Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド 11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD E49830-02 |
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この章では、BS2000/OSDへのOracle Database 11gリリース2のインストール前の要件、インストール後の作業およびインストールと削除について説明します。次の項目について説明します。
Oracle Databaseソフトウェアは、https://edelivery.oracle.com
にあるOracle Software Delivery Cloudからダウンロードできます。インストール・ファイルは、ステージング・ライブラリと呼ばれるLibrary Maintenance System (LMS)ライブラリに含まれています。
zipファイルをダウンロードして、WindowsまたはUNIXシステム上の一時的な場所に抽出します。次に、ファイル転送プロトコル(FTP)を使用して、ステージング・ライブラリをBS2000システムにアップロードします。次の各項では、Fujitsu BS2000/OSD S ServerへのOracleのインストール・プロセスを説明します。Fujitsu BS2000/OSD SQ ServerへのOracleのインストール・プロセスは、ステージング・ライブラリの名前を除いて同じです。ステージング・ライブラリの名前は次のとおりです。
ora11202.s390.lib
: Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)
ora11202.sq.lib
: Fujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)
Oracle Databaseのインストール・プロセスは、次の手順で構成されます。
リリース・ノートの参照: インストールを開始する前に、第1章、「リリース・ノート」のOracle Databaseリリース・ノートfor Fujitsu BS2000/OSDを参照してください。
ライセンス情報の確認: メディア・パック内のインストール・メディアには多くのOracleコンポーネントが含まれていますが、ライセンスを購入したコンポーネントのみを使用できます。Oracleサポート・サービスでは、ライセンスを購入していないコンポーネントに対するサポートは提供していません。
関連項目: ライセンス情報の詳細は、Oracle Databaseライセンス情報を参照 |
インストール前の作業の完了: 「Oracle Databaseのインストール前の要件」では、製品のインストール前に完了する必要のある作業について説明します。
ソフトウェアのインストール: 「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」Oracle Database 11gリリース2をインストールするためのBS2000/OSD用のOracleインストール手順の使用方法について説明します。
インストール後の作業の完了: 「Oracle Databaseのインストール後の作業」では、推奨および必須のインストール後の作業について説明します。
複数のソフトウェアのインストール: 「複数のOracleシステムのインストール」では、Oracleソフトウェアの複数のインストールに関する情報を提供します。
Oracle Databaseソフトウェアの削除: 「Oracle Databaseソフトウェアの削除」では、Oracle Databaseソフトウェアをシステムから削除する方法について説明します。
この項では、Oracle Database 11gリリース2 for BS2000/OSDのインストールを開始する前に完了する必要のある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。
システムは、次のハードウェア要件を満たしている必要があります。
Oracle Databaseには、2GB以上のメイン・メモリーが必要です。
インストール・ユーザーIDのアドレス空間制限は、512MB以上です。DBAユーザーIDでは、1024MB以上が必要です。
メモリー・サイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
/SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*MEMORY-SIZE
ユーザーのアドレス空間制限を確認するには、目的のユーザーIDでログインして、次のコマンドを入力します。
/SHOW-USER-ATTRIBUTES
ユーザーのアドレス空間が必要なサイズより少ない場合は、次のコマンドを使用してアドレス空間制限を増やすようにBS2000システム管理者に依頼します。
/MODIFY-USER-ATTRIBUTES USER-IDENTIFICATION=
user-id
,ADRESS-SPACE-LIMIT={512|1024}
Oracle Database 11gリリース2では、 S Server、SQ Server、SX ServerなどのBS2000/OSDのすべてのサーバー・アーキテクチャがサポートされています。システム上のアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを入力します。
/SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*HSI-ATTRIBUTES
システム・アーキテクチャを示すTYPE出力は次のとおりです。
IX: S ServerのHSI (/390アーキテクチャ)
KM: SQ ServerのHSI (x86-64アーキテクチャ)
PM: SX ServerのHSI (SPARCアーキテクチャ)
UD: HSIタイプは未定義
S Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.s390.lib
です。
SQ Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。このソフトウェアは、ネイティブx86-64モードで動作します。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.sq.lib
です。
SX Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。このソフトウェアは、エミュレーション・モードで動作します。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.s390.lib
です。
一部の新しい機能のため、Oracle Database 11gリリース2は、BS2000ファイル・システム(DMS)およびPOSIXファイル・システム内へのインストールが必要です。Oracle Databaseソフトウェアのインストールとは別のPOSIXファイル・システムを使用することをお薦めします。
関連項目: 追加のPOSIXファイル・システムの作成方法の詳細は、BS2000/OSDメインフレームのFujitsu社のガイド、具体的には次の場所にある「POSIX Basics for Users and System Administrators」を参照してください。
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POSIX管理者またはBS2000システム管理者がSTART-POSIX-INSTALLATION
コマンドを使用して新しいPOSIXファイル・システムを作成すると、UNIXのディスク・パーティションに似たPOSIXコンテナ・ファイルがBS2000ファイル・システム内に割り当てられます。POSIXファイル・システムは、このコンテナ・ファイル内に作成されます。たとえば/u01
などの目的のマウント・ポイントがルート・システムでまだ使用できない場合は、それが作成され、ファイル・システムがマウントされます。
Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Database 11gリリース2ソフトウェアには、次のディスク領域が必要です。
BS2000ファイル・システム:
項目 | ディスク領域 |
---|---|
ソフトウェア | 1.000.000 PAMページ |
ステージング・ライブラリ | 820.000 PAMページ |
推奨値(合計) | 2.000.000 PAMページ |
POSIXファイル・システム:
要件 | ディスク領域 |
---|---|
最小値 | 400MB |
推奨値 | 1GB |
注意: 自動診断リポジトリ(ADR)の診断データはPOSIXファイル・システムに存在します。自動診断リポジトリに必要なディスク領域は、Oracleインスタンスの数およびインシデントに対して作成された診断データの量によって異なります。そのため、推奨値よりはるかに多くのディスク領域がPOSIXファイル・システムに必要になる可能性があります。 |
抽出されたファイルは、BS2000ファイル・システムで1.000.000 PAMページを占有します。POSIXファイル・システムにインストールされたファイルは、約200MBを占有します。
ステージング・ライブラリは、インストール・ユーザーIDに存在する必要はありません。
Oracle Databaseは、9750の互換性端末をサポートします。さらに、rlogin
またはssh
を使用してPOSIXにログインする場合、Oracle Databaseは、POSIX環境内のX端末をサポートします。
Oracle Database 11gリリース2に付属しているグラフィカル・ユーザー・インタフェースでのJavaベースのツールの最低解像度は、1024 x 768以上です。
Oracle Databaseソフトウェアをインストールする前に、システムが次のソフトウェア要件を満たしているかどうかを確認することをお薦めします。
Oracle Database 11gリリース2には、次のオペレーティング・システムおよび通信システムのバージョン以上が必要です。
BS2000/OSD V7.0
openNet Server V3.3
これにはBCAM V20.0およびSockets V2.4が含まれます。
定期的にBS2000/OSDの最新の修正パッケージをインストールすることをお薦めします。
次のコマンドを使用して、BS2000/OSDシステムのバージョンを確認します。
/SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*BS2000-ID
注意: POSIXサブシステムの修正レベルはA41以上です。次のコマンドを使用してPOSIX修正レベルを確認できます。
|
openNet Serverソフトウェアのバージョンは、次のコマンドを使用して、ソフトウェア・コンポーネントBCAMのバージョンを確認することで確認できます。
/SHOW-INSTALLATION-PATH INSTALLATION-UNIT=BCAM
または、次のコマンドを使用してBCAMバージョンを確認するようにBS2000システム管理者に依頼できます。
/BCSHOW SHOW=BCAM
注意: BCAMのバージョンはV20以上である必要があります。 |
次のPOSIXパラメータについて、Oracle Database 11gリリース2での推奨値を確認する必要があります。
パラメータ名 | 説明 | 推奨値 |
---|---|---|
HDSTNI | ハード・ディスク・サーバー・タスクの数 | 4 |
NPBUF | 物理I/Oバッファの数 | 20 |
NPROC | プロセスの最大数 | 800 |
NBUF | I/Oバッファの数 | 200 |
MAXUP | ユーザー当たりのプロセスの最大数 | 200 |
NOTTY | ttysの最大数 | 512 |
NOPTY | ptysの最大数 | 512 |
NOSTTY | sttysの最大数 | 512 |
DBLSTATE | POSIXローダーの初期状態 | 1 |
DBLPOOL | POSIXローダーのプールのサイズ(MB) | 30 |
POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、ファイル$TSOS.SYSSSI.POSIX-BC.
version
内の値、たとえばversion = 070|080|090を確認できます。この値は、POSIXコマンドusp
を使用しても確認できます。
# usp -s nproc
次のコマンドを使用して、値を更新できます。
# usp -P
parameter
-v
value
注意:
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Oracle Database 11gリリース2では、指定されている次のバージョン以上のPOSIXパッケージが必要です。
POSIX-SH V7.0
JENV V6.0
APACHE V2.2、修正パッケージ2/2012を含む
PERL V5.8、修正パッケージ2/2012を含む
BCAM V20.0
インストールされているパッケージを確認するには、次のPOSIXコマンドを使用します。
$ pkginfo
package name
注意:
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Oracle Database 11gリリース2では次の追加のソフトウェアが必要です。必要なバージョンまたはより新しいバージョンをインストールします。
CRTE-BASYS V1.7FまたはCRTE-BASYS V1.8EまたはCRTE-BASYS V1.9A
SDF V4.7
SDF-P V2.5
SDF-A V4.1
EDT V17.0A
LMS V3.4
openSM2 V7.0
PTHREADS V1.3
ORACLE-TOOLS V1.0
Oracle DatabaseユーティリティADRCIでは、ADRインシデント・パッケージを作成するためにPOSIX環境にzipユーティリティが必要であり、このパッケージはOracleサポートにアップロードできます。
現在、このzipユーティリティは、Fujitsu BS2000/OSDのPOSIXのサプライ・ユニットには含まれていません。そのため、Fujitsu社のサポートWebサイトのダウンロード領域から別途ダウンロードする必要があります。
http://support.ts.fujitsu.com/Download
ORACLE-TOOLSというソフトウェア・パッケージをダウンロードします。このソフトウェア・パッケージには、ユーティリティ(圧縮と非圧縮)が含まれています。ダウンロード領域の検索ボックスにパッケージ名ORACLE-TOOLS
と入力することでこのソフトウェア・パッケージを見つけることができます。READMEファイルの記載に従って、ソフトウェア・パッケージORACLE-TOOLSをインストールします。
注意:
|
CやCOBOLなどの高レベル言語がOracle Databaseとのインタフェースに使用されている場合、次のバージョンまたはそれ以上がサポートされています。
COBOL85 V2.3
COBOL2000 V1.2
CPP V3.0
CRTE V2.7F
CRTE V2.8E
CRTE V2.9
Oracle Databaseをトランザクション・モニターopenUTMを含む構成で使用する場合は、openUTM V6.0以上が必要です。
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータは、ネットワーク・ドメインのメンバーとしてネットワークに接続されています。BCAMホスト名に加え、ホストは、DNSで解決可能な完全修飾名(hostname.domain
)を持っている必要があります。この項では、BS2000/OSDコンピュータに関する最も重要な問題について説明します。
S Serverでは、ソケット・サブシステムSOC6が作成され、実行されている必要があります。SQ Serverでは、ソケット・サブシステムSOC6-X8も作成され、実行されている必要があります。ソケット・サブシステムは次のコマンドを使用して確認できます。
/SHOW-SUBSYSTEM-STATUS SOC6*
BCAM接続および文字タイマーを確認することをお薦めします。BS2000システム管理者は、次のコマンドを使用してタイマー値を表示できます。
/SHOW-BCAM-TIMER
ISOセクションの出力でCONNとも呼ばれる接続タイマーの値は、600秒以上に設定する必要があります。STDセクションでLETTとも呼ばれる文字タイマーに大きい値を設定することをお薦めします。出力の値0
は、無限の文字時間を示します。
ホスト名の解決操作にLight Weight Resolver (LWRESD)を使用することをお薦めします。LWRESDの確認および管理のタスクには、BS2000システム管理者権限が必要です。次のコマンドを使用してLWRESDが稼働しているかどうかの確認をBS2000システム管理者に依頼してください。
/SHOW-LWRESD-PARAMETERS
たとえば、次の出力は、パラメータ・ファイルが使用中であることを示します。
RESOLV-FILE : :PVS1:$TSOS.SYSDAT.LWRESD.011.RESOLV.CONF
このパラメータ・ファイルには、有効なネーム・サーバーのIPアドレスおよびドメインまたはドメインの検索リストが含まれている必要があります。
ファイル$TSOS.SYSDAT.BCAM.ETC.HOSTS
にループバック・アドレスのエントリが含まれているかどうかを確認します。たとえば、次のようになります。
127.0.0.1 localhost loopback # local address
ネットワーク構成ファイル/etc/hosts
および/etc/resolv.conf
を確認します。これらのファイルには、BS2000管理者のユーザーID TSOSの対応するファイルと同じ内容が含まれている必要があります。一致しない場合は、BS2000システム管理者にファイルの同期を依頼してください。
今回初めてOracleソフトウェアをシステムにインストールする場合、Oracle Management Agentのインストールによっては、複数のBS2000ユーザーID、POSIXのユーザーおよびグループを作成する必要がある場合があります。Oracle Database 11gリリース2ソフトウェア用のBS2000ユーザーIDはインストール・ユーザーIDと呼ばれ、Oracle Databaseが格納されている場所のユーザーIDはDBAユーザーIDと呼ばれます。
BS2000システム管理者は、Oracle Database 11gリリース2ソフトウェアが存在する場所にユーザーIDを作成する必要があります。このユーザーIDは、Oracleインストール・ユーザーIDまたはOracleソフトウェア所有者と呼ばれます。このガイド全体では、このユーザーIDをORAC1120
と呼びます。このユーザーIDには、特別なBS2000の権限は必要ありません。
BS2000システム管理者が、次のコマンドを使用してインストール・ユーザーIDを作成すると、対応するPOSIXユーザーも作成されます。POSIXユーザーの各属性(具体的には、ユーザー番号、グループ番号、ログイン・ディレクトリおよびプログラム)には、デフォルト値が割り当てられます。
/ADD-USER ORAC1120,…
POSIXへのインストールでは、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXにシステム・グループを作成する必要があります。他のUNIXシステムと区別するため、Oracle Databaseのインストール・ユーザーID (Oracleソフトウェア所有者)およびDBAユーザーIDは同じにはしません。そのため、POSIXインストールでは、Oracleソフトウェア所有者およびOracle Database用にoracle
などの1つのグループのみを使用します。このグループはOracleインストール・グループと呼ばれます。
このインストールがPOSIXへの最初のOracle Databaseのインストールでない場合は、次のPOSIXコマンドを使用して、グループ名を特定できます。
$ more /var/opt/oracle/oraInst.loc
oraInst.loc
ファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oraInventory
inst_group=oracle
inst_group
パラメータは、以前のOracle Databaseインストールのグループ名を表しており、ここではoracle
です。
このグループに一意のグループIDが定義されているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ grep 'oracle' /etc/group
グループ名および100より大きいグループIDが出力に表示されている場合、グループは存在します。
グループIDが100の場合は、100より大きい別個の値(たとえば104など)にIDを変更する必要があります。
/etc/group
にグループが見つからない場合は、グループ名および一意のグループ番号をファイル/etc/group
に追加するようにPOSIX管理者またはBS2000システム管理者に依頼します。管理者はテキスト・エディタ(edt
やvi
など)を使用して、次の規定に従って新しい行を追加する必要があります。
groupname
::
groupnumber
:
user-id
[,
user-id
,...]
次の例は、グループoracle
に関するファイル/etc/group
内の行を示します。
oracle::104:ORAC1120,ORADB11G
インストール・ユーザーIDおよびすべてのDBAユーザーIDをOracleグループIDの行にさらに追加します。
インストール・ユーザーIDをPOSIXユーザーとして使用する前に、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、次のコマンドを使用してPOSIXユーザーを初期化する必要があります。
/ADD-POSIX-USER USER-NAME=
user-id
,USER-NUMBER=
nnn
,GROUP-NUMBER=
oracle group number
,HOME-DIRECTORY=
path
[,RLOGIN-ACCOUNT=
account
]
次の要件について検討します。
USER-NAME
がインストール・ユーザーIDである。
USER-NUMBER
が一意で100より大きい必要がある。
GROUP-NUMBER
がOracleインストール・グループの番号であり、100より大きい必要がある。
HOME-DIRECTORY
が有効なパスである。root
またはvar
ファイル・システムに存在するパスを使用しないでください。POSIXユーザー用の別のファイル・システムを作成することを強くお薦めします。有効なHOME-DIRECTORY
の例は、/home/orac1120
で、/home
はPOSIXファイル・システムのマウント・ポイントです。
rlogin
またはssh
を使用したリモート・アクセスを許可する場合、RLOGIN-ACCOUNT
が指定できる。
通常、BS2000/OSD内のOracle Databaseは、Oracle Databaseインストール・ユーザーIDとは異なるBS2000ユーザーIDに存在します。新しいOracle Databaseに新しいDBAユーザーIDを作成する場合、POSIXユーザーも「POSIXユーザーの初期化」に記載されている方法と同じ方法で初期化する必要があります。既存のOracle Databaseをアップグレードする場合は、POSIXユーザーが次のBS2000コマンドを使用してDBAユーザーIDに対して初期化されているかどうかを確認する必要があります。
/SHOW-POSIX-USER-ATTRIBUTES
出力に、デフォルト値およびディレクトリが/home/gast
であると表示される場合は、次のBS2000コマンドを使用してPOSIXユーザーを初期化します。
/ADD-POSIX-USER
初期化したPOSIXユーザーのPOSIXユーザー属性は、次のBS2000コマンドを使用して変更できます。
/MODIFY-POSIX-USER-ATTRIBUTES
最後に、ファイル/etc/group
内のOracleインストール・グループにこのユーザーを追加します。
注意:
|
Oracleソフトウェア用のPOSIXファイル・システムに、次のディレクトリを識別または作成する必要があります。
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。Oracleベース・ディレクトリには、次のようなパスを使用することをお薦めします。
/mount_point
/app/
software_owner
この例の説明は、次のとおりです。
mount_point
は、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01
を使用しています。
software_owner
は、Oracleソフトウェアをインストールしているソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。
コンポーネント/mount_point/app
は、パスのオペレーティング・システム部分を表します。Oracle Database 11gリリース2のインストールを開始する前に、パスのオペレーティング・システム部分を作成する必要があります。
注意:
|
Oracle Management Agentのインストールと同じOracleベース・ディレクトリを使用できます。BS2000/OSDでは、POSIXファイル・システムで別個の複数のOracleベース・ディレクトリを作成するため、Oracleインストールに別個のインストール・ユーザーIDが必要です。次に、同じシステム上に存在するOracleベース・ディレクトリの例を示します。
/u01/app/orac1120
/u01/app/ora10205
POSIXファイル・システムの詳細は、「Oracleベース・ディレクトリのファイル・システムの作成または拡張」を参照してください。
Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory
)には、システムにインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracleインストール手順ではそのOracleインベントリを使用します。
Oracleインストール手順は、ファイル/var/opt/oracle/oraInst.loc
からOracleインベントリ・ディレクトリのパスを導出します。このファイルが存在しない場合は、ORACLE_BASE
からインベントリ・パスを導出し、パスORACLE_BASE/../oraInventory
にOracleインベントリ・ディレクトリを作成します。たとえば、ORACLE_BASE
が/u01/app/orac1120
に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventory
に作成されます。
Oracleインストール手順は、指定したOracleサブディレクトリを作成し、正しい所有者、グループおよび権限を設定します。パスのオペレーティング・システム部分(たとえば/u01/app
)が存在する必要があり、ディレクトリapp
に対して読取り、書込みおよび実行権限がある必要があります。
注意:
|
Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。Oracleインストール手順を実行すると、このディレクトリのパスの指定が求められます。推奨されたパスをそのまま使用するか、新しいパスを入力できます。指定するディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリである必要があります。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。
oracle_base_path
/product/dbhome
Oracleインストール手順によって、指定したディレクトリ・パスが作成されます。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを手動で作成する必要はありません。
注意: インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。 |
インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリのオペレーティング・システム部分を識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。
注意: システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリを作成できます。 |
既存のOracleベース・ディレクトリは、次のように識別できます。
既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別。
ファイル/var/opt/oracle/oraInst.loc
で文字列'inventory_loc'
を検索します。
$ grep 'inventory_loc' /var/opt/oracle/oraInst.loc
oraInst.loc
が存在する場合、出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oraInventory
既存のOracleホーム・ディレクトリからのOracleベース・ディレクトリの導出。
次のコマンドを入力して/var/opt/oracle/oratab
ファイルの内容を表示します。
$ more /var/opt/oratab
oratab
ファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれている可能性があります。
*:/u01/app/orac1020/product/10g:N
*:/oracl920/9.2.0:N
各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。Oracleソフトウェア所有者のユーザー名で終わるディレクトリ・パスは、既存のOracleベース・ディレクトリです。Oracle Database 11gリリース2のインストールでは、サブディレクトリ/u01/app
をOracleベース・ディレクトリのルート
として選択できます。orac1120
ユーザーをソフトウェアのインストールに使用する場合は、次のディレクトリを選択できます。
/u01/app/orac1120
このインストールのOracleベース・ディレクトリが次の条件を満たしているかどうかを確認してください。
このディレクトリがオペレーティング・システム(root
またはvar
)と同じファイル・システム上にないこと。
十分な空きディスク領域があること。
Oracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。
$ df -k
oracle_base_path
注意: インストール手順はOracleベース・ディレクトリを検索し、推奨されたパスをそのまま使用するか、新しいパスを入力するかどうかを求めるプロンプトが表示されます。 |
Oracleベース・ディレクトリがあり、POSIXファイル・システムに十分な領域がない既存のファイル・システムにOracleソフトウェアをインストールする場合、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXインストーラを使用してOracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムを拡張できます。POSIXインストーラを使用してファイル・システムを拡張するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを使用してPOSIXインストーラを起動します。
/START-POSIX-INSTALLATION
「POSIXファイル・システムの管理」を選択します。
目的のファイル・システムをマークして、「拡張」を選択します。
ファイル・システムを拡張する必要のあるPAMページ数を入力します。
Oracleベース・ディレクトリを新しいPOSIXファイル・システムに存在させる場合は、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXインストーラを使用してPOSIXファイル・システムを作成する必要があります。POSIXインストーラを使用してPOSIXファイル・システムを作成するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを使用してPOSIXインストーラを起動します。
/START-POSIX-INSTALLATION
「POSIXファイル・システムの管理」を選択し、「追加」を選択します。
POSIXインストーラによって新しいPOSIXコンテナ・ファイルがBS2000ファイル・システムに割り当てられ、POSIXファイル・システムがそのコンテナ内に作成されます。POSIXインストーラによって、新しいファイル・システムのマウント・ポイントの指定も求められます。マウント・ポイントが存在しない場合はルート・システムに作成され、新しいファイル・システムがマウントされます。デフォルトでは、新しいファイル・システムの所有者はSYSROOTです。管理者はこの時点で、Oracleベース・ディレクトリを作成し、正しい所有者、グループおよび権限を次の規定に従って指定する必要があります。
# mkdir -p /
mount_point
/app/
oracle_sw_owner
# chown -R
oracle_sw_owner
:
oracle_installation_group
/mount_point
/app/
oracle_sw_owner
# chmod -R 775 /
mount_point
/app/
oracle_sw_owner
たとえば、次のようになります。
# mkdir -p /u01/app/orac1120
# chown -R orac1120:oracle /u01/app/orac1120
# chmod -R 775 /u01/app/orac1120
Oracle Database 11gリリース2ソフトウェアは、圧縮されたLMSライブラリで入手できます。Oracle Databaseソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。
ソフトウェアをインストールするBS2000システムへのFTPアクセスがあるWindowsまたはUNIXシステムの一時的な場所に、ソフトウェアをコピーする必要があります。
Oracle Software Delivery Cloud (https://edelivery.oracle.com/
)からインストール・ファイルをダウンロードし、zipファイルをこのWindowsまたはUNIXシステムに移動します。
ZIPユーティリティ(WinZipなど)を使用して、このシステム上の一時的な場所にzipファイルを解凍します。次のファイルが作成されます。
welcome.htm:
ドキュメントにアクセスする際の開始ポイントです。
doc/:
BS2000/OSDのOracle Databaseについてのプラットフォーム固有のドキュメントが含まれています。
さらに次のいずれかのプラットフォームのインストール・ファイルが含まれています。
ora11202.s390.lib:
Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)のステージング・ライブラリ
ora11202.sq.lib
: Fujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)のステージング・ライブラリ
ステージング・ライブラリをFTPバイナリでBS2000システム上のユーザーIDに転送します。これは、Oracleインストール・ユーザーID(たとえばORAC1120
)またはその他のユーザーIDのいずれかになります。BS2000 FTPを使用している場合は、転送の前に次のFTPファイル・コマンドを使用して、ファイルを事前に割り当てます。
file ora11202.s390.lib,fcbtype=pam,blkctrl=no,blksize=(std,2),space=820000
圧縮されていないファイルがあるプラットフォーム上でFTPを使用している場合は、次のコマンドを使用します。
quote file ora11202.s390.lib,fcbtype=pam,blkctrl=no,blksize=(std,2),space=820000
ステージング・ファイルをOracleインストール・ユーザーIDとは異なるユーザーIDに転送した場合は、次のコマンドを使用して、このステージング・ライブラリに対するアクセス権をすべてのユーザーに付与する必要があります。
/MODIFY-FILE-ATTRIBUTES ORA11202.S390.LIB,USER-ACCESS=*ALL-USERS
インストール・ユーザーID(ORAC1120
など)にログインします。
ステージング・ライブラリがインストール・ユーザーIDに存在する場合は、Oracleインストール手順を次のようにコールします。
/CALL-PROCEDURE (ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC)
ステージング・ライブラリを別のBS2000ユーザーIDに格納した場合は、Oracleインストール手順を次のようにコールします。
/CALL-PROCEDURE
(staging_userid
.ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),
(INSTUID=
staging_userid
)
たとえば、次のようになります。
/CALL-PROCEDURE ($FOO.ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),(INSTUID=$FOO)
Oracleインストール手順では、次のアクションが実行されます。
ハードウェア要件およびソフトウェア要件の確認
BS2000ファイルおよびPOSIXファイルで使用可能なディスク領域の確認
ステージング・ライブラリからのファイルの抽出
インストール・ユーザーIDへのOracleソフトウェアのインストール
SDF-Aが使用可能な場合はSDF構文ファイルの更新
POSIXファイル・システムへのOracle Databaseソフトウェアのインストール
Oracleインベントリ・ファイルへのソフトウェアの登録
インストール手順の完全な構文を次に示します。
/CALL-PROCEDURE (
[staging_userid
.]ORA11202.{S390|SQ}.LIB,ORAINST.PRC)[
,( [ CMD={INSTALL|UNINSTALL}]
[,INSTUID=
staging_userid
]
[,OLDUID=
old_userid
]
[,ORACLE-BASE={*DIALOG|oracle_base}]
[,ORACLE-HOME={*DIALOG|oracle_home}]
[,DEBUG={Y|N}]
[,PROCLOG={Y|N}] )]
パラメータ | 値 | 説明 |
---|---|---|
CMD | INSTALL|UNINSTALL
デフォルト: |
アクション: Oracle Databaseソフトウェアのインストールまたは削除 |
INSTUID | ステージング・ライブラリのユーザーID
デフォルト: |
ステージング・ライブラリの場所のBS2000ユーザーID。 |
OLDUID | スクリプトで使用される古いユーザーID
デフォルト: |
ソフトウェアのリリース時に複数のスクリプトに格納されたユーザーID。インストール中に現在のユーザーIDに更新されます。 |
ORACLE-BASE | *DIALOG|oracle_base
デフォルト: |
Oracleベース・ディレクトリは、POSIXファイル・システムへのOracle Database 11gリリース2のインストールに必要です。デフォルト値*DIALOG は、Oracleベース・ディレクトリの入力が求められることを示します。 |
ORACLE-HOME | *DIALOG|oracle_home
デフォルト: |
Oracleホーム・ディレクトリは、POSIXファイル・システムへのOracle Database 11gリリース2のインストールに必要です。デフォルト値*DIALOG は、Oracleホーム・ディレクトリの入力が求められることを示します。 |
DEBUG | Y|N
デフォルト: |
インストール手順をデバッグします。 |
PROCLOG | Y|N
デフォルト: |
BS2000のコマンドCALL-PROCEDURE のロギング機能を使用します。 |
インストール手順では、インストールをバックグラウンド・タスクで実行する機会も提供されています。この場合、パラメータORACLE-BASE
およびORACLE-HOME
を指定する必要があり、そうしない場合は、インストールが中断されます。インストール・タスクには約250 CPU秒かかるため、CPU-LIMIT
を300以上に設定することをお薦めします。次のようにしてインストールを開始できます。
/ENTER-PROCEDURE
(ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),(ORACLE-BASE='/u01/app/orac1120',ORACLE-HOME='/u01/app/orac1120/product/dbhome'),CPU-LIMIT=300
インストールは、ファイルINSTALL.ORAINST.LST
に記録されます。
POSIXファイル・システムへのOracle Databaseソフトウェアのインストールには、ORACLE_BASE
およびORACLE_HOME
のパスが必要です。インストールがダイアログ・モードで実行されている場合およびプロシージャ・コールでパラメータをしてしなかった場合は、インストール中にこれらのパスの入力が求められます。推奨されたパスをそのまま使用するか、または新しいパスを入力できます。
インストールを完了するには、POSIX管理者またはBS2000システム管理者が、次のようにoracle_home_path
/root.sh
スクリプトを実行する必要があります。
BS2000環境では、次のコマンドを使用します。
/EXECUTE-POSIX-CMD CMD='
oracle_home_path/
root.sh'
次に例を示します。
/EXECUTE-POSIX-CMD CMD='/u01/app/orac1120/product/dbhome/root.sh'
POSIX環境(シェル)では、次のコマンドを使用します。
# sh
oracle_home_path
/root.sh
たとえば、次のようになります。
# sh /u01/app/orac1120/product/dbhome/root.sh
これがBS2000サーバーへの最初のOracle Databaseのインストールの場合は、root
スクリプトによって次のアクションが実行されます。
パス/var/opt/oracle
の作成
ファイル/var/opt/oracle/oraInst.loc
の作成
空のファイル/var/opt/ortacle/oratab
の作成
製品APACHEがインストールされている場合は、APACHEインストールのlib
ディレクトリにOracleホーム・ディレクトリのOracle Client共有ライブラリへのリンクが作成されます。
Oracleソフトウェアの同じまたは異なるバージョンに基づいて、複数のOracleシステムをインストールすることもできます。この場合、バージョンの異なるソフトウェアは、別々のインストール・ユーザーIDにインストールする必要があります。
システムからOracle Databaseソフトウェアを削除する場合は、Oracleインストール・ユーザーIDにログインし、次のようにインストール手順を使用します。
/CALL-PROCEDURE INSTALL.P.ORAINST,(CMD=UNINSTALL)
この場合、Oracleインストール手順では、次のアクションが実行されます。
POSIXファイル・システムからのOracle Databaseソフトウェアの削除
Oracleインベントリの更新
BS2000ファイル・システムからのOracle Databaseソフトウェアの削除
注意: Oracleインストール手順でインストールされたファイル(ORAINST.PRC )のみがシステムから削除されます。ユーザーまたはOracleインスタンスによって作成されたファイルは、Oracleホーム・ディレクトリおよびインストール・ユーザーIDに残ります。 |