接続記述子
特別にフォーマットされた、ネットワーク接続のための宛先の記述。接続記述子は、宛先サービスおよびネットワーク・ルート情報を含みます。
宛先サービスは、Oracle Databaseの場合はサービス名、Oracleリリース8.0または7のデータベースでは、Oracleシステム識別子(SID)を使用して示されます。ネットワーク・ルートは、少なくとも、ネットワーク・アドレスを使用してリスナーの場所を示します。
デフォルト・ドメイン
ほとんどのクライアント・リクエストが発生するネットワーク・ドメイン。クライアントが置かれるドメイン、またはクライアントがネットワーク・サービスをリクエストするドメインとなることがあります。デフォルト・ドメインは、未修飾ネットワーク名リクエストに追加されるドメインを決定するクライアント構成パラメータにもなります。「.」文字を含まない場合、名前リクエストは修飾されません。
簡易接続ネーミング
クライアントが構成なしでデータベース・サーバーに接続するためのネーミング・メソッド。クライアントは、ホスト名、オプションのポート番号、サービス名、およびインスタンス名で構成された単純なTCP/IPアドレスを使用します。
SQL>CONNECT user_name@host[:port][/service_name][/instance_name] Enter password: password
インストール・タイプ
インストールするコンポーネントを自動的に選択する事前定義済のコンポーネント・セット。各トップレベル・コンポーネントで使用可能なインストール・タイプのリストは、「Oracle Database Clientのインストール・タイプ」を参照してください。
プロセス間通信(IPC)
クライアント・アプリケーションで使用されるプロトコルで、データベースとの通信のためにリスナーと同じノードに置かれます。IPCは、TCP/IPより高速なローカル接続を提供します。
ldap.oraファイル
Oracle Net Configuration Assistantによって作成されるファイルで、次のディレクトリ・アクセス情報が含まれます。
ディレクトリのタイプ
ディレクトリの場所
データベース・サービスへの接続用の接続識別子を検索または構成するためにクライアントまたはサービスが使用するデフォルトの管理コンテキスト
ldap.ora
ファイルは、ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
リスナー
サーバーに常駐するプロセスで、クライアントからの接続リクエストのリスニング、およびサーバーへの通信量の管理を行います。
クライアントがデータベース・サーバーとのネットワーク・セッションをリクエストするときに、リスナーは実際のリクエストを受け取ります。クライアント情報がリスナー情報と一致した場合、リスナーはデータベース・サーバーへの接続を許可します。
listener.oraファイル
次のものを識別するリスナーの構成ファイル。
リスナー名
接続リクエストを受け入れるプロトコル・アドレス
リスニング対象のサービス
listener.ora
ファイルは、ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、サービス登録により、データベース・サービスを識別する必要がありません。ただし、Oracle Enterprise Managerを使用する場合は、Oracle Database 11gリリース2(11.2)に静的なサービス構成が必要です。
ネーミング・メソッド
クライアント・アプリケーションで、データベース・サービスへの接続を試行する際、接続識別子をネットワーク・アドレスに解決するために使用される解決方法。Oracle Net Servicesでは、次のネーミング・メソッドがサポートされています。
ローカル・ネーミング
ディレクトリ・ネーミング
簡易接続ネーミング
NIS外部ネーミング
ネット・サービス名
接続記述子に解決されるサービスの単純名。ユーザーは、接続するサービスに対する接続文字列内に、ネット・サービス名とともにユーザー名およびパスワードを渡すことで接続リクエストを開始します。
SQL> CONNECT username@net_service_identifier Enter password: password
必要に応じて、ネット・サービス名は次のような様々な場所に格納できます。
各クライアントのローカル構成ファイル、tnsnames.ora
ディレクトリ・サーバー
外部ネーミング・サービス(ネットワーク情報サービス(NIS)、セル・ディレクトリ・サービス(CDS)など)
オペレーティング・システム認証接続
Oracle Databaseに接続するユーザーの認証に、Windowsのログイン資格証明を使用できます。Windowsのネイティブ認証には、次のような利点があります。
ユーザー名やパスワードを指定しなくても、ユーザーが複数のOracle Databaseに接続できます。
Oracle Databaseのユーザー認証情報をWindowsに集中します。これにより、Oracle Databaseでユーザー・パスワードの格納または管理を行う必要がなくなります。
OPS$
初期化ファイルのパラメータOS_AUTHENT_PREFIX
により、データベースへの接続を試行するユーザーを認証するためにOracleで使用される接頭辞をユーザーが指定できます。このパラメータの値は、各ユーザーのオペレーティング・システム・アカウント名の先頭に連結されます。接続リクエストが発行されると、Oracleでは接頭辞の付いたユーザー名をデータベース内のOracleユーザー名と比較します。
このパラメータのデフォルト値は""
(NULL文字列)で、そのためオペレーティング・システムのアカウント名には接頭辞が追加されません。旧リリースでは、OPS$
(オペレーティング・システム固有の省略形)がデフォルト設定でした。
Oracleコンテキスト
相対識別名がcn=OracleContext
のディレクトリ・サブツリーのルートで、すべてのOracleソフトウェア情報が保持されます。ディレクトリに1つ(または複数)のOracleコンテキストが存在できます。Oracleコンテキストは、ディレクトリ・ネーミング・コンテキストと関連付けることができます。
Oracleコンテキストには、次のOracleエントリを含めることができます。
Oracle Net Servicesディレクトリ・ネーミングとともに使用してデータベース接続を行う接続識別子
Oracle Advanced Securityとともに使用するエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ
Oracleホーム
Oracleコンポーネントをインストールするディレクトリ・パス(c:\app\
username
\product\11.2.0\dbhome_
n
など。n
はOracleホームの番号です)。Oracle Universal Installerの「ファイルの場所」ウィンドウの「パス」フィールドで、Oracleホームを入力するよう求められます。
Oracleスキーマ
LDAP準拠のディレクトリ・サーバーに格納できるものを決定するルールの集合。Oracleには、Oracle Net Servicesエントリなど、多くのOracleエントリ・タイプに適用される独自のスキーマがあります。Oracle Net Servicesエントリ用のOracleスキーマは、エントリに含まれる属性を含みます。
プロトコル・アドレス
ネットワーク・オブジェクトのネットワーク・アドレスを識別するアドレス。
接続が行われるとき、クライアントとそのリクエストの受信者(リスナーまたはOracle Connection Managerなど)は同じプロトコル・アドレスを使用して構成されます。クライアントはこのアドレスを使用して接続リクエストを特定のネットワーク・オブジェクトの位置に送信し、受信者はこのアドレスでリクエストのリスニングを行います。クライアントおよび接続受信者にとって、同じプロトコルをインストールし、同じアドレスを構成することが重要です。
リポジトリ
Oracle Management Serverにアクセス可能なOracleデータベースにある表の集合。Oracle Management Serverでは、すべてのシステム・データおよびアプリケーション・データ、環境全体に分散している管理対象ノードの状態についての情報、および別途ライセンスを受けられるManagement Packに関する情報を格納するために、リポジトリが使用されます。
サービス登録
PMONプロセス(インスタンス・バックグラウンド・プロセス)がリスナーに情報を自動的に登録する機能。この情報はリスナーに登録されるため、listener.oraファイルはこの静的情報で構成される必要がありません。
サービス登録により、リスナーには次の情報が提供されます。
データベースの実行中の各インスタンスのサービス名
データベースのインスタンス名
各インスタンスで使用可能なサービス・ハンドラ(ディスパッチャおよび専用サーバー)
これにより、リスナーがクライアントのリクエストを正しく送信できます。
ディスパッチャ、インスタンスおよびノードのロード情報
これにより、リスナーがクライアントの接続リクエストを処理できる最良のディスパッチャを決定できます。すべてのディスパッチャがブロックされている場合、リスナーはその接続専用のサーバーを起動できます。
この情報により、リスナーはクライアントの接続リクエストを処理するための最良の方法を決定できます。
SID
データベースをコンピュータにあるその他すべてのデータベースと区別するOracleシステム識別子。SIDは、文字が8文字以上か、ピリオドを入力しないかぎり、グローバル・データベース名のデータベース名部分(たとえば、sales.us.example.com
のsales
)に自動的にデフォルト設定されます。デフォルト値は、そのまま確定することも、変更することもできます。
sqlnet.oraファイル
クライアントまたはサーバーの構成ファイルで、次のものを指定します。
未修飾サービス名またはネット・サービス名に追加するクライアント・ドメイン
名前を解決するときにクライアントにより使用されるネーミング・メソッドの順序
使用するロギング機能およびトレース機能
接続のルート
外部ネーミング・パラメータ
Oracle Advanced Securityパラメータ
sqlnet.ora
ファイルは、ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
ターミナル・サーバー
Microsoft Windows Terminal Serverが、Windowsシン・クライアント・ターミナル・サーバーです。Windows Serverで同時に複数のクライアント・セッションをサポートします。Windows Terminal Serverは、オペレーティング・システムのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)をOracleデータベース・ユーザーに提供します。
tnsnames.oraファイル
接続記述子にマップされているネット・サービス名を含む構成ファイル。このファイルはロカール・ネーミング・メソッドに使用されます。tnsnames.ora
ファイルは、ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
標準構成
Oracle Database ClientとOracle Database間の接続のデフォルト構成を実行するOracle Universal Installerのオプション。これにより、次が構成されます。
tnsnames.oraファイル内の1つのネット・サービス名。
sqlnet.oraファイル内のローカル・ネーミングおよび簡易接続ネーミング・メソッド。
Oracle Database Clientは、接続しようとする際に、最初にローカル・ネーミング、続いて簡易接続ネーミングを使用します。