに応答するJavaプログラムを作成するとします。このプログラムは、JAXBを使用して確認用のXML文書を断片的に構築し、この文書をXSLTプロセッサでXHTMLに変換してブラウザに配信できます。
XML Pipeline Definition Languageは、XMLリソース間の処理関係を記述するためのXMLボキャブラリです。このパイプライン言語のインスタンス(プロセス間の関係を定義する文書)が、パイプライン文書です。たとえば、このプログラムで入力XML文書を検証して、文書が有効である場合に変換するように、パイプライン文書で指定できます。
Oracle XML Pipeline Processorは、XML Pipeline Definition Language 1.0標準に準拠しています。このプロセッサは入力XMLパイプライン文書を受け入れ、派生した依存性に応じてパイプライン・プロセスを実行できます。このパイプライン・プロセッサは、カスタムJavaコードのかわりに簡単なXML宣言構文を使用するので、XMLを処理するアプリケーションを構築するJava開発者にとって有効なツールです。
JavaBeansは、ビルダー・ツールでビジュアルに操作できる再利用可能なソフトウェア・コンポーネントを開発するためのJava APIです。JavaBeanは、このAPIに準拠したJavaオブジェクトです。Oracle XDK JavaBeansはビジュアルなBeanと非ビジュアルなBeanのコレクションであり、XML対応の様々なJavaプログラムまたはアプレットで役立ちます。表1-2に、XDK JavaBeansの概要を示します。
表1-2 XDK JavaBeansの概要
| JavaBean | 説明 |
|---|---|
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XML文書からDOMツリーを構築します。このBeanは非ビジュアルです。 |
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XMLファイルを受け入れ、入力のXSLTスタイルシートによって指定された変換を適用し、結果の出力ファイルを作成します。このBeanは非ビジュアルです。 |
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複数のXML文書およびテキスト・ドキュメントを含むCLOB表をメンテナンスします。 |
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DBAccess Beanを拡張し、Oracleデータベース表でXML文書が格納されるXMLType列をサポートします。 |
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2つのXML DOMツリーを比較します。 |
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XML圧縮機能をカプセル化します。 |
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XSUは、一連のJavaクラス・ライブラリです。XSUを使用して実行できるタスクは次のとおりです。
任意のSQL問合せの結果を自動的かつ動的に正規のXMLにレンダリングします。XSUは、XMLTypeを含む豊富な構造のユーザー定義オブジェクト型およびオブジェクト・ビューでの問合せをサポートします。XSUでリレーショナル・データをXMLに変換すると、結果のXML文書は次の構造になります。
列は、最上位の要素にマップします。
スカラー値は、内容がテキストのみの要素にマップします。
オブジェクト型は要素にマップされ、オブジェクト型の属性はサブ要素を構成します。
コレクション型は、要素のリストにマップします。
XML文書のデータを既存のデータベース・スキーマまたはビューにロードします。
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注意: XSUにはPL/SQLでの実装もあります。PL/SQLパッケージDBMS_XMLQueryおよびDBMS_XMLSaveは、JavaクラスOracleXMLQueryおよびOracleXMLSaveの機能を反映します。 |
図1-4に、XSUでSQL問合せがどのように処理されて結果がXML文書として戻されるかを示します。
XSUは、次のいずれかの方法で、XML文書を生成できます。
XML文書の文字列表現。XML文書をリクエスタに戻す場合、この表現を使用してください。インメモリーDOMツリー。プログラムでXMLを操作する場合、この表現を使用してください。たとえば、DOMメソッドでXMLを検索または変更するXSLTプロセッサを使用してXMLを変換する場合などです。一連のSAXイベント。XMLを取得する場合(特に大規模な文書や結果セットを取得する場合)、この機能を使用できます。
XSUを使用すると、問合せ対象である基礎となる表またはビューのリレーショナル・スキーマに基づいて、XMLスキーマを生成できます。生成されたXMLスキーマをJAXB Class GeneratorまたはC++ Class Generatorへの入力として使用します。その後、生成されたクラスを使用するコードを作成し、Webベースのフォームのインフラストラクチャを生成します。このインフラストラクチャに基づいて、フォームではユーザー・データが取得され、データベース・スキーマと互換性のあるXML文書が作成されます。プログラムでは、追加の処理を行わずに、対応する表またはオブジェクト・ビューにXMLを直接書き込むことができます。
Oracle TransX Utilityは、多言語のXMLデータのデータベースへの移入を可能にする、データ転送ユーティリティの1つです。開発者と翻訳者の両方が直感的に使用できる単純なデータ形式、および以前の方法よりエラーの発生が軽減される検証機能が使用されます。TransX UtilityはXSUと次の点で異なります。TransX Utilityは、翻訳されたシード・データおよびメッセージをデータベース・スキーマにロードするXSUのアプリケーションです。1つのデータベースに複数言語のデータを移入する場合、TransX Utilityを使用すると、通常はXSUを使用して開発する必要がある機能を利用できます。
XSQLページ・パブリッシング・フレームワーク(XSQLサーブレット)はサーバー・コンポーネントであり、特定の構造と文法を持つXMLファイルであるXSQLファイルを処理して、データ・オブジェクトに対する1つ以上のSQL問合せから動的XML文書を生成します。図1-5に、XSQLサーブレットの起動方法を示します。
XSQLサーブレットはOracle XML Parserを使用してXSQLファイルを処理し、XSLT処理文を内部プロセッサに渡す一方で、タグ間のパラメータおよびSQL文をXSUに渡します。この問合せの結果を、XML形式のテキスト、またはJDBC ResultSetオブジェクトとして受け取ります。必要に応じて、組込みのXSLTプロセッサを使用して、問合せの結果をさらに変換することもできます。
XSQLサーブレットの1つの例として、空港名のバインド変数を使用した航空会社のフライト・スケジュールの問合せを含むページがあります。ユーザーはWebフォームで空港名をパラメータとして渡すことができます。サーブレットはデータベースへの問合せ内のパラメータ値をバインドし、出力XMLをブラウザで表示できるようにHTMLに変換します。
Simple Object Access Protocol (SOAP)は、プラットフォームに依存しないメッセージング・プロトコルです。SOAPを使用してプログラムでサービス、オブジェクトおよびサーバーにアクセスできます。Oracle SOAPサービスはWebを介して公開および実行され、すべてのプログラムに対して標準のXMLメッセージ形式を提供します。SOAPサービスでは、XML標準を使用するメッセージング、RPCおよびWebサービス・プログラムをXDKで開発できます。
XVM for C/C++は、コンパイル済のXSLTコードの実行用に設計された、CPUのソフトウェア実装です。このコードを実行するには、XSLTスタイルシートを、XVMエンジンが理解するバイト・コードにコンパイルする必要があります。図1-6に、XVMによるXMLおよびXSLの処理方法を示します。
XDKには、XSLT 1.0標準に準拠したXSLTコンパイラが含まれています。コンパイルは実行時に行うことも、格納して実行時に取得することもできます。アプリケーションでは、スタイルシートを解析する必要がなく、XML操作ではなく索引検索に基づいてテンプレートが適用されるため、変換をより迅速に実行でき、スループットが上がります。
XDKを使用すると、XML文書の構造をリレーショナル・スキーマにマップできます。XDKを使用してOracleデータベースとの双方向のパスを確立し、そのパスを通してプログラムで表からXML文書を作成し、XMLタグ付きのデータを表に挿入します。各XDKプログラミング言語は、リレーショナル・データからXML文書を生成するプログラムの開発をサポートしています。
この項の内容は次のとおりです。
図1-7に示すように、データベースに対するSQL問合せを3つの異なる方法で実行できます。表1-3に、別方法を示します。
表1-3 JavaでのXMLの生成
| テクノロジ | 図1-7のラベル | 説明 |
|---|---|---|
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XSQLサーブレット |
A |
XSUとXMLパーサーを含みます。 |
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XSU |
B |
XMLパーサーを含みます。 |
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JDBC |
C |
出力データをXMLパーサーに送信します。 |
図1-7では、ソフトウェア・プログラムでどのような方法によってデータベースからXMLを生成するかにかかわらず、プログラムでXML文書に対して実行可能なさらなる処理を示しています。表1-4に、この追加処理を実行するために使用できるコンポーネントの一部を示します。
表1-4 Java XDKによる追加の文書処理
| テクノロジ | 図1-7のラベル | 説明 |
|---|---|---|
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JAXB |
D |
入力XMLスキーマに対応したJavaクラス・ファイルを生成します。 |
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JavaBeans |
E |
XML文書を別のXML文書と比較できます。 |
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XSLT |
F |
XSLTスタイルシートを使用してXML文書をXHTMLに変換します。 |
図1-8に、リレーショナル・データからXML文書を生成するために使用できるOracle XDK C言語コンポーネントを示します。表1-1に、XDK Cコンポーネントを示します。
図1-8に示すとおり、XDKを使用して、XML文書を処理するCプログラムを次のように作成できます。
Oracle Call Interface(OCI)またはPro*C/C++プリコンパイラを介して、SQL問合せをデータベースに送信します。プログラムではXML DBのXMLビュー機能を利用する必要があります。
結果のXMLデータをXMLパーサーで処理するか、CLOBからXML文書として処理します。
XSLTプロセッサで文書を変換してXML対応ブラウザに送信するか、ソフトウェア・プログラムに送信してさらなる処理を行います。
図1-9に、XML文書を生成するために使用できるOracle XDK C++コンポーネントを示します。表1-1に、XDK C++コンポーネントを示しています。
図1-9に示すとおり、XDKを使用して、XML文書を処理するC++プログラムを次のように作成できます。
Oracle C++ Call Interface(OCCI)Pro*C/C++コンパイラを介して、SQL問合せをデータベースに喪心します。
結果のXMLデータをXMLパーサーで処理するか、CLOBからXML文書として処理します。
XSLTプロセッサで文書を変換してXML対応ブラウザに送信するか、ソフトウェア・プログラムに送信してさらなる処理を行います。
図1-10に、XDKコンポーネントを使用するソフトウェア・プログラムを開発するために使用できるツールとフレームワークの一部を示します。たとえば、Oracle JDeveloperを使用すると、データベースに問合せを実行し、XMLを生成して追加の処理を実行するJavaクライアントを作成できます。従業員がこのプログラムを使用してOracleデータベースに問合せを送信できます。プログラムでXML文書をXMLベースのビジネス・ソリューションに転送し、他のユーザーとのデータ交換、コンテンツやデータの管理などを実行できます。
この項では、E-Business開発に使用できるツールとフレームワークの一部について説明します。
Oracle JDeveloperは、E-Businessアプリケーションの開発、デバッグおよびデプロイをエンドツーエンドでサポートするJ2EE開発環境です。JDeveloperでは、ソース・コードの制御、モデリングおよびコーディングからデバッグ、テスト、プロファイリングおよびデプロイまでの一連の開発ライフ・サイクルをサポートする統合ツールを提供します。JDeveloperを使用すると、次のようなJ2EEコンポーネントを作成する開発ツールが提供されるため、開発が簡単になります。
アプレット
JavaBeans
Java Server Pages(JSP)
サーブレット
Enterprise JavaBeans(EJB)
JDeveloperは、開発環境を拡張およびカスタマイズし、外部製品と統合するためのパブリックなAPIも提供します。
JDeveloperに統合されたOracle XDKは、XMLを作管理する多くの方法を提供します。たとえば、XSQLサーブレットを使用して次のタスクを実行できます。
データベース情報の問合せと操作
XML文書の生成
XSLTスタイルシートを使用したXMLの変換
Web上へのXMLの配信
JDeveloperには、XMLスキーマやXSLTスタイルシートなどのXML Schemaに基づく文書に使用できる、統合されたXMLスキーマ駆動のコード・エディタが搭載されています。エディタでは、特定の言語に対してスキーマを指定するのみで、指定したマークアップ言語のドキュメントを効率的に作成できます。Code Insight機能を使用すると、XML文書内の要素や属性に対する有効な代替の要素や属性のリストを取得できます。
Oracle JDeveloperによって、Javaアプリケーション・コードと、XMLデータおよびXML文書の同時使用が簡単になります。Oracle JDeveloperでは、次のようなXML開発モジュールをドラッグ・アンド・ドロップで使用できます。
XMLのカラー化された構文ハイライト表示
XMLおよびXSL用の組込み構文確認
XMLスキーマ文書の編集サポート
XSQLページおよびサーブレットのサポート
Oracle XML Parser for Java
XSLTプロセッサ
XDK for JavaBeansのコンポーネント
XSQL Page Wizard
XSQLアクション・ハンドラ
スキーマ駆動XMLエディタ
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関連項目: JDeveloperの詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/overview/index.htmlを参照してください。 |
UIX(User Interface XML)は、XML対応Webアプリケーションを開発するためのフレームワークです。UIXは、主に、プログラムのユーザー・プレゼンテーション・レイヤーを対象としたテクノロジですが、イベントおよびアプリケーション・フローを管理するための追加機能もあります。UIXは、統合開発環境(IDE)などの高度な対話を必要とするフル機能のプログラムではなく、ページ・ベースのナビゲーションが行われるオンライン人事管理プログラムなどを作成するために使用できます。
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関連項目:
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Oracle Reports DeveloperおよびOracle Reports Serverは、動的に生成されたWebレポートを作成および公開できる開発ツールです。ウィザードに従って主要なタスクを簡単に使用できます。レポート・テンプレートおよびライブ・データ・プレビューを使用して、レポートの構造をカスタマイズできます。標準のWebブラウザを使用して、企業内で次のような形式のレポートを公開できます。
XML
CSSを使用した、または使用しないHTML
テキスト
RTF
PostScript
PCL
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関連項目: Oracle Reportsのドキュメントへのリンクは、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.htmlにあります。 |
Oracle XML Gatewayの一連のサービスによって、Oracle E-Business Suiteと統合し、ビジネス・イベントがトリガーするXMLメッセージを作成および使用できます。XML Gatewayは、Oracle Streams Advanced Queuingと統合し、メッセージをエンキューおよびデキューします。これらのメッセージは、任意のメッセージ転送エージェントを介して、ビジネス・パートナとの間で送受信されます。
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関連項目:
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Oracle Data Provider for .NET (ODP.NET)は、Oracle Database用のデータ・プロバイダの実装です。ODP.NETはOracleにネイティブのAPIを使用して、すべての.NETアプリケーションからOracleのデータと機能に高速かつ確実にアクセスできるようにします。また、Microsoft .NET Frameworkクラス・ライブラリで使用できるクラスとインタフェースも使用および継承します。
ODP.NETとXDKを使用すると、リレーショナル表およびオブジェクト・リレーショナル表からデータを抽出し、XML文書として表示できます。データベース・サーバーへの挿入、更新および削除操作にXML文書を使用することもできます。ODP.NETは、XML DBを介してデータベース内にネイティブのXMLをサポートします。
ODP.NETは、次の機能を使用してXMLをサポートします。
OracleにネイティブのタイプXMLTypeとして、データベース・サーバーにネイティブのXMLデータを格納します。
Oracleデータベース・インスタンスからMicrosoft .NET環境へのXMLデータとして、リレーショナル・データおよびオブジェクト・リレーショナル・データにアクセスし、Microsoft .NETフレームワークを使用してXMLを処理します。
XMLデータを使用して、変更をデータベース・サーバーに保存します。
.NETアプリケーション開発者の場合、次の機能が含まれます。
OracleCommand、OracleConnectionおよびOracleDataReaderクラスへの拡張機能
XML固有のクラス:
OracleXmlType
OracleXmlStream
OracleXmlQueryProperties
OracleXmlSaveProperties
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関連項目: 『Oracle Data Provider for .NET開発者ガイド』 |
この項では、CD-ROMから、またはOracle Technology Network(OTN)よりダウンロードしたアーカイブからOracle Databaseをインストールしたと想定します。Oracle Database CDを使用すると、Oracle XDKがデフォルトでインストールされます。XDKのデモを入手するには、Oracle Database Examplesメディアからデモ・プログラムをインストールする必要があることに注意してください。このマニュアルでは、XDKのデモ・プログラムにアクセスできると想定しています。
Oracle DatabaseとデモをOracle Database Examplesメディアからインストールした後、Oracle Databaseホームを次のように設定する必要があります。
- Oracle_home_directory
| - bin: includes XDK executables
| - lib: includes XDK libraries
| - jlib: includes Globalization Support libraries for the XDK
| - nls: includes binary files used as part of globalization support
| - xdk: XDK scripts, message files, documentation, and demos
readme.html
| - admin: SQL scripts and XSL Servlet Configuration
file (XSQLConfig.xml)
| - demo: sample programs (installed from Oracle Database Examples media)
| - c
| - cpp
| - java
| - jsp
| - doc: release notes and readme
content.html
index.html
license.html
title.html
| - cpp
| - images
| - java
| - include: header files
| - mesg: error message files
XDKをインストールしたディレクトリをXDKホームといいます。$XDK_HOME環境変数(UNIX)または%XDK_HOME%(Windows)にOracleホームのXDKディレクトリを設定します。たとえば、UNIXではcshを使用して次のようにXDKホームを設定できます。
setenv XDK_HOME $ORACLE_HOME/xdk
