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Oracle® Warehouse Builder概要
11gリリース2 (11.2)
B61348-03
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9 デプロイメントおよび実行

ここでは、ターゲット・スキーマへの設計オブジェクトのデプロイとデプロイされたオブジェクトに定義されるETLロジックの実行の概念について説明します。

この項は次のトピックで構成されています。

設計オブジェクトのデプロイおよび実行について

ETLおよびデータ品質プロセスを設計した後は、結果の設計オブジェクトをデプロイおよび実行して、この設計をターゲット・スキーマに実装します。コントロール・センター・マネージャには、デプロイメントと実行のあらゆる側面を表示および管理できる包括的なデプロイメント・コンソールが用意されています。ここから、アクティブな「コントロール・センター」に格納されている情報にアクセスできます。

次のトピックは、設計オブジェクトのデプロイおよび実行の概要を示しています。


関連項目:

『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のターゲット・スキーマへのデプロイおよびETLロジックの実行に関する項。

デプロイメントの概念

デプロイメントは、Oracle Warehouse Builderワークスペース内の論理オブジェクトに従って、ターゲット・ロケーション内に物理オブジェクトを作成するプロセスです。

たとえば、デザイン・センターを使用して表を作成すると、この表のメタデータはワークスペースに格納されます。設計内に記述された表が、指定されたロケーションにより参照されるデータベース・スキーマ内に存在しない場合、表をデプロイしてその表を作成する必要があります。同様に、PL/SQLマッピングを設計した後は、そのマッピングに(マッピング・ロジックを実装するPL/SQLパッケージを作成する)コードを生成し、生成済のコードを指定のロケーションにデプロイする必要があります。これにより、生成済のPL/SQLパッケージが参照されるスキーマにロードされます。オブジェクトのデプロイは、デザイン・センターから実行するか、コントロール・センター・マネージャを使用して行います。また、OMB*Plusコマンドを使用して、オブジェクトをデプロイすることもできます。

デザイン・センターで新しいオブジェクトを定義すると、オブジェクトはただちにコントロール・センター・マネージャのデプロイメント・ロケーションの下にリストされます。

マッピングまたはプロセス・フローのデプロイには、次の手順が含まれます。

  • 必要に応じて、PL/SQL、SQL*LoaderまたはABAPスクリプトを生成します。

  • 必要なロケーションを登録し、必要なコネクタをデプロイします。これにより、物理ロケーションとそのコネクタの詳細が実行時に利用可能になります。

  • PL/SQL、XPDL、SQL*LoaderまたはABAPのスクリプトをデザイン・センターからコントロール・センターに転送します。(XPDLは、Workflow Management Coalitionにより標準化された形式のXMLプロセス定義言語を示します。)


注意:

  • マッピングまたはプロセス・フローをデプロイした後は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のETLジョブの開始に関する項の説明に従って、スクリプトを明示的に起動する必要があります。

  • ワークスペース・ユーザーは、COMPILE権限があるオブジェクトのみデプロイできます。デフォルトでは、ワークスペース内のすべてのオブジェクトに対してこの権限があります。ただし、ワークスペースの所有者が異なるセキュリティ・ポリシーを設定している場合があります。



関連項目:

『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のオブジェクトのデプロイに関する項。

配布ステータス: 結果の表示

オブジェクトをデプロイすると、Oracle Warehouse Builderによりオブジェクトにデプロイメント・ステータスが割り当てられます。配布ステータスはコントロール・センター・マネージャで表示できます。

このステータスは、次のようにデプロイメントの結果を表しています。

  • 未配布: オブジェクトがまだターゲット・スキーマにデプロイされていないことを示します。

  • 正常終了: オブジェクトがターゲット・スキーマに正常にデプロイされたことを示します。

  • 警告: オブジェクトのデプロイメント中に警告が生成されたことを示します。ステータスをダブルクリックすると、警告の詳細が表示されます。

  • 失敗: オブジェクトのデプロイメントに失敗したことを示します。コントロール・センター・ジョブウィンドウでジョブをダブルクリックすると、デプロイメントに失敗した理由の情報が表示されます。デザイン・センターのジョブ・ログには、参照できる詳細も表示されます。

設計オブジェクトの実行について

実行とは、デプロイ済オブジェクトに定義されたETLロジックを開始するプロセスです。たとえば、表のデータを取得してソース・データの変換を実行し、変換したデータをターゲット表にロードするマッピングを定義するとします。このマッピングをデプロイすると、このマッピングに対して生成されたPL/SQLコードがターゲット・スキーマに格納されます。このマッピングを実行すると、ETLロジックのジョブが開始され、データがソース表から取得されて変換され、ターゲット表にロードされます。

配布およじ実行手順の概要

データ・システムのライフサイクルでは、一般に次の手順を実行してデプロイメント・プロセスでシステムを作成し、実行プロセスでデータをシステムに移動します。

手順1   名前付きの構成を選択します。

選択した構成のコントロール・センターは、オブジェクトの実行環境を指定します。

手順2   オブジェクトをターゲット・ロケーションにデプロイします。

個別にデプロイする、1つずつ順にデプロイする、またはすべて一度にデプロイすることが可能です。

手順3   デプロイメントの結果を確認します。

オブジェクトのデプロイに失敗した場合は、問題を修正し、再試行してください。

手順4   ターゲット・ロケーションのETLプロセスを開始します。

オブジェクトのETLロジックを含むマッピングまたはプロセス・フローを実行します。

手順5   必要に応じて、ターゲット・オブジェクトの設計を変更します。

ユーザーの要求やソース・データの変更などにあわせます。

手順6   デプロイメント・アクションを設定します。

変更したオブジェクトを「アップグレード」または「置換」に設定します。


関連項目:

『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』の次のトピック
  • 「デプロイメントおよび実行プロセスの手順」

  • 「オブジェクトのデプロイ」

  • 「ETLジョブを開始」


デプロイメントおよび実行のランタイム監査

設計オブジェクトをデプロイおよび実行するたびに、表示および管理できるように監査情報が生成および格納されます。

監査情報は、オブジェクトのタイプに固有です。

  • PL/SQLランタイム監査は、PL/SQLスクリプトを使用してデプロイされたOracle Warehouse Builderオブジェクトの監査情報です。データ・オブジェクト、マッピングおよびプロセス・フローは、PL/SQLデプロイメントを使用します。

  • 異機種間ランタイム監査は、OC4JサーバーまたはDB2やSQL Serverなどの異機種間データベースにデプロイされるオブジェクトの監査情報を示します。このタイプの監査には、複数のコントロール・センター・エージェント(CCA)の監査が含まれます。また、このタイプの監査には、コード・テンプレート、Webサービスおよびコード・テンプレート・マッピングの情報も含まれます。

次の方法を使用して、監査情報を表示および管理します。

  • コントロール・センター・マネージャ。「コントロール・センター・ジョブ」パネルで、デプロイメントおよび実行ジョブのリストを表示します。ジョブをダブルクリックすると、ジョブの詳細を表示できます。

  • リポジトリ・ブラウザまたは異機種間リポジトリ・ブラウザ。監査情報にアクセスできます。異機種間リポジトリ・ブラウザを使用すると、Oracle Warehouse Builderがインストールされていないシステムの監査情報にアクセスできます。

  • パブリック・ビュー。リポジトリ・ブラウザを使用しなくても、同じ情報にパブリック・ビューからアクセスできます。これを実行するには、SQL*Plusセッションを起動し、パブリック・ビューの問合せを実行します。パブリック・ビューの一覧は、『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』を参照してください。


関連項目:

『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のデプロイメントと実行の監査に関する項

実行する設計オブジェクトのスケジュールについて

Oracle Warehouse Builderには、次のスケジューリング・オプションが用意されています。

  • Oracle Warehouse Builderの統合ジョブ・スケジューリング(この機能は、Enterprise ETLオプションを使用している場合に使用できます。)

  • ETLジョブを実行するOracle Enterprise Managerのスケジューリング

  • サード・パーティのスケジューラの統合

サード・パーティのスケジューラの統合

サード・パーティ・スケジューラとの統合方法は、サード・パーティ・スケジューラの機能によって異なります。たとえば、Oracle Warehouse Builderのマッピングおよびプロセス・フローがPL/SQLパッケージである場合、サード・パーティ・スケジューラでPL/SQLパッケージを起動するには、そのサード・パーティ・スケジューラのマニュアルを参照してください。また、複雑なプロセス編成の一環としてWebサービスを起動するOracle BPELなどの製品を使用している場合、マッピングまたはプロセス・フローをWebサービスとして公開できます。


関連項目:

  • 『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のETLジョブのスケジューリングに関する項。

  • 『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』のWebサービスとしてのOracle Warehouse Builderオブジェクトの公開に関する項。

  • 『Oracle Databaseライセンス情報』