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Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49830-02
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3 Oracle Databaseのインストールおよび削除

この章では、BS2000/OSDへのOracle Database 11gリリース2のインストール前の要件、インストール後の作業およびインストールと削除について説明します。次の項目について説明します。

3.1 Oracle Databaseのインストールの概要

Oracle Databaseソフトウェアは、https://edelivery.oracle.comにあるOracle Software Delivery Cloudからダウンロードできます。インストール・ファイルは、ステージング・ライブラリと呼ばれるLibrary Maintenance System (LMS)ライブラリに含まれています。

zipファイルをダウンロードして、WindowsまたはUNIXシステム上の一時的な場所に抽出します。次に、ファイル転送プロトコル(FTP)を使用して、ステージング・ライブラリをBS2000システムにアップロードします。次の各項では、Fujitsu BS2000/OSD S ServerへのOracleのインストール・プロセスを説明します。Fujitsu BS2000/OSD SQ ServerへのOracleのインストール・プロセスは、ステージング・ライブラリの名前を除いて同じです。ステージング・ライブラリの名前は次のとおりです。

  • ora11202.s390.lib: Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)

  • ora11202.sq.lib: Fujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)

3.2 インストールの計画

Oracle Databaseのインストール・プロセスは、次の手順で構成されます。

  1. リリース・ノートの参照: インストールを開始する前に、第1章、「リリース・ノート」のOracle Databaseリリース・ノートfor Fujitsu BS2000/OSDを参照してください。

  2. ライセンス情報の確認: メディア・パック内のインストール・メディアには多くのOracleコンポーネントが含まれていますが、ライセンスを購入したコンポーネントのみを使用できます。Oracleサポート・サービスでは、ライセンスを購入していないコンポーネントに対するサポートは提供していません。


    関連項目:

    ライセンス情報の詳細は、Oracle Databaseライセンス情報を参照

  3. インストール前の作業の完了: 「Oracle Databaseのインストール前の要件」では、製品のインストール前に完了する必要のある作業について説明します。

  4. ソフトウェアのインストール: 「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」Oracle Database 11gリリース2をインストールするためのBS2000/OSD用のOracleインストール手順の使用方法について説明します。

  5. インストール後の作業の完了: 「Oracle Databaseのインストール後の作業」では、推奨および必須のインストール後の作業について説明します。

  6. 複数のソフトウェアのインストール: 「複数のOracleシステムのインストール」では、Oracleソフトウェアの複数のインストールに関する情報を提供します。

  7. Oracle Databaseソフトウェアの削除: 「Oracle Databaseソフトウェアの削除」では、Oracle Databaseソフトウェアをシステムから削除する方法について説明します。

3.3 Oracle Databaseのインストール前の要件

この項では、Oracle Database 11gリリース2 for BS2000/OSDのインストールを開始する前に完了する必要のある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。

3.3.1 ハードウェア要件の確認

システムは、次のハードウェア要件を満たしている必要があります。

3.3.1.1 メモリー要件

Oracle Databaseには、2GB以上のメイン・メモリーが必要です。

インストール・ユーザーIDのアドレス空間制限は、512MB以上です。DBAユーザーIDでは、1024MB以上が必要です。

  • メモリー・サイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*MEMORY-SIZE
    
  • ユーザーのアドレス空間制限を確認するには、目的のユーザーIDでログインして、次のコマンドを入力します。

    /SHOW-USER-ATTRIBUTES
    

ユーザーのアドレス空間が必要なサイズより少ない場合は、次のコマンドを使用してアドレス空間制限を増やすようにBS2000システム管理者に依頼します。

/MODIFY-USER-ATTRIBUTES USER-IDENTIFICATION=user-id,ADRESS-SPACE-LIMIT={512|1024}

3.3.1.2 システム・アーキテクチャ

Oracle Database 11gリリース2では、 S Server、SQ Server、SX ServerなどのBS2000/OSDのすべてのサーバー・アーキテクチャがサポートされています。システム上のアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを入力します。

/SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*HSI-ATTRIBUTES

システム・アーキテクチャを示すTYPE出力は次のとおりです。

  • IX: S ServerのHSI (/390アーキテクチャ)

  • KM: SQ ServerのHSI (x86-64アーキテクチャ)

  • PM: SX ServerのHSI (SPARCアーキテクチャ)

  • UD: HSIタイプは未定義

S Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.s390.libです。

SQ Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。このソフトウェアは、ネイティブx86-64モードで動作します。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.sq.libです。

SX Serverでは、プラットフォームFujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Databaseソフトウェアをインストールします。このソフトウェアは、エミュレーション・モードで動作します。インストール・ステージング・ライブラリの名前は、ora11202.s390.libです。

3.3.1.3 ディスク領域要件

一部の新しい機能のため、Oracle Database 11gリリース2は、BS2000ファイル・システム(DMS)およびPOSIXファイル・システム内へのインストールが必要です。Oracle Databaseソフトウェアのインストールとは別のPOSIXファイル・システムを使用することをお薦めします。


関連項目:

追加のPOSIXファイル・システムの作成方法の詳細は、BS2000/OSDメインフレームのFujitsu社のガイド、具体的には次の場所にある「POSIX Basics for Users and System Administrators」を参照してください。
http://manuals.ts.fujitsu.com/file/8521/posix_g.pdf

POSIX管理者またはBS2000システム管理者がSTART-POSIX-INSTALLATIONコマンドを使用して新しいPOSIXファイル・システムを作成すると、UNIXのディスク・パーティションに似たPOSIXコンテナ・ファイルがBS2000ファイル・システム内に割り当てられます。POSIXファイル・システムは、このコンテナ・ファイル内に作成されます。たとえば/u01などの目的のマウント・ポイントがルート・システムでまだ使用できない場合は、それが作成され、ファイル・システムがマウントされます。

Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)用のOracle Database 11gリリース2ソフトウェアには、次のディスク領域が必要です。

  • BS2000ファイル・システム:

    項目 ディスク領域
    ソフトウェア 1.000.000 PAMページ
    ステージング・ライブラリ 820.000 PAMページ
    推奨値(合計) 2.000.000 PAMページ

  • POSIXファイル・システム:

    要件 ディスク領域
    最小値 400MB
    推奨値 1GB


注意:

自動診断リポジトリ(ADR)の診断データはPOSIXファイル・システムに存在します。自動診断リポジトリに必要なディスク領域は、Oracleインスタンスの数およびインシデントに対して作成された診断データの量によって異なります。そのため、推奨値よりはるかに多くのディスク領域がPOSIXファイル・システムに必要になる可能性があります。

抽出されたファイルは、BS2000ファイル・システムで1.000.000 PAMページを占有します。POSIXファイル・システムにインストールされたファイルは、約200MBを占有します。

ステージング・ライブラリは、インストール・ユーザーIDに存在する必要はありません。

3.3.1.4 ディスプレイ要件

Oracle Databaseは、9750の互換性端末をサポートします。さらに、rloginまたはsshを使用してPOSIXにログインする場合、Oracle Databaseは、POSIX環境内のX端末をサポートします。

Oracle Database 11gリリース2に付属しているグラフィカル・ユーザー・インタフェースでのJavaベースのツールの最低解像度は、1024 x 768以上です。

3.3.2 ソフトウェア要件の確認

Oracle Databaseソフトウェアをインストールする前に、システムが次のソフトウェア要件を満たしているかどうかを確認することをお薦めします。

3.3.2.1 オペレーティング・システムおよび通信システムの要件

Oracle Database 11gリリース2には、次のオペレーティング・システムおよび通信システムのバージョン以上が必要です。

  • BS2000/OSD V7.0

  • openNet Server V3.3

    これにはBCAM V20.0およびSockets V2.4が含まれます。

定期的にBS2000/OSDの最新の修正パッケージをインストールすることをお薦めします。

次のコマンドを使用して、BS2000/OSDシステムのバージョンを確認します。

/SHOW-SYSTEM-INFORMATION INFORMATION=*BS2000-ID


注意:

POSIXサブシステムの修正レベルはA41以上です。次のコマンドを使用してPOSIX修正レベルを確認できます。
/EXECUTE-POSIX-CMD CMD='uname -v'

openNet Serverソフトウェアのバージョンは、次のコマンドを使用して、ソフトウェア・コンポーネントBCAMのバージョンを確認することで確認できます。

/SHOW-INSTALLATION-PATH INSTALLATION-UNIT=BCAM

または、次のコマンドを使用してBCAMバージョンを確認するようにBS2000システム管理者に依頼できます。

/BCSHOW SHOW=BCAM


注意:

BCAMのバージョンはV20以上である必要があります。

3.3.2.2 POSIXパラメータ

次のPOSIXパラメータについて、Oracle Database 11gリリース2での推奨値を確認する必要があります。

パラメータ名 説明 推奨値
HDSTNI ハード・ディスク・サーバー・タスクの数 4
NPBUF 物理I/Oバッファの数 20
NPROC プロセスの最大数 800
NBUF I/Oバッファの数 200
MAXUP ユーザー当たりのプロセスの最大数 200
NOTTY ttysの最大数 512
NOPTY ptysの最大数 512
NOSTTY sttysの最大数 512
DBLSTATE POSIXローダーの初期状態 1
DBLPOOL POSIXローダーのプールのサイズ(MB) 30

POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、ファイル$TSOS.SYSSSI.POSIX-BC.version内の値、たとえばversion = 070|080|090を確認できます。この値は、POSIXコマンドuspを使用しても確認できます。

# usp -s nproc

次のコマンドを使用して、値を更新できます。

# usp -P parameter -v value

注意:

  • ファイル$TSOS.SYSSSI.POSIX-BC.version内のパラメータを編集した場合は、POSIXサブシステムを再起動する必要があります。

  • パラメータ値はBS2000システム全体のロードによって異なり、このロードに合わせて調整する必要があります。前述のリストされている値は、最小の推奨値です。


3.3.2.3 パッケージ要件

Oracle Database 11gリリース2では、指定されている次のバージョン以上のPOSIXパッケージが必要です。

  • POSIX-SH V7.0

  • JENV V6.0

  • APACHE V2.2、修正パッケージ2/2012を含む

  • PERL V5.8、修正パッケージ2/2012を含む

  • BCAM V20.0

インストールされているパッケージを確認するには、次のPOSIXコマンドを使用します。

$ pkginfo package name

注意:

  • Oracle Databaseソフトウェアのインストールを開始する前に、パッケージPOSIX-SHおよびJENVがインストールされていることを確認してください。

  • パッケージAPACHE、PerlおよびBCAMは、Oracle Management Agentで必要です。これらのパッケージはOracle Database 11gリリース2ではオプションですが、インストールすることをお薦めします。


3.3.2.4 その他のBS2000ソフトウェア・コンポーネント

Oracle Database 11gリリース2では次の追加のソフトウェアが必要です。必要なバージョンまたはより新しいバージョンをインストールします。

  • CRTE-BASYS V1.7FまたはCRTE-BASYS V1.8EまたはCRTE-BASYS V1.9A

  • SDF V4.7

  • SDF-P V2.5

  • SDF-A V4.1

  • EDT V17.0A

  • LMS V3.4

  • openSM2 V7.0

  • PTHREADS V1.3

  • ORACLE-TOOLS V1.0

    Oracle DatabaseユーティリティADRCIでは、ADRインシデント・パッケージを作成するためにPOSIX環境にzipユーティリティが必要であり、このパッケージはOracleサポートにアップロードできます。

    現在、このzipユーティリティは、Fujitsu BS2000/OSDのPOSIXのサプライ・ユニットには含まれていません。そのため、Fujitsu社のサポートWebサイトのダウンロード領域から別途ダウンロードする必要があります。

    http://support.ts.fujitsu.com/Download
    

    ORACLE-TOOLSというソフトウェア・パッケージをダウンロードします。このソフトウェア・パッケージには、ユーティリティ(圧縮と非圧縮)が含まれています。ダウンロード領域の検索ボックスにパッケージ名ORACLE-TOOLSと入力することでこのソフトウェア・パッケージを見つけることができます。READMEファイルの記載に従って、ソフトウェア・パッケージORACLE-TOOLSをインストールします。


注意:

  • サブシステムCRTEBASYがロードされている必要があります。SQ Serverでは、サブシステムCRTEBASKもロードされている必要があります。

  • SDF-Aはオプションです。SDF-Aは、Oracle用のSDFユーザー構文ファイルを更新するためにのみ必要です。SDF-Aが使用できない場合、Oracle用のSDFユーザー構文ファイルの更新はスキップされます。Oracle用のSDF構文ファイルが更新されていない場合、インストール・ユーザーIDがデフォルトのインストール・ユーザーID ORAC1120の場合にのみ、BS2000のSDFコマンドをUNIX形式で使用してOracleユーティリティを開始できます。

  • ソフトウェア・コンポーネントopenSM2およびPTHREADSは、Oracle Management Agentで必要です。


3.3.2.5 Oracle DatabaseアプリケーションのコンパイラおよびCRTE要件

CやCOBOLなどの高レベル言語がOracle Databaseとのインタフェースに使用されている場合、次のバージョンまたはそれ以上がサポートされています。

  • COBOL85 V2.3

  • COBOL2000 V1.2

  • CPP V3.0

  • CRTE V2.7F

  • CRTE V2.8E

  • CRTE V2.9

3.3.2.6 その他のソフトウェア要件

Oracle Databaseをトランザクション・モニターopenUTMを含む構成で使用する場合は、openUTM V6.0以上が必要です。

3.3.3 ネットワーク設定の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータは、ネットワーク・ドメインのメンバーとしてネットワークに接続されています。BCAMホスト名に加え、ホストは、DNSで解決可能な完全修飾名(hostname.domain)を持っている必要があります。この項では、BS2000/OSDコンピュータに関する最も重要な問題について説明します。

3.3.3.1 ソケット・サブシステムの確認

S Serverでは、ソケット・サブシステムSOC6が作成され、実行されている必要があります。SQ Serverでは、ソケット・サブシステムSOC6-X8も作成され、実行されている必要があります。ソケット・サブシステムは次のコマンドを使用して確認できます。

/SHOW-SUBSYSTEM-STATUS SOC6*

3.3.3.2 BCAMタイマーの確認

BCAM接続および文字タイマーを確認することをお薦めします。BS2000システム管理者は、次のコマンドを使用してタイマー値を表示できます。

/SHOW-BCAM-TIMER

ISOセクションの出力でCONNとも呼ばれる接続タイマーの値は、600秒以上に設定する必要があります。STDセクションでLETTとも呼ばれる文字タイマーに大きい値を設定することをお薦めします。出力の値0は、無限の文字時間を示します。

3.3.3.3 LWRESDの確認

ホスト名の解決操作にLight Weight Resolver (LWRESD)を使用することをお薦めします。LWRESDの確認および管理のタスクには、BS2000システム管理者権限が必要です。次のコマンドを使用してLWRESDが稼働しているかどうかの確認をBS2000システム管理者に依頼してください。

/SHOW-LWRESD-PARAMETERS

たとえば、次の出力は、パラメータ・ファイルが使用中であることを示します。

RESOLV-FILE : :PVS1:$TSOS.SYSDAT.LWRESD.011.RESOLV.CONF

このパラメータ・ファイルには、有効なネーム・サーバーのIPアドレスおよびドメインまたはドメインの検索リストが含まれている必要があります。

3.3.3.4 ループバック・アドレスの確認

ファイル$TSOS.SYSDAT.BCAM.ETC.HOSTSにループバック・アドレスのエントリが含まれているかどうかを確認します。たとえば、次のようになります。

127.0.0.1                localhost loopback           # local address

3.3.3.5 POSIXファイル・システム内の構成ファイルの確認

ネットワーク構成ファイル/etc/hostsおよび/etc/resolv.confを確認します。これらのファイルには、BS2000管理者のユーザーID TSOSの対応するファイルと同じ内容が含まれている必要があります。一致しない場合は、BS2000システム管理者にファイルの同期を依頼してください。

3.3.4 必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成

今回初めてOracleソフトウェアをシステムにインストールする場合、Oracle Management Agentのインストールによっては、複数のBS2000ユーザーID、POSIXのユーザーおよびグループを作成する必要がある場合があります。Oracle Database 11gリリース2ソフトウェア用のBS2000ユーザーIDはインストール・ユーザーIDと呼ばれ、Oracle Databaseが格納されている場所のユーザーIDはDBAユーザーIDと呼ばれます。

3.3.4.1 BS2000インストール・ユーザーIDの作成

BS2000システム管理者は、Oracle Database 11gリリース2ソフトウェアが存在する場所にユーザーIDを作成する必要があります。このユーザーIDは、Oracleインストール・ユーザーIDまたはOracleソフトウェア所有者と呼ばれます。このガイド全体では、このユーザーIDをORAC1120と呼びます。このユーザーIDには、特別なBS2000の権限は必要ありません。

BS2000システム管理者が、次のコマンドを使用してインストール・ユーザーIDを作成すると、対応するPOSIXユーザーも作成されます。POSIXユーザーの各属性(具体的には、ユーザー番号、グループ番号、ログイン・ディレクトリおよびプログラム)には、デフォルト値が割り当てられます。

/ADD-USER ORAC1120,…

3.3.4.2 POSIXシステム・グループの作成

POSIXへのインストールでは、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXにシステム・グループを作成する必要があります。他のUNIXシステムと区別するため、Oracle Databaseのインストール・ユーザーID (Oracleソフトウェア所有者)およびDBAユーザーIDは同じにはしません。そのため、POSIXインストールでは、Oracleソフトウェア所有者およびOracle Database用にoracleなどの1つのグループのみを使用します。このグループはOracleインストール・グループと呼ばれます。

  • このインストールがPOSIXへの最初のOracle Databaseのインストールでない場合は、次のPOSIXコマンドを使用して、グループ名を特定できます。

    $ more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oraInventory
    inst_group=oracle
    

    inst_groupパラメータは、以前のOracle Databaseインストールのグループ名を表しており、ここではoracleです。

  • このグループに一意のグループIDが定義されているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ grep 'oracle' /etc/group
     
    

    グループ名および100より大きいグループIDが出力に表示されている場合、グループは存在します。

    グループIDが100の場合は、100より大きい別個の値(たとえば104など)にIDを変更する必要があります。

    /etc/groupにグループが見つからない場合は、グループ名および一意のグループ番号をファイル/etc/groupに追加するようにPOSIX管理者またはBS2000システム管理者に依頼します。管理者はテキスト・エディタ(edtviなど)を使用して、次の規定に従って新しい行を追加する必要があります。

    groupname::groupnumber:user-id[,user-id,...]
    

    次の例は、グループoracleに関するファイル/etc/group内の行を示します。

    oracle::104:ORAC1120,ORADB11G
    

    インストール・ユーザーIDおよびすべてのDBAユーザーIDをOracleグループIDの行にさらに追加します。

3.3.4.3 POSIXユーザーの初期化

インストール・ユーザーIDをPOSIXユーザーとして使用する前に、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、次のコマンドを使用してPOSIXユーザーを初期化する必要があります。

/ADD-POSIX-USER USER-NAME=user-id,USER-NUMBER=nnn,GROUP-NUMBER=oracle group number,HOME-DIRECTORY=path[,RLOGIN-ACCOUNT=account]

次の要件について検討します。

  • USER-NAMEがインストール・ユーザーIDである。

  • USER-NUMBERが一意で100より大きい必要がある。

  • GROUP-NUMBERがOracleインストール・グループの番号であり、100より大きい必要がある。

  • HOME-DIRECTORYが有効なパスである。rootまたはvarファイル・システムに存在するパスを使用しないでください。POSIXユーザー用の別のファイル・システムを作成することを強くお薦めします。有効なHOME-DIRECTORYの例は、/home/orac1120で、/homeはPOSIXファイル・システムのマウント・ポイントです。

  • rloginまたはsshを使用したリモート・アクセスを許可する場合、RLOGIN-ACCOUNTが指定できる。

3.3.4.4 Oracle Databaseのユーザーおよびグループの作成

通常、BS2000/OSD内のOracle Databaseは、Oracle Databaseインストール・ユーザーIDとは異なるBS2000ユーザーIDに存在します。新しいOracle Databaseに新しいDBAユーザーIDを作成する場合、POSIXユーザーも「POSIXユーザーの初期化」に記載されている方法と同じ方法で初期化する必要があります。既存のOracle Databaseをアップグレードする場合は、POSIXユーザーが次のBS2000コマンドを使用してDBAユーザーIDに対して初期化されているかどうかを確認する必要があります。

/SHOW-POSIX-USER-ATTRIBUTES

出力に、デフォルト値およびディレクトリが/home/gastであると表示される場合は、次のBS2000コマンドを使用してPOSIXユーザーを初期化します。

/ADD-POSIX-USER

初期化したPOSIXユーザーのPOSIXユーザー属性は、次のBS2000コマンドを使用して変更できます。

/MODIFY-POSIX-USER-ATTRIBUTES

最後に、ファイル/etc/group内のOracleインストール・グループにこのユーザーを追加します。


注意:

  • ホーム・ディレクトリがrootまたはvarのファイル・システムに存在しないことを確認してください。

  • USER-NUMBERが一意で100より大きい必要がある。

  • GROUP-NUMBERは、Oracleインストール・グループの番号である必要があります。


3.3.5 POSIXでの必要なディレクトリの識別

Oracleソフトウェア用のPOSIXファイル・システムに、次のディレクトリを識別または作成する必要があります。

3.3.5.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。Oracleベース・ディレクトリには、次のようなパスを使用することをお薦めします。

/mount_point/app/software_owner

この例の説明は、次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。

  • software_ownerは、Oracleソフトウェアをインストールしているソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

コンポーネント/mount_point/appは、パスのオペレーティング・システム部分を表します。Oracle Database 11gリリース2のインストールを開始する前に、パスのオペレーティング・システム部分を作成する必要があります。


注意:

  • インストール・ユーザーIDおよびインストール・グループは、サブディレクトリappに対して読取り、書込みおよび実行権限を持っている必要があります。

  • Oracle Databaseソフトウェアのインストール中に、有効なOracleベース・ディレクトリの入力を求められます。デフォルトの値をそのまま使用するか、新しいパスを入力できます。可能な場合は、インストール手順でOracleベース・ディレクトリが作成されます。


Oracle Management Agentのインストールと同じOracleベース・ディレクトリを使用できます。BS2000/OSDでは、POSIXファイル・システムで別個の複数のOracleベース・ディレクトリを作成するため、Oracleインストールに別個のインストール・ユーザーIDが必要です。次に、同じシステム上に存在するOracleベース・ディレクトリの例を示します。

/u01/app/orac1120
/u01/app/ora10205

POSIXファイル・システムの詳細は、「Oracleベース・ディレクトリのファイル・システムの作成または拡張」を参照してください。

3.3.5.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracleインストール手順ではそのOracleインベントリを使用します。

Oracleインストール手順は、ファイル/var/opt/oracle/oraInst.locからOracleインベントリ・ディレクトリのパスを導出します。このファイルが存在しない場合は、ORACLE_BASEからインベントリ・パスを導出し、パスORACLE_BASE/../oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリを作成します。たとえば、ORACLE_BASE/u01/app/orac1120に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventoryに作成されます。

Oracleインストール手順は、指定したOracleサブディレクトリを作成し、正しい所有者、グループおよび権限を設定します。パスのオペレーティング・システム部分(たとえば/u01/app)が存在する必要があり、ディレクトリappに対して読取り、書込みおよび実行権限がある必要があります。


注意:

  • すべてのOracleソフトウェア・インストールはOracle Inventoryディレクトリに依存します。ディレクトリを必ず定期的にバックアップしてください。

  • システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、このディレクトリは削除しないでください。

  • デフォルトでは、Oracleインベントリ・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリの下にインストールされません。これは、すべてのOracleソフトウェア・インストールで共通のOracleインベントリを共有するため、すべてのソフトウェア所有者に対してOracleインベントリが1つのみ存在するからです。一方、各ユーザーには個別のOracleベース・ディレクトリがあります。


3.3.5.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。Oracleインストール手順を実行すると、このディレクトリのパスの指定が求められます。推奨されたパスをそのまま使用するか、新しいパスを入力できます。指定するディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリである必要があります。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base_path/product/dbhome

Oracleインストール手順によって、指定したディレクトリ・パスが作成されます。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。

3.3.6 POSIXでのOracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリのオペレーティング・システム部分を識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリを作成できます。

3.3.6.1 POSIXでの既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリは、次のように識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別。

    ファイル/var/opt/oracle/oraInst.locで文字列'inventory_loc'を検索します。

    $ grep 'inventory_loc' /var/opt/oracle/oraInst.loc
    

    oraInst.locが存在する場合、出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oraInventory
    
  • 既存のOracleホーム・ディレクトリからのOracleベース・ディレクトリの導出。

    次のコマンドを入力して/var/opt/oracle/oratabファイルの内容を表示します。

    $ more /var/opt/oratab
    

    oratabファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれている可能性があります。

    *:/u01/app/orac1020/product/10g:N
    *:/oracl920/9.2.0:N
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。Oracleソフトウェア所有者のユーザー名で終わるディレクトリ・パスは、既存のOracleベース・ディレクトリです。Oracle Database 11gリリース2のインストールでは、サブディレクトリ/u01/appをOracleベース・ディレクトリのルートとして選択できます。orac1120ユーザーをソフトウェアのインストールに使用する場合は、次のディレクトリを選択できます。

    /u01/app/orac1120
    

このインストールのOracleベース・ディレクトリが次の条件を満たしているかどうかを確認してください。

  • このディレクトリがオペレーティング・システム(rootまたはvar)と同じファイル・システム上にないこと。

  • 十分な空きディスク領域があること。

Oracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

$ df -k oracle_base_path


注意:

インストール手順はOracleベース・ディレクトリを検索し、推奨されたパスをそのまま使用するか、新しいパスを入力するかどうかを求めるプロンプトが表示されます。

3.3.6.2 Oracleベース・ディレクトリのファイル・システムの作成または拡張

Oracleベース・ディレクトリがあり、POSIXファイル・システムに十分な領域がない既存のファイル・システムにOracleソフトウェアをインストールする場合、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXインストーラを使用してOracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムを拡張できます。POSIXインストーラを使用してファイル・システムを拡張するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用してPOSIXインストーラを起動します。

    /START-POSIX-INSTALLATION
    
  2. 「POSIXファイル・システムの管理」を選択します。

  3. 目的のファイル・システムをマークして、「拡張」を選択します。

  4. ファイル・システムを拡張する必要のあるPAMページ数を入力します。

Oracleベース・ディレクトリを新しいPOSIXファイル・システムに存在させる場合は、POSIX管理者またはBS2000システム管理者は、POSIXインストーラを使用してPOSIXファイル・システムを作成する必要があります。POSIXインストーラを使用してPOSIXファイル・システムを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用してPOSIXインストーラを起動します。

    /START-POSIX-INSTALLATION
    
  2. 「POSIXファイル・システムの管理」を選択し、「追加」を選択します。

POSIXインストーラによって新しいPOSIXコンテナ・ファイルがBS2000ファイル・システムに割り当てられ、POSIXファイル・システムがそのコンテナ内に作成されます。POSIXインストーラによって、新しいファイル・システムのマウント・ポイントの指定も求められます。マウント・ポイントが存在しない場合はルート・システムに作成され、新しいファイル・システムがマウントされます。デフォルトでは、新しいファイル・システムの所有者はSYSROOTです。管理者はこの時点で、Oracleベース・ディレクトリを作成し、正しい所有者、グループおよび権限を次の規定に従って指定する必要があります。

# mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
# chown -R oracle_sw_owner:oracle_installation_group /mount_point/app/oracle_sw_owner
# chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner

たとえば、次のようになります。

# mkdir -p /u01/app/orac1120
# chown -R orac1120:oracle /u01/app/orac1120
# chmod -R 775 /u01/app/orac1120

3.4 Oracle Databaseソフトウェアのインストール

Oracle Database 11gリリース2ソフトウェアは、圧縮されたLMSライブラリで入手できます。Oracle Databaseソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. ソフトウェアをインストールするBS2000システムへのFTPアクセスがあるWindowsまたはUNIXシステムの一時的な場所に、ソフトウェアをコピーする必要があります。

    Oracle Software Delivery Cloud (https://edelivery.oracle.com/)からインストール・ファイルをダウンロードし、zipファイルをこのWindowsまたはUNIXシステムに移動します。

  2. ZIPユーティリティ(WinZipなど)を使用して、このシステム上の一時的な場所にzipファイルを解凍します。次のファイルが作成されます。

    welcome.htm: ドキュメントにアクセスする際の開始ポイントです。

    doc/: BS2000/OSDのOracle Databaseについてのプラットフォーム固有のドキュメントが含まれています。

    さらに次のいずれかのプラットフォームのインストール・ファイルが含まれています。

    • ora11202.s390.lib: Fujitsu BS2000/OSD (Sシリーズ)のステージング・ライブラリ

    • ora11202.sq.lib: Fujitsu BS2000/OSD (SQシリーズ)のステージング・ライブラリ

  3. ステージング・ライブラリをFTPバイナリでBS2000システム上のユーザーIDに転送します。これは、Oracleインストール・ユーザーID(たとえばORAC1120)またはその他のユーザーIDのいずれかになります。BS2000 FTPを使用している場合は、転送の前に次のFTPファイル・コマンドを使用して、ファイルを事前に割り当てます。

    file ora11202.s390.lib,fcbtype=pam,blkctrl=no,blksize=(std,2),space=820000
    

    圧縮されていないファイルがあるプラットフォーム上でFTPを使用している場合は、次のコマンドを使用します。

    quote file ora11202.s390.lib,fcbtype=pam,blkctrl=no,blksize=(std,2),space=820000
    
  4. ステージング・ファイルをOracleインストール・ユーザーIDとは異なるユーザーIDに転送した場合は、次のコマンドを使用して、このステージング・ライブラリに対するアクセス権をすべてのユーザーに付与する必要があります。

    /MODIFY-FILE-ATTRIBUTES ORA11202.S390.LIB,USER-ACCESS=*ALL-USERS
    
  5. インストール・ユーザーID(ORAC1120など)にログインします。

  6. ステージング・ライブラリがインストール・ユーザーIDに存在する場合は、Oracleインストール手順を次のようにコールします。

    /CALL-PROCEDURE (ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC)
    

    ステージング・ライブラリを別のBS2000ユーザーIDに格納した場合は、Oracleインストール手順を次のようにコールします。

    /CALL-PROCEDURE (staging_userid.ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),(INSTUID=staging_userid) 
    

    たとえば、次のようになります。

    /CALL-PROCEDURE ($FOO.ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),(INSTUID=$FOO)
    

Oracleインストール手順では、次のアクションが実行されます。

  • ハードウェア要件およびソフトウェア要件の確認

  • BS2000ファイルおよびPOSIXファイルで使用可能なディスク領域の確認

  • ステージング・ライブラリからのファイルの抽出

  • インストール・ユーザーIDへのOracleソフトウェアのインストール

  • SDF-Aが使用可能な場合はSDF構文ファイルの更新

  • POSIXファイル・システムへのOracle Databaseソフトウェアのインストール

  • Oracleインベントリ・ファイルへのソフトウェアの登録

インストール手順の完全な構文を次に示します。

/CALL-PROCEDURE ([staging_userid.]ORA11202.{S390|SQ}.LIB,ORAINST.PRC)[,
( [ CMD={INSTALL|UNINSTALL}] 
[,INSTUID=staging_userid]
[,OLDUID=old_userid] 
[,ORACLE-BASE={*DIALOG|oracle_base}]
[,ORACLE-HOME={*DIALOG|oracle_home}]
[,DEBUG={Y|N}]
[,PROCLOG={Y|N}] )]
パラメータ 説明
CMD INSTALL|UNINSTALL

デフォルト: INSTALL

アクション: Oracle Databaseソフトウェアのインストールまたは削除
INSTUID ステージング・ライブラリのユーザーID

デフォルト: ''

ステージング・ライブラリの場所のBS2000ユーザーID。
OLDUID スクリプトで使用される古いユーザーID

デフォルト:$ORAC1120

ソフトウェアのリリース時に複数のスクリプトに格納されたユーザーID。インストール中に現在のユーザーIDに更新されます。
ORACLE-BASE *DIALOG|oracle_base

デフォルト: *DIALOG

Oracleベース・ディレクトリは、POSIXファイル・システムへのOracle Database 11gリリース2のインストールに必要です。デフォルト値*DIALOGは、Oracleベース・ディレクトリの入力が求められることを示します。
ORACLE-HOME *DIALOG|oracle_home

デフォルト: *DIALOG

Oracleホーム・ディレクトリは、POSIXファイル・システムへのOracle Database 11gリリース2のインストールに必要です。デフォルト値*DIALOGは、Oracleホーム・ディレクトリの入力が求められることを示します。
DEBUG Y|N

デフォルト: N

インストール手順をデバッグします。
PROCLOG Y|N

デフォルト: N

BS2000のコマンドCALL-PROCEDUREのロギング機能を使用します。

インストール手順では、インストールをバックグラウンド・タスクで実行する機会も提供されています。この場合、パラメータORACLE-BASEおよびORACLE-HOMEを指定する必要があり、そうしない場合は、インストールが中断されます。インストール・タスクには約250 CPU秒かかるため、CPU-LIMITを300以上に設定することをお薦めします。次のようにしてインストールを開始できます。

/ENTER-PROCEDURE 
(ORA11202.S390.LIB,ORAINST.PRC),(ORACLE-BASE='/u01/app/orac1120',ORACLE-HOME='/u01/app/orac1120/product/dbhome'),CPU-LIMIT=300

インストールは、ファイルINSTALL.ORAINST.LSTに記録されます。

POSIXファイル・システムへのOracle Databaseソフトウェアのインストールには、ORACLE_BASEおよびORACLE_HOMEのパスが必要です。インストールがダイアログ・モードで実行されている場合およびプロシージャ・コールでパラメータをしてしなかった場合は、インストール中にこれらのパスの入力が求められます。推奨されたパスをそのまま使用するか、または新しいパスを入力できます。

3.5 Oracle Databaseのインストール後の作業

インストールを完了するには、POSIX管理者またはBS2000システム管理者が、次のようにoracle_home_path/root.shスクリプトを実行する必要があります。

  • BS2000環境では、次のコマンドを使用します。

    /EXECUTE-POSIX-CMD CMD='oracle_home_path/root.sh'
    

    次に例を示します。

    /EXECUTE-POSIX-CMD CMD='/u01/app/orac1120/product/dbhome/root.sh'
    
  • POSIX環境(シェル)では、次のコマンドを使用します。

    # sh oracle_home_path/root.sh
    

    たとえば、次のようになります。

    # sh /u01/app/orac1120/product/dbhome/root.sh
    

これがBS2000サーバーへの最初のOracle Databaseのインストールの場合は、rootスクリプトによって次のアクションが実行されます。

  • パス/var/opt/oracleの作成

  • ファイル/var/opt/oracle/oraInst.locの作成

  • 空のファイル/var/opt/ortacle/oratabの作成

  • 製品APACHEがインストールされている場合は、APACHEインストールのlibディレクトリにOracleホーム・ディレクトリのOracle Client共有ライブラリへのリンクが作成されます。

3.6 複数のOracleシステムのインストール

Oracleソフトウェアの同じまたは異なるバージョンに基づいて、複数のOracleシステムをインストールすることもできます。この場合、バージョンの異なるソフトウェアは、別々のインストール・ユーザーIDにインストールする必要があります。

3.7 Oracle Databaseソフトウェアの削除

システムからOracle Databaseソフトウェアを削除する場合は、Oracleインストール・ユーザーIDにログインし、次のようにインストール手順を使用します。

/CALL-PROCEDURE INSTALL.P.ORAINST,(CMD=UNINSTALL)

この場合、Oracleインストール手順では、次のアクションが実行されます。

  • POSIXファイル・システムからのOracle Databaseソフトウェアの削除

  • Oracleインベントリの更新

  • BS2000ファイル・システムからのOracle Databaseソフトウェアの削除


注意:

Oracleインストール手順でインストールされたファイル(ORAINST.PRC)のみがシステムから削除されます。ユーザーまたはOracleインスタンスによって作成されたファイルは、Oracleホーム・ディレクトリおよびインストール・ユーザーIDに残ります。