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Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49830-02
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14 Oracle Management Agent

この章では、Oracle Management Agent for BS2000/OSDを説明し、インストールおよび構成情報を提供します。読者はOracle Enterprise Managerに精通していることを前提としています。

Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、ホスト・コンピュータ上のすべてのコンポーネントを監視します。インストールされると、Oracle Management Agentは、Oracle Databaseなどのデフォルトのターゲット・タイプの監視方法を認識します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』を参照してください。

この章の項目は次のとおりです。

14.1 インストール前の問題

インストール前の問題を次にリストします。

  • BS2000/OSD POSIXサブシステムが開始されているかどうかを確認

  • openNet ServerツールのnetstatがPOSIXにインストールされているかどうかを確認

  • jenv v6.0がインストールされているかどうかを確認

  • perl v5.8がインストールされているかどうかを確認

    必要なソフトウェア・パッケージのいずれかがインストールされていない場合は、Oracle Management Agentをインストールする前に、先にソフトウェア・パッケージをインストールします。

  • ユーザー・アドレス空間が1GBであることを確認

  • POSIXファイル・システム上に1GB以上の使用可能なディスク領域があることを確認

  • ファイル/etc/hostsに、次の例に示すようなローカル・ホストのループバック・アドレスを含むエントリがあることを確認

    127.0.0.1 localhost local # loopback
    
  • 次の書式を使用して、監視するすべてのOracle Databaseをファイル/var/opt/oracle/oratabに追加

    ORACLE_SID:ORACLE_HOME:N|Y:ORACLE_DATA
    

    次の表に、この書式内のパラメータを説明します。

    パラメータ 説明
    ORACLE_SID データベースのシステム識別子
    ORACLE_HOME POSIXでのOracleホーム・ディレクトリ
    ORACLE_DATA データベース・ファイルが格納されている場所のユーザーID

    監視する必要のある各データベースは、oratabファイルにエントリが必要です。有効なoratabファイルの例は次のとおりです。

    # oratab file
    # valid entries are of the following form:
    # ORACLE_SID:ORACLE_HOME:N|Y:ORACLE_DATA
    orcl:/ora11202/oracle/product/10g:N:$ORACLE
    

    注意:

    DBAグループには、oratabファイルおよび/var/optフォルダ内のoracleディレクトリに対して読取りおよび書込みのアクセス権が必要です。

  • Oracle Management Agentのリリース番号を確認。リリース11.2に付属しているOracle Management Agentは、リリース10.xおよび11.xを監視できます。Oracle9iの監視はサポートされていません。

  • LISTENERを監視するために、LISTENER.ORAファイルが$ORACLE_HOME/network/adminディレクトリに適切にコピーされていることを確認。

  • Enterprise Management AgentのユーザーIDとは異なるユーザーIDでデータベースを監視する場合は、すべてのユーザーに警告ファイルに対するアクセス権が付与されていることを確認。

14.2 インストール・スクリプトの実行

Oracle Management Agentを別個のOracleホーム・ディレクトリにインストールすることをお薦めします。すべてのOracleユーザーは、たとえばoracleという同じグループに属している必要があります。インストールを開始するには、次のように入力します。

/CALL-PROCEDURE $ORACLE1120.INSTALL.P.AGENT

次の入力を求められます。

パラメータ 説明
EMDROOT これはManagement Agentのホーム・ディレクトリです。
EM-AGENT-PORT Management Agentがリスニングする必要のあるポート。
EM-OMS-HOST Oracle Management Serverのホスト名
EM-OMS-HTTP-PORT Oracle Management Serverのポート

EM Agentのインストールを終了するには、rootとしてログインして次のスクリプトを実行します。

   $EMDROOT/root.sh

Management Agentのインストールは、バックグラウンド・プロセスによっても操作可能です。この場合、パラメータEMDROOTEM-AGENT-PORTEM-OMS-HOSTおよびEM-OMS-HTTP-PORTは必須パラメータであるため、次のプロシージャ・コールで指定する必要があります。

/ENTER-PROCEDURE $ORAC1120.INSTALL.P.AGENT,(EMDROOT='/u01/app/orac1120/product/emagent',EM-AGENT-PORT='1813',EM-OMS-HOST='omshost.example.com',EM-OMS-HTTP-PORT='1159'), CPU-LIMIT=300

注意:

  • インストールは、INSTALL.EMAGENT.LSTファイルに記録されます。

  • 200より大きいCPU-LIMITを使用することをお薦めします。


14.3 エージェントの実行

  • エージェントを実行するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。

    emctl start agent
    

    Management AgentをPOSIXシェルのemctlユーティリティを使用して開始する場合、Management Agentはログイン・プロセスのJOB-CLASSCPU-LIMITおよびRUN-PRIORITYを継承します。そのため、定義されているCPU-LIMITによって、制限に達するとManagement Agentが終了されます。CPU-LIMITを指定せずにManagement Agentを開始する場合は、Management Agent用のBS2000開始プロシージャを使用します。BS2000のManagement AgentユーザーIDにログインして、次のコマンドを実行します。

    /ENTER-PROCEDURE ST-AGENT.PRC,JOB-NAME=EMAGENT,JOB-CLASS=<ntl-j-c>,CPU-LIMIT=*NO,RUN-PRIO=210
    
  • エージェントを終了するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。

    emctl stop agent
    
  • エージェントのステータスを取得するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。

    emctl status agent
    

Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、Oracle Database 11g Enterprise Managerブック・セットに記載されているとおりに使用します。


注意:

Management Agentを開始するには、BS2000環境で開始プロシージャを使用することをお薦めします。

14.4 制限事項

Oracle Enterprise Manager Agentに影響する可能性のある問題を次にリストします。

  • Oracle Management Agent for BS2000/OSDは実行中のOracle Database 10gまたはOracle Database 11gを監視できます。

  • Oracle Management Agent for BS2000/OSDはSNMPフレームワークをサポートしていません。つまり、このエージェントは、BS2000/OSDのEMANATEマスター・エージェントには統合されていません。このエージェントはすべてのSNMPリクエストを受け入れず、SNMPトラップも送信しません。したがって、Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、サードパーティ製のSNMP管理システムでは使用できません。

  • BS2000/OSD用のOracle Database 10gおよびOracle Database 11gでは、システム統計の最小セットのみをサポートするため、システムの実際のパフォーマンスを反映しない可能性があります。

  • 現在、BS2000/OSD用のOracle Database 11gには、Oracle Enterprise Manager Agentのみが付属しています。このリリースはリモートのOracle Enterprise Manager Grid Control Consoleをサポートしますが、Oracle Enterprise Manager Grid Control Consoleはサポートされていません。

  • 現在、Management Agentでは、ホスト・メトリックの最小セットのみをサポートするため、システムの実際のパフォーマンスを反映せず、システムの構成の一部のみが反映される可能性があります。

  • dbconsolはBS2000/OSDではサポートされていません。

14.5 トラブルシューティング

通常、Oracle Management Agentは内部ウォッチドッグ・プロセスによって監視され、エラーの場合に再起動されます。この方法では、1つ以上のスレッド・アプリケーションのタスクが維持されている場合にクラッシュを防ぐことはできず、Management Agentの適切な再起動を抑止する可能性があります。Oracle Management Agentが開始または再起動できない場合は、次の方法を使用して問題を解決してください。

/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.010(ITH-SHOW)

POSIXシェルにログインし、環境を設定して、次の例のようにユーティリティithshowを実行します。

$ . /u01/app/orac1120/agent11g/.profile.oracle
$ ithshow

このユーティリティでは、次のような出力が生成されます。

STARTED AT 2012-06-12-135624 BY POSIX (running) 
LLM = EMAGENT (prelinked)
MAIN = IC@#MAIN
APPLL = :POR2:$ORAQAX13.ORALOAD-ASCII.LIB
RUNTL = :BUG1:$TSOS.SYSLNK.PTHREADS.013   
PTHvers = 01.3A10 2011-04-14 09:19:23
FDs = 8 (8 ORIG FDs)
Threads = 10 (6 user threads, 4 system threads)
TYPE TSN PID JOB-TYPE PRI CPU-USED CPU-MAX ACCOUNT#
ORIG 1MYQ 3942 (X'0F66') 3 DIALOG *0 240 16.7989 32767 FSC
executing request
THRE 1MYW 3948 (X'0F6C') 3 DIALOG *0 240 21.7415 32767 FSC
executing user thread

ここでPTHREADSアプリケーションに関連するタスクのTSNがわかります。ITH-STARTプロシージャのパラメータTSNの入力としてORIGタスクのTSNを選択する際に、次の書式でPTHREADSアプリケーションに接続できます。

/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.013(ITH-START),(TSN=1MYQ)

ダブル・スラッシュのプロンプトが表示されたら、CANCEL-THREADED-PROGRAMと入力して、PTHREADSアプリケーションを取り消すことができます。ORIGタスクがすでに終了している場合は、BS2000のシステム・コマンドを使用して、その他すべてのPTHREADSタスクを終了できます。

/CANCEL_JOB JOB-IDENTIFICATION=tsn

Management AgentがSQシステム上でx86-64モードで実行中の場合は、プロシージャのパラメータで次のように適切なロード・ライブラリを定義する必要があります。

/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.013(ITH-START),(START-LIBRARY=$TSOS.SKULNK.PTHREADS.013,TSN=1MYQ)

Management Agentが異常終了した場合は、dbluuser_numberという名前のプロセスが存在している可能性があります。このプロセスはプログラム・キャッシュであり、BS2000のCANCEL-JOBコマンドで取り消すことはできません。このプロセスは、POSIXコマンドposdblを使用した場合にのみ停止できます。たとえば、POSIXシェルの保留中のプログラム・キャッシュを特定して停止する方法を次に示します。

$ ps -fu emuser
UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD
EMUSER 2178 2175 0 07:48:08 pts/0 0:01 [sh]
EMUSER 4179 2178 2 14:05:16 pts/0 0:00 [ps]
EMUSER 4168 1 0 14:05:06 ? 0:00 dblu511

この例では、プロセスdblu511pid 4168で存在したままです。このプロセスを停止するには、次のコマンドを入力します。

$ pdbl -uD