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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56271-15
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Oracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成に関する新機能

ここでは、Oracle Grid Infrastructure(Oracle ClusterwareとOracle Automatic Storage Management)およびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールおよび構成に関連する新機能について説明します。このマニュアルは、『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』に置き換るものです。内容は次のとおりです。

リリース2(11.2.0.4)の新機能

リリース2(11.2.0.4)の新機能は、次のとおりです。

クラスタおよびOracle RAC診断ツールの拡張機能

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)以上から、Oracle Grid Infrastructureをインストールすると、トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタが自動的にインストールされます。トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタは、Oracle Clusterware、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACシステムの診断データの収集を簡素化する、診断を収集するためのユーティリティです。


注意:

トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタは、Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)以上で使用可能です。


関連項目:

トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

Oracle Databaseのヘルス・チェックおよびベスト・プラクティスの推奨事項

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)に含まれるOracle RAC構成監査ツール(RACcheck)では、構成の既知の問題、ベスト・プラクティス、通常のヘルス・チェックおよびアップグレード前後のベスト・プラクティスに対して、単一インスタンスおよびOracle RACデータベースのインストールを評価できます。


注意:

Oracle RAC構成監査ツールは、Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)以上に含まれています。


関連項目:

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

リリース2 (11.2.0.4)でサポート対象外となったオプション

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)では、次の機能のサポートが終了しています。

OUIでのブロック・デバイスおよびRAWデバイスの非サポート

このリリースでは、ブロック・デバイスまたはRAWデバイスへのOracle ClusterwareファイルのインストールがOUIでサポートされなくなりました。Oracle Clusterwareファイルは、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループまたはサポートされている共有ファイル・システムのいずれかにインストールしてください。

-cleanupOBaseの非推奨

削除ツールの-cleanupOBaseフラグは、このリリースでは非推奨です。このフラグの代替機能はありません。

リリース2(11.2.0.3)の新機能

リリース2(11.2.0.3)の新機能は、次のとおりです。

Oracle ACFSおよびADVMでのOracle Linux (UEK)のサポート

Linux x86-64 bitシステム用のOracle ASM 11gリリース2(11.2.0.3)では、サポートされているOracle LinuxカーネルのOracle LinuxカーネルUEK5-2.6.32-100.34.1および2.6.32-100カーネルの後続の更新でのOracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(ACFS)およびOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(ADVM)がサポートされます。

Oracle ACFSおよびADVMでのSUSE Enterprise Linux 11のサポート

Linux x86-64 bitシステム用のOracle ASM 11gリリース2(11.2.0.3)では、SUSE Enterprise Linux 11 Service Pack 1(SLES11 SP1)(64 bitのみ)で、Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)およびOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(ADVM)がサポートされます。

Oracle Clusterwareのアップグレード構成の強制機能

アップグレードの途中でノードにアクセスできなくなった場合、リリース11.2.0.3以上では、-forceフラグを指定してrootupgrade.shスクリプトを実行し、アップグレードを強制的に完了させることができます。

リリース2(11.2.0.2)の新機能

リリース2(11.2.0.2)の新機能は、次のとおりです。

Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの構成ウィザード

Oracle Grid Infrastructure構成ウィザードを使用すると、ソフトウェアのみのインストールを実行した後、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアを構成できます。このウィザードでは、順を追ってプロセスが進められるため、config_params構成ファイルを手動で編集する必要がなくなりました。


関連項目:

構成ウィザードの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

拡張されたパッチ・セットのインストール

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)のリリース11.2.0.2以降のパッチ・セットでは、Oracle Grid Infrastructureのパッチ・セットによってOracle Grid Infrastructureソフトウェアが完全にインストールされます。新しいパッチ・セットのパッケージの次の変更に注意してください。

  • 以前のリリース(11.x、10.x)からの最新のパッチ・セットへの直接アップグレードがサポートされます。

  • アウトオブプレース・パッチ・セット・アップグレードのみがサポートされます。アウトオブプレース・アップグレードでは、新しい個別のホームにパッチ・セットをインストールします。

  • 新規インストールでは、基になるリリースをインストールしてからパッチ・リリースにアップグレードするのではなく、最新のパッチ・セットをインストールします。


関連項目:

My Oracle SupportのNote 1189783.1「Important Changes to Oracle Database Patch Sets Starting With 11.2.0.2」を参照してください。次のURLから入手可能です。

https://support.oracle.com


Oracle ACFSおよびADVMでのSUSE Enterprise Linuxのサポート

Linux x86-64 bitシステム用のOracle ASM 11g リリース2(11.2.0.2)以上では、SUSE Enterprise Linux 10 Service Pack 3(SLES10 SP3)以上のSLES10サービス・パック(64 bitのみ)で、Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)およびOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(ADVM)がサポートされます。

Oracle Clusterwareに含まれたクラスタ状態モニター

クラスタ状態モニターはリアルタイムにオペレーティング・システムのメトリックを収集し、後で分析するためにリポジトリに格納します。これによって、Oracleサポートの支援を受けながら、Oracle ClusterwareおよびOracle RACの多くの問題の原因を判断できるようになります。

また、クラスタ状態モニターは、ノードでのメモリーのオーバーコミットメントを検出するためのメトリックを提供することによって、Oracle Databaseにおけるサービスのクオリティ管理(QoS)とあわせて使用することもできます。QoS管理は、負荷を軽減するためにオーバーロードしたノードのサービスを停止して、既存のワークロードを保持することができます。

QoS管理をサポートするために、Oracle Database Resource Managerおよびメトリックは、ファイン・グレイン・パフォーマンス・メトリックをサポートするように拡張され、ユーザー定義のパフォーマンス・クラスを使用してワーククロードを管理できるようにもなりました。


注意:

クラスタ状態モニターは、IBM: Linux on System zでは使用できません。

グリッド・インストールの所有者およびASMOPER

インストール中に「権限付きオペレーティング・システム・グループ」ウィンドウでグループをASM用のOSOPERグループとして指定することはオプションになりました。ASM用のOSOPERグループを作成する場合は、すべてのクラスタ・メンバー・ノードで構成したグループ名をASM用のOSOPERグループとして入力できます。また、Oracle Grid Infrastructureのインストール所有者は、メンバーである必要がなくなりました。

新しいソフトウェア更新オプション

ソフトウェアの更新機能を使用し、Oracle Databaseインストールの一部として、ソフトウェアの更新を動的にダウンロードして適用します。downloadUpdatesオプションを使用して更新を個別にダウンロードし、更新が格納されている場所を指定することによって、インストール中に後で適用することもできます。

冗長インターコネクトの使用

以前のリリースでは、インターコネクトに冗長ネットワークを使用するには、ボンディング、トランキング、チーム化などのテクノロジが必要でした。現在、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACは冗長ネットワーク・インターコネクトを使用できるようになり、他のネットワーク・テクノロジを使用しなくても、クラスタ内の最適な通信を拡張できるようになりました。この機能は、Oracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)以上で使用可能です。

冗長インターコネクトを使用することによって、複数(最大4つ)のプライベート・ネットワーク(インターコネクトとも呼ばれる)におけるロード・バランシングおよび高可用性が実現します。

Oracle Databaseのサービスのクオリティ管理

データベースにおけるサービスのクオリティ管理(QoS)サーバーを使用すると、正確な実行時パフォーマンスとリソース・メトリックを関連付け、エキスパート・システムで分析することによって、システム管理者がOracle Databaseクラスタに干すティングされたアプリケーションのサービス・レベルを管理できるようになり、ポリシー・ベースのパフォーマンス目的を満たす推奨リソース調整を生成することができます。

Oracle Databaseのサービスのクオリティ管理は、Linux on System zでは使用できません。


関連項目:

『Oracle Database Quality of Service Managementユーザーズ・ガイド』

リリース2(11.2)の新機能

Oracle ClusterwareおよびOracle ASM 11gリリース2(11.2)のインストールに関する新機能は、次のとおりです。

Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareのインストール

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(11.2)では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)およびOracle Clusterwareが1つのホーム・ディレクトリ(Grid Infrastructureホーム)にインストールされます。インストーラのインタビュー・プロセスが終了すると、Oracle ASMおよびOracle Clusterwareを構成するコンフィギュレーション・アシスタントが起動します。

これらの製品を組み合せたインストール環境をOracle Grid Infrastructureと呼びます。ただし、Oracle ClusterwareとOracle Automatic Storage Managementは依然として別々の製品です。


関連項目:

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure(Oracle ASMおよびOracle Clusterwareバイナリ)をインストールする方法の詳細は、Linux用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。この機能によって、シングル・インスタンス・サーバーの高可用性が保証されます。

Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareのファイル

このリリースでは、Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスクをOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)に配置できます。

この機能により、Oracle ASMは、統合ストレージ・ソリューションとして、他社のボリューム・マネージャやクラスタ・ファイル・システムを使用せずに、クラスタウェアおよびデータベースのすべてのデータを保存できます。

新しいインストール環境では、Oracle ASM、クラスタ・ファイル・システムまたはNFSシステムのいずれかにOCRと投票ディスクのファイルを配置できます。既存システムがアップグレードされる場合を除いて、RAWデバイスまたはブロック・デバイスへのOracle Clusterwareファイルのインストールはサポートされなくなりました。

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、複数のプラットフォームに対応するスケーラブルな新しいファイル・システムとしてストレージを管理します。このシステムにより、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)テクノロジは、アプリケーション・データをすべてサポートするように拡張されます。Oracle ACFSでは、ファイル・システムの動的なサイズ変更が可能で、使用可能なすべてのディスクにわたる分散、バランシングおよびストライプ化のテクノロジによってパフォーマンスを向上させ、Oracle ASMが提供するミラー化およびパリティ保護によってストレージの信頼性をもたらします。

SYSASMによるOracle ASM役割区分オプション

Oracle ASM 11gリリース1(11.1)で導入されたSYSASM権限が、SYSDBA権限と完全に分離されました。このオプション機能を使用すると、OSASMおよびOSDBAグループとして異なるオペレーティング・システム・グループを指定した場合に、OSASMグループのメンバーのみがSYSASM管理権限を使用できます。Oracle ASMインスタンス上でパスワード認証を使用して、SYSASM権限を付与することもできます。

OPERATOR権限(Oracle ASMの起動および停止権限を含む、SYSASM権限のサブセット)をASMグループのOSOPERのメンバーに指定できます。

SYSDBA権限のかわりにSYSASM権限を使用して記憶域層に対するシステム権限を付与すると、Oracle ASM管理とデータベース管理での役割を明確に区別できます。また、同じ記憶域を使用する異なるデータベース間で、互いのファイルを誤って上書きするのを防ぐこともできます。


関連項目:

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

クラスタ時刻同期化サービス

クラスタ・ノードの時刻は、同期させておく必要があります。このリリースのOracle Clusterwareでは、同期サービスがクラスタ内にあることを保証するクラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を提供しています。クラスタの構成時にネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)が検出されなかった場合は、CTSSが構成されて時刻の同期が保証されます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlのプロビジョニング

Oracle Enterprise Manager Database Control 11gには、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストール環境を新しいノードに自動的にプロビジョニングし、そのノードに対してOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの既存のデータベースを拡張する機能があります。このプロビジョニング手順を実行するには、この機能を使用する前にOracle RACが正しくインストールされている必要があります。


関連項目:

この機能の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

修正スクリプトおよびグリッド・インフラストラクチャのチェック

Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)では、インストールの最小要件を満たしていない場合はOracle Universal Installer(OUI)によって検知され、要件を満たしていないシステム構成の多くを解決するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプト・プログラムが作成されます。「修正可能」とマークされている不完全な作業がOUIで検知されたときは、「修正および再チェック」ボタンをクリックして修正スクリプトを生成することで、簡単に問題を解決できます。

修正スクリプトはインストール中に生成されます。rootとして別の端末セッションでスクリプトを実行するように求められます。スクリプトを実行すると、必要に応じて各カーネル値を最小要件まで引き上げ、その他のオペレーティング・システム構成タスクが完了します。

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)で、インストールの前に修正スクリプトを生成することもできます。

グリッドのプラグ・アンド・プレイ

これまでは、クラスタ内のサーバーを追加または削除しようとすると、様々な準備を手動で行う必要がありました。今回のリリースでは、引続き手動でサーバー・ノードを構成することも、クラスタでノードが追加または削除されたときに、グリッドのプラグ・アンド・プレイを使用して動的に構成することもできます。

グリッドのプラグ・アンド・プレイは、サーバー・ノードのインストール、構成および管理にかかるコストを低減できます。これは、クラスタ内でグリッド・ネーミング・サービスを起動し、各ノードで次のタスクを動的に実行できるようすることで実現されます。

  • ノードの適切なネットワークIDをネゴシエートする。

  • 動作に必要な追加情報を構成プロファイルから取得する。

  • プロファイル・データを使用してノードを構成または再構成し、ホスト名およびアドレスをネットワーク上で解決可能にする。

これらのタスクはサーバーによって動的に実行されるため、ノードの追加または削除に必要な手順は最小限です。

入出力フェンシング・プロセスの改良

Oracle Clusterware 11g リリース2(11.2)では、oprocdおよびHangcheckプロセスを、クラスタ同期サービス・デーモンのエージェントおよびモニターに置き換えることによって、より正確にハングを認識できるようになり、誤終了を回避します。

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)の統合

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)は、現在、多くのサーバーに搭載されている業界標準の管理プロトコルです。IPMIはオペレーティング・システムとは別に動作し、システムの電源が投入されていなくても動作します。IPMIを搭載したサーバーには、サーバーとの通信に使用されるBaseboard Management Controller(BMC)が組み込まれています。

IPMIが構成されていると、ノード・フェンシングが必要で、かつサーバーが応答していないときに、Oracle ClusterwareでIPMIが使用されます。

Oracle Clusterwareのアウトオブプレース・アップグレード

このリリースでは、既存のOracle Clusterwareインストール環境とは別のホームに新しいバージョンのOracle Clusterwareをインストールできます。この機能により、クラスタ内のノードのアップグレードに必要な停止時間が短縮されます。アウトオブプレース・アップグレードを行う場合、ソフトウェアの新旧バージョンがノード上で同時に、それぞれ異なるホームの場所に存在することになりますが、アクティブになるソフトウェア・バージョンは1つのみです。

Oracle Enterprise Managerを使用したOracle Clusterwareの管理

このリリースでは、高可用性アプリケーションおよびOracle Cluster Resource Managementを使用し、スタンドアロン・データベース環境とOracle RAC環境の両方について、Oracle Enterprise Managerの「クラスタ・ホーム」ページから、すべての管理および監視を行うことができます。

Oracle Enterprise ManagerがOracle Clusterwareとともにインストールされている場合は、Oracle Enterprise ManagerでOracle Clusterwareの管理者ロールを持つ一連のユーザーが用意されており、高可用性アプリケーションおよびOracle Clusterwareのリソース管理に必要なすべての管理および監視を実行できます。インストールが完了してOracle Enterprise Managerをデプロイしたら、Oracle Enterprise Managerを使用して、クラスタに追加するノードのプロビジョニングを実行できます。

SCANによるクライアント・アクセスの簡略化

このリリースでは、単一クライアント・アクセス名(SCAN)が、クラスタに接続するすべてのクライアントに提供されるホスト名です。SCANは、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)またはグリッド・ネーミング・サービス(GNS)のいずれかにある、1つ以上3つ以下のIPアドレスに登録されたドメイン名です。SCANによって、クラスタに対してノードを追加または削除するときに、クライアントを変更する必要がなくなります。SCANを使用するクライアントは、EZCONNECTを使用してクラスタにアクセスすることもできます。

パッチ処理に対するSRVCTLコマンドの機能強化

このリリースでは、パッチ処理の準備をするために、サーバー制御ユーティリティのSRVCTLを使用して、Oracleホーム内で実行されているすべてのOracleソフトウェアを停止できます。Oracle Grid Infrastructureのパッチ処理は、すべてのノードで自動化されています。パッチは、複数のノードにマルチパッチ方式で適用できます。

標準インストール・オプション

クラスタのインストールを簡単に行うため(特にクラスタリングを初めて使用するお客様向けに)、標準インストールによる方法を使用できるようになりました。標準インストールでは、できるかぎり多くのオプションを、ベスト・プラクティスとして推奨されるデフォルト設定にします。

投票ディスクのバックアップ手順の変更

以前のリリースでは、ddコマンドを使用して投票ディスクをバックアップする作業が、インストール後に必要でした。Oracle Clusterwareリリース11.2以上では、ddコマンドを使用した投票ディスクのバックアップとリストアはサポートされていません。

投票ディスクを手動でバックアップする必要はなくなりました。これは、構成変更の一環としてOCRで自動的に投票ディスクがバックアップされるためです。投票ディスクが追加されると、投票ディスクのデータが自動的にリストアされます。


関連項目:

『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

リリース1(11.1)の新機能

リリース1(11.1)の新機能は、次のとおりです。

インストールに関するマニュアルでの変更

Oracle Database 11gリリース1では、Oracle Clusterwareを独立した製品としてインストールおよび構成できるため、記憶域管理に関して追加のマニュアルが提供されています。インストール計画については、次のマニュアルを参照してください。

『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』

このマニュアルでは、2ノードのOracle ClusterwareおよびOracle RAC環境をインストールおよび構成する手順の概要および例を示しています。

Oracle Clusterwareのインストレーション・ガイド

このマニュアル(現在参照中のマニュアル)では、Oracle Clusterwareをスタンドアロン製品としてインストールする手順、またはOracle ClusterwareをOracle DatabaseまたはOracle RACのいずれかとともにインストールする手順について説明しています。システム管理者権限が必要なシステム構成手順が含まれています。

Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイド

プラットフォームごとに提供されているこのマニュアルでは、Oracle Clusterwareのインストールを完了した後にOracle RACをインストールする手順について説明しています。データベース管理者用のデータベース構成手順が含まれています。

『Oracle Databaseストレージ管理者ガイド』

このマニュアルでは、ストレージの管理またはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)の構成および管理を行うデータベース管理者およびストレージ管理者用の情報を記載しています。

『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

これは、Oracle Clusterware用の管理者リファレンスです。オペレーティング・システム構成への変更およびOracle Clusterwareのクローニングに関連するタスクを含む管理タスクについて説明しています。

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

これは、Oracle RACの管理者リファレンスです。管理作業についての情報が記載されています。データベースのクローニング、ノードの追加および削除、Oracle Cluster Registry(OCR)の管理、SRVCTLおよびその他のデータベース管理ユーティリティの使用、オペレーティング・システム構成の変更のチューニングなどの作業が含まれます。

インストールに関するリリース1(11.1)の拡張機能および新機能

次に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)での拡張機能および新機能を示します。

Oracle ASMの管理における新しいSYSASM権限およびOSASMオペレーティング・システム・グループ

この機能では、Oracle ASMの管理タスクを実行するための新しいSYSASM権限が導入されています。SYSDBA権限のかわりにSYSASM権限を使用すると、Oracle ASM管理とデータベース管理での役割を明確に区別できます。

OSASMは、Oracle ASM専用に使用する新しいオペレーティング・システム・グループです。OSASMグループのメンバーは、オペレーティング・システム認証を使用してSYSASMとして接続し、Oracle ASMに対して完全なアクセス権を所有しています。

Oracle Preinstallation RPM (以前のOracle Validated RPM)

Oracle Preinstallation RPMは、Red Hat Enterprise LinuxまたはOracle Linuxオペレーティング・システムを使用してサーバーにインストールできます。Unbreakable Linux Network(ULN)から入手できます。このRPMによって、Oracle Clusterwareのインストールに必要なほとんどのインストール前の構成タスク(カーネル・パラメータの設定、必要なカーネルRPMの追加など)が完了します。また、Oracle RACのインストール用のサーバーの準備も行います。ご使用のサーバーをUnbreakable Linux Networkに登録するか、または詳しい情報を検索するには、次のURLを参照してください。

https://linux.oracle.com