プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58876-07
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

6 Oracle Grid Infrastructureを変更または削除する方法

この章では、サーバーからOracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ソフトウェアを削除または構成解除する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

個々の製品を削除する場合は、要件および制限について製品固有のドキュメントを参照してください。

6.1 Oracle Clusterwareを削除するタイミングの決定

次のような場合に、インストールされたコンポーネントを削除します。

  • 学習環境またはテスト環境のいずれかで、Oracle Clusterwareを正常にインストールした後、Oracle Clusterwareインストールを削除する必要がある場合。

  • Oracle Clusterwareのインストールまたはアップグレード中、またはその後にエラーが発生し、インストールを再試行する場合。

  • ハードウェア障害またはオペレーティング・システム障害のため、インストールまたはアップグレードが停止した場合。

  • Oracle Clusterwareを再インストールするようにOracleサポート・サービスからアドバイスされた場合。

6.2 クラスタへのスタンドアロン・グリッド・インフラストラクチャ・サーバーの移行

Oracle Restart(スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール)を使用するOracle Databaseインストールがあり、そのサーバーをクラスタ・メンバー・ノードとして構成する場合は、次の作業を行います。

  1. 次の構文でサーバー制御(SRVCTL)ユーティリティを使用してOracle Restart構成を調べます。db_unique_nameはデータベースの一意の名前、lsnrnameはデータベースのリスナー名です。

    srvctl config database -d db_unique_name
    srvctl config service -d db_unique_name
    srvctl config listener -l lsnrname
    

    この後の手順でサーバーの構成情報が必要になるため、この情報を記録します。

  2. 手順1で確認したすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。

  3. Oracle ASMクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)ファイル・システムが存在する場合は、これらすべてをマウント解除します。

  4. Grid_home\crs\installディレクトリに移動します。Grid_homeはOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)ディレクトリの場所です。次に例を示します。

    C:\> cd app\11.2.0\grid\crs\install
    
  5. 次のコマンドを使用して、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール(Oracle Restart)を構成解除し、削除します。

    C:\..\install> C:\app\11.2.0\grid\perl\bin\perl.exe roothas.pl -deconfig
    
  6. 第1章「クラスタ用Oracle Grid Infrastructureの標準インストール」または第2章「クラスタ用Oracle Grid Infrastructureの拡張インストール前の作業」で示すとおり、Oracle Clusterware構成用にサーバーを準備します。

  7. Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.2以上を使用している場合は、Oracle Grid Infrastructureインストールの所有者としてOracle Clusterware構成ウィザードを実行します。レスポンス・ファイルを保存し、ステージングします。-responseFileパラメータに、Oracle Clusterware構成ウィザードがレスポンス・ファイルを書き込む次のようなフルパス名を指定します。

    C:\..\crs> cd ..\config
    C:\..\config> config.bat -silent -responseFile C:\user\dba1\scripts\GI.rsp
    
  8. Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.1を使用している場合は、付録B「レスポンス・ファイルを使用したOracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成」の説明に従って、レスポンス・ファイルを使用してクラスタを構成します。

  9. Oracle Restartで使用されるOracle ASMディスク・グループをマウントします。

  10. Oracle ACFSとOracle Restartを併用する場合は、Oracle ASM Configuration Assistant(ASMCA)を起動します。volenableコマンドを実行し、すべてのOracle Restartディスク・グループ・ボリュームを有効にします。

  11. Oracle ACFSとOracle Restartを併用する場合は、すべてのOracle ACFSファイル・システムを手動でマウントします。

  12. 手順1で記録した情報を使用して、Oracle ClusterwareサービスをOracle Clusterwareホームに追加して戻します。

    1. Oracle ACFSリソースを登録します。次のようなコマンドを使用します(Grid_homeはOracle Grid Infrastructureインストールの場所)。

      C:\> Grid_home\bin\srvctl add filesystem -d \\.\ORCLDATADISK4  
      -g ORestartData -v db1 -m C:\app\11.2.0\grid\db1 -u grid
      
    2. Oracle DatabaseリソースをOracle Clusterwareに登録します。次のコマンド構文を使用します(db_unique_nameはノード上のデータベースの一意の名前、nodenameはノードの名前)。

      srvctl add database -d db_unique_name -o %ORACLE_HOME% -x nodename
      

      たとえば、ローカル・ノードnode1上のデータベース名mydbの場合、最初にORACLE_HOME環境変数がデータベース・ホーム・ディレクトリの場所に設定されることを確認してから、次のコマンドを入力してデータベースをOracle Clusterwareに登録します。

      srvctl add database -d mydb -o %ORACLE_HOME% -x node1
      
    3. srvctl add serviceコマンドを使用して、各データベース・サービスを登録します。たとえば、データベース名がmydbで、このデータベースにmyserviceという名前のサービスを作成した場合は、次のコマンドを入力します。

      srvctl add service -d mydb -s myservice
      

6.3 Oracle Grid Infrastructureホーム・パスの変更

11.2.0.3以上のリリースでクラスタにOracle Grid Infrastructureをインストールした後に、Gridホームの場所を変更する必要がある場合は、次の手順に従って、既存のGridホームをデタッチし、新しい場所を使用する新しいGridホームをアタッチします。


注意:

Gridホームを変更する前に、変更対象のGridホーム・ディレクトリで実行されるすべての実行可能ファイルを停止する必要があります。また、Oracle共有ライブラリを使用するすべてのアプリケーションも停止してください。

  1. 管理者ユーザーとして次のコマンドを実行し、既存のGridホームをデタッチします(ここで、C:\app\11.2.0\gridは既存のGridホームの場所です)。

    C:\> cd app\11.2.0\grid\oui\bin
    C:\..\bin> detachhome.bat -silent -local
    
  2. Oracle Grid Infrastructure用にインストールされたファイルを、古いGridホームから新しいGridホームに移動します。たとえば、古いGridホームがC:\app\11.2.0\gridで新しいGridホームがC:\app\gridの場合は、次のコマンドを使用します。

    C:\> xcopy C:\app\11.2.0\grid C:\app\grid /E /I /H /K
    
  3. 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』のOracle Clusterwareのクローニングによるクラスタの作成(手順3: 各宛先ノードでのclone.plスクリプトの実行)に関する説明に記載されている手順を使用して、Oracle Grid Infrastructureインストールをクローニングします。

    Grid_home\clone\binディレクトリでclone.plスクリプトを実行するときに、新しいGridホームにパス情報を提供する入力パラメータに値を指定します。

  4. 次のコマンドを入力し、新しいホームの場所でOracle Clusterwareを起動します。

    C:\..bin\> cd C:\app\grid\crs\install
    C:\..install\> perl rootcrs.pl -patch -destcrshome C:\app\grid
    
  5. 各クラスタ・メンバー・ノードで、手順1から4を繰り返します。

Gridホームを移動するたびに、Oracle ClusterwareとOracle ASMを再構成する必要があります。

6.4 ソフトウェアを削除せずに行うOracle Clusterwareの構成解除

フラグ-deconfig -forceを指定してrootcrs.plコマンドを実行すると、インストールしたソフトウェアを削除しなくても、1つ以上のノードでOracle Clusterwareの構成を解除できます。この機能は、共有記憶域を誤って構成した場合など、インストール中に1つ以上のクラスタ・ノードでエラーが発生した場合に役に立ちます。インストール・エラーが発生したノードでrootcrs.pl -deconfig -forceを実行することによって、それらのノードでOracle Clusterwareの構成を解除し、エラーの原因を修正してから、再度rootcrs.plを実行できます。


注意:

Oracle Clusterwareを構成解除する前に、インストールおよび実行されている可能性のあるデータベース、サービスおよびリスナーを停止してください。


注意:

この項で使用するコマンドでは、クラスタ全体のOracle Grid Infrastructureインストールが削除されます。個々のノードからインストールを削除する場合は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

Oracle Clusterwareを構成解除するには、次の手順を実行します。

  1. インストール中にエラーが発生したノードで管理者グループのメンバーを使用してログインします。

  2. ディレクトリをGrid_home\crs\installに移動します。次に例を示します。

    C:\> cd C:\app\11.2.0\grid\crs\install
    
  3. -deconfig -forceフラグを指定してrootcrs.plを実行します。次に例を示します。

    C:\..\install> perl rootcrs.pl -deconfig -force
    

    必要に応じて他のノードでこの手順を繰り返します。

  4. クラスタ内のすべてのノードでOracle Clusterwareの構成を解除する場合は、最後のノードで次のコマンドを入力します。

    C:\..\install> perl rootcrs.pl -deconfig -force -lastnode
    

    -lastnodeフラグを指定すると、Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスクを含むクラスタの構成解除が完了します。


注意:

データベース、サービス、リスナーなど、削除するOracle Clusterwareホームから起動されたリソースに依存する実行中のリソースが存在する場合は、rootcrs.plスクリプトを実行する際に-forceフラグを指定する必要があります。部分的なインストールまたは失敗したインストールを削除する場合も、-forceフラグを使用する必要があります。

6.5 Oracle ClusterwareとOracle ASMソフトウェアの削除

deinstallツールによって、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMをサーバーから削除できます。次の項では、このコマンドと、それを使用するための追加オプションについて説明します。

6.5.1 削除ツールについて

削除ツール(deinstall.bat)は、Oracleプログラムを停止し、Oracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルを削除します。この削除ツールは、インストール後に%ORACLE_HOME%\deinstall\deinstall.batとしてOracleホーム・ディレクトリから使用できます。この削除ツール・コマンドは、次のURLのOracle Technology Network(OTN)からダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/database/enterprise-edition/downloads

すべてのOracle Database 11gリリース2ソフトウェアとともに削除ツールをダウンロードすることも、単独のアーカイブ・ファイルとしてダウンロードすることもできます。削除ツールを個別にダウンロードするには、ソフトウェア・バージョンの横にある「すべて見る」リンクをクリックします。

削除ツール・コマンドは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、パラメータ・ファイルを作成します。または、–checkonlyフラグと-oフラグを使用して、deinstall.batコマンドによって以前に生成されたパラメータ・ファイルを指定することもできます。レスポンス・ファイル・テンプレートを編集して、パラメータ・ファイルを作成することもできます。

削除ツール・コマンドによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してクラスタ・インストール用Oracle Grid Infrastructureを削除する場合、管理者グループのメンバーのユーザーとしてrootcrs.plスクリプトを実行するよう求められます。


注意:

deinstallコマンドを実行すると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリに他の登録済ホームが含まれていない場合、削除ツールはOracle RACインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • flash_recovery_area

インストールをOptimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用して構成することと、Oracleソフトウェアの排他使用のためにOracleベースとOracleホーム・パスを予約することをお薦めします。Oracleソフトウェアを所有するユーザー・アカウントが所有するOracleベースのこれらの場所に、ユーザー・データが存在する場合、deinstallコマンドによってこのデータは削除されます。


削除ツールは次の構文を使用します。可変的な内容はイタリック体で示されています。

deinstall.bat [-home complete path of Oracle home] [-silent] [-checkonly] [-local]
[-paramfile complete path of input parameter property file]
[-params name1=value name2=value ...] 
[-o complete path of directory for saving files] 
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]

注意:

共有Oracleホームに対して、削除ツールで-localオプションを指定することはできません。

デフォルトでは、削除ツールはGridホームのdeinstallディレクトリから実行します。また、削除ツールは、他の場所から実行することも、パラメータ・ファイルを指定して実行することも、deinstall.batコマンド実行時にオプションを指定することもできます。

deinstall.batコマンドで使用できるオプションは、次のとおりです。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。削除しようとしているOracleホームにあるdeinstall.batコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、Oracleホーム以外の場所にパラメータ・ファイルを用意し、-homeフラグは使用しないでください。

    Grid_home\deinstallパスから削除を実行する場合は、ツールがホームから実行されていることを認識しているため、-homeフラグは必要ありません。スタンドアロン・バージョンのツールを使用する場合、-homeは必須です。

  • -silent

    このフラグを指定すると、コマンドが非対話モードで実行されます。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。

    • 削除ツールがインストール・プロパティを確認するためにアクセスできる動作中のシステム

    • 削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたプロパティ・ファイル

    プロパティ・ファイルを作成するには、テンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更します。テンプレート・ファイルは、削除ツール・ホームまたはOracleホームのresponseフォルダにあります。

    動作中のシステムがある場合、-checkonlyフラグを指定してdeinstall.batコマンドを実行することで、使用または変更するプロパティ・ファイルを生成できます。deinstall.batコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

  • -checkonly

    このフラグを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。-checkonlyフラグを指定してコマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。このフラグによって、deinstall.batコマンドとともに使用できるプロパティ・ファイルが生成されます。

    プロパティ・ファイルを生成するために-checkonlyフラグを使用すると、システムに関する情報を入力するように求められます。Oracle環境からツールが取得したデフォルト値(カッコ([])内に示されます)をそのまま使用するか、または別の値を指定できます。各プロンプトで[Enter]を押して、デフォルトを受け入れます。

  • -local

    このフラグを複数ノード環境で指定すると、クラスタのOracleソフトウェアの構成が解除されます。

    このフラグを指定してdeinstall.batを実行すると、非共有Oracleホーム・ディレクトリのローカル・ノード(deinstall.batを実行したノード)でのみOracleソフトウェアの構成が解除され、削除されます。


    注意:

    • このフラグは、クラスタ環境でのみ使用できます。

    • 共有Oracleホームに対して、削除ツールで-localオプションを指定することはできません。


  • -paramfile 入力パラメータのプロパティ・ファイルの完全パス

    これは、オプションのフラグです。このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを使用してdeinstall.batを実行できます。このフラグを使用する場合は、パラメータ・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。削除する予定のOracleホームからdeinstall.batコマンドを実行している場合、-paramfileフラグを使用する必要はありません。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所: <Drive>:\staging_location\deinstall\response

    • OTNからダウンロードして解凍したアーカイブ・ファイル: <Drive>:\ziplocation\deinstall\response(<Drive>:\ziplocationは、ダウンロードしたアーカイブ・ファイルを解凍したディレクトリを指します。)

    • インストール後のインストール済Oracleホーム: %ORACLE_HOME%\deinstall\response

  • -params [name1=value name2=value name3=value . . .]

    このフラグをパラメータ・ファイルとともに使用すると、作成したパラメータ・ファイルに記述された1つ以上の値を上書きできます。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所に、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)を保存するパスが指定されます。

    プロパティ・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • OTNからダウンロードして解凍したアーカイブ・ファイル: <Drive>:\ziplocation\response(<Drive>:\ziplocation\は、ダウンロードしたアーカイブ・ファイルを解凍したディレクトリを指します。)

    • インストール後のインストール済Oracleホーム: %ORACLE_HOME%\deinstall\response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全なパス

    削除ツールが削除対象の一時ファイルを書き込むためのデフォルト以外の場所を指定します。

  • -logdir ログ・ディレクトリの完全なパス

    削除ツールが削除対象のログ・ファイルを書き込むためのデフォルト以外の場所を指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

Oracleホームにあるdeinstall.batコマンド、またはOTNからダウンロードしたdeinstall.batコマンド(Oracleホームにはインストールされていない)を使用すると、ログ・ファイルがC:\Program Files\Oracle\Inventory\logsディレクトリに書き込まれます。ただし、deinstall.batコマンドを使用して、サーバーに最後にインストールしたOracleホームを削除すると、ログ・ファイルは次の場所に書き込まれます。

  • %TEMP%\OraDeinstall<timestamp>\logs(Oracleホームにあるdeinstall.batコマンドを使用した場合)

  • <Drive>:\ziplocation\deinstall\logs(OTNからダウンロードしたdeinstall.batコマンドを使用した場合。<Drive>:\ziplocation\ は、ダウンロードしたアーカイブ・ファイルを解凍したディレクトリを指します。)

6.5.2 失敗したインストールで使用するための削除ツールのダウンロード

削除ツール(deinstall.bat)を使用すると、失敗または不完全なインストールを削除できます。これは、Oracle Technology Network(OTN)のWebサイトから個別のダウンロードとして入手できます。

削除ツールをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLへ移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/enterprise-edition/downloads/index.html
    
  2. OTNのライセンス契約を読んで、同意します。

  3. 「Oracle Database 11g Release 2」で、削除ツールをダウンロードするプラットフォームの「すべて見る」をクリックします。

    このページの終わりで削除ツールをダウンロードできます。

6.5.3 削除ツールの実行

deinstallコマンドは、Oracle Grid Infrastructureのインストールを行ったユーザー(gridユーザー)または管理者ユーザーとして実行することをお薦めします。

削除ツールをダウンロード後、必ず次に従っていることを確認します。

  • すべてのクラスタ・メンバー・ノードで同一のユーザーが削除ツールを実行する

  • ユーザー等価が設定されている

削除ツールを実行するには、次の手順に従います。

  1. gridユーザー・ホーム・ディレクトリに削除ツールをダウンロードするかコピーします。

  2. 削除ツールを実行します。

6.5.4 削除ツールを使用したOracle ClusterwareおよびOracle ASMの削除

この項では、削除ツールを使用してOracle Grid Infrastructureソフトウェアを削除する例について説明します。

例6-1 Oracleホーム内からのdeinstall.batの実行

削除ツールを実行する最も一般的な方法は、削除対象のOracleホームにインストールされているバージョンを使用することです。削除ツールはローカルのOracleホームのソフトウェア構成を確認し、各プロンプトでデフォルト値を提供します。デフォルト値を受け入れることも、別の値を優先することもできます。Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはプロパティ・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。

Oracleホーム・ディレクトリにある削除ツールを使用するには、次のコマンドを実行します(C:\app\11.2.0\gridはGridホームの場所)。

例6-2 Oracleホームにインストールされた削除ツールの実行

パスC:\app\11.2.0\gridのOracle Databaseホームにあるdeinstall.batコマンドを実行するには、管理グループのメンバーとしてログインしているときに次のコマンドを入力します。

C:\> cd app\
C:\app\> 11.2.0\grid\deinstall\deinstall.bat

Oracle Databaseインストールを完全に削除するには、Oracleホーム以外に位置するプロンプトから、deinstall.batコマンドを実行する必要があります。Oracle_home\deinstallディレクトリに変更した後にdeinstall.batコマンドを実行した場合、削除ツールはすべてのOracleソフトウェア・ファイルおよびディレクトリを削除することはできません。

例6-3 Oracleホーム以外の場所からの対話形式でのdeinstall.batの実行

別々にダウンロードしたバージョンの削除ツールを使用する場合、deinstall.batコマンドを実行すると、それはユーザーが提供する情報を使用してシステム構成を確認し、各プロンプトでデフォルト値を提供します。デフォルト値を受け入れることも、別の値を優先することもできます。指定したOracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール試行の失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはプロパティ・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。

クラスタ用Oracle Grid InfrastructureホームがC:\app\11.2.0\gridの場合は、管理者グループのメンバーとしてログインし、次のコマンドを入力することで、クラスタからOracle Grid Infrastructureインストールを削除します。

C:\> app\deinstall\deinstall.bat -home C:\app\11.2.0\grid

プロンプトが表示されたら、さらに情報を入力します。削除対象のOracleホーム以外の場所から削除ツールを使用する場合は、コマンドラインで-homeオプションを指定する必要があります。

例6-4 Oracleホームからのdeinstall.batの実行とパラメータ・ファイルの使用

Oracle Grid Infrastructureホームにあるdeinstall.batコマンドを実行して、C:\users\oracle\paramfile4.tmplにあるパラメータ・ファイルを使用するには、管理グループのメンバーとしてログインしているときに次のコマンドを入力します。

C:\> cd app\11.2.0
C:\> grid\deinstall\deinstall.bat -paramfile C:\users\oracle\paramfile4.tmpl

例6-5 deinstall.batコマンドで使用するレスポンス・ファイルの生成

Oracleホームを削除するコマンドを実行する前に、-checkonlyフラグおよび-oフラグを指定してdeinstall.batコマンドを実行すると、パラメータ・ファイルを生成できます。またはレスポンス・ファイル・テンプレートを手動で編集してパラメータ・ファイルを作成することもできます。

Oracleホームにあるdeinstall.batコマンドと-checkonlyフラグを使用してパラメータ・ファイルdeinstall_OraCrs11g_home1.rspを生成するには、次のようなコマンドを入力します(C:\app\11.2.0\gridはGridホームの場所、C:\users\oracleは生成されるパラメータ・ファイルが作成されるディレクトリ)。

C:\> app\11.2.0\grid\deinstall\deinstall -checkonly -o C:\users\oracle\

6.5.5 Oracle Grid Infrastructureを削除するためのサンプル・パラメータ・ファイル

deinstallコマンドに-paramfileオプションを指定して実行できます。このオプションを使用すると、削除ツールではパラメータ・ファイルで指定した値が使用され、必要に応じて、不足している情報を入力するよう求められます。

ノードnode1およびnode2のクラスタ用のパラメータ・ファイルの例を次に示します。この例では、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureはユーザーoracleによってインストールされ、GridホームはC:\app\11.2.0\gridにあり、Oracleベース(ソフトウェア所有者の場合は、oracle)はC:\app\oracle\、中央Oracle InventoryホームはC:\Program Files\Oracle\Inventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.2192.0.2.4、ローカル・ノード(deinstall.batコマンドを実行するノード)はnode1です。

#Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
VIP1_IP=192.0.2.2
LOCAL_NODE=node1
ORA_VD_DISKGROUPS=+DATA
VIP1_IF=PublicNIC
OCRID=
ObaseCleanupPtrLoc=C:\Temp\OraDeinstall112010-02-11_10-14-30AM\utl\...
HELPJAR_NAME=help4.jar
local=false
ORACLE_HOME=C:\app\11.2.0\grid
ASM_HOME=C:\app\11.2.0\grid
ASM_DISK_GROUPS=
ASM_DISK_GROUP=DATA
ORA_DBA_GROUP=
ASM_DISCOVERY_STRING=
NEW_HOST_NAME_LIST=
PRIVATE_NAME_LIST=
ASM_DISKS=\\.\ORCLDISKDATA0,\\.\ORCLDISKDATA1,\\.\ORCLDISKDATA2
ASM_DISKSTRING=
CRS_HOME=true
JLIBDIR=C:\app\11.2.0\grid\jlib
OCRLOC=
JEWTJAR_NAME=jewt4.jar
EMBASEJAR_NAME=oemlt.jar
CRS_STORAGE_OPTION=1
ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LANGUAGE_ID='AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252'
CRS_NODEVIPS='node1-vip/255.255.252.0/PublicNIC,node2-vip/255.255.252.0/PublicNIC'
ORACLE_OWNER=Administrator
OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME=
GNS_ALLOW_NET_LIST=
silent=false
LOGDIR=C:\Temp\OraDeinstall112010-02-11_10-14-30AM\logs\
OCFS_CONFIG=
NODE_NAME_LIST=node1,node2
GNS_DENY_ITF_LIST=
ORA_CRS_HOME=C:\app\11.2.0\grid
JREDIR=C:\app\11.2.0\grid\jdk\jre
ASM_LOCAL_SID=+asm1
ORACLE_BASE=C:\app\oracle\
GNS_CONF=false
NETCFGJAR_NAME=netcfg.jar
ORACLE_BINARY_OK=true
OCR_LOCATIONS=NO_VAL
ASM_ORACLE_BASE=C:\app\oracle
OLRLOC=
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORA_ASM_GROUP=
GNS_DENY_NET_LIST=
OLD_CRS_HOME=
EWTJAR_NAME=ewt3.jar
NEW_NODE_NAME_LIST=
GNS_DOMAIN_LIST=
ASM_UPGRADE=false
NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_CRS=LISTENER
CLUSTER_NODES=node1,node2
CLUSTER_GUID=
NEW_PRIVATE_NAME_LIST=
ASM_DIAGNOSTIC_DEST=C:\APP\ORACLE
CLSCFG_MISSCOUNT=
SCAN_PORT=1521
ASM_DROP_DISKGROUPS=true
NETWORKS="PublicNIC"/192.0.2.1:public,"PrivateNIC"/10.0.0.1:cluster_interconnect
OCR_VOTINGDISK_IN_ASM=true
NODELIST=node1,node2
ASM_IN_HOME=true
HOME_TYPE=CRS
GNS_ADDR_LIST=
CLUSTER_NAME=myrac-cluster
SHAREJAR_NAME=share.jar
VOTING_DISKS=NO_VAL
SILENT=false
VNDR_CLUSTER=false
GPNP_PA=
CSS_LEASEDURATION=400
REMOTE_NODES=node2
ASM_SPFILE=
HOST_NAME_LIST=node1,node2
SCAN_NAME=myrac-scan
VIP1_MASK=255.255.252.0
INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory

注意:

次の場合以外は、このファイルの値の前後に引用符を使用しないでください。
  • CRS_NODEVIPSパラメータのアドレスの前後:

    CRS_NODEVIPS='node1-vip/255.255.252.0/PublicNIC,node2-vip/..'
    
  • NETWORKSパラメータのインタフェース名の前後:

    NETWORKS="PublicNIC"/192.0.2.1:public,"PrivateNIC"/10.0.0.1
     :cluster_interconnect