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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58876-07
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A Oracle Grid Infrastructureのインストール・プロセスに関するトラブルシューティング

この付録では、Oracle Grid Infrastructureのインストールに関するトラブルシューティング情報について説明します。


関連項目:

インストール・メディアのドキュメント・ディレクトリに含まれるOracle Database 11g Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)のドキュメントを参照してください。
  • 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』


この付録の内容は次のとおりです。

A.1 一般的なインストールの問題

次に、インストール中に発生する可能性のある様々なエラーの例を示します。この項の内容は次のとおりです。

INS-32026 INSTALL_COMMON_HINT_DATABASE_LOCATION_ERROR
原因: クラスタ用のインストールでGridホームに選択した場所が、Oracleベース・ディレクトリの下にあります。
処置: クラスタ用Oracle Grid Infrastructureのインストールでは、Gridホームを、Oracleベース・ディレクトリ、Oracle Databaseインストール所有者のOracleホーム・ディレクトリ、インストール所有者のホーム・ディレクトリのいずれの下にも配置しないでください。
Microsoftフェイルオーバー・クラスタがインストールされている場合にネットワークまたはVIPリソースの起動に失敗する
原因: Windows Server 2008クラスタにMicrosoftフェイルオーバー・クラスタ(MSFC)がインストールされている場合で(構成されていない場合でも)、Oracle Grid Infrastructureをインストールしようとすると、グリッド・インフラストラクチャの構成フェーズ中にインストールが失敗し、リソースora.net1.networkまたはVIPリソースを起動できなかったことが示されます。

MSFCをインストールすると、仮想ネットワーク・アダプタが作成されて、バインド順の最上位に配置されます。このバインド順の変更はレジストリのみで確認でき、サーバー・マネージャの「ネットワーク接続の表示」には表示されません。

処置: 現在の唯一のソリューションは、同じWindows Server 2008クラスタにMSFCとOracle Grid InfrastructureまたはOracle Clusterwareをインストールしないことです。
OUIのノードの選択画面で選択可能なノードがない
原因: Oracle Grid Infrastructureがインストールされていないか、またはOracle Grid Infrastructureサービスが起動および実行されていません。
処置: Oracle Grid Infrastructureをインストールするか、またはインストールの状態を確認してください。また、ノードを再起動すると問題を解決できる場合があります。
ノードnodenameに到達できない
原因: IPホストが使用不可能です。
処置: 次の手順を実行してください。
  1. コマンドipconfig /allを実行します。このコマンドの出力とC:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルの内容を比較して、ノードIPがリストされていることを確認します。

  2. コマンドnslookupを実行して、ホストが到達可能であるかどうかを確認します。

共有ディスクへのアクセスに失敗する
原因: Windows 2003 R2は、デフォルトではRAWドライブを自動マウントしません。これは、Windows 2000からの変更点です。
処置: 自動マウントを有効に変更してください。第3.5.2項「Windowsでの自動マウントの有効化」を参照してください。
インストールが正常に完了しないノードがある
原因: 構成の問題が原因でOracle Grid Infrastructureソフトウェアが正常にインストールされないノードがある場合は、CRSスタックの起動時にタイムアウトしたことを示すエラー・メッセージが表示されたり、インストーラの終了時にOracle Clusterwareが管理するリソースが一部のノードで作成されない、またはそれらのノードがONLINE以外のステータスになっていることがわかる場合があります。
対処: 解決策の1つとして、インストールが正常に行われなかったノードでOracle Clusterwareの構成を解除した後、インストールが失敗した原因である構成の問題を修正してください。構成の問題を修正した後、インストール時に使用したスクリプトを再度実行し、Oracle Clusterwareを構成できます。詳細は、「ソフトウェアを削除せずに行うOracle Clusterwareの構成解除」を参照してください。
INS-20802: グリッド・インフラストラクチャの構成に失敗しました。
原因: Oracle Grid Infrastructureインストールの実行中にエラーが発生し、削除ツールを使用してその失敗したインストールを削除する場合、rootcrs.pl -deconfigコマンドは実行されません。
処置: 削除ツールを使用した後に、手動でrootcrs.pl -deconfigコマンドを実行し、Oracle Grid Infrastructureを再度インストールします。
CRSスタックの起動の待機中にタイムアウトした
原因: 構成の問題によってOracle Grid Infrastructureソフトウェアをすべてのノードに正常にインストールできない場合は、CRSスタックの起動の待機中にタイムアウトしたことを示すエラー・メッセージが表示される場合があります。または、インストーラを終了した後、Oracle Clusterwareで管理するリソースが一部のノードで作成されなかったことに気がつく場合があります。リソースのステータスがONLINE以外であることに気がつく場合もあります。
処置: ソフトウェアを削除せずにOracle Grid Infrastructureインストールの構成を解除し、構成の問題の原因を判断するためにインストールのログ・ファイルを確認します。構成の問題を修正した後、インストール時に使用したスクリプトを再度実行し、Oracle Clusterwareを構成してください。

A.1.1 その他のインストールの問題とエラー

エラー・メッセージ解決の追加のヘルプは、My Oracle Supportを参照してください。たとえば、Doc ID 1367631.1のNoteには、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Clusterwareの最も一般的なインストールの問題の一部が含まれています。

A.2 詳細モードによるCVUの「不明」出力メッセージの解釈

-verbose引数を使用してクラスタ検証ユーティリティ(CVU)を実行し、特定のノードに対するクラスタ検証ユーティリティ・コマンドの結果がUNKNOWNになる場合、その原因は、検証時に問題が検出されたかどうかをクラスタ検証ユーティリティで判断できないことにあります。結果が「不明」になる場合の、考えられる原因を次に示します。

  • ノードが停止している。

  • クラスタ検証ユーティリティで必要な、オペレーティング・システムの共通コマンド・バイナリが、Oracle Grid Infrastructureホームの/binディレクトリまたはOracleホーム・ディレクトリで不足している。

  • クラスタ検証ユーティリティを起動したユーザー・アカウントには、ノードでオペレーティング・システムの共通コマンドを実行する権限がない。

  • ノードで、オペレーティング・システム・パッチ、または必須パッケージが不足している。

A.3 Oracle Grid Infrastructureの設定に関するCVUメッセージの解釈

Oracle Grid Infrastructureをインストールするための要件をシステムが満たしていないことがクラスタ検証ユーティリティのレポートに示された場合は、この項の説明に従ってレポートに示されている問題を解決し、クラスタ検証ユーティリティを再実行します。

「ユーザーのユーザー等価チェックが失敗しました。」
原因: すべてのノード間でユーザー等価関係の設定に失敗しました。これは、必須のユーザーを作成していないため、インストール・ユーザーがすべてのノードで同じでないため、または失敗したノードで異なるパスワードを使用しいるためである可能性があります。
処置: クラスタ検証ユーティリティによって、ユーザー等価関係の設定に失敗したノードのリストが表示されます。失敗したノードと示されている各ノードに対して、ユーザー構成およびユーザー等価関係が正常に完了していることをインストール所有者のユーザー構成で確認してください。

次のことを確認してください。

  • 各クラスタ・ノードの管理者グループで明示的なメンバーシップが付与されているドメイン・ユーザー・アカウントまたはローカルのアカウントを使用している。

  • そのユーザー・アカウントは、各ノードで同じパスワードを持つ。

  • ドメイン・ユーザーを使用する場合、そのユーザーのドメインは各ノードで同じである。

  • そのユーザー・アカウントは、各ノードで管理権限を持つ。

  • そのユーザーは、ローカル・ノードから各ノードのレジストリに接続できる。

  • クラスタにWindows Server 2008を使用している場合に、各ノードでWindows 2008のユーザー アカウント制御の設定を変更する必要がある場合がある。

    • 管理者の昇格時のプロンプトの動作を「確認を要求しないで昇格する」に変更します。http://technet.microsoft.com/en-us/library/cc709691.aspxを参照してください。

    • 「監査とセキュリティ ログの管理」で、管理者グループがリストされていることを確認します。

「ノードからのノード到達可能性チェックが失敗しました。」または「ノード接続性チェックが失敗しました。」
原因: クラスタ内に、TCP/IPプロトコルを使用したパブリックまたはプライベート・インターコネクトで到達できない1つ以上のノードがあります。
処置: ping addressコマンドを使用して、各ノードのアドレスを確認してください。到達できないアドレスを発見した場合は、パブリックおよびプライベート・アドレスのリストを確認して、それらを正しく構成してください。パブリック・ネットワーク・インタフェースおよびプライベート・ネットワーク・インタフェースのインタフェース名は、クラスタ内の各ノードで同じである必要があります。

パブリックおよびインターコネクト・ネットワーク・アダプタ(NIC)に、PUBLICおよびPRIVATEというすべての大文字の名前は使用しないでください。private、Private、publicおよびPublicは、ネットワーク・インタフェース名に使用できます。


関連項目:


A.4 Oracle Clusterwareアラート・ログについて

深刻なエラーを見つけるには、まずOracle Clusterwareのアラート・ログを見ます。エラーが発生すると、エラーの原因に関する具体的な情報がある診断ログのパス情報が含まれていることがあります。

重要なイベントが発生した場合には、インストール後に、Oracle Clusterwareがアラート・メッセージを書き込みます。たとえば、Cluster Ready Services(CRS)デーモン・プロセスからのアラート・メッセージは、起動時、中断した場合、フェイルオーバー・プロセスが失敗した場合、CRSリソースの自動再起動が失敗した場合に出力されます。

Oracle Enterprise ManagerはOracle Clusterwareアラート・ログを監視し、エラーが検出されると「クラスタ・ホーム」ページにアラートを書き込みます。たとえば、投票ディスクが利用できない場合はCRS-1604エラーが発生し、「クラスタ・ホーム」ページにクリティカル・アラートが書き込まれます。「メトリックとポリシー設定」ページで、エラー検出とアラートの設定をカスタマイズできます。

Oracle Clusterwareのログ・ファイルの場所は、Grid_home\log\hostname\alerthostname.logです。Grid_homeはOracle Grid Infrastructureがインストールされたディレクトリ、hostnameはローカル・ノードのホスト名です。


関連項目:

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

A.5 Oracle Clusterwareインストール・アクション・ログのエラーおよび原因

Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストール時に、ログ・ファイルinstallActions<Date_Timestamp>.log%TEMP%\OraInstall<Date_Timestamp>ディレクトリに書き込まれます。

installActions.logにリストされる可能性のあるエラーを次に示します。

  • PRIF-10: クラスタ・レジストリの初期化に失敗しました

    コンフィギュレーション・アシスタント"Oracle Private Interconnect Configuration Assistant"が失敗しました。

  • KFOD-0311: デバイスdevice_path_nameのスキャン中にエラーが発生しました

  • 手順1: Oracle Clusterwareクラスタのステータスの確認

    手順2: OCRリポジトリの構成

    ocr(-1073740972)のアップグレード障害を無視します

    CLSCFG, ret -1073740972でのOracle Cluster Registryの構成に失敗しました

これらのエラー・メッセージは、次の問題のいずれかが原因である可能性があります。

A.5.1 Windows用のOCFSフォーマットがリモート・クラスタ・ノードで認識されない

Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスク・パーティションにWindows用のOracle Cluster File System(Windows用のOCFS)を使用している場合は、次の手順を実行します。

  1. Oracle Universal Installer(OUI)ウィンドウをそのままにします。

  2. 2つ目のノードと任意の追加のノードを再起動します。

  3. アシスタントを再試行します。

A.5.2 Windows 2003システム使用時に新しいドライブの自動マウントが有効でない

該当する場合は、次のようにします。

Windows Server 2003上のOracle RACの場合は、すべてのノードで次のコマンドを実行する必要があります。

C:\> diskpart
DISKPART> automount enable

Oracle Grid Infrastructureをインストールする前にディスクの自動マウントを有効にせず、インストール時にコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合は、Oracle Clusterwareインストールをクリーン・アップして、すべてのノードで自動マウントを有効にした後、すべてのノードをリブートし、再度Oracle Clusterwareインストールを開始する必要があります。

A.5.3 ディスクのシンボリック・リンクが削除されない

ディスクにASMTOOLとスタンプすると、そのディスクのシンボリック・リンクが作成されます。ディスクを削除または再構成してもこれらのリンクが削除されない場合、ディスクにアクセスしようとすると、エラーが発生する可能性があります。

問題を修正するには、再度、ディスクにASMTOOLをスタンプしてみることができます。

A.5.4 Oracle Automatic Storage Managementで使用する検出文字列が間違っている

記憶域としてOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を指定すると、ディスクの検索に使用するデフォルトの検出文字列を変更することができます。検出文字列の設定が正しくないと、Oracle ASMでディスクを検索することができません。

A.5.5 Oracle Clusterwareのインストール時にノード名にピリオドを使用した

ピリオド(.)はノード名に使用できません。かわりに、ハイフン(-)を使用します。

失敗したインストールを解決するために、Oracle Grid Infrastructureインストールのトレースを削除し、サポートされたノード名で再インストールします。

A.5.6 ocr(-1073740972)のアップグレード障害の無視

このエラーは、インストールを実行しているユーザーが管理者権限を持たないことを示します。

A.6 Oracle Grid Infrastructureのインストール中のクラスタ診断の実行

インストーラで「ノードの選択」ページが表示されない場合は、次のコマンド構文を使用してクラスタ・マネージャの整合性を検証します。

cluvfy comp clumgr -n node_list -verbose

前述の構文例で、node_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。


注意:

スケジュールされたタスクの実行中または実行後に予期しないインストール・エラーが発生した場合は、インストールが完了する前にスケジュールされたタスクによって一時ファイルが削除されている可能性があります。スケジュールされたタスクを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、クリーンアップを行うスケジュールされたタスクを無効にすることをお薦めします。

A.7 インストール後のCVUのクラスタ・ヘルス・チェックの使用について

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.3)以上では、CVUのhealthcheckコマンドを使用してOracle ClusterwareおよびOracle Databaseインストールをチェックし、必須要件およびベスト・プラクティス・ガイドラインへの適合性を調べたり、正しく動作していることを確認できます。

次の構文を使用してhealthcheckコマンド・オプションを実行します。

cluvfy comp healthcheck [-collect {cluster|database}] [-db db_unique_name] [-bestpractice|-mandatory] [-deviations] [-html] [-save [-savedir directory_path]

次に例を示します。

$ cd /home/grid/cvu_home/bin
$ ./cluvfy comp healthcheck -collect cluster -bestpractice -deviations -html

オプションは次のとおりです。

  • -collect [cluster|database]

    このフラグを使用して、Oracle Clusterware(クラスタ)またはOracle Database(データベース)のチェックを実行することを指定します。healthcheckオプションでcollectフラグを使用しない場合、cluvfy comp healthcheckではOracle ClusterwareとOracle Databaseの両方のチェックが実行されます。

  • -db db_unique_name

    このフラグを使用して、dbフラグの後に入力した一意のデータベース名に対するチェックを指定します。

    CVUでは、JDBCを使用してcvusysユーザーとしてデータベースに接続し、様々なデータベース・パラメータが検証されます。このため、-dbフラグで指定したデータベースに対してチェックを実行する場合は、まずそのデータベースにcvusysユーザーを作成し、そのユーザーにCVU固有のロールCVUSAPPを付与する必要があります。また、CVUSAPPロールのメンバーにシステム表に対するSELECT権限を付与する必要もあります。CVU_home/cv/admin/ディレクトリにSQLスクリプトcvusys.sqlが含まれており、このユーザーの作成を容易にします。このSQLスクリプトを使用して、CVUにより検証するすべてのデータベースでcvusysユーザーを作成します。

    dbフラグを使用し、一意のデータベース名を指定しない場合、CVUではクラスタのすべてのOracle Databaseが検出されます。これらのデータベースでベスト・プラクティス・チェックを実行する場合は、各データベースでcvusysユーザーを作成し、ベスト・プラクティス・チェックを実行するのに必要なCVUSAPPロールとSELECT権限をこのユーザーに付与する必要があります。

  • [-bestpractice | -mandatory] [-deviations]

    ベスト・プラクティス・チェックを指定するにはbestpracticeフラグを使用し、必須チェックを指定するにはmandatoryフラグを使用します。ベスト・プラクティスの推奨事項または必須要件からの差異のみを確認することを指定するには、deviationsフラグを追加します。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれかのフラグを指定できますが、両方のフラグを指定することはできません。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれも指定しない場合は、ベスト・プラクティスと必須要件の両方が表示されます。

  • -html

    htmlフラグを使用すると、詳細レポートがHTML形式で生成されます。

    htmlフラグを指定し、CVUで認識されるブラウザがシステムで使用可能な場合は、チェックの完了時にブラウザが起動されてレポートがブラウザに表示されます。

    htmlフラグを指定しない場合、詳細レポートはテキスト・ファイルで生成されます。

  • -save [-savedir dir_path]

    検証レポート(cvuchecdkreport_timestamp.txt and cvucheckreport_timestamp.htm)を保存するには、saveフラグまたは-save -savedirフラグを使用します(timestampは検証レポートの日時)。

    saveフラグを単独で使用すると、レポートはパスCVU_home/cv/reportに保存されます(CVU_homeはCVUバイナリの場所)。

    -save -savedirフラグを使用し、CVUレポートを保存するパスを入力すると、指定したパスにCVUレポートが保存されます。

A.8 インターコネクト構成の問題

インターコネクト用に複数のネットワーク・インタフェース・カード(NIC)を使用する場合、サード・パーティのソリューションを使用してオペレーティング・システム・レベルでインタフェースをボンディングする必要があります。そうしない場合、1つのNICの障害が、クラスタ・ノードの可用性に影響します。

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACをインストールする場合は、インターコネクトに同じボンディングされたNICカードまたはチーミングされたNICカードを使用する必要があります。ボンディングされたNICカードまたはチーミングされたNICカードを使用する場合は、それらが同じサブネット上に存在している必要があります。

エラーが発生したら、次のシステム検証を実行してください。

  • スイッチに適切なケーブル(長さやタイプ)やソフトウェアが使用されていることを、ネットワーク・プロバイダに確認してください。場合によっては、負荷によって切断を起こす不具合を回避するため、またはジャンボ・フレームなどの追加機能をサポートするために、インターコネクト・スイッチのファームウェアのアップグレードや、新しいNICドライバ、オペレーティング・システム・レベルの新しいファームウェアが必要になることがあります。こうした修正を行わずに実行すると、初めのインストールは正常に見えても、後でOracle RACデータベースが不安定になることがあります。

  • ベンダーおよびOracleの推奨事項に従って、仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)構成、二重化設定、自動ネゴシエーションを確認してください。

A.9 SCAN VIPおよびSCANリスナーの問題

インストールでSCAN VIPアドレスまたはリスナーに関連するエラーが報告される場合は、次の項目をチェックして、ネットワークが正しく構成されていることを確認してください。

  • TCP/IP構成設定が各ノードのネットワーク・インタフェースで同じであることをチェックします。

  • SCANのDNSエントリが存在し、3つの有効なIPアドレスに対して解決されていることを確認します。コマンドnslookup scan-nameを使用します(このコマンドは、SCANに対して構成されたDNSサーバー名および3つのIPアドレスを返します)。

  • pingコマンドを使用して、SCANに割り当てられているIPアドレスをテストします(各IPアドレスに対して応答があります)。


    注意:

    クラスタ環境にDNSを構成していない場合は、各ノードのC:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルにSCANのエントリを作成できます。ただし、そうすると、クラスタ全体で使用できるエントリは3つではなく、1つのSCANのみになります。hostsファイルのSCANの最初のエントリのみが使用されます。

  • パブリック・インタフェースで使用されるのと同じネットマスクがSCANで使用されることを確認します。

SCAN、SCAN VIPまたはリスナーに関連するエラーのトラブルシューティングに追加の支援が必要な場合は、My Oracle Supportを参照してください。たとえば、Doc ID 1373350.1のノートには、SCAN VIPとリスナーの最も一般的な問題の一部が含まれています。

A.10 ストレージ構成の問題

次にストレージ構成の問題を示します。

A.10.1 ノード・ファイル・システムまたはGridホーム損失からのリカバリ

Oracle Clusterwareリリース11.2以上では、誤ってファイル・システムを削除したり、Oracle Local Registryを失うことになる別のストレージ構成の問題が発生したり、ノードが破損した場合は、次のいずれかの方法でノードをリカバリできます。

  1. オペレーティング・システム・レベルのバックアップからノードをリストアする(推奨)。

  2. そのノードをクラスタから削除してから、またクラスタに追加する。Oracle Clusterware 11.2以上のクラスタでは、クラスタのプロファイル情報はノードにコピーされ、ノードがリストアされます。

クラスタ内の残りのノードからリストアできるように、クラスタ・ノードを削除して再度追加することを可能にする機能をグリッドのプラグ・アンド・プレイ(GPnP)と呼びます。グリッドのプラグ・アンド・プレイによって、ノードごとの構成データが削減され、明示的にノードを追加したり削除する必要性がなくなります。この機能によって、システム管理者は、テンプレートのシステム・イメージを取得するだけで、それ以上の構成を行わなくても、新しいノードでそのイメージを実行できます。そのため多くの手動操作が不要になり、エラーの発生する可能性が減るだけでなく、構成の変更をより簡単に行えるようになります。ノード単位の構成が排除されると、個々の状態をノードで保持して管理する必要がなくなるため、ノードの交換が容易になります。

グリッドのプラグ・アンド・プレイ機能により、ノード単位の状態が使い捨て可能になることで、データベース・ノードのインストール、構成および管理のコストが削減されます。これによって、再生成された状態でノードを簡単に交換できるようになります。

次のようなaddnodeコマンドを使用してノードのリカバリを開始します。lostnodeは、クラスタに再度追加しているノードです。

グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用している場合:

C:\Grid_home\oui\bin> addNode.bat -silent "CLUSTER_NEW_NODES=lostnode"

GNSを使用していない場合:

C:\Grid_home\oui\bin> addNode.bat -silent "CLUSTER_NEW_NODES={lostnode}" 
"CLUSTER_NEW_VIRTUAL_HOSTNAMES={lostnode-vip}"

復元対象のノードで管理者ユーザーとしてaddNode.batコマンドを実行して、OCRキーを再作成し、他の構成タスクを実行する必要があります。

addNode.batコマンドが完了したら、クラスタに追加するノードで次のコマンドを実行します。

C:\>Grid_home\crs\config\gridconfig.bat

A.10.2 Oracle ASM記憶域の問題

この項では、Oracle ASM記憶域のエラー・メッセージとそのエラーへの対処方法について説明します。

ASM-0001: デバイス\\?\のボリュームをオープンできませんでした...
O/S-Error: (OS-5) アクセスが拒否されました。
原因: Windows Server 2008以降のリリースの新しいセキュリティ・コンポーネントであるユーザー・カウント制御(UAC)は、管理アクションまたはアプリケーションが実行を許可される前に、管理者に特に承認するように要求できます。適切な資格証明を入力しない場合、asmtoolおよびasmtoolgユーティリティによってこれらのエラーが報告されます。
処置: この問題を解決する方法はいくつかあります。
  1. 管理者ユーザーとしてログインしている場合は、UACダイアログ・ボックスで「続行」をクリックするか、または管理者ユーザーの資格証明を入力してから、「続行」をクリックします。

  2. コマンド・ウィンドウへのデスクトップ・ショートカットを作成します。「管理者として実行」オプションを使用してコマンド・ウィンドウを開き、コンテキスト・メニューを右クリックしてasmtoolを起動します。

  3. Windows ServerでUAC実装を構成し、UACをオフにするか、または管理者ユーザーの昇格時のプロンプトの動作を変更します。


注意:

ビジネスまたは企業環境におけるセキュリティおよびUACの管理の詳細は、http://technet.microsoft.com/en-us/library/cc731416%28WS.10%29.aspxのユーザー・アカウント制御の文書を参照してください。

O/S-Error: (OS 2)指定されたファイルが見つかりません。
原因: オペレーティング・システム・レベルで無効なディスクを再度有効にした場合、CREATE DISKGROUPMOUNT DISKGROUPADD DISKONLINE DISKなど一部のOracle ASM操作、またはV$ASM_DISKの問合せが次のエラーで失敗します。

O/S Error: (OS-2)指定されたファイルが見つかりません。

これは、前にマウントされたディスクに、オペレーティング・システムが新しいボリュームIDを割り当てた場合に発生ます。Oracle ASMが古いボリュームIDを使用すると、ディスクを開くことができずに、前述のエラーが発生します。

処置: ASMTOOLを使用してディスクに再度スタンプを付け、Oracle ASMで使用されるボリュームIDを更新します。
ディスク・グループをマウントできません。ディスク・グループに対するディスク数が不十分であることが、ASMにより検出されました
原因: Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのみのインストールを実行した場合に、Oracle Clusterwareのインストール後の構成中に、OCRと投票ディスク・ファイルを格納するディスク・グループを構成しています。ASMTOOLを使用してディスクにスタンプを付け、スタンプの付いたディスクを使用するディスク・グループをASMCMDを使用して作成しました。その後、Oracle ASMディスク・グループを構成するディスク・デバイスまたはディスク・パーティション名でcrsconfig_paramsファイルを更新しました。Oracle Clusterwareの構成中に、「ORA-15017: ディスク・グループ"DATA"をマウントできません」などのエラーが表示されます。
処置: crsconfig_paramsファイルを変更して、ディスク・パーティション名のかわりにASMTOOLによって生成されたスタンプの付いた名前を使用します。次に例を示します。
"\\.\ORCLDISKDATA0"

A.11 スクリプトの完了前に終了したインストールの完了

インストールの一環として、OUIはオペレーティング・システム・レベルでスクリプトを実行してインストールを終了し、コンフィギュレーション・アシスタントを起動します。これらのスクリプトの実行が終了する前にOUIが終了した場合、Oracle Grid Infrastructureのインストールは不完全です。

中断されたインストールを完了するには、インストールが開始されたノードの管理者ユーザーとして、次のコマンドを実行します。

Grid_home\cfgtoollogs\configToolAllCommands

このコマンドは最初のノードのみで実行します。このコマンドを実行すると、Oracle Grid Infrastructureインストールが完了します。configToolAllCommandsファイルが存在しない場合は、ファイルを手動で作成する方法をMy Oracle Supportに問い合せてください。

A.12 Windowsファイアウォール例外のトラブルシューティング

第5章「Oracle Grid Infrastructureのインストール後の手順」にリストされている実行可能ファイルに例外を付与した後でも特定の接続を確立できない場合、次の手順に従ってインストールのトラブルシューティングを行います。

  1. Oracle構成ファイル(*.confファイルなど)、WindowsレジストリのOracleキーおよび%ORACLE_HOME%\network\adminのネットワーク構成ファイルを調べます。

  2. PROGRAM=句の%ORACLE_HOME%\network\admin\listener.oraにリストされる実行可能ファイルには特に注意してください。TNSリスナーを介してその実行可能ファイルへの接続を確立できるため、Windowsファイアウォールでこれらの各実行可能ファイルに対して例外を許可する必要があります。

  3. Oracleトレース・ファイル、ログ・ファイルおよび診断情報のその他のソースで、失敗した接続試行に関する詳細を調べます。データベース・クライアント・コンピュータのログ・ファイルおよびトレース・ファイルには、失敗した接続試行のエラー・コードまたはトラブルシューティング情報が含まれている場合があります。サーバー上のWindowsファイアウォール・ログ・ファイルにも、役立つ情報が含まれている場合があります。

  4. 前述のトラブルシューティング手順ではWindows上の特定の構成に関する問題が解決されない場合は、次のコマンドの出力をOracleサポートに提供して、診断を受けて問題を解決します。

    netsh firewall show state verbose=enable
    

関連項目: