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Oracle® Database Vault管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56297-10
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14 DBMS_MACUTLパッケージの使用方法

この章の内容は次のとおりです。

DBMS_MACUTLパッケージについて

DBMS_MACUTLパッケージは、Oracle Database Vault用に作成するアプリケーション・コードのあらゆる箇所で使用できる一連の汎用ユーティリティ・プロシージャおよびファンクションを提供します。このパッケージは、すべてのユーザーが使用できます。

DBMS_MACUTLの定数

この項の内容は次のとおりです。

DBMS_MACUTLの定数のリスト

表14-1に、DBMS_MACUTLパッケージの定数(フィールド)の説明をまとめています。これらの定数は、Oracle Database VaultのPL/SQLパッケージのいずれかとともに使用できます。これらの定数の多くは、Oracle Database Vaultパッケージに同等のものがあります。たとえば、複数のプロシージャで使用可能なenabledパラメータでは、Y(Yes)または定数G_YESのいずれも使用できます。どちらを選択するかは個人の好みの問題です。どちらも結果は同じです。

表14-1 DBMS_MACUTLの定数のリスト

定数名 データ型 説明

G_ALL_OBJECT

VARCHAR2(1)

すべてのオブジェクト名またはオブジェクト・タイプを示すワイルドカードとして、レルムAPI object_nameパラメータおよびobject_typeパラメータで使用します。

G_AUDIT_ALWAYS

NUMBER

監査を有効にするために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_OFF

NUMBER

監査を無効にするために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_GET_ERROR

NUMBER

get_exprパラメータで指定した式がエラーを返した場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_GET_NULL

NUMBER

get_exprフィールドの式がNULLの場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_TRUST_LEVEL_NEG

NUMBER

信頼レベルが負の場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_TRUST_LEVEL_NULL

NUMBER

信頼レベルが存在しない場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_VALIDATE_ERROR

NUMBER

検証ファンクションがエラーを返した場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_AUDIT_ON_VALIDATE_FALSE

NUMBER

検証ファンクションがFalseの場合に監査を行うために、ファクタAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_EVAL_ON_ACCESS

NUMBER

アクセスするたびにファクタを再評価するために、ファクタAPI eval_optionsパラメータで使用します。

G_EVAL_ON_SESSION

NUMBER

ユーザーがセッションにログインしたとき、1回のみファクタを評価するために、ファクタAPI eval_optionsパラメータで使用します。

G_FAIL_SILENTLY

NUMBER

失敗時にエラー・メッセージを表示しないように、fail_optionsパラメータで使用します。

G_FAIL_WITH_MESSAGE

NUMBER

失敗時にエラー・メッセージを表示するように、fail_optionsパラメータで使用します。

G_IDENTIFY_BY_CONSTANT

NUMBER

ファクタAPI identify_byパラメータで使用します。get_exprパラメータで定義されるPL/SQL式では固定値です。

G_IDENTIFY_BY_CONTEXT

NUMBER

コンテキストを示すために、ファクタAPI identify_byパラメータで使用します。

G_IDENTIFY_BY_FACTOR

NUMBER

factor_link$表からのサブファクタに対して、ファクタAPI identify_byパラメータで使用します。

G_IDENTIFY_BY_METHOD

NUMBER

ファクタAPI identify_byパラメータで使用します。get_exprフィールドの式。

G_IDENTIFY_BY_RULESET

NUMBER

ファクタAPI identify_byパラメータで使用します。factor_expr$表での式およびルール・セット。

G_LABELED_BY_FACTORS

NUMBER

サブファクタおよびマージ・アルゴリズムからラベルを導出するために、ファクタAPI labeled_byパラメータで使用します。

G_LABELED_BY_SELF

NUMBER

ファクタ・アイデンティティのラベル付けのために、ファクタAPI labeled_byパラメータで使用します。

G_MAX_SESSION_LABEL

VARCHAR2(30)

これは、ファクタに基づいてユーザーが設定できる最高のラベルです。ユーザーに対するラベルは考慮されません。

G_MIN_POLICY_LABEL

VARCHAR2(30)

NULLラベルのファクタにデフォルト設定されるラベル。

G_NO

VARCHAR2(1)

次のAPIで使用します。

  • 親ファクタにリンクしている子ファクタが、Oracle Label Security統合で親ファクタのラベルを構成しないことを示すために、ファクタAPI label_indicatorパラメータで使用します。

  • enabledパラメータを使用するすべてのAPI。

G_OLS_SESSION_LABEL

VARCHAR2(30)

init_sessionの実行時のユーザーに対するOracle Label Securityセッション・ラベル。

G_REALM_AUDIT_FAIL

NUMBER

レルム違反が発生したときに監査を行うために、レルムAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_REALM_AUDIT_OFF

NUMBER

監査を無効にするために、レルムAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_REALM_AUDIT_SUCCESS

NUMBER

レルムAPI audit_options parameterパラメータで使用します。レルムへのアクセス成功時に監査を行います。

G_REALM_AUTH_OWNER

NUMBER

所有者に対するレルム認可を設定するために、レルムAPI auth_optionsパラメータで使用します。

G_REALM_AUTH_PARTICIPANT

NUMBER

参加者に対するレルム認可を設定するために、レルムAPI auth_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_AUDIT_FAIL

NUMBER

ルール・セット失敗時に監査を行うために、ルール・セットAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_AUDIT_OFF

NUMBER

監査を無効にするために、ルール・セットAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_AUDIT_SUCCESS

NUMBER

ルール・セット成功時に監査を行うために、ルール・セットAPI audit_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_EVAL_ALL

NUMBER

すべてのルールがTrueと評価された場合にルール・セットが成功するように、ルール・セットAPI eval_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_EVAL_ANY

NUMBER

ルールのいずれかがTrueと評価された場合に成功するように、ルール・セットAPI eval_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_FAIL_SHOW

NUMBER

ルール・セットが失敗した場合にエラー・メッセージが表示されるように、ルール・セットAPI fail_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_FAIL_SILENT

NUMBER

ルール・セットが失敗した場合にエラー・メッセージが表示されないように、ルール・セットAPI fail_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_HANDLER_FAIL

NUMBER

ルール・セットが失敗した場合にハンドラ(handlerパラメータで指定)をコールするように、ルール・セットAPI handler_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_HANDLER_OFF

NUMBER

ハンドラへのコールを無効にするか、ハンドラが使用されない場合に、ルール・セットAPI handler_optionsパラメータで使用します。

G_RULESET_HANDLER_SUCCESS

NUMBER

ルール・セットが成功した場合にハンドラをコールするように、ルール・セットAPI handler_optionsパラメータで使用します。

G_USER_POLICY_LABEL

VARCHAR2(30)

前の値を考慮した上で、ユーザーのラベルに設定する必要があるとOracle Label Securityで決められた値。

G_YES

VARCHAR2(1)

次のAPIで使用します。

  • 親ファクタにリンクしている子ファクタが、Oracle Label Security統合で親ファクタのラベルを構成することを示すために、ファクタAPI label_indicatorパラメータで使用します。

  • enabledパラメータを使用するすべてのAPI。


DBMS_MACUTLの定数の使用例

例14-1は、レルム作成時にG_YES定数およびG_REALM_AUDIT_FAIL DBMS_MACUTL定数を使用する方法を示しています。

例14-1 DBMS_MACUTLの定数を使用したレルムの作成

BEGIN
 DBMS_MACADM.CREATE_REALM(
  realm_name    => 'Performance Statistics Realm',
  description   => 'Realm to measure performance',
  enabled       =>  DBMS_MACUTL.G_YES,
  audit_options =>  DBMS_MACUTL.G_REALM_AUDIT_FAIL);
END;
/

例14-2は、ルール・セット作成時に複数のDBMS_MACUTLの定数を使用する方法を示しています。

例14-2 DBMS_MACUTLの定数を使用したルール・セットの作成

BEGIN
 DBMS_MACADM.CREATE_RULE_SET(
  rule_set_name    => 'Limit_DBA_Access', 
  description      => 'DBA access through predefined processes', 
  enabled          => 'Y',
  eval_options     => DBMS_MACUTL.G_RULESET_EVAL_ALL,
  audit_options    => DBMS_MACUTL.G_RULESET_AUDIT_FAIL,
  fail_options     => DBMS_MACUTL.G_RULESET_FAIL_SHOW,
  fail_message     => 'Rule Set Limit_DBA_Access has failed.',
  fail_code        => 20000,
  handler_options  => DBMS_MACUTL.G_RULESET_HANDLER_FAIL, 
  handler          => 'dbavowner.email_alert');
END;
/

例14-3は、ファクタ作成時に、定数を使用する方法を示しています。

例14-3 DBMS_MACUTLの定数を使用したファクタの作成

BEGIN
 DBMS_MACADM.CREATE_FACTOR(
  factor_name       => 'Sector2_DB', 
  factor_type_name  => 'Instance', 
  description       => ' ', 
  rule_set_name     => 'DB_access', 
  get_expr          => 'UPPER(SYS_CONTEXT(''USERENV'',''DB_NAME''))', 
  validate_expr     => 'dbavowner.check_db_access', 
  identify_by       => DBMS_MACUTL.G_IDENTIFY_BY_FACTOR, 
  labeled_by        => DBMS_MACUTL.G_LABELED_BY_SELF, 
  eval_options      => DBMS_MACUTL.G_EVAL_ON_SESSION, 
  audit_options     => DBMS_MACUTL.G_AUDIT_ALWAYS, 
  fail_options      => DBMS_MACUTL.G_FAIL_SILENTLY); 
END;
/

DBMS_MACUTLパッケージのプロシージャおよびファンクション

表14-2に、DBMS_MACUTLパッケージのプロシージャおよびファンクションを示します。 これらのプロシージャまたはファンクションは、スタンドアロン・コードとして、またはルール式内で使用できます。この項では、両方が使用されている例を示します。

表14-2 DBMS_MACUTLのユーティリティ・ファンクション

プロシージャまたはファンクション 説明

CHECK_DVSYS_DML_ALLOWEDプロシージャ


Oracle Database Vault構成を更新するユーザーによってパブリック・パッケージが無視されていないことを検証します。

GET_CODE_VALUEファンクション


コード・グループ内でコードの値を検索します。

GET_SECONDファンクション


Oracle SS形式(00から59)で秒を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

GET_MINUTEファンクション


Oracle MI形式(00から59)で分を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

GET_HOURファンクション


Oracle HH24形式(00から23)で月を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

GET_DAYファンクション


Oracle DD形式(01から31)で日を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

GET_MONTHファンクション


Oracle MM形式(01から12)で月を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

GET_YEARファンクション


Oracle YYYY形式(0001から9999)で年を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

IS_ALPHAファンクション


文字がアルファベットかどうかをチェックします。

IS_DIGITファンクション


文字が数値かどうかをチェックします。

IS_DVSYS_OWNERファンクション


Oracle Database Vault構成を管理する権限がユーザーに付与されているかどうかを判断します。

IS_OLS_INSTALLEDファンクション


Oracle Label Securityがインストールされているかどうかについてインジケータを返します。

IS_OLS_INSTALLED_VARCHARファンクション


Oracle Label Securityがインストールされているかどうかについてインジケータを返します。

USER_HAS_ROLEファンクション


ユーザーがロール権限を直接保持するのか間接的に(他のロールを介して)保持するのかをチェックします。

USER_HAS_ROLE_VARCHARファンクション


ユーザーがロール権限を直接保持するのか間接的に(他のロールを介して)保持するのかをチェックします。

USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGEファンクション


ユーザーがシステム権限を直接保持するのか間接的に(ロールを介して)保持するのかをチェックします。


CHECK_DVSYS_DML_ALLOWEDプロシージャ

CHECK_DVSYS_DML_ALLOWEDプロシージャは、Oracle Database Vault構成を更新するユーザーによってパブリック・パッケージが無視されていないことを検証します。

構文

DBMS_MACUTL.CHECK_DVSYS_DML_ALLOWED(
  p_user IN VARCHAR2 DEFAULT USER); 

パラメータ

表14-3 CHECK_DVSYS_DML_ALLOWEDのパラメータ

パラメータ 説明

p_user

操作を実行しているユーザー。

現在のデータベース・インスタンスで既存のユーザーを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_USERS: 現在のデータベース・インスタンスで使用可能なユーザーを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_ROLE: 権限管理で使用されている既存のセキュア・アプリケーション・ロールを検索します。「DVSYS.DBA_DV_ROLEビュー」を参照してください。


ユーザーSYSTEMがチェックに失格となります。

EXEC DBMS_MACUTL.CHECK_DVSYS_DML_ALLOWED('system'); 

ERROR at line 1:
ORA-47920: Authorization failed for user system to perform this operation
ORA-06512: at "DBMS_MACUTL", line 23
ORA-06512: at "DBMS_MACUTL", line 372
ORA-06512: at "DBMS_MACUTL", line 508
ORA-06512: at "DBMS_MACUTL", line 572
ORA-06512: at line 1

lbrown_dvownerロールを持つユーザーDV_OWNERが、チェックに合格します。

EXEC DBMS_MACUTL.CHECK_DVSYS_DML_ALLOWED('lbrown_dvowner');

PL/SQL procedure successfully completed.

GET_CODE_VALUEファンクション

GET_CODE_VALUEファンクションは、コード・グループ内でコードの値を検索し、VARCHAR2値を返します。

構文

DBMS_MACUTL.GET_CODE_VALUE(
  p_code_group IN VARCHAR2, 
  p_code       IN VARCHAR2)
RETURN VARCHAR2; 

パラメータ

表14-4 GET_CODE_VALUEのパラメータ

パラメータ 説明

p_code_group

コード・グループ(AUDIT_EVENTSBOOLEANなど)。

現行のデータベース・インスタンスで使用可能なコード・グループを検索するには、「DVSYS.DBA_DV_CODEビュー」で説明されているDVSYS.DBA_DV_CODEビューに問い合せます。

p_code

コードのID。

このIDは、DVSYS.DBA_DV_CODEビューを実行したときに表示されます。


BEGIN 
 DBMS_MACADM.CREATE_RULE(
  rule_name => 'Get Label Algorithm for Maximum Level/Union/Null',
  rule_expr => 'DBMS_MACUTL.GET_CODE_VALUE(''LABEL_ALG'', ''HUN'') = ''Union''');
END;
/

GET_SECONDファンクション

GET_SECONDファンクションは、Oracle SS(秒)形式で秒(00から59)を返します。NUMBER値を返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_SECOND(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER;

パラメータ

表14-5 GET_SECONDのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

SS形式の日付(たとえば59)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはOracle DatabaseのSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  seconds number; 
BEGIN 
  seconds := DBMS_MACUTL.GET_SECOND(TO_DATE('03-APR-2009 6:56 PM', 
  'dd-mon-yyyy hh:mi PM')); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Seconds: '||seconds); 
END; 
/ 

この例では固定日時を使用しており、次の値を返します。

Seconds: 56

GET_MINUTEファンクション

GET_MINUTEファンクションは、Oracle MI(分)形式の分(00から59)をNUMBER値で返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_MINUTE(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER;

パラメータ

表14-6 GET_MINUTEのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

MI形式の日付(たとえば2:30の場合は30)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはOracle DatabaseのSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  minute number; 
BEGIN 
  minute := DBMS_MACUTL.GET_MINUTE(SYSDATE); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Minute: '||minute); 
END; 
/

次のような出力が表示されます。

Minute: 17

GET_HOURファンクション

GET_HOURファンクションは、Oracle HH24(時間)形式の時間(00から23)をNUMBER値で返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_HOUR(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER; 

パラメータ

表14-7 GET_HOURのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

HH24形式の日付(たとえば午後2:00の場合は14)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはOracle DatabaseのSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  hours number; 
BEGIN 
  hours := DBMS_MACUTL.GET_HOUR(SYSDATE); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Hour: '||hours); 
END; 
/

次のような出力が表示されます。

Hour: 12

GET_DAYファンクション

GET_DAYファンクションは、Oracle DD(日)形式の日(01から31)をNUMBER値で返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_DAY(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER; 

パラメータ

表14-8 GET_DAYのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

DD形式の日付(たとえば月の初日の場合は01)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはOracle DatabaseのSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  day number; 
BEGIN 
  day := DBMS_MACUTL.GET_DAY(SYSDATE); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Day: '||day); 
END; 
/

次のような出力が表示されます。

Day: 3

GET_MONTHファンクション

GET_MONTHファンクションは、Oracle MM(月)形式の月(01から12)をNUMBER値で返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_MONTH(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER;

パラメータ

表14-9 GET_MONTHのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

MM形式の日付(たとえば8月の場合は08)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはOracle DatabaseのSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  month number; 
BEGIN 
  month := DBMS_MACUTL.GET_MONTH(SYSDATE); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Month: '||month); 
END; 
/

次のような出力が表示されます。

Month: 4

GET_YEARファンクション

GET_YEARファンクションは、Oracle YYYY(年)形式の年(0001から9999)をNUMBER値で返します。時間データに基づいたルール式に有用です。

構文

DBMS_MACUTL.GET_YEAR(
  p_date IN DATE DEFAULT SYSDATE)
RETURN NUMBER;

パラメータ

表14-10 GET_YEARのパラメータ

パラメータ 説明

p_date

YYYY形式の日付(たとえば1984)。

日付を指定しない場合、Oracle Database VaultはSYSDATEファンクションを使用して、データベースが存在するオペレーティング・システムに設定されている現在の日時を取得します。


SET SERVEROUTPUT ON
DECLARE 
  year number; 
BEGIN 
  year := DBMS_MACUTL.GET_YEAR(SYSDATE); 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Year: '||year); 
END; 
/

IS_ALPHAファンクション

IS_ALPHAファンクションは、文字がアルファベットかどうかをチェックし、BOOLEAN値を返します。IS_ALPHAは、文字がアルファベットの場合にTRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.IS_ALPHA(
  c IN VARCHAR2)
RETURN BOOLEAN; 

パラメータ

表14-11 IS_ALPHAのパラメータ

パラメータ 説明

c

1文字の文字列


SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN 
 IF DBMS_MACUTL.IS_ALPHA('z')  
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('The alphabetic character was found');
 ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('No alphabetic characters today.'); 
 END IF; 
END;
/

IS_DIGITファンクション

IS_DIGITファンクションは、文字が数値かどうかをチェックし、BOOLEAN値を返します。IS_DIGITは、文字が数値の場合にTRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.IS_DIGIT(
  c IN VARCHAR2)
RETURN BOOLEAN;

パラメータ

表14-12 IS_DIGITのパラメータ

パラメータ 説明

c

1文字の文字列


SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN 
 IF DBMS_MACUTL.IS_DIGIT('7')  
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('The numeric character was found');
 ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('No numeric characters today.'); 
 END IF; 
END;
/

IS_DVSYS_OWNERファンクション

IS_DVSYS_OWNERファンクションは、Oracle Database Vault構成を管理する権限がユーザーに付与されているかどうかを判断し、BOOLEAN値を返します。IS_DVSYS_OWNERは、ユーザーに権限が付与されている場合にTRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.IS_DVSYS_OWNER(
  p_user IN VARCHAR2 DEFAULT USER)
RETURN BOOLEAN;

パラメータ

表14-13 IS_DVSYS_OWNERのパラメータ

パラメータ 説明

p_user

チェックするユーザー。

既存のユーザーを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_USERS: 現在のデータベース・インスタンスで使用可能なユーザーを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_ROLE: 権限管理で使用されている既存のセキュア・アプリケーション・ロールを検索します。「DVSYS.DBA_DV_ROLEビュー」を参照してください。


SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN 
 IF DBMS_MACUTL.IS_DVSYS_OWNER('PSMITH')
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('PSMITH is authorized to manage Database Vault.');
 ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('PSMITH is not authorized to manage Database Vault.'); 
 END IF; 
END;
/

IS_OLS_INSTALLEDファンクション

IS_OLS_INSTALLEDファンクションは、Oracle Label Securityがインストールされているかどうかについてインジケータを返し、TRUEまたはFALSEBOOLEAN値を返します。Oracle Label Securityがインストールされている場合、IS_OLS_INSTALLEDTRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.IS_OLS_INSTALLED()
RETURN BOOLEAN;

パラメータ

なし。

SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN 
 IF DBMS_MACUTL.IS_OLS_INSTALLED()  
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('OLS is installed');
 ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('OLS is not installed'); 
 END IF; 
END;
/

IS_OLS_INSTALLED_VARCHARファンクション

IS_OLS_INSTALLED_VARCHARファンクションは、Oracle Label Securityがインストールされているかどうかについてインジケータを返し、YまたはNVARCHAR2値を返します。Oracle Label Securityがインストールされている場合、IS_OLS_INSTALLED_VARCHARYを返します。

構文

DBMS_MACUTL.IS_OLS_INSTALLED_VARCHAR()
RETURN VARCHAR2;

パラメータ

なし。

例については「IS_OLS_INSTALLEDファンクション」を参照してください。

USER_HAS_ROLEファンクション

USER_HAS_ROLEファンクションは、ユーザーがロール権限を直接保持するのか間接的に(他のロールを介して)保持するのかをチェックし、BOOLEAN値を返します。ユーザーにロール権限がある場合、USER_HAS_ROLETRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.USER_HAS_ROLE(
  p_role IN VARCHAR2, 
  p_user IN VARCHAR2 DEFAULT USER)
RETURN BOOLEAN;

パラメータ

表14-14 USER_HAS_ROLEのパラメータ

パラメータ 説明

p_role

チェックするロール権限。

既存のロールを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_ROLES: 現行のデータベース・インスタンスで使用可能なロールを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_ROLE: 権限管理で使用されている既存のセキュア・アプリケーション・ロールを検索します。「DVSYS.DBA_DV_ROLEビュー」を参照してください。

p_user

チェックするユーザー。

既存のユーザーを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_USERS: 現在のデータベース・インスタンスで使用可能なユーザーを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。


SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN
 IF DBMS_MACUTL.USER_HAS_ROLE('SECTOR2_APP_MGR', 'PSMITH')
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('User PSMITH has the SECTOR2_APP_MGR role');
   ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('User PSMITH does not have the SECTOR2_APP_MGR role.'); 
 END IF;
END;
/

USER_HAS_ROLE_VARCHARファンクション

USER_HAS_ROLE_VARCHARファンクションは、ユーザーがロール権限を直接保持するのか間接的に(他のロールを介して)保持するのかをチェックし、VARCHAR2値を返します。ユーザーにロール権限が指定されている場合、USER_HAS_ROLE_VARCHARYを返します。

構文

DBMS_MACUTL.USER_HAS_ROLE_VARCHAR(
  p_role IN VARCHAR2, 
  p_user IN VARCHAR2 DEFAULT USER)
RETURN VARCHAR2;

パラメータ

表14-15 USER_HAS_ROLE_VARCHARのパラメータ

パラメータ 説明

p_role

チェックするロール。

既存のロールを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_ROLES: 現行のデータベース・インスタンスで使用可能なロールを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_ROLE: 権限管理で使用されている既存のセキュア・アプリケーション・ロールを検索します。「DVSYS.DBA_DV_ROLEビュー」を参照してください。

p_user

チェックするユーザー。

既存のユーザーを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_USERS: 現在のデータベース・インスタンスで使用可能なユーザーを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。


USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGEファンクション

USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGEファンクションは、ユーザーがシステム権限を直接保持するのか間接的に(ロールを介して)保持するのかをチェックし、BOOLEAN値を返します。ユーザーにシステム権限が指定されている場合、USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGETRUEを返します。

構文

DBMS_MACUTL.USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGE(
  p_privilege  IN VARCHAR2, 
  p_user       IN VARCHAR2 DEFAULT USER)
RETURN BOOLEAN;

パラメータ

表14-16 USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGEのパラメータ

パラメータ 説明

p_privilege

チェックするシステム権限。

PUBLIC権限を除外したデータベース・アカウントの権限を検索するには、「DVSYS.DBA_DV_USER_PRIVSビュー」で説明されているDVSYS.DBA_DV_USER_PRIVSビューに問い合せます。

データベース・アカウントのすべての権限を検索するには、「DVSYS.DBA_DV_USER_PRIVS_ALLビュー」で説明されているDVSYS.DBA_DV_USER_PRIVS_ALLを使用します。

p_user

チェックするユーザー。

既存のユーザーを検索するには、次のビューに問い合せます。

  • DBA_USERS: 現在のデータベース・インスタンスで使用可能なユーザーを検索します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTH: 特定のユーザーまたはロールの認可を検索します。「DVSYS.DBA_DV_REALM_AUTHビュー」を参照してください。


SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN
 IF DBMS_MACUTL.USER_HAS_SYSTEM_PRIVILEGE('EXECUTE', 'PSMITH')
  THEN DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('User PSMITH has the EXECUTE ANY PRIVILEGE privilege.');
   ELSE 
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('User PSMITH does not have the EXECUTE ANY PRIVILEGE privilege.'); 
 END IF;
END;
/