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Oracle® Data Guard Broker
11gリリース2 (11.2)
B56304-09
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A 変更および非推奨になった機能

この付録では、Data Guard Brokerで変更、非推奨または使用中止になった機能について説明します。この付録の内容は、次のとおりです。

A.1 変更があった機能

この項では、Data Guard Brokerで変更があった機能について説明します。

A.1.1 変更があった一般機能

次の各項で、変更があった機能をリストしています。

A.1.1.1 リリース11.2で変更があった機能

  • 保護モードを最大可用性から最大保護にアップグレードする際、プライマリ・データベースの再起動は実行されません。最大パフォーマンス・モードから最大保護モードにアップグレードする場合、まず構成を最大可用性モードにアップグレードすれば、再起動を回避できます。

A.1.1.2 リリース11.1で変更があった機能

  • データベースの起動動作の変更。

    Data Guard Brokerでは、データベース管理者が指定した起動オプションが優先されます。これにより、Data Guard構成に属しているデータベースのみがマウントされるという現在の要件がなくなります。以前は、DBAがプライマリ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースをマウントすると、これらのデータベースがオープンされましたが、これは発生しなくなりました。したがって、プライマリまたはロジカル・スタンバイ・データベースの場合、データベースをオープンするまでData Guardの処理は開始されません。DBAは、明示的にデータベースをオープンする必要があります。

  • データベースの状態と説明が変更されました。

    表A-4「リリース11.1でのデータベースの状態名の変更」を参照してください。

  • 既存のスタンバイを構成に追加する場合、ADD DATABASE CONNECT IDENTIFIER IS句はオプションになりました。

A.1.1.3 リリース10.2で変更があった機能

  • フェイルオーバーの動作の変更

    ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーの後、ブローカはフェイルオーバーに直接関係していない構成内のスタンバイ・データベースをすべて無効化します。新しいプライマリ・データベースのスタンバイとして機能させるには、無効化されたデータベースを再作成する必要があります。以前は、ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーにより、ブローカはフィジカル・スタンバイ・データベースのみを無効化していました。

  • データベース・プロパティDelayMinsの動作の変更

    DelayMinsプロパティを0(ゼロ)に設定すると、ログ適用サービスは、できるかぎり速やかにREDOデータをスタンバイ・データベースに適用します。また、スタンバイ・データベースがスタンバイREDOログを使用して構成されている場合は、リアルタイム適用も使用されます。

    さらに、リリース10.1データベースでDelayMinsプロパティおよびRealTimeApplyプロパティを指定していた場合、遅延の動作が予期せずに変更される可能性があります。これは、リリース10.2でRealTimeApplyプロパティが非推奨になっているためです。

    たとえば、リリース10.1データベースでDelayMinsプロパティを0(ゼロ)以外の値に設定し、RealTimeApplyプロパティをYESに設定していた場合、リアルタイム適用設定がすべての遅延設定をオーバーライドするため、遅延設定は無視されていました。ところが、リリース10.2ではRealTimeApplyプロパティが非推奨になっているため、リリース10.2データベースはRealTimeApplyプロパティの影響を受けなくなりました。そのため、REDOの適用は、DelayMinsプロパティで指定された時間に従って、予期せず遅延することがあります。

A.1.2 変更があったプロパティ

次の各項で、変更があったプロパティをリストしています。

A.1.2.1 リリース11.2で変更があったプロパティ

リリース11.2では、次のプロパティの動作が変更されました。

表A-1 リリース11.2で変更があったプロパティ

プロパティ名 変更の説明

StatusReport

StatusReportプロパティは、SHOW DATABASEコマンドが発行されたときに自動的に含まれるようになったので、コマンドラインで指定する必要がなくなりました。この新しい動作により、SHOW DATABASEコマンドの出力は、データベースのステータスに関するエラーまたは警告のリストが含まれるように拡張されました。Oracle RACデータベース環境では、実行中のすべてのインスタンスのステータスも含まれます。この機能はOracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から使用可能です。


A.1.2.2 リリース11.1で変更があったプロパティ

リリース11.1では、次のプロパティが変更されました。

表A-2 リリース11.1で変更があったプロパティ

プロパティ名 変更の説明

InitialConnectIdentifier

このプロパティは、DGConnectIdentifierに変更されました。DGConnectIdentifierの値は、いつでも、すべてのData Guardネットワーク・トラフィックに使用できます。

10g構成をOracle Databaseリリース11.1にアップグレードする場合、InitialConnectIdentifier値は、そのデータベースの新しいDGConnectIdentifier値として保持されます。Oracle RACデータベースの場合は、必ず、アップグレードする前に、InitialConnectIdentifierですべてのインスタンスにアクセスできることを確認してください。

LsbyTxnConsistency

このプロパティは、LsbyPreserveCommitOrderに変更されました。


A.1.2.3 リリース10.2で変更があったプロパティ

リリース10.2では、次のプロパティが変更されました。

表A-3 リリース10.2で変更があったプロパティ

プロパティ名 変更の説明

ApplyInstanceTimeout

デフォルト値が120秒から0(ゼロ)秒に変更されています。

ApplyParallel

新しいデフォルトはAUTOです。

DelayMins

このプロパティの使用は、スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用を遅延させるための推奨される方法です。DelayMinsプロパティを0(ゼロ)に設定した場合、次のようになります。

  • 以前に構成したDelayMins設定は無視されます。

  • スタンバイ・データベースではREDOデータができるかぎり早く適用されます。スタンバイ・データベースがスタンバイREDOログを使用して構成されている場合にリアルタイム適用を使用する場合も含まれます。

構成内に複数のフィジカル・スタンバイ・データベースが存在する場合、フィジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーの後で、「データベースをフラッシュバック」を使用することをお薦めします。「データベースをフラッシュバック」を使用することで、無効化されていたがフェイルオーバーのターゲットではなかったフィジカル・スタンバイ・データベースを回復できます。

LogArchiveMaxProcesses

有効な値の範囲が1から30になりました(以前は1から10)。

LsbyTxnConsistency

TRANSACTION_CONSISTENCYではなくSYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSからPRESERVE_COMMIT_ORDERの値をインポートします。

NetTimeout

デフォルト値が30秒から180秒に変更されています。


A.1.3 変更があった状態名

表A-4に、リリース11.1で変更されたデータベースの状態名を示しています。

表A-4 リリース11.1でのデータベースの状態名の変更

データベースのタイプ Oracle Database 11.1より前の状態名 Oracle Database 11.1での新しい状態名

プライマリ

ONLINE

TRANSPORT-ON

プライマリ

LOG-TRANSPORT-OFF

TRANSPORT-OFF

フィジカル・スタンバイ

ONLINE

APPLY-ON

フィジカル・スタンバイ

LOG-APPLY-OFF

APPLY-OFF

フィジカル・スタンバイ

READ-ONLY

なし脚注1

ロジカル・スタンバイ

ONLINE

APPLY-ON

ロジカル・スタンバイ

LOG-APPLY-OFF

APPLY-OFF

すべて

OFFLINE

なし脚注2


脚注1 リリース11.1以前には、READ-ONLY状態で、フィジカル・スタンバイ・データベースは読取り専用でオープンされました。リリース11.1では、フィジカル・スタンバイ・データベースは読取り専用でオープンされると同時にREDOを適用できるので、このデータベース状態は非推奨になりました。このため、ブローカによるこの状態変更操作は不要になりました。

脚注2 このデータベース状態は非推奨になりました。SQL*PlusのSHUTDOWNコマンドまたはDGMGRLのSHUTDOWNコマンドを使用してデータベースを停止できます。

A.1.4 リリース10.2で変更があったDGMGRL機能

Oracle Database 10g(10.2)で変更されたData Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)コマンドは、次のとおりです。

  • FAILOVER

  • EDIT CONFIGURATION

  • EDIT DATABASE

  • SHOW CONFIGURATION

A.2 非推奨および使用中止になった機能

次の各項で、非推奨または使用中止になった機能をリストしています。

A.2.1 リリース11.2で非推奨および使用中止になった機能

この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。

  • 構成可能なインスタンス固有のプロパティHostNameは非推奨になりました。これはOracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から有効です。

A.2.2 リリース11.1で非推奨および使用中止になった機能

この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。

  • 非推奨になったデータベース・プロパティは、次のとおりです。

    • LocalListenerAddress

    • フィジカル・スタンバイ・データベースのREAD-ONLY状態は非推奨になりました。

    • OFFLINEおよびONLINE状態は非推奨になりました。

  • ADD DATABASE ... MAINTAINED AS {PHYSICAL|LOGICAL}文は非推奨になりました。具体的には、ADD DATABASEコマンドのMAINTAINED AS句が非推奨になりました。ブローカは、スタンバイ・データベースのタイプを自動的に判別するようになりました。

A.2.2.1 リリース11.1で非推奨および使用中止になったプロパティ

表A-5 リリース11.1で非推奨および使用中止になったプロパティ

非推奨になったプロパティ 代替プロパティ(存在する場合)

LsbyTxnConsistency

LsbyPreserveCommitOrder


A.2.3 リリース10.2で非推奨および使用中止になった機能

この項では、Data Guard Brokerで非推奨または使用中止になった機能について説明します。

A.2.3.1 リリース10.2で非推奨および使用中止になったプロパティ

表A-6 リリース10.2で非推奨および使用中止になったプロパティ

非推奨になったプロパティ 代替プロパティ(存在する場合)

ApplyNext

代替なし

ApplyNoDelay

DelayMinsプロパティを0(ゼロ)に設定します。

AsyncBlocks

なし。ブロック数の指定は必要なくなりました。転送モードはData Guard構成に定義された保護モードに基づき、REDO転送サービスにより自動的に決定されます。

RealTimeApply

DelayMinsプロパティを0(ゼロ)に設定します。