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Oracle® Data Guard Broker
11gリリース2 (11.2)
B56304-09
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Oracle Data Guard Brokerの新機能

この章では、Oracle Database 11gのOracle Data Guard Brokerに追加された新機能について説明し、関連項目へのリンクを示します。旧リリースで導入された機能については、そのリリースのドキュメントを参照してください。

Oracle Data Guard Broker 11.2.0.4の新機能

この項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.4)のOracle Data Guard Brokerに追加された新機能および機能拡張について説明します。

  • 新しい構成可能なデータベース・プロパティApplyLagThresholdを使用すると、フィジカルおよびロジカル・スタンバイ上の適用ラグに最大値を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。8.3.3項を参照してください。

  • ExternalDestination1およびExternalDestination2構成プロパティにより、現在のプライマリ・データベースからREDOデータを受信できるREDO転送先を設定できます。8.1.3項および8.1.4項を参照してください。

  • 新しいObserverOverride構成プロパティを使用すると、スタンバイのプライマリとの接続状態が良好なときでも、オブザーバがプライマリとの接続を失ったら自動フェイルオーバーを開始するかどうかを指定できます。8.1.9項を参照してください。

  • 新しいObserverReconnect構成プロパティを使用すると、オブザーバがプライマリ・データベースから切断し、再接続する間隔を指定できます。8.1.10項を参照してください。

  • PrimaryLostWriteAction構成プロパティは、プライマリ・データベースでの書込み欠落発生をスタンバイ・データベースで検出した場合の動作を決定します。8.1.12項を参照してください。

  • 新しい構成可能なデータベース・プロパティTransportDisconnectedThresholdを使用すると、プライマリとの通信がないまま経過できる時間の長さに上限を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。8.3.42項を参照してください。

  • 構成可能な新しいデータベース・プロパティTransportLagThresholdを使用すると、データベースの転送ラグに上限を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。8.3.43項を参照してください。

  • 新しいV$FS_OBSERVER_HISTOGRAMビューで示される情報を使用すると、FastStartFailoverThreshold構成プロパティに対する適切な値の判断に役立ちます。8.1.8項を参照してください。

Oracle Data Guard Broker 11.2.0.3の新機能

この項では、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)のOracle Data Guard Brokerに追加された新機能および機能拡張について説明します

  • 新しいTraceLevel構成プロパティは、構成のすべてのデータベースに対してブローカが実行するトレースの量を制御できます。8.1.13項を参照してください。

Oracle Data Guard Broker 11.2の新機能

この項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のOracle Data Guard Brokerに追加された新機能および機能拡張について説明します。

  • Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から、Oracle Data Guard BrokerはOracle Real Application Clusters One Node(Oracle RAC One Node)と完全に統合されました。

  • ブローカ構成は、1つのプライマリ・データベースと最大30個のスタンバイ・データベースで構成できるようになりました。

  • すべてのインスタンスのインスタンス固有のプロパティ値を、1つのコマンドで変更できます。

  • REDO転送圧縮では、REDOギャップが解決される場合にのみREDOデータを圧縮するという制限がなくなりました。転送先に対して圧縮が有効である場合、その転送先に送信されるREDOデータはすべて圧縮されます。

  • フィジカル・スタンバイまたはロジカル・スタンバイ・フェイルオーバー後の、その他のロジカル・スタンバイ・データベースの回復。

  • 即時フェイルオーバー後のその他のデータベースの回復。

  • 即時フェイルオーバー後の元のプライマリ・データベースの回復。

  • ロール変更のために、ターゲット・フィジカル・スタンバイ上のインスタンスのうち1つを残して他のすべてのインスタンスを停止する必要はなくなりました。

  • Oracle Clusterwareを使用して構成されたデータベースおよびOracle Restartに登録された単一インスタンス・データベースのフェイルオーバー後、高速アプリケーション通知/Oracle Notification Service(FAN/ONS)通知が送信されます。

  • ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバー後、高速アプリケーション通知/アドバンスト・キューイング(FAN/AQ)通知が送信されます。

  • SHOW CONFIGURATIONおよびSHOW DATABASEコマンドに関するステータスおよびエラーのレポートの改善。

  • SHOW DATABASEコマンドで、スタンバイ・データベースの適用ラグと転送ラグが表示されます。

  • 適用インスタンスがオープンされるときの、Active Data Guardとの統合(Applyの自動停止および自動再起動)。

  • ブローカ構成ファイルを、4KB以下のセクター・サイズ(物理ブロック・サイズ)のディスクに格納できるようになりました。

  • ブローカのネットワーク通信でのハングの検出および解決が改善されました。また、新しい構成プロパティCommunicationTimeoutにより、環境に適したタイムアウト値を選択できるようになりました。

  • 新しいデータベース・プロパティStaticConnectIdentifierを使用して、DGMGRLクライアントがデータベース・インスタンスの起動に使用する静的接続識別子を指定できます。

  • 保護モードを最大可用性から最大保護にアップグレードする際、プライマリ・データベースの再起動が不要になりました。

    最大パフォーマンス・モードから最大保護モードにアップグレードする際、まず最大可用性モードにアップグレードすることで、プライマリ・データベースの再起動を回避できます。最大可用性モードにしたら、次に最大保護モードにアップグレードします。

  • データ・リカバリ・アドバイザはData Guardを使用して、適時に修復できないプライマリ・データベースに対する有効な修復オプションを提案するようになりました。

Oracle Data Guard Broker 11.1の新機能

この項では、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracle Data Guard Brokerに追加された新機能および機能拡張について説明します。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーの機能拡張

    次の機能により、Data Guardを使用した障害時リカバリ構成の柔軟性と管理性が向上します。

    • 最大パフォーマンス・モードで動作している構成のファスト・スタート・フェイルオーバー

      最大パフォーマンス・モードで動作しているData Guard Broker構成でファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化できます。管理者は、ファスト・スタート・フェイルオーバーが開始された場合の最大消失データ量を選択できます。

    • 新しいDBMS_DG PL/SQLパッケージ

      DBMS_DG PL/SQLパッケージを使用すると、アプリケーションでオブザーバ・プロセスに通知して、ターゲット・スタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーを開始できます。

    • 構成可能な条件でのファスト・スタート・フェイルオーバー

      特定のデータベース条件が検出されたときにファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように構成できます。データベース健全性チェック・メカニズムによって検出される特定の条件やOracleサーバーが生成するエラー(ORAエラーなど)を、ファスト・スタート・フェイルオーバーが発生する条件として指定できます。

    • フェイルオーバー後、オブザーバによりその他のスタンバイ・データベースの回復が自動的に試行されます。


    参照:


  • 管理性の機能拡張

    次の機能拡張により、Data Guard Brokerをより広範囲の障害時リカバリ構成で使用できます。

    • スナップショット・スタンバイ・データベースのサポート


      参照:

      DGMGRLのCONVERT DATABASEコマンド

    • 読取り専用でオープンされているフィジカル・スタンバイ・データベースでのREDO Applyのサポート

    • REDO転送オプションのサポートの向上。管理者がREDO転送サービスの接続識別子を指定できるようになりました。

    • 保護モードを最大可能性と最大パフォーマンスの間で変更する際のデータベース停止時間の削除

    • Data Guard Broker構成のプライマリ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースは、自動的にオープンされずにマウント可能

    • 構成にスタンバイ・データベースを追加するとき、DGMGRLクライアントのADD DATABASEコマンドを使用して、LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータから事前構成済のサービス属性をインポート可能。

    • ブローカにより管理されるデータベースの状態の簡素化。プライマリ・データベースの状態は、TRANSPORT-OFFまたはTRANSPORT-ONのいずれかです。スタンバイ・データベースの状態は、APPLY-OFFまたはAPPLY-ONのいずれかです。

  • Data Guard構成内でのネットワーク経由によるREDOトラフィックの圧縮

    この機能は、スタンバイ・データベースの差分を満たすためにログが送信される際に、ネットワーク経由でスタンバイ・データベースに転送されるため、アーカイブREDOログを圧縮することにより、Data Guard構成内のネットワーク帯域幅の使用率を向上させます。

  • データベース・リカバリ領域との統合の向上。USE_DB_RECOVERY_FILE_DESTをインスタンス固有のプロパティAlternateLocationおよびStandbyArchiveLocationの値として指定できるようになりました。

  • Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)の新規コマンドは、次のとおりです。

    • CONVERT DATABASE TO [SNAPSHOT | PHYSICAL] STANDBY

    • DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

    • ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

    • SHOW FAST_START FAILOVER

  • 新しいデータベース・プロパティは、次のとおりです。

    • DGConnectIdentifier(InitialConnectIdentifierにかわるプロパティ)

    • ObserverConnectIdentifier

    • RedoCompression

  • 新しい構成プロパティは、次のとおりです。

    • FastStartFailoverAutoReinstate

    • FastStartFailoverLagLimit

    • FastStartFailoverPmyShutdown

  • データベース・プロパティLsbyTxnConsistencyは、LsbyPreserveCommitOrderに名前が変更されました。

  • データベース・プロパティLogXptModeのデフォルトがASYNCになりました。