この付録では、トラブルシューティングについて説明します。内容は次のとおりです。
この付録に記載されているトラブルシューティングの手順を実行する前に、システムが要件を満たしており、第2章に示されているインストール前の作業がすべて完了していることを確認してください。
リリース・ノートの参照
製品をインストールする前に、その製品に関するリリース・ノートを参照してください。リリース・ノートは、Oracle Database 11gのDVDで提供されています。最新版のリリース・ノートは、次の場所からも入手できます。
http://docs.oracle.com/
Oracle Universal Installerをリモート・システム上で実行し、ローカル・システム上でOracle Universal Installerのユーザー・インタフェースを表示しようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。
"Failed to connect to server" "Connection refused by server" "Can't open display"
このうちいずれかのエラー・メッセージが表示された場合は、次の手順を実行してください。
注意: この手順は、UNIXワークステーションのユーザーにのみ適用されます。Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたは他のシステムを使用している場合、リモート・システムでローカル・システムにXアプリケーションを表示できるようにする方法については、Xサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。 |
ローカル・ターミナル・ウィンドウから、X Windowセッションを起動したユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
$ xhost fully_qualified_remote_host_name
次に例を示します。
$ xhost somehost.us.example.com
次のコマンドを入力します。workstation_name
は、ワークステーションのホスト名またはIPアドレスです。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ DISPLAY=workstation_name:0.0
$ export DISPLAY
Cシェルの場合:
% setenv DISPLAY workstation_name:0.0
X Windowアプリケーションがローカル・システムで正しく表示されるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ xclock
Xクロックがモニターに表示されます。
Xクロックが表示されたら、Xクロックを閉じ、Oracle Universal Installerを再起動します。
インストール中にエラーが発生した場合は、次のように操作してください。
Oracle Universal Installerを終了しないでください。
インストール画面の1つに間違った情報を入力して「次へ」をクリックした場合は、「戻る」をクリックして元の画面に戻り、情報を訂正します。
Oracle Universal Installerでファイルのコピーまたはリンクの際にエラーが発生した場合は、-debug
オプションを指定してOracle Universal Installerを再度実行します。
$./runInstaller -debug
ログ・ファイルの詳細を確認します。「インストール・セッションのログの確認」を参照してください。
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にエラーが発生した場合は、「コンフィギュレーション・アシスタントのトラブルシューティング」を参照してください。
問題を解決できない場合は、「インストール失敗後のクリーン・アップ」の手順に従って、失敗したインストールの内容を削除してください。
インストール中には、Oracle Universal Installerにより実行されるすべてのアクションがログ・ファイルに記録されます。インストール中にエラーが発生した場合は、問題の原因と考えられる情報をログ・ファイルで確認してください。
ログ・ファイルを表示する手順は、次のとおりです。
必要な場合は、次のコマンドを入力して、oraInventory
ディレクトリの位置を確認してください。
$ cat etc/oraInst.loc
oraInventory
ディレクトリの位置は、このファイルのinventory_loc
パラメータで指定します。
次のコマンドを入力して、ディレクトリをOracle Universal Installerのログ・ファイル・ディレクトリに変更します。orainventory_location
には、oraInventory
ディレクトリの位置を指定します。
$ cd /orainventory_location/logs
次のコマンドを入力して、ログ・ファイルの名前を指定します。
$ ls -ltr
このコマンドを実行すると、ファイルが作成順に表示され、直近に作成されたファイルが最後に表示されます。Oracle Universal Installerのログ・ファイルは、次のような形式の名前で保存されています。date_time
は、インストールが開始された日時を示します。
installActionsdate_time.log
問題に関する情報が含まれている可能性が高いログ・ファイルの最新エントリを表示するには、次のようなコマンドを入力します。
$ tail -50 installActionsdate_time.log | more
このコマンドを実行すると、ログ・ファイルの最後の50行が表示されます。
Oracle Universal Installerにより表示されたエラーまたはログ・ファイルに記録されたエラーが、再リンクに問題があることを示している場合は、次のファイルで詳細を確認してください。
$ORACLE_HOME/install/make.log
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に発生したインストール・エラーのトラブルシューティング方法は、次のとおりです。
「インストール・セッションのログの確認」に示したインストール・ログ・ファイルを確認します。
$ORACLE_HOME/cfgtoollogs
ディレクトリにある特定のコンフィギュレーション・アシスタントのログ・ファイルを確認します。エラーの原因となった問題を修正します。
次が表示された場合、「致命的エラー。再インストール」メッセージ、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調べます。これ以降の手順は、「致命的エラー」を参照してください。
Oracleのコンフィギュレーション・アシスタントの障害は、インストール画面の最下部に表示されます。追加情報がある場合は、コンフィギュレーション・アシスタントのインタフェースに表示されます。コンフィギュレーション・アシスタントの実行ステータスは、次のファイルに格納されます。
oraInventory_location/logs/installActionsdate_time.log
次の表に、実行ステータス・コードを示します。
ステータス | 結果コード |
---|---|
コンフィギュレーション・アシスタントの正常終了 | 0 |
コンフィギュレーション・アシスタントの異常終了 | 1 |
コンフィギュレーション・アシスタントの取消し | -1 |
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に致命的エラーが発生した場合は、次の手順に従って現在のインストールを削除し、Oracleソフトウェアを再インストールしてください。
「インストール失敗後のクリーン・アップ」の説明に従って、失敗したインストールの内容を削除します。
致命的エラーの原因を修正します。
Oracleソフトウェアを再インストールします。
Oracleホームにおいて次の状況のいずれかに該当する場合は、opatch lsinventory -detail
コマンドを実行してインベントリの内容を表示し、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』のインベントリの破損からのリカバリに関する項を参照して問題を修正します。
インベントリの手順を完了せずに、Oracleホームがクローニングされている場合。
不良インベントリが存在する場合。
インベントリが使用できないのに、別のOracleホームにOracle Enterprise Manager Agentがインストールされた時に作成されている場合。
画面の解像度を640x480または800x600にしてOracleデータベースに接続している場合、タスクバーの背後に隠れてしまうため、GUIの「次へ」ボタンが表示されません。この問題を解決するには、次のいずれかを実行します。
タスクバーを非表示にします。
Oracle Universal Installerの画面を上に移動します。
画面の解像度を1024x768以上に設定します。
サイレント・モード・インストールが正常に実行されたかどうかを判断するには、次のログ・ファイルを参照してください。
/oraInventory_location/logs/silentInstalldate_time.log
必要な場合は、前項を参照してoraInventory
ディレクトリの位置を確認してください。
サイレント・インストールは、次の場合に失敗します。
レスポンス・ファイルを指定していない場合
不正または不完全なレスポンス・ファイルを指定している場合
Oracle Universal Installerにディスク領域不足などのエラーが発生した場合
Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは、実行時にレスポンス・ファイルの妥当性を検査します。妥当性検査に失敗すると、サイレント・モード・インストールまたは構成プロセスは終了します。
インストールが失敗した場合は、インストールの際にOracle Universal Installerによって作成されたファイルを、削除ツールを使用して削除する必要があります。削除ツールの実行方法の詳細は、「削除ツールについて」を参照してください。