この章では、Oracle Databaseのエディションと、各エディションで使用できる機能について説明します。この章は、次の項目で構成されています。
Oracle Databaseには、様々な開発とデプロイメントのシナリオに適した5つのエディションがあります。また、Oracleには、特定の用途にあわせてOracle Databaseの機能を拡張する、複数のデータベース・オプション、パックおよびその他の製品が用意されています。この項では、Oracle Databaseの各エディションについて説明します。データベース・オプションおよび関連製品については、第2章「オプションおよびパック」で説明します。
Oracle Database Standard Edition OneOracle Database Standard Edition Oneは、ワークグループ、部門レベルおよびWebアプリケーションに対して、比類なき操作性、能力およびパフォーマンスを提供します。Oracle Standard Edition Oneは、中小規模事業所のシングル・サーバー環境から、分散された支社サーバー環境まで、ビジネスクリティカルなアプリケーションの構築に必要なすべての機能を備えています。
Oracle Database Standard EditionOracle Database Standard Editionは、Standard Edition Oneと同様の比類なき操作性、能力およびパフォーマンスを提供し、より容量の大きいマシンのサポートとOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)によるサービスのクラスタ化をサポートします。Oracle RACは、Oracle Database 10gよりStandard Editionに含まれ、Oracle9i以前の旧リリースのStandard Editionでは使用できません。
Oracle Database Enterprise EditionOracle Database Enterprise Editionは、大規模なオンライン・トランザクション処理(OLTP)アプリケーション、問合せ集中処理型データ・ウェアハウスおよび要求の厳しいインターネット・アプリケーションなどのミッションクリティカルなアプリケーションに必要な、パフォーマンス、可用性、スケーラビリティおよびセキュリティを提供します。Oracle Database Enterprise EditionにはOracle Databaseのすべてのコンポーネントが含まれており、第2章「オプションおよびパック」で説明する有償オプション製品およびOEM Management Pack製品を購入することでさらに拡張できます。
Oracle Database Express Edition Oracle Database Express Edition (Oracle Database XE)はOracle Databaseの入門レベルのエディションです。迅速なダウンロードが可能であり、インストールおよび管理が簡単で、かつ自由に開発、デプロイおよび配布できます。Oracle Database XEでは、費用のかかる複雑な移行作業を行わずに、別のエディションのOracleに簡単にアップグレードできます。Oracle Database XEは、どのようなCPU数のどのようなサイズのマシンにもインストールすることができ、ホスト・マシン上で最大1GBのメモリーおよび1つのCPUのみを使用して、最大11GBのユーザー・データを格納します。サポートはオンライン・フォーラムで提供されています。
Oracle Database Personal EditionOracle Database Personal Editionは、Oracle Database Standard Edition One、Oracle Database Standard EditionおよびOracle Database Enterprise Editionとの完全な互換性が必要な、シングル・ユーザーによる開発とデプロイ環境をサポートします。Personal Editionには、Enterprise Editionに含まれるすべてのコンポーネントの他に、Enterprise Editionで使用できるすべてのオプションが含まれます。ただし、Oracle Real Application Clustersのオプションは含まれておらず、Personal Editionでは使用できません。Personal Editionは、WindowsプラットフォームとLinuxプラットフォームでのみ使用できます。また、Oracle Enterprise Manager Management Pack製品は、Oracle Database Personal Editionには含まれません。
表1-1では、Oracle Database Standard Edition One (SE1)、Standard Edition (SE)およびEnterprise Edition (EE)で使用できる機能を示しています。列内のY
の値は、指定リリースでその機能が使用できることを意味し、N
は機能が使用できないことを意味します。この表を参照すれば、エディション間の相違を理解し、Enterprise Edition (シングル・ユーザー環境ではPersonal Edition)が必要かどうかを判断できます。
Oracle Database XEは、Oracle Database製品ファミリの他の製品から独立した製品であることに注意してください。Oracle Database XEで使用できる機能については、製品とともにインストールされる「Oracle Database Express Editionライセンス情報」を参照してください。
表1-1 Oracle Databaseの各エディションで使用可能な機能
機能/オプション | SE1 | SE | EE | 注意事項 |
---|---|---|---|---|
高可用性 |
||||
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
|
|
N |
N |
Y |
|
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Oracle Active Data Guardオプションが必要 |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)より前のリリース: フラッシュバック・データ・アーカイブ(以前の名称はTotal Recall)を使用するには、Oracle Advanced Compressionオプションのライセンスが必要です。 Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降: フラッシュバック・データ・アーカイブ履歴表の最適化を使用するには、Oracle Advanced Compressionオプションのライセンスが必要です。履歴表の最適化を行わない基本フラッシュバック・データ・アーカイブは、すべてのエディションで使用できます。 |
|
スケーラビリティ |
||||
N |
Y |
Y |
EEでは追加費用あり、SEに付属 |
|
N |
Y |
Y |
Oracle Real Application Clustersが必要 |
|
N |
N |
Y |
Oracle RAC One NodeまたはOracle Real Application Clustersが必要 |
|
N |
N |
Y |
||
パフォーマンス |
||||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
SolarisおよびOracle Linuxのみ |
|
N |
N |
Y |
||
セキュリティ |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ |
N |
N |
Y |
エンタープライズ・ユーザー・セキュリティは、データベース・ユーザーのディレクトリベース管理のためのEEの機能です。対応するOracle Identity Management Directory Services Plusのライセンス供与が必要となります。 Oracle Databaseの厳密認証(PKI、Kerberos)とのエンタープライズ・ユーザー・セキュリティの使用に関して、Oracle Advanced Securityのライセンス供与は必要なくなりました。 |
N |
N |
Y |
||
Real Application Security |
N |
N |
Y |
|
N |
N |
Y |
||
開発プラットフォーム |
||||
Y |
Y |
Y |
Oracle Programmerが必要 |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
管理性 |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション。Diagnostics Packも必要。 |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
SQL計画の管理には、Oracle Diagnostics PackまたはOracle Tuning Packのライセンスは不要 |
|
N |
N |
Y |
SQLチューニング・セットは、データベース・サーバーAPIおよびコマンドライン・インタフェースでもアクセスできます。次に示す |
|
VLDB、データ・ウェアハウス、ビジネス・インテリジェンス |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
OML4R (Oracle R Enterprise) ServerはOracle Linux 6以上での動作に制限 Oracle Machine Learningは、EEでの追加費用ライセンスが不要になりました。詳細は、Oracle Database Insiderブログの投稿を参照してください: |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
キー圧縮 |
N |
N |
Y |
|
N |
N |
Y |
Exadata、ZFSまたはPillar Axiom 600ストレージが必要 |
|
Exadataフラッシュ・キャッシュ圧縮 |
N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
サポートされるトランスポータブル表領域をSE、SE1およびEEにインポート |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
統合 |
||||
Y |
Y |
Y |
SE1/SE: 読取り専用、更新可能なマテリアライズド・ビュー |
|
N |
N |
Y |
マルチマスター・レプリケーション |
|
Y |
Y |
Y |
SE1/SE: REDOログからのキャプチャなし |
|
Y |
Y |
Y |
Database Gateway for ODBCはすべてのエディションに含まれています。 他のすべてのDatabase Gateway製品はすべてのエディションで使用可能ですが、個別の製品ライセンスが必要です。 |
|
N |
N |
Y |
||
ネットワーク |
||||
N |
N |
Y |
Oracle Databaseクライアント(通常、別のマシンにインストールされる)のカスタム・インストールを介して使用可能 詳細は、「Oracle Connection Manager」を参照 |
|
N |
N |
Y |
Exadataが必要 |
|
コンテンツ管理 |
||||
N |
N |
Y |
Oracle Spatialは、EEでの追加費用ライセンスが不要になりました。詳細は、Oracle Database Insiderブログの投稿を参照してください: |
|
N |
N |
Y |
RDFグラフは、EEでの追加費用ライセンスが不要になりました。詳細は、Oracle Database Insiderブログの投稿を参照してください: |
|
空間および位置データ |
||||
N |
N |
Y |
||
|
N |
N |
Y |
|
N |
N |
Y |
Oracle Partitioningオプションが必要 |
ハイブリッド列圧縮は、Oracle Database 11g Enterprise Editionの機能で、基礎となるストレージ・システムによって異なります。ハイブリッド列圧縮は、Exadataストレージ、ZFSストレージおよびPillar Axiom 600ストレージでのみサポートされています。これ以外のストレージ・プラットフォームでハイブリッド列圧縮を使用することはできず、Oracle Databaseのライセンスでも、ハイブリッド列圧縮を使用する権限は与えられていません。
Oracle Database Express Edition
Oracle Database Express Editionは、アプリケーションの開発、プロトタイプ構築および実行の目的で、無償で使用できます。また、デモンストレーションおよび研修を提供する際にも無償で使用できます。さらに、任意のアプリケーションとともに無償で配布できます。ただし、Oracle Database Express Editionを使用するには次の制限事項があります。
Express Editionは任意のサーバー上の単一インスタンスに制限されます。
Express Editionは複数のCPUサーバーにインストールできますが、いずれかのサーバーの1つのプロセッサでのみ実行できます。
Express Editionを使用した場合、サポートされるのは最大11GBのユーザー・データ(Express Editionシステム・データを含まない)のみです。
Express Editionは使用可能なメモリーのうち最大1GBのRAMを使用します。
Oracleサポート・サービスでは、Oracle Database Express Editionに関する技術サポート、電話サポートまたは更新を提供しません。
Oracle Database Standard EditionおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)
Oracle Database Standard Editionをクラスタ・サーバー環境でOracle Real Application Clustersとともに使用する場合、Oracle Clusterwareを使用する必要があります。サード・パーティのクラスタウェア管理ソリューションはサポートされません。
Standard Editionについては次のライセンス制約に厳密に従う必要があります。定義されているCPUの最大数はクラスタ全体に対する数です。ノード単位の最大数ではありません。
Oracleデータベースのすべてのファイル・タイプの作成および管理に、Oracle Automatic Storage ManagementまたはASM Cluster File System (ACFS)を使用する必要があります。ロー・ボリュームやロー・パーティション、サード・パーティのクラスタ・ファイルシステムを使用して管理した場合にはReal Application Clustersはサポートされません。データベース関連ファイル・タイプの一覧は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
すべての非データベース・ファイルの格納には、ASM Cluster File System (ACFS)またはローカルのOSファイルシステムを使用する必要があります。Oracleによって複製された非データベース関連ファイルは、次の例外を除いて、それ以外の領域に格納することはできません。
スタンバイ・データベースのメンテナンス・スクリプトを手動で記述する場合は、アーカイブ・ログの2つ目のコピーをOracle ASM以外のLOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータによって指定されたローカル・ファイルシステム上にのみ作成できます。
ファイルのRMANバックアップは、ローカルまたはネットワークにマウントされたファイル・システム上に置くことができます。
OCFS、OCFS2、サード・パーティのクラスタウェア、サード・パーティのクラスタ・ボリューム・マネージャ、サード・パーティのクラスタ・ファイルシステムなど、その他のクラスタ・ソフトウェアはシステムにインストールできません。
Oracle Data Guard Broker
ブローカのコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)をインストールし、オブザーバ・ソフトウェアをOracle Data Guardプライマリ・システムおよびスタンバイ・システムとは別のコンピュータ・システムで実行できます。オブザーバをホストするシステム用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Database Vaultを構成および有効化すると、Oracle Label Securityが構成および有効化されます。Oracle Label Securityの使用はOracle Database Vaultソフトウェアによる使用に制限されます。Oracle Label Securityポリシーを作成するには、Oracle Label Securityのフル使用ライセンスを購入する必要があります。
Oracle Connection Managerは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているマシンと異なるマシン上にインストールし、使用できます。Oracle Connection Managerを実行しているマシン用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Database Gateway for ODBC
Oracle Database Gateway for ODBCは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているマシンと異なるマシン上にインストールし、使用できます。Oracle Gateway for ODBCを実行しているマシン用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
以前のリリースにおけるReal Application Testingのサポート
Oracle Real Application Testingのフル機能は、Oracle Database 11gリリース1以上でのみ利用可能です。ただし、Oracle9i Databaseリリース2またはOracle Database 10gからのアップグレードを希望しているお客様は、Oracle Real Application Testingの一部の機能を利用できます。
Oracle9i Databaseリリース2で利用可能な機能は次のとおりです。
データベース・リプレイ: ワークロードの取得機能のみがサポートされます。取得されたワークロードの再実行は、Oracle Database 11gでのみ可能です。この機能は、Oracle9i Databaseリリース2からOracle Database 11gへのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。
Oracle Database 10gリリース2で利用可能な機能は次のとおりです。
データベース・リプレイ: ワークロードの取得機能のみがサポートされます。取得されたワークロードの再実行は、Oracle Database 11gでのみ可能です。この機能は、Oracle Database 10gリリース2からOracle Database 11gへのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。
SQLパフォーマンス・アナライザ: リモートSQLのテスト実行、およびSQLチューニング・セットへのSQLの取得機能のみがサポートされます。これらの機能は、Oracle9i Databaseリリース2およびOracle Database 10gリリース1からOracle Database 10gリリース2以上へのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。以前のリリース(Oracle 9i DatabaseまたはOracle Database 10gリリース1)からOracle Database 10gリリース2へアップグレードする際には、ターゲット・データベース(Oracle Database 10gリリース2)上でSQLをリモート実行するためにOracle Database 11gが必要です。Real Application Testingのライセンス取得は、Oracle Database 10gリリース2とOracle Database 11gの両方のシステムについて必要です。
Oracle Database Backup Cloud Service
Oracle Database Backup Cloud Serviceには、2つの最適化の使用が追加費用なしで含まれています。これらの最適化は、通常、Oracle Advanced SecurityオプションまたはOracle Advanced Compressionオプションを購入しないと使用できません。このOracle Database Backup Cloud Serviceの特殊用途ライセンスには、次の機能が含まれています。
RMANバックアップの暗号化
すべてのRMANバックアップ圧縮のアルゴリズム
Oracle Advanced SecurityオプションまたはOracle Advanced Compressionオプションの追加機能を使用するには、それらのオプションのライセンスを別途購入する必要があります。また、直接ディスクにRMAN暗号化バックアップを実行する場合も、Oracle Advanced Securityオプションのライセンスが必要です。
Oracle Secure BackupおよびOracle Secure Backup Cloud Module
Oracle Database Enterprise Editionのバックアップの場合、Oracle Secure Backupには、次の使用制限付きライセンスが含まれています。
テープまたはAmazon S3へのRMANバックアップの暗号化
LOW、MEDIUM、BASICまたはHIGHアルゴリズムを活用したRMANバックアップ圧縮
Oracle Secure Backupの特殊な使用方法のライセンスは、Oracle Advanced SecurityオプションのコンポーネントであるRMANバックアップの暗号化と、Oracle Advanced CompressionオプションのコンポーネントであるRMANバックアップ圧縮レベルに適用されます。Oracle Advanced SecurityオプションまたはOracle Advanced Compressionオプションの追加機能を使用するには、それらのオプションのライセンスを別途購入する必要があります。また、Oracle Secure Backupがメディア・マネージャであるかどうかにかかわらず、直接ディスクにRMAN暗号化バックアップを実行する場合も、Oracle Advanced Securityオプションのライセンスが必要です。
Oracle Secure Backup ExpressはOracle Databaseにバンドルされています。Oracle Secure Backup Expressに関するサポートは、オラクルの社員やコミュニティの専門家によってモニターされる無料のOracle Discussion Forumを通じてのみ提供されます。
Oracle Secure Backup Expressでは、Oracleデータベースおよびテープ保護を必要とするOracleホーム・ファイルおよびその他のファイル・システム・データをバックアップできます。
詳細は、『Oracle Secure Backupライセンス情報』を参照してください。
Oracle WalletはPKCS#12コンテナで、認証および暗号化鍵を格納するのに使用されます。Oracleデータベースのセキュアな外部パスワード・ストア機能により、Oracleデータベースに対するパスワード・ベースの認証用にOracle Walletにパスワードが格納されます。Oracle Walletは、Oracle Databaseに対するPKI認証用の資格証明、ネットワーク暗号化の構成(SSL/TLS)およびOracle Advanced Security透過的データ暗号化(TDE)マスター暗号化鍵を格納するのにも使用できます。ネットワーク暗号化(ネイティブ・ネットワークの暗号化、ネットワーク・データ整合性およびSSL/TLS)と厳密認証サービス(Kerberos、PKIおよびRADIUS)は、Oracle Advanced Securityの一部ではなくなり、Oracleデータベースのすべてのサポート対象リリースのライセンス供与されているすべてのエディションに含まれるようになりました。
ライセンスを追加購入しなくても、独立したOracle Databaseをインストールし、Recovery Manager (RMAN)リポジトリとして使用できます。ただし、このリポジトリ内で管理されるすべてのOracleデータベースについて適切なライセンスを購入している場合にかぎられます。このリポジトリ・データベースは、Oracle Enterprise Grid Controlリポジトリにも使用できます。このデータベースは、他の用途で使用することもデプロイすることもできません。
ライセンスを追加購入しなくても、独立したOracle Databaseをインストールし、Oracle Enterprise Manager Grid Control (OEM Grid Control)リポジトリとして使用できます。ただし、このリポジトリ内で管理されるすべてのターゲット(データベース、アプリケーションなど)について適切なライセンスを購入している場合にかぎられます。このデータベースは、Recovery Managerリポジトリにも使用できます。このデータベースは、他の用途で使用することもデプロイすることもできません。
Oracle Advanced Securityおよびエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ
Oracle Database Enterprise Editionでエンタープライズ・ユーザー・セキュリティを使用する場合、KerberosおよびPKIベース認証のOracle Advanced Securityオプションに対するライセンスは必要なくなりました。対応するOracle Identity Management Directory Services Plusのライセンス供与が必要となります。
2004年4月5日以前に購入したOracle Advanced Securityライセンスでは、エンタープライズ・ユーザー・セキュリティをサポートするOracle Directory Services PlusのOracle Internet Directory (OID)コンポーネントの制限付きライセンスが含まれています。
現行ユーザー・データベース・リンクは、Oracle Enterprise Editionデータベース内でサポートされるデータベース・リンクの一種です。現行ユーザー・データベース・リンクを使用すると、資格証明をデータベース・リンク定義内に格納する必要がなくなり、セキュリティが強化されます。現行ユーザー・データベース・リンクはエンタープライズ・ユーザー・セキュリティを必要とし、ターゲット・データベースとの通信を行う通信チャネルの保護にSSLを使用します。現行ユーザー・データベース・リンクを使用する場合、SSLを有効にするためにOracle Advanced Securityのライセンスを購入する必要はありません。
XStreamは、Oracle Streamsのインフラストラクチャ上に作成され、クライアント・アプリケーションによるOracleデータベースからのリアルタイムのデータ変更の受信(XStream Out APIを使用)およびOracleデータベースへのリアルタイムのデータ変更の送信(XStream In APIを使用)を可能にするApplication Program Interface (API)を提供します。これらのデータ変更は、Oracleデータベースと他のシステム(ファイルシステムやOracle以外のデータベースなど)で共有可能です。XStreamは、Oracle GoldenGate製品を介してライセンス供与されます。この製品のライセンスの購入が、XStream APIを使用するには必要です。詳細は、Oracle担当営業にお問い合せください。
Oracle Clusterwareでは、クラスタ・メンバーシップと高可用性の監視およびフェイルオーバーを提供します。Oracle Clusterwareは、アプリケーションを保護する(障害発生時のアプリケーションの再起動またはフェイルオーバー)用途において無償で使用することができます。Oracleでは、サーバーが有効なOracleサポート契約のもとでOracle製品を実行している場合にのみ、Clusterwareのサポートを提供します。このような製品の例には、Oracle Linux、Oracle Solaris、Oracle DatabaseおよびOracle Fusion Middlewareが含まれますが、それらに限定されません。
Oracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)
Oracle ACFSの機能に適用されるライセンス要件については、次の表を参照してください。
Oracle ACFSの機能 | Oracle Databaseのファイル | Oracle Database以外のファイル |
---|---|---|
次にリストされている機能を除くすべてのOracle ACFS機能 | 無償 | 無償 |
ACFSスナップショット | Oracle Database Enterprise Editionが必要* | 無償 |
ACFS暗号化 | 利用不可(Oracle Advanced Securityオプションの一部であるOracle Transparent Data Encryptionを使用してください*) | 無償 |
ACFSセキュリティ | 利用不可(Oracle Database Vaultを使用してください*) | 無償 |
ACFSレプリケーション | 利用不可(Oracle Data Guardを使用してください*) | 無償 |
ACFS監査 | 利用不可(Oracle Audit Vaultを使用してください*) | 無償 |
ACFSタグ付け | 無償 | 無償 |
Oracle ACFSが稼働しているサーバー上で、Oracleサポート契約の対象であるOracle製品(Oracle LinuxやOracle Solarisなど)も稼働している場合、Oracle ACFS専用のサポート・サービスを提供します。
* これらの製品やコンポーネントには、適切なフル・ライセンスが必要です。
使用制限付きライセンスは、Oracle Database 11gのエディションに、次のように含まれています。
Oracle Internet Directory (OID)の使用制限付きライセンスが、すべてのエディションに含まれていますが、これはユーザーがOracle Net Servicesの構成にディレクトリ・ネーミング機能を使用する場合に制限されています。OIDは、他の用途で使用することもデプロイすることもできません。Oracle Internet Directory (OID)の詳細は、Oracle担当営業にお問い合せください。
Oracle Application Server Containers for J2EE (OC4J)の使用制限付きライセンスが、すべてのエディションに含まれています(Oracle Database Express Editionを除く)。この組込みバージョンは、Oracle Enterprise Manager (DatabaseおよびGrid Control)、Advanced Queuing Servlet、Ultra Search、Application ExpressおよびWarehouse Builderをサポートする目的でのみ提供されており、他の目的で使用することもデプロイすることもできません。
Oracle HTTP Serverの使用制限付きライセンスは、HTTP Serverがデータベースと同じサーバー上で実行されている場合、すべてのエディション(Oracle Database Express Editionを除く)に含まれています。異なるサーバー上でOracle HTTP Serverを実行する場合は、Oracle DatabaseまたはOracle Application Serverのライセンスを通じて、そのサーバーにHTTP Serverの使用ライセンスが供与される必要があります。
Oracle Berkeley DBの使用制限付きライセンスが含まれていますが、これはOracle Grid Infrastructureでの使用のみに制限されています。
Oracle Database、Oracle Load TestingおよびOracle Load Testing ControllerのLoad Testing Acceleratorの使用制限付きライセンスが含まれていますが、これはOracle Real Application TestingでのOracle Databaseテストへの使用のみに制限されていて、アプリケーション・テストに使用することはできません。
Oracle Database Vaultには、次のOracle Enterprise Manager機能の使用制限付きライセンスが含まれています。
アプリケーション・データ・モデリング(旧称: データ検出およびモデリング)
Oracle E-Business Suiteの選択バージョン用のアプリケーション・データ・モデリング・アクセラレータ
Oracle Fusion Applicationsの選択バージョン用のアプリケーション・データ・モデリング・アクセラレータ
Oracle Partitioningの使用制限付きライセンスは、次の空間およびRDFグラフ・テクノロジ(RDF/OWL)機能をサポートする目的でのみ、Enterprise Editionに無償で含まれています: 空間トポロジおよびRDFグラフ。他のあらゆるOracle Partitioningの使用には、Oracle Partitioningオプションのライセンスが必要です(使用可能な場合)。
Oracle Advanced CompressionおよびOracle Advanced Securityの使用制限付きライセンスは、次の移行のいずれかを実行するときに付与されます。
Oracle Zero Downtime Migration
Oracle Cloud Infrastructure Database Migration (DMS)
これらの使用制限付きライセンスは、移行が実行されている間のみ有効であり、移行操作の目的に対してのみ適用されます。Oracle Advanced CompressionおよびOracle Advanced Securityの他のすべての使用には、ライセンスが必要です。
Oracle Warehouse Builder Enterprise ETLオプション
次の機能は、以前Oracle Warehouse Builder ETLオプションとともにライセンス供与されていた機能で、Oracle Databaseではライセンス供与されなくなりました。かわりに、Oracle Data Integrator Enterprise Editionでライセンス供与されています。
緩やかに変化するディメンション (SCD)タイプ2および3
ターゲットとしてのXMLファイル
トランスポータブルETLモジュール、複数構成およびプラッガブル・マッピング
プラッガブル・マッピング、プラッガブル・マッピング入力シグネチャ、プラッガブル・マッピング出力シグネチャの演算子
RACの設計環境サポート
ターゲット・ロード順序付け
シードされた空間およびストリーム変換
プロセス・フロー・アクティビティ・テンプレート
プロセス・フロー変数サポート
プロセス・フローのループ・アクティビティ(Forループ、Whileループなど)
プロセス・フローのルートおよび通知アクティビティ
メタデータの系統と影響の分析
メタデータの変更の伝播
スケジュール可能なマッピングおよびプロセス・フロー
メタデータの拡張性
Discoverer EULへのデプロイメント
Oracle BI Beansカタログへのデプロイメント