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Oracle® Warehouse Builder概要
11gリリース2 (11.2)
B61348-03
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10 スクリプトおよび自動化

ここでは、Oracle Warehouse Builderを拡張可能なプラットフォームにするスクリプトおよび自動化機能のOMB*Plusとエキスパートを紹介します。

この項の内容は次のとおりです。


関連項目:

OMB*Plusの詳細は、『Oracle Warehouse Builder APIおよびスクリプト・リファレンス』を参照してください。

OMB*Plusの概要

OMB*Plusスクリプト言語は、Jaclと呼ばれるTcl言語のJava拡張機能で作成されています。OMB*Plusは、変数、プロシージャ、制御構造などのTclベースの基本的な言語機能を提供します。また、Oracle Warehouse Builder固有のコマンド構文により、Oracle Warehouse Builderでバッチ処理およびユーザー・インタフェース操作を行うためのスクリプト・コマンドが提供されます。

  • 接頭辞OMBが付くコマンド(バッチ・コンポーネントの'B')

  • 接頭辞OMUが付くコマンド(UIコンポーネントの'U')

変数サポート、条件とループによる制御構造、エラー処理、標準ライブラリ・プロシージャなどの構文構成要素を記述できます。Tclを使用して、ファイル・システムI/Oなどのデザイン・センターを実行しているホストのタスクも実行できます。

OMB*Plusの主な利点は、その拡張性です。たとえば、SQL*Plus文を実行して、OMB*PlusからPL/SQLパッケージを使用できます。

OMB*Plusスクリプト・インタフェースを使用すると、次のことが可能になります。

  • Oracle Warehouse Builderクライアント・ユーザー・インタフェースを起動しなくても、Oracle Warehouse Builderで複雑な処理を直接実行できます。

  • Oracle Warehouse Builderで実行する日常的な操作セットを定義できます。

  • Oracle Warehouse Builderリポジトリ・メタデータを問い合せて、結果をレポートしたり、結果に応じて操作を実行できます。

  • Oracle Warehouse Builderのバッチ操作を実行できます。

  • Oracle Warehouse Builderでの一連の条件付き操作を自動化できます。

次のトピックの説明に従って、OMB*Plusにアクセスします。


関連項目:

Oracle Warehouse Builder APIおよびスクリプト・リファレンス

デザイン・センターからのOMB*Plus

Oracle Warehouse Builderのデザイン・センターからOMB*Plusにアクセスする手順は、次のとおりです。

  • 「表示」「OMB*Plus」の順に選択します。

デザイン・センターに「OMB*Plus」パネルが表示されます。


注意:

  • デザイン・センター内からOMB*Plusを実行する場合、OMUコマンドを使用できません。コマンドライン・モードからOMB*Plusを実行する場合にのみ、それらのコマンドを使用できます。

  • OMB*Plusビューからpublic_projectまたはその子オブジェクトにはアクセスできません。かわりに、コマンドラインからOMB*Plusを使用して、これらのオブジェクトにアクセスします。


コマンドラインからのOMB*Plus

オペレーティング・システムに固有の手順に従って、OMB*Plusコンソールを起動します。

OMB*PlusおよびWindowsシステム

WindowsシステムのOMB*Plusを起動するには、Warehouse Builderプログラム・グループの「スタート」メニューからOMB*Plusを実行します。

  • 「スタート」「Warehouse Builder」「Administration」「OMB*Plus」を選択します。

Oracle Warehouse Builderリポジトリにアクセスするには、OMBCONNECT文を使用します。

OMB*PlusおよびLinuxとUNIX

LinuxおよびUNIXシステムのOMB*Plusを起動するには、Oracleホームのコマンド・プロンプトからOMBPlus.shを実行します。

Oracle Warehouse Builderリポジトリにアクセスするには、OMBCONNECT文を使用します。

Oracle Warehouse Builderのエキスパートの概要

エキスパートは、Oracle Warehouse Builderの特定のタスクを実行するために開発者が構築したミニアプリケーションまたはタスクフローです。エキスパートを使用すると、Oracle Warehouse Builderの知識、経験およびベスト・プラクティスを取り込んで、それらを繰返し使用できます。エキスパートの最も基本的な用途は、デザイン・センターの一連の関連タスクの手順をユーザーに指示することです。エキスパートでは、Oracle Warehouse BuilderのグラフィカルUIコンポーネントおよび機能を再利用できます。たとえば、開発者がユーザーにファイル構造を定義させようとする場合は、Oracle Warehouse Builderのフラット・ファイル・サンプラ・ウィザードをエキスパート内でコンポーネントとして再利用します。開発者は、このウィザードにより戻された情報とメタデータの使用方法を完全に制御でき、他のコンポーネントの呼出し、埋込みスクリプトの作成、SQLやJavaなどの呼出しを行うこともできます。

エキスパートの使用例は、次のとおりです。

  • 開発者が一貫性のある方法でタスクを実装できるように、一般的な方法をカプセル化します。

  • 開発者の生産性を高めるために、複雑なタスクのパフォーマンスを自動化します。

  • OMB*Plusスクリプトとして実装される機能またはJavaの機能のユーザー・インタフェースを作成します。

エキスパートをOMB*Plusスクリプト機能および他の拡張メカニズムと組み合せることで、Oracle Warehouse Builderを、複雑で再利用可能なデータ統合ソリューションを配布するためのプラットフォームとして発展させることができます。

エキスパートの追加トピックは、次のとおりです。


関連項目:

エキスパート開発の詳細および手順は、Oracle Warehouse Builder APIおよびスクリプト・リファレンスの「エキスパートについて」の章を参照してください。

エキスパートの設計環境

エキスパートの設計環境は、デザイン・センターのプロジェクトに関連しており、プロセス・フローの環境と類似したエキスパート・エディタ、タスク・オブジェクトがアイコンで表されたグラフ、関連線で表されたコントロール・フロー、およびドラッグ・アンド・ドロップとオブジェクト・プロパティの設定で実行できる設計アクティビティで構成されます。タスクには、プロジェクト内のオブジェクトの作成または変更、よく使用する組込みダイアログの起動、カスタム・ダイアログ・ボックスの作成、複雑なコントロール・フローおよびOracle Warehouse Builderとのインタラクションを行うOMB*Plusスクリプトの起動などがあります。また、エキスパートで複数のタスクにわたって状態を保持するための変数も使用できます。ネストされたエキスパートもサポートされているため、1つのエキスパートに実装されたロジックを他のエキスパートで呼び出すことができます。

エキスパートでは、Oracle Warehouse Builderでロードされるように設定したJARファイル内の任意のJavaコードも起動できます。これにより、Javaの新機能を実装して、Oracle Warehouse Builderユーザー・インタフェースに統合できます。

実行時に、エキスパートは、モデル/論理設計からコード(この場合はOMBおよびOMUスクリプト)が生成されて実行される点で、従来のOracle Warehouse Builder機能と同じパラダイムに準拠しています。

エキスパートの記憶域: パブリックとプライベート

ワークスペースで、各プロジェクトに含まれるパブリック・エキスパート・フォルダまたはプライベート・エキスパート・フォルダにエキスパートを作成できます。プライベート・エキスパートは、通常、親プロジェクトに関連してのみ使用されます。他のパブリック・オブジェクトと同じように、パブリック・エキスパートはグローバル領域に格納され、ワークスペースのすべてのプロジェクトで使用できます。通常、パブリック・エキスパートは、異なるタイプのプロジェクトで役立つ機能をカプセル化します。

実装方法に応じて、いくつかの異なるコンテキストでエキスパートを起動できます。

  • エキスパート・フォルダまたはパブリック・エキスパート・フォルダを右クリックして実行する設計のエキスパートもあります。

  • Warehouse Builderのほとんどのオブジェクトと関連付けられている右クリック・メニューにエキスパートを追加すると、エキスパートがデザイン・センターの新しいメニュー・コマンドとして追加されます。この場合、起動元のオブジェクトがパラメータとして渡されるコンテキストでエキスパートが実行されます。

  • また、コマンドラインから、デザイン・センターをユーザーに非表示にし、1つのエキスパートを実行してから終了するようなモードでOracle Warehouse Builderを起動することもできます。この2つの機能を使用すると、Oracle Warehouse Builderをあまり使用しないユーザーやETL開発者に対して、Oracle Warehouse Builder機能への簡素化された制限付きのインタフェースを作成できます。

ガイド付きアシスタント・エキスパートについて

ガイド付きアシスタント機能を使用すると、Oracle Warehouse Builderワークスペース内にエキスパート・セットを作成できます。これにより、ユーザーがワークスペースにログインすると即時に、一般的なタスクを選択して実行できるエキスパートのポイント・アンド・クリック・リストが表示されます。エキスパートを「パブリック・エキスパート」フォルダ内のSTARTUPというフォルダに配置すると、「ガイド付きアシスタント」エキスパート・リストにそのエキスパートが表示されます。「ガイド付きアシスタント」エキスパートには、デザイン・センターの「ヘルプ」メニュー・アイテムからもアクセスできます。管理者は、この機能を使用して、プロジェクトの開発者にエキスパート・セットを提供し、それを利用して一般的なタスクの一貫性の向上と時間の節約を図ることができます。


関連項目:

Oracle Warehouse Builder APIおよびスクリプト・リファレンスの「エキスパートについて」のガイド付きアシスタントに関するトピック