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Oracle® Data Guard Broker
11gリリース2 (11.2)
B56304-09
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B Data Guard Brokerのアップグレードとダウングレード

この付録では、ブローカ構成におけるOracleデータベースおよびOracle Enterprise Managerのアップグレードまたはダウングレードのプロセスを順序立てて説明します。内容は次のとおりです。

B.1 リリース9.2.0からリリース11.2へのアップグレード

Oracle Data Guardリリース9.2.0構成を現在実行している場合は、次の手順でOracle Databaseリリース11.2にアップグレードし、ブローカ構成を再作成する必要があります。

  1. Data Guard ManagerまたはDGMGRLリリース9.2.0を使用して、リリース9.2.0のブローカ構成を削除します。たとえば、DGMGRL REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用できます。

  2. DGMGRLを使用している場合は、ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_n=" " SQL*Plusコマンドを使用して、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータの設定をクリアします。

  3. データベース・ソフトウェアをOracleリリース11.2にアップグレードします。使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストレーション・ガイドを参照してください。

  4. Oracle Enterprise ManagerおよびData Guard Managerリリース9.2.0では、Oracle Data Guardリリース11.2を実行するブローカ構成を管理できません。


    参照:

    Data Guardのすべての機能をOracleデータベースの各リリースで管理するために必要なEnterprise Manager Grid Controlのバージョンについては、http://support.oracle.comにあるMy Oracle Supportノート787461.1を参照してください。

  5. DGMGRLリリース9.2.0を使用している場合は、Data Guardコマンドライン・インタフェースのリリース11.2にアップグレードする必要があります。

    • DGMGRLリリース9.2.0は、Oracle Data Guardリリース11.2と互換性がありません。


      注意:

      非Oracle RACデータベースの場合は、既存のOracle9iコマンドライン・スクリプトがOracle Database 11.2でサポートされています。非推奨になったコマンドの詳細は、付録Aを参照してください。

    • DGMGRLリリース11.2は、Oracle Data Guardリリース9.2.0と互換性がありません。


      注意:

      Oracle Database 11.2のコマンドライン・スクリプトは、Oracle9iではサポートされません。

  6. Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成します。

B.2 リリース10.nおよび11.1からリリース11.2へのアップグレード

Oracle Data Guardリリース10.nまたは11.1構成を現在実行している場合は、使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストレーション・マニュアルを参照して、データベース・ソフトウェアをOracleリリース11.2にアップグレードできます。


注意:

リリース11.2より前は、構成ファイルは最初に作成されたときと同じセクター・サイズ(物理ブロック・サイズ)のディスクにのみ格納するように制限されていました。一般にブローカ構成では1つのセクター・サイズが使用されていたため、これは問題にはなりませんでした。任意のブローカ構成内でセクター・サイズが混在する可能性があるため、11.2のブローカ構成ファイルは、4KB以下であれば、最初に作成されたときのセクター・サイズの影響をまったく受けないようになりました。

次の手順5のアップグレード・プロセス中に、最初に作成されたときのセクター・サイズの影響を受けないように構成ファイルが変換されます。


手順1   ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、無効化します。

次のDGMGRLコマンドを発行して、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER;
手順2   実行しているバージョン10.nまたは11.1のData Guard Brokerを停止します。

構成のブローカによる管理を無効化してから、ブローカを停止します。次に例を示します。

  1. 次のDGMGRLコマンドを発行して、Data Guard構成におけるデータベースのブローカによるアクティブな管理を無効化します。

    DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
    
  2. 次のSQL*Plus文を発行してブローカを停止します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET DG_BROKER_START=FALSE;
    
手順3   現行のブローカ構成ファイルのコピーを作成します。

初期化パラメータDG_BROKER_CONFIG_FILE1およびDG_BROKER_CONFIG_FILE2で示しているように、現行のブローカ構成ファイルのコピーを作成します。

手順4   Oracle Databaseソフトウェアをリリース11.2にアップグレードします。

アップグレード手順については、使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストレーション・ガイドを参照してください。

Oracle Data Guardリリース11.2を実行するブローカ構成を管理および監視するには、DGMGRLコマンドライン・インタフェースもリリース11.2にアップグレードする必要があります。DGMGRLリリース11.2を使用してData Guardリリース10.nまたは11.1を管理することはできません。


注意:

既存のリリース10.nまたは11.1のDGMGRLコマンドライン・スクリプトは、リリース11.2で使用可能なDGMGRLコマンドライン・インタフェースによりサポートされています。

リリース11.nのDGMGRLコマンドライン・スクリプトは、Oracle Databaseリリース10.nによるサポートが保証されていません。


手順5   ブローカを起動します。

アップグレード後、リリース11.2のData Guard Brokerを起動します。次に例を示します。

  1. 次のSQL*Plus文を発行してブローカを起動します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET DG_BROKER_START=TRUE;
    
  2. 次のDGMGRLコマンドを発行して、Data Guard構成におけるデータベースのブローカによるアクティブな管理を有効化します。

    DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION
    

リリース11.2のブローカを初めて起動したとき、リリース10.nおよび11.1のブローカ構成ファイルの存在が検出され、リリース11.2で導入された新規プロパティ(ファスト・スタート・フェイルオーバーのプロパティなど)が含まれるように自動的にアップグレードされます。この自動変換は透過的かつ永続的であり、1回のみ実行されます。


注意:

手順5で行われるこの自動アップグレードで、構成ファイルはサポートされている4KBセクター以下のディスク・セクター・サイズ(物理ブロック・サイズ)のディスクに格納されます。


注意:

アップグレード前に起動されたオブザーバは自動的に停止し、アップグレードの完了後は構成を監視できなくなります。リリース11.2以上の実行中のOracleデータベースを監視するには、リリース11.2のOracleオブザーバ・ソフトウェアを使用する必要があります。

B.3 リリース11.2.0.1から11.2.0.2および他のパッチ・リリースへのアップグレード

Data Guard Brokerの構成では、あるパッチ・リリースから次のパッチ・リリースへのアップグレード・プロセス(たとえば、11.2.0.1から11.2.0.2または11.2.0.2から11.2.0.3など)は、リリース10.nおよび11.1からRelease 11.2へのアップグレードに関する項で説明されているプロセスと同じです。ブローカはアップグレード前に無効にし、アップグレード終了後に再度有効化する必要があります。

B.4 リリース11.2からのダウングレード

リリース11.2へのアップグレードを完了していて、以前のリリースにダウングレードする場合は、次の手順でデータベース・リリースをダウングレードし、ブローカ構成を再作成する必要があります。

  1. リリース11.2のEnterprise ManagerまたはDGMGRLを使用して、リリース11.2のブローカ構成を削除します。たとえば、DGMGRL REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用できます。

  2. Oracle Databaseソフトウェアを以前のOracleリリースにダウングレードします。使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseのマニュアルを参照してください。

  3. Data Guard Brokerをリリース10.nまたは11.1にダウングレードするには、次のようにします。

    • リリース11.2へのアップグレード後にブローカ構成に変更を加えていないことが明白である場合、アップグレード手順で作成したブローカ構成ファイルをコピーできます(B.2項を参照)。続いて、Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、そのコピーの作成時点で存在したとおりにブローカ構成を再度有効化します。

    • あるいは、Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成できます。

  4. Data Guard BrokerをOracleリリース9.2.0にダウングレードするには、次のようにします。

    • Enterprise Managerを使用していた場合、引き続きOracle Enterprise Managerリリース10.2を使用して、リリース9.2.0のブローカ構成を管理できます。また、Oracle Enterprise Managerリリース9.2.0を再インストールして、Data Guard Managerにダウングレードすることもできます。

    • Enterprise Manager、Data Guard ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成します。