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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58876-07
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Oracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成に関する新機能

ここでは、Microsoft WindowsプラットフォームでのOracle Grid Infrastructure(Oracle ClusterwareとOracle Automatic Storage Management)のインストールおよび構成に関連する新機能について説明します。『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』ではなくこのマニュアルを使用してください。内容は次のとおりです。

サポートが終了したオプション

次の事項に注意してください。

  • OUIでのRAWデバイスの非サポート

    Oracle Database 11gリリース2以降、RAWデバイスへのOracle ClusterwareファイルのインストールがOracle Universal Installer(OUI)でサポートされなくなりました。Oracle Clusterwareファイルは、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ディスク・グループまたはサポートされている共有ファイル・システムのいずれかにインストールしてください。

  • 削除ツールでの-cleanupOBaseオプションのサポートの終了

    Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以上でdeinstall実行ファイルの-cleanupOBaseオプションがサポート対象外となりました。このフラグの代替機能はありません。

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)の新機能

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)以上で使用可能な新機能を次に示します。

Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2のサポート

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降、Oracle Databaseサーバー、クライアントおよびOracle RACはWindows Server 2012 (64ビット版のみ)およびWindows Server 2012 R2 (64ビット版のみ)でサポートされています。


注意:

Windows Databaseバンドル・パッチ11.2.0.4.11がWindows Server 2012 R2のサポートに必要です。

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.3)の新機能

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.3)以上で使用可能な新機能を次に示します。

Oracle Clusterwareに含まれたクラスタ状態モニター

クラスタ状態モニターはリアルタイムにオペレーティング・システムのメトリックを収集し、後で分析するためにリポジトリに格納します。これによって、Oracleサポートの支援を受けながら、Oracle ClusterwareおよびOracle RACの多くの問題の原因を判断できるようになります。

また、クラスタ状態モニターは、ノードでのメモリーのオーバーコミットメントを検出するためのメトリックを提供することによって、Oracle Databaseにおけるサービスのクオリティ管理(QoS)とあわせて使用することもできます。QoS管理は、負荷を軽減するためにオーバーロードしたノードのサービスを停止して、既存のワークロードを保持することができます。

QoS管理をサポートするために、Oracle Database Resource Managerおよびメトリックは、ファイン・グレイン・パフォーマンス・メトリックをサポートするように拡張され、ユーザー定義のパフォーマンス・クラスを使用してワーククロードを管理できるようにもなりました。

Oracle Databaseのサービスのクオリティ管理

データベースにおけるサービスのクオリティ管理(QoS)サーバーを使用すると、正確な実行時パフォーマンスとリソース・メトリックを関連付け、エキスパート・システムで分析することによって、システム管理者がOracle Databaseクラスタに干すティングされたアプリケーションのサービス・レベルを管理できるようになり、ポリシー・ベースのパフォーマンス目的を満たす推奨リソース調整を生成することができます。


関連項目:

『Oracle Database Quality of Service Managementユーザーズ・ガイド』

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.2)の新機能

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.2)以上で使用可能な新機能を次に示します。

拡張されたパッチ・セットのインストール

Oracle Grid Infrastructureパッチ・セットは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの完全インストールを行います。新しいパッチ・セットのパッケージ内容について、次の変更点に注意してください。

  • 前のリリース(11.x、10.2.x)から最新のパッチ・セットへの直接アップグレードがサポートされます。

  • アウトオブプレース・パッチ・セット・アップグレードのみがサポートされます。アウトオブプレース・アップグレードでは、新しい個別のホームにパッチ・セットをインストールします。

  • 新規インストールでは、基になるリリースをインストールしてからパッチ・リリースにアップグレードするのではなく、最新のパッチ・セットをインストールします。


関連項目:

My Oracle SupportのDoc ID 1189783.1「Important Changes to Oracle Database Patch Sets Starting With 11.2.0.2」を参照してください。次のURLから入手可能です。

https://support.oracle.com


新しいソフトウェア更新オプション

ソフトウェアの更新機能を使用し、Oracle Databaseインストールの一部として、ソフトウェアの更新を動的にダウンロードして適用します。downloadUpdatesオプションを使用して更新を個別にダウンロードし、更新が格納されている場所を指定することによって、インストール中に後で適用することもできます。

インストール後のクラスタ構成用のスタンドアロン構成ウィザード

クラスタ用Oracle Grid InfrastructureとOracle Database 11gリリース2のインストールには、ソフトウェア専用オプションが含まれます。構成ウィザードは、ソフトウェアのインストールとは関係なく、クラスタ構成を完了することで、管理者を支援します。このウィザードでは、順を追ってプロセスが進められるため、config_params構成ファイルを手動で編集する必要がなくなりました。

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)の新機能

Oracle ClusterwareおよびOracle ASM 11gリリース2 (11.2)のインストールに関する新機能は、次のとおりです。

Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareのインストール

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)では、Oracle ASMおよびOracle Clusterwareが1つのホーム・ディレクトリ(Gridホーム)にインストールされます。インストーラのインタビュー・プロセスが終了すると、Oracle ASMおよびOracle Clusterwareを構成するコンフィギュレーション・アシスタントが起動します。

これらの製品を組み合せたインストール環境をOracle Grid Infrastructureと呼びます。ただし、Oracle ClusterwareとOracle ASMは依然として別々の製品です。

Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareファイル

このリリースでは、Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスクをOracle ASMに配置できます。

この機能により、Oracle ASMは、統合ストレージ・ソリューションとして、他社のボリューム・マネージャやクラスタ・ファイル・システムを使用せずに、クラスタウェアおよびデータベースのすべてのデータを保存できます。

新しいインストール環境では、Oracle ASMまたはクラスタ・ファイル・システムのいずれかにOCRと投票ディスクのファイルを配置できます。現在RAWデバイスを使用しているシステムをアップグレードする場合を除いて、格納にRAWデバイスを使用してOracle Clusterwareファイルをインストールできません。

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、新しいマルチプラットフォームのスケーラブルなファイル・システムであり、Oracle ASMテクノロジを強化し、あらゆるアプリケーション・データをサポートするためのストレージ管理設計です。Oracle ACFSでは、ファイル・システムの動的なサイズ変更が可能で、使用可能なすべてのディスクにわたる分散、バランシングおよびストライプ化のテクノロジによってパフォーマンスを向上させ、Oracle ASMが提供するミラー化およびパリティ保護によってストレージの信頼性をもたらします。


注意:

Oracle ASM 11gリリース2 (11.2.0.1)では、Oracle ACFSは次のプラットフォームでのみサポートされます。
  • Windows Server 2003 64ビット

  • Windows Server 2003 R2 64ビット

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降、Oracle ACFSは次のプラットフォームでもサポートされます。

  • Windows Server 2008, 64ビット

  • Windows Server 2008 R2 64ビット

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降、Oracle ACFSは次のプラットフォームでもサポートされます。

  • Windows Server 2012, 64ビット

  • Windows Server 2012 R2 64ビット


クラスタ時刻同期化サービス

クラスタ・ノードの時刻は、同期させておく必要があります。このリリースのOracle Clusterwareでは、同期サービスがクラスタ内にあることを保証するクラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を提供しています。クラスタの構成時にネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)またはWindows Timeサービスが検出されなかった場合は、CTSSが構成されて時刻の同期が保証されます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlのプロビジョニング

Oracle Enterprise Manager Database Control 11gには、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストール環境を新しいノードに自動的にプロビジョニングし、そのノードに対してOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの既存のデータベースを拡張する機能があります。このプロビジョニング手順を実行するには、この機能を使用する前にOracle RACが正しくインストールされている必要があります。


関連項目:

この機能の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

グリッドのプラグ・アンド・プレイ

これまでは、クラスタ内のサーバーを追加または削除しようとすると、様々な準備を手動で行う必要がありました。今回のリリースでは、引続き手動でサーバー・ノードを構成することも、クラスタでノードが追加または削除されたときに、グリッドのプラグ・アンド・プレイを使用して動的に構成することもできます。

グリッドのプラグ・アンド・プレイは、サーバー・ノードのインストール、構成および管理にかかるコストを低減できます。これは、クラスタ内でグリッド・ネーミング・サービスを起動し、各ノードで次のタスクを動的に実行できるようすることで実現されます。

  • ノード自体の適切なネットワークIDのネゴシエート

  • 動作に必要な追加情報を構成プロファイルから取得する。

  • ネットワーク上でホスト名とアドレスを解決可能できるようにするための、プロファイル・データを使用したノード自体の構成または再構成

これらのタスクはサーバーによって動的に実行されるため、ノードの追加や削除に必要な手順の数は最小限です。

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)の統合

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)は、現在、多くのサーバーに搭載されている業界標準の管理プロトコルです。IPMIはオペレーティング・システムとは別に動作し、システムの電源が投入されていなくても動作します。IPMIを搭載したサーバーには、サーバーとの通信に使用されるBaseboard Management Controller(BMC)が組み込まれています。

IPMIが構成されていると、ノード・フェンシングが必要で、かつサーバーが応答していないときに、Oracle ClusterwareでIPMIが使用されます。

Oracle Clusterwareのアウトオブプレース・アップグレード

このリリースでは、既存のOracle Clusterwareインストール環境とは別のホームに新しいバージョンのOracle Clusterwareをインストールできます。この機能により、クラスタ内のノードのアップグレードに必要な停止時間が短縮されます。アウトオブプレース・アップグレードを行う場合、ソフトウェアの新旧バージョンがノード上で同時に、それぞれ異なるホームの場所に存在することになりますが、アクティブになるソフトウェア・バージョンは1つのみです。

Oracle Enterprise Managerを使用したOracle Clusterwareの管理

このリリースでは、高可用性アプリケーションおよびOracle Cluster Resource Managementを使用し、スタンドアロン・データベース環境とOracle RAC環境の両方について、Oracle Enterprise Managerの「クラスタ・ホーム」ページから、すべての管理および監視を行うことができます。

Oracle Enterprise ManagerがOracle Clusterwareとともにインストールされている場合は、Oracle Enterprise ManagerでOracle Clusterwareの管理者ロールを持つ一連のユーザーが用意されており、高可用性アプリケーションおよびOracle Clusterwareのリソース管理に必要なすべての管理および監視を実行できます。インストールが完了してOracle Enterprise Managerをデプロイしたら、Oracle Enterprise Managerを使用して、クラスタに追加するノードのプロビジョニングを実行できます。

SCANによるクライアント・アクセスの簡略化

このリリースでは、単一クライアント・アクセス名(SCAN)が、クラスタに接続するすべてのクライアントに提供されるホスト名です。SCANは、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)またはグリッド・ネーミング・サービス(GNS)のいずれかにある、1つ以上3つ以下のIPアドレスに登録されたドメイン名です。SCANによって、クラスタに対してノードを追加または削除するときに、クライアントを変更する必要がなくなります。SCANを使用しているクライアントは、簡易接続ネーミング・メソッドを使用してクラスタにアクセスすることもできます。

パッチ処理に対するSRVCTLコマンドの機能強化

このリリースでは、パッチ処理の準備をするために、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用して、Oracleホーム内で実行されているすべてのOracleソフトウェアを停止できます。Oracle Grid Infrastructureのパッチ処理は、すべてのノードで自動化されています。パッチは、複数のノードにマルチパッチ方式で適用できます。

標準インストール・オプション

クラスタのインストールを簡単に行うため(特にクラスタリングを初めて使用するお客様向けに)、標準インストールによる方法を使用できるようになりました。標準インストールでは、できるかぎり多くのオプションを、ベスト・プラクティスとして推奨されるデフォルト設定にします。

削除ツール

OUIによって、Oracleソフトウェアは削除できなくなりました。インストール・メディアのインストール前はインストール・メディアで、インストール後はOracleホーム・ディレクトリで使用可能な新しい削除ツール(deinstall.bat)を使用します。この削除ツールは、Oracle Technology Networkからもダウンロードできます。


関連項目:

詳細は、第6章「Oracle Grid Infrastructureを変更または削除する方法」を参照してください。

投票ディスクのバックアップ手順の変更

以前のリリースでは、投票ディスクをバックアップする作業が、インストール後に必要でした。Oracle Clusterwareリリース11.2以上では、投票ディスクのバックアップおよびリストアがサポートされません。

投票ディスクを手動でバックアップする必要はなくなりました。これは、構成変更の一環としてOCRで自動的に投票ディスクがバックアップされるためです。投票ディスクが追加されると、投票ディスクのデータが自動的にリストアされます。


関連項目:

『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)の新機能

Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)での新機能を次に示します。

インストール関連ドキュメントにおける変更点

Oracle Database 11gリリース1では、Oracle Clusterwareを独立した製品としてインストールまたは構成できます。また、記憶域の管理に関するドキュメントが追加されています。インストール計画については、次のマニュアルを参照してください。

『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』

このマニュアルでは、2ノードのOracle ClusterwareおよびOracle RAC環境をインストールおよび構成する手順の概要および例を示しています。

Oracle Clusterwareのインストレーション・ガイド

このマニュアル(現在参照中のマニュアル)では、Oracle Clusterwareをスタンドアロン製品としてインストールする手順、またはOracle ClusterwareをOracle DatabaseまたはOracle RACのいずれかとともにインストールする手順について説明しています。システム管理者権限が必要なシステム構成手順が含まれています。

『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』

プラットフォームごとに提供されているこのマニュアルでは、Oracle Clusterwareのインストールを完了した後にOracle RACをインストールする手順について説明しています。データベース管理者用のデータベース構成手順が含まれています。

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

このマニュアルでは、ストレージの管理またはOracle ASMの構成および管理を行うデータベース管理者およびストレージ管理者用の情報を記載しています。

『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

これは、Oracle Clusterware用の管理者リファレンスです。このリファレンスは、オペレーティング・システム構成への変更およびOracle Clusterwareのクローニングに関連するタスクを含む管理タスクについて説明しています。

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

これは、Oracle RAC用の管理者リファレンスです。これは、管理タスクについて説明しています。これらのタスクには、データベースのクローニング、ノードの追加と削除、Oracle Cluster Registry(OCR)の管理、SRVCTLおよびその他のデータベース管理ユーティリティの使用、オペレーティング・システム構成への変更の調整などがあります。

インストールに関するOracle Databaseリリース1(11.1)の拡張機能および新機能

Oracle Database 11gリリース1(11.1)での拡張機能および新機能を次に示します。

Oracle ASM管理のための新しいSYSASM権限

この機能では、Oracle ASMの管理タスクを実行するための新しいSYSASM権限が導入されています。Oracle ASMへの接続時にSYSDBA権限ではなくSYSASM権限を使用することで、Oracle ASM管理とデータベース管理の責任分担を明確にすることができます。