Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド 11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD E49830-02 |
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この章では、Oracle Management Agent for BS2000/OSDを説明し、インストールおよび構成情報を提供します。読者はOracle Enterprise Managerに精通していることを前提としています。
Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、ホスト・コンピュータ上のすべてのコンポーネントを監視します。インストールされると、Oracle Management Agentは、Oracle Databaseなどのデフォルトのターゲット・タイプの監視方法を認識します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』を参照してください。
この章の項目は次のとおりです。
インストール前の問題を次にリストします。
BS2000/OSD POSIXサブシステムが開始されているかどうかを確認
jenv v6.0がインストールされているかどうかを確認
perl v5.8がインストールされているかどうかを確認
必要なソフトウェア・パッケージのいずれかがインストールされていない場合は、Oracle Management Agentをインストールする前に、先にソフトウェア・パッケージをインストールします。
ユーザー・アドレス空間が1GBであることを確認
POSIXファイル・システム上に1GB以上の使用可能なディスク領域があることを確認
ファイル/etc/hosts
に、次の例に示すようなローカル・ホストのループバック・アドレスを含むエントリがあることを確認
127.0.0.1 localhost local # loopback
次の書式を使用して、監視するすべてのOracle Databaseをファイル/var/opt/oracle/oratab
に追加
ORACLE_SID:ORACLE_HOME:
N|Y
:ORACLE_DATA
次の表に、この書式内のパラメータを説明します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
ORACLE_SID |
データベースのシステム識別子 |
ORACLE_HOME |
POSIXでのOracleホーム・ディレクトリ |
ORACLE_DATA |
データベース・ファイルが格納されている場所のユーザーID |
監視する必要のある各データベースは、oratab
ファイルにエントリが必要です。有効なoratab
ファイルの例は次のとおりです。
# oratab file
# valid entries are of the following form:
#
ORACLE_SID:ORACLE_HOME:
N|Y
:ORACLE_DATA
orcl:/ora11202/oracle/product/10g:N:$ORACLE
注意: DBAグループには、oratab ファイルおよび/var/opt フォルダ内のoracle ディレクトリに対して読取りおよび書込みのアクセス権が必要です。 |
Oracle Management Agentのリリース番号を確認。リリース11.2に付属しているOracle Management Agentは、リリース10.xおよび11.xを監視できます。Oracle9iの監視はサポートされていません。
LISTENERを監視するために、LISTENER.ORA
ファイルが$ORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリに適切にコピーされていることを確認。
Enterprise Management AgentのユーザーIDとは異なるユーザーIDでデータベースを監視する場合は、すべてのユーザーに警告ファイルに対するアクセス権が付与されていることを確認。
Oracle Management Agentを別個のOracleホーム・ディレクトリにインストールすることをお薦めします。すべてのOracleユーザーは、たとえばoracleという同じグループに属している必要があります。インストールを開始するには、次のように入力します。
/CALL-PROCEDURE $ORACLE1120.INSTALL.P.AGENT
次の入力を求められます。
パラメータ | 説明 |
---|---|
EMDROOT |
これはManagement Agentのホーム・ディレクトリです。 |
EM-AGENT-PORT |
Management Agentがリスニングする必要のあるポート。 |
EM-OMS-HOST |
Oracle Management Serverのホスト名 |
EM-OMS-HTTP-PORT |
Oracle Management Serverのポート |
EM Agentのインストールを終了するには、rootとしてログインして次のスクリプトを実行します。
$EMDROOT/root.sh
Management Agentのインストールは、バックグラウンド・プロセスによっても操作可能です。この場合、パラメータEMDROOT
、EM-AGENT-PORT
、EM-OMS-HOST
およびEM-OMS-HTTP-PORT
は必須パラメータであるため、次のプロシージャ・コールで指定する必要があります。
/ENTER-PROCEDURE $ORAC1120.INSTALL.P.AGENT,(EMDROOT='/u01/app/orac1120/product/emagent',EM-AGENT-PORT='1813',EM-OMS-HOST='omshost.example.com',EM-OMS-HTTP-PORT='1159'), CPU-LIMIT=300
注意:
|
エージェントを実行するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。
emctl start agent
Management AgentをPOSIXシェルのemctl
ユーティリティを使用して開始する場合、Management Agentはログイン・プロセスのJOB-CLASS
、CPU-LIMIT
およびRUN-PRIORITY
を継承します。そのため、定義されているCPU-LIMIT
によって、制限に達するとManagement Agentが終了されます。CPU-LIMIT
を指定せずにManagement Agentを開始する場合は、Management Agent用のBS2000開始プロシージャを使用します。BS2000のManagement AgentユーザーIDにログインして、次のコマンドを実行します。
/ENTER-PROCEDURE ST-AGENT.PRC,JOB-NAME=EMAGENT,JOB-CLASS=<ntl-j-c>,CPU-LIMIT=*NO,RUN-PRIO=210
エージェントを終了するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。
emctl stop agent
エージェントのステータスを取得するには、POSIXシェルを開始して次のコマンドを入力します。
emctl status agent
Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、Oracle Database 11g Enterprise Managerブック・セットに記載されているとおりに使用します。
注意: Management Agentを開始するには、BS2000環境で開始プロシージャを使用することをお薦めします。 |
Oracle Enterprise Manager Agentに影響する可能性のある問題を次にリストします。
Oracle Management Agent for BS2000/OSDは実行中のOracle Database 10gまたはOracle Database 11gを監視できます。
Oracle Management Agent for BS2000/OSDはSNMPフレームワークをサポートしていません。つまり、このエージェントは、BS2000/OSDのEMANATEマスター・エージェントには統合されていません。このエージェントはすべてのSNMPリクエストを受け入れず、SNMPトラップも送信しません。したがって、Oracle Management Agent for BS2000/OSDは、サードパーティ製のSNMP管理システムでは使用できません。
BS2000/OSD用のOracle Database 10gおよびOracle Database 11gでは、システム統計の最小セットのみをサポートするため、システムの実際のパフォーマンスを反映しない可能性があります。
現在、BS2000/OSD用のOracle Database 11gには、Oracle Enterprise Manager Agentのみが付属しています。このリリースはリモートのOracle Enterprise Manager Grid Control Consoleをサポートしますが、Oracle Enterprise Manager Grid Control Consoleはサポートされていません。
現在、Management Agentでは、ホスト・メトリックの最小セットのみをサポートするため、システムの実際のパフォーマンスを反映せず、システムの構成の一部のみが反映される可能性があります。
dbconsolはBS2000/OSDではサポートされていません。
通常、Oracle Management Agentは内部ウォッチドッグ・プロセスによって監視され、エラーの場合に再起動されます。この方法では、1つ以上のスレッド・アプリケーションのタスクが維持されている場合にクラッシュを防ぐことはできず、Management Agentの適切な再起動を抑止する可能性があります。Oracle Management Agentが開始または再起動できない場合は、次の方法を使用して問題を解決してください。
/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.010(ITH-SHOW)
POSIXシェルにログインし、環境を設定して、次の例のようにユーティリティithshowを実行します。
$ . /u01/app/orac1120/agent11g/.profile.oracle $ ithshow
このユーティリティでは、次のような出力が生成されます。
STARTED AT 2012-06-12-135624 BY POSIX (running) LLM = EMAGENT (prelinked) MAIN = IC@#MAIN APPLL = :POR2:$ORAQAX13.ORALOAD-ASCII.LIB RUNTL = :BUG1:$TSOS.SYSLNK.PTHREADS.013 PTHvers = 01.3A10 2011-04-14 09:19:23 FDs = 8 (8 ORIG FDs) Threads = 10 (6 user threads, 4 system threads) TYPE TSN PID JOB-TYPE PRI CPU-USED CPU-MAX ACCOUNT# ORIG 1MYQ 3942 (X'0F66') 3 DIALOG *0 240 16.7989 32767 FSC executing request THRE 1MYW 3948 (X'0F6C') 3 DIALOG *0 240 21.7415 32767 FSC executing user thread
ここでPTHREADS
アプリケーションに関連するタスクのTSNがわかります。ITH-START
プロシージャのパラメータTSNの入力としてORIGタスクのTSNを選択する際に、次の書式でPTHREADS
アプリケーションに接続できます。
/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.013(ITH-START),(TSN=1MYQ)
ダブル・スラッシュのプロンプトが表示されたら、CANCEL-THREADED-PROGRAM
と入力して、PTHREADS
アプリケーションを取り消すことができます。ORIG
タスクがすでに終了している場合は、BS2000のシステム・コマンドを使用して、その他すべてのPTHREADS
タスクを終了できます。
/CANCEL_JOB JOB-IDENTIFICATION=tsn
Management AgentがSQシステム上でx86-64モードで実行中の場合は、プロシージャのパラメータで次のように適切なロード・ライブラリを定義する必要があります。
/CALL-PROCEDURE $TSOS.SYSPRC.PTHREADS.013(ITH-START),(START-LIBRARY=$TSOS.SKULNK.PTHREADS.013,TSN=1MYQ)
Management Agentが異常終了した場合は、dblu
user_number
という名前のプロセスが存在している可能性があります。このプロセスはプログラム・キャッシュであり、BS2000のCANCEL-JOB
コマンドで取り消すことはできません。このプロセスは、POSIXコマンドposdbl
を使用した場合にのみ停止できます。たとえば、POSIXシェルの保留中のプログラム・キャッシュを特定して停止する方法を次に示します。
$ ps -fu emuser UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD EMUSER 2178 2175 0 07:48:08 pts/0 0:01 [sh] EMUSER 4179 2178 2 14:05:16 pts/0 0:00 [ps] EMUSER 4168 1 0 14:05:06 ? 0:00 dblu511
この例では、プロセスdblu511
がpid 4168
で存在したままです。このプロセスを停止するには、次のコマンドを入力します。
$ pdbl -uD