この付録では、Data Guard Brokerで変更、非推奨または使用中止になった機能について説明します。この付録の内容は、次のとおりです。
この項では、Data Guard Brokerで変更があった機能について説明します。
次の各項で、変更があった機能をリストしています。
保護モードを最大可用性から最大保護にアップグレードする際、プライマリ・データベースの再起動は実行されません。最大パフォーマンス・モードから最大保護モードにアップグレードする場合、まず構成を最大可用性モードにアップグレードすれば、再起動を回避できます。
データベースの起動動作の変更。
Data Guard Brokerでは、データベース管理者が指定した起動オプションが優先されます。これにより、Data Guard構成に属しているデータベースのみがマウントされるという現在の要件がなくなります。以前は、DBAがプライマリ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースをマウントすると、これらのデータベースがオープンされましたが、これは発生しなくなりました。したがって、プライマリまたはロジカル・スタンバイ・データベースの場合、データベースをオープンするまでData Guardの処理は開始されません。DBAは、明示的にデータベースをオープンする必要があります。
データベースの状態と説明が変更されました。
表A-4「リリース11.1でのデータベースの状態名の変更」を参照してください。
既存のスタンバイを構成に追加する場合、ADD DATABASE CONNECT IDENTIFIER IS
句はオプションになりました。
フェイルオーバーの動作の変更
ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーの後、ブローカはフェイルオーバーに直接関係していない構成内のスタンバイ・データベースをすべて無効化します。新しいプライマリ・データベースのスタンバイとして機能させるには、無効化されたデータベースを再作成する必要があります。以前は、ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーにより、ブローカはフィジカル・スタンバイ・データベースのみを無効化していました。
データベース・プロパティDelayMins
の動作の変更
DelayMins
プロパティを0(ゼロ)に設定すると、ログ適用サービスは、できるかぎり速やかにREDOデータをスタンバイ・データベースに適用します。また、スタンバイ・データベースがスタンバイREDOログを使用して構成されている場合は、リアルタイム適用も使用されます。
さらに、リリース10.1データベースでDelayMins
プロパティおよびRealTimeApply
プロパティを指定していた場合、遅延の動作が予期せずに変更される可能性があります。これは、リリース10.2でRealTimeApply
プロパティが非推奨になっているためです。
たとえば、リリース10.1データベースでDelayMins
プロパティを0(ゼロ)以外の値に設定し、RealTimeApply
プロパティをYES
に設定していた場合、リアルタイム適用設定がすべての遅延設定をオーバーライドするため、遅延設定は無視されていました。ところが、リリース10.2ではRealTimeApply
プロパティが非推奨になっているため、リリース10.2データベースはRealTimeApply
プロパティの影響を受けなくなりました。そのため、REDOの適用は、DelayMins
プロパティで指定された時間に従って、予期せず遅延することがあります。
次の各項で、変更があったプロパティをリストしています。
リリース11.2では、次のプロパティの動作が変更されました。
表A-1 リリース11.2で変更があったプロパティ
プロパティ名 | 変更の説明 |
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リリース11.1では、次のプロパティが変更されました。
表A-2 リリース11.1で変更があったプロパティ
プロパティ名 | 変更の説明 |
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このプロパティは、 10g構成をOracle Databaseリリース11.1にアップグレードする場合、 |
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このプロパティは、 |
リリース10.2では、次のプロパティが変更されました。
表A-3 リリース10.2で変更があったプロパティ
プロパティ名 | 変更の説明 |
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デフォルト値が120秒から0(ゼロ)秒に変更されています。 |
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新しいデフォルトは |
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このプロパティの使用は、スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用を遅延させるための推奨される方法です。
構成内に複数のフィジカル・スタンバイ・データベースが存在する場合、フィジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーの後で、「データベースをフラッシュバック」を使用することをお薦めします。「データベースをフラッシュバック」を使用することで、無効化されていたがフェイルオーバーのターゲットではなかったフィジカル・スタンバイ・データベースを回復できます。 |
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有効な値の範囲が1から30になりました(以前は1から10)。 |
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デフォルト値が30秒から180秒に変更されています。 |
表A-4に、リリース11.1で変更されたデータベースの状態名を示しています。
表A-4 リリース11.1でのデータベースの状態名の変更
データベースのタイプ | Oracle Database 11.1より前の状態名 | Oracle Database 11.1での新しい状態名 |
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プライマリ |
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プライマリ |
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フィジカル・スタンバイ |
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フィジカル・スタンバイ |
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フィジカル・スタンバイ |
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なし脚注1 |
ロジカル・スタンバイ |
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ロジカル・スタンバイ |
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すべて |
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なし脚注2 |
脚注1 リリース11.1以前には、READ-ONLY
状態で、フィジカル・スタンバイ・データベースは読取り専用でオープンされました。リリース11.1では、フィジカル・スタンバイ・データベースは読取り専用でオープンされると同時にREDOを適用できるので、このデータベース状態は非推奨になりました。このため、ブローカによるこの状態変更操作は不要になりました。
脚注2 このデータベース状態は非推奨になりました。SQL*PlusのSHUTDOWN
コマンドまたはDGMGRLのSHUTDOWN
コマンドを使用してデータベースを停止できます。
Oracle Database 10g(10.2)で変更されたData Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)コマンドは、次のとおりです。
FAILOVER
EDIT CONFIGURATION
EDIT DATABASE
SHOW CONFIGURATION
次の各項で、非推奨または使用中止になった機能をリストしています。
この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。
構成可能なインスタンス固有のプロパティHostName
は非推奨になりました。これはOracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から有効です。
この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。
非推奨になったデータベース・プロパティは、次のとおりです。
LocalListenerAddress
フィジカル・スタンバイ・データベースのREAD-ONLY
状態は非推奨になりました。
OFFLINE
およびONLINE
状態は非推奨になりました。
ADD DATABASE ... MAINTAINED AS {PHYSICAL|LOGICAL}
文は非推奨になりました。具体的には、ADD DATABASE
コマンドのMAINTAINED AS
句が非推奨になりました。ブローカは、スタンバイ・データベースのタイプを自動的に判別するようになりました。
この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。