この項では、ASMCMDディスク・グループ管理コマンドについて説明します。
表12-27に、ディスク・グループ管理コマンドの概要を示します。
表12-27 ASMCMDディスク・グループ管理コマンドの概要
| コマンド | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループを変更(追加、削除またはリバランス)します。 |
|
|
ディスク・グループをチェックまたは修復します。 |
|
|
ディスク・グループを削除します。 |
|
|
ディスクのI/O統計を表示します。 |
|
|
ディスク・グループの属性をリストします。 |
|
|
ディスク・グループおよびその情報をリストします。 |
|
|
Oracle ASMディスクをリストします。 |
|
|
オープン・デバイスをリストします。 |
|
|
マウントされているディスク・グループのメタデータのバックアップを作成します。 |
|
|
メタデータのバックアップからディスク・グループをリストアします。 |
|
|
ディスク・グループを作成します。 |
|
|
ディスク・グループをマウントします。 |
|
|
ディスクまたは障害グループをオフラインにします。 |
|
|
ディスクまたは障害グループをオンラインにします。 |
|
|
ディスク・グループをリバランスします。 |
|
|
ディスク上の物理ブロックの範囲のデータを再配置します。 |
|
|
ディスク・グループに属性を設定します。 |
|
|
ディスク・グループをディスマウントします。 |
用途
XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更(ディスクの追加、ディスクの削除、ディスクのサイズの変更またはディスク・グループのリバランス)します。
構文および説明
chdg { config_file.xml | 'contents_of_xml_file' }表12-28に、chdgコマンドの構文オプションを示します。
表12-28 chdgコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループの変更を含むXMLファイルの名前。 |
|
|
一重引用符で囲んだXMLスクリプト。 |
chdgでは、XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更します。変更には、ディスクの既存ディスク・グループへの追加、または既存ディスク・グループからの削除、リバランスの指数レベルの設定が含まれます。指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータと同じ値を設定できます。初期化パラメータの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」を参照してください。
ディスク・グループにディスクを追加する場合、ASM_DISKSTRING初期化パラメータと同様の形式で、ディスク文字列を指定する必要があります。初期化パラメータの詳細は、「ASM_DISKSTRING」を参照してください。
障害グループはオプションのパラメータです。デフォルトでは、すべてのディスクが独自の障害グループに属します。障害グループの詳細は、「Oracle ASMの障害グループ」を参照してください。
ディスク・グループからのディスクの削除は、この操作によって実行できます。個々のディスクは、そのOracle ASMディスク名によって参照できます。障害グループに属するディスクのセットは、障害グループ名によって指定できます。ディスクの削除の詳細は、「ディスク・グループからのディスクの削除」を参照してください。
ディスク・グループ内のディスクのサイズは、chdgによって変更できます。サイズ変更後にデータ格納に十分な領域がない場合、サイズ変更操作は失敗します。ディスクのサイズ変更の詳細は、「ディスク・グループ内のディスクのサイズ変更」を参照してください。
例12-30に、chdgのXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。
例12-30 chdgのXML構成テンプレートのタグ
<chdg> update disk clause (add/delete disks/failure groups)
name disk group to change
power power to perform rebalance
<add> items to add are placed here
</add>
<drop> items to drop are placed here
</drop>
<fg> failure group
name failure group name
</fg>
<dsk> disk
name disk name
string disk path
size size of the disk to add
force true specifies to use the force option
</dsk>
</chdg>
ASMCMD mkdgを使用したディスク・グループの作成の詳細は、「mkdg」を参照してください。ディスク・グループの変更の詳細は、「ディスク・グループの変更」を参照してください。
例
次に、chdgのXML構成ファイルの例を示します。このXMLファイルでは、dataというディスク・グループを変更します。障害グループfg1を削除し、ディスクdata_0001も削除します。ディスク/dev/disk5を障害グループfg2に追加します。リバランス指数レベルを3に設定します。
例12-31 chdgのサンプルXML構成ファイル
<chdg name="data" power="3">
<drop>
<fg name="fg1"></fg>
<dsk name="data_0001"/>
</drop>
<add>
<fg name="fg2">
<dsk string="/dev/disk5"/>
</fg>
</add>
</chdg>
次に、構成ファイルを指定する場合と、コマンドラインに構成情報を指定する場合のchdgコマンドの例を示します。
用途
ディスク・グループのメタデータをチェックまたは修復します。
構文および説明
chkdg [--repair] diskgroup表12-29に、chkdgコマンドの構文オプションを示します。
chkdgでは、ディスク・グループのメタデータにエラーがないかチェックし、必要に応じてエラーを修復します。
例
次に、dataディスク・グループのチェックおよび修復に使用するchkdgコマンドの例を示します。
用途
ディスク・グループを削除します。
構文および説明
dropdg [-r -f] [-r] diskgroup表12-30に、dropdgコマンドの構文オプションを示します。
表12-30 dropdgコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
操作を強制します。ディスク・グループがマウントできない場合にのみ適用できます。 |
|
|
再帰的に内容を含めます。 |
|
|
削除するディスク・グループの名前。 |
dropdgでは、既存のディスク・グループを削除します。ディスク・グループは、複数のノード上にマウントしないでください。
例
次に、dropdgの使用例を示します。1つ目の例では、ディスク・グループdata(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を強制的に削除します。2つ目の例では、ディスク・グループfra(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を削除します。
用途
マウントされているディスク・グループ内のOracle ASMディスクのI/O統計を表示します。
構文および説明
iostat [--suppressheader] [-et] [--io] [--region] [-G diskgroup] [interval]iostatでは、V$ASM_DISK_IOSTATビューを使用してディスク・グループの統計をリストします。
表12-31に、iostatコマンドの構文オプションを示します。
表12-31 iostatコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
エラー統計(Read_Err、Write_Err)を表示します。 |
|
|
ディスク・グループ名の統計を表示します。 |
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
|
バイトではなくI/O数で情報を表示します。 |
|
|
時間統計(Read_Time、Write_Time)を表示します。 |
|
|
コールドおよびホットのディスク・リージョンに関する情報(Cold_Reads、Cold_Writes、Hot_Reads、Hot_Writes)を表示します。 |
|
|
間隔の値(秒単位)に基づいて統計表示をリフレッシュします。間隔表示を止めるには、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。 |
表12-32に、ディスク・グループの統計を示します。ディスク・グループのすべての統計を表示するには、V$ASM_DISK_IOSTATビューを使用します。
表12-32 iostatコマンド出力の属性の説明
| 属性名 | 説明 |
|---|---|
|
Group_Name |
ディスク・グループの名前。 |
|
Dsk_Name |
ディスクの名前。 |
|
Reads |
ディスクからの読取りバイト数。 |
|
Writes |
ディスクへの書込みバイト数。 |
|
Cold_Reads |
コールド・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。 |
|
Cold_Writes |
コールド・ディスク・リージョンからの書込みバイト数。 |
|
Hot_Reads |
ホット・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。 |
|
Hot_Writes |
ホット・ディスク・リージョンへの書込みバイト数。 |
|
Read_Err |
ディスクの失敗したI/O読取りリクエスト数。 |
|
Write_Err |
ディスクの失敗したI/O書込みリクエスト数。 |
|
Read_Time |
|
|
Write_Time |
|
リフレッシュ間隔を指定しない場合、表示される数値は合計のバイト数またはI/O数を表します。リフレッシュ間隔を指定した場合、表示される値(バイト数またはI/O数)は合計値ではなく、前の値から現在の値までの差分です。
例
次に、iostatコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのディスクI/O統計(合計バイト数)を表示します。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスクI/O統計(合計I/O操作数)を表示します。
例12-35 ASMCMD iostatコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > iostat -G data Group_Name Dsk_Name Reads Writes DATA DATA_0000 180488192 473707520 DATA DATA_0001 1089585152 469538816 DATA DATA_0002 191648256 489570304 DATA DATA_0003 175724032 424845824 DATA DATA_0004 183421952 781429248 DATA DATA_0005 1102540800 855269888 DATA DATA_0006 171290624 447662592 DATA DATA_0007 172281856 361337344 DATA DATA_0008 173225472 390840320 DATA DATA_0009 288497152 838680576 DATA DATA_0010 196657152 375764480 DATA DATA_0011 436420096 356003840 ASMCMD [+] > iostat --io -G data Group_Name Dsk_Name Reads Writes DATA DATA_0000 2801 34918 DATA DATA_0001 58301 35700 DATA DATA_0002 3320 36345 DATA DATA_0003 2816 10629 DATA DATA_0004 2883 34850 DATA DATA_0005 59306 38097 DATA DATA_0006 2151 10129 DATA DATA_0007 2686 10376 DATA DATA_0008 2105 8955 DATA DATA_0009 9121 36713 DATA DATA_0010 3557 8596 DATA DATA_0011 17458 9269
用途
ディスク・グループの属性をリストします。
構文および説明
lsattr [--suppressheader][-G diskgroup ] [-lm] [pattern]表12-33に、lsattrコマンドの構文オプションを示します。
表12-33 lsattrコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループ名。 |
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
|
名前とともに値を表示します。 |
|
|
RO列、Sys列などの追加情報を表示します。 |
|
|
パターン表現を含む属性を表示します。 |
ディスク・グループ属性に関する情報は、V$ASM_ATTRIBUTEビューから取得されます。ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性」を参照してください。
RO(読取り専用)列では、ディスク・グループの作成時にのみ設定できる属性を特定します。Sys列では、システム作成の属性を特定します。
ディスク・グループ・テンプレートの属性に関する情報を表示するには、「lstmpl」を参照してください。
ディスク・グループ属性の設定方法は、「setattr」を参照してください。
例
次に、lsattrコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのすべての属性に関する情報を表示します。2つ目の例では、fraディスク・グループの文字列compatを含む名前の属性のみを表示します。Linuxでの%および*の両方のワイルドカード文字の使用に注意してください。
例12-36 ASMCMD lsattrコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsattr -G data -l Name Value access_control.enabled FALSE access_control.umask 066 au_size 1048576 cell.smart_scan_capable FALSE compatible.advm 11.2.0.0.0 compatible.asm 11.2.0.0.0 compatible.rdbms 11.2.0.0.0 disk_repair_time 3.6h sector_size 512 ASMCMD [+] > lsattr -G fra -l %compat* Name Value compatible.asm 11.2.0.0.0 compatible.rdbms 10.1.0.0.0
用途
マウントされたディスク・グループおよびその情報をリストします。lsdgでは、デフォルトでV$ASM_DISKGROUP_STATに問い合せます。--discoveryフラグが指定されている場合、かわりにV$ASM_DISKGROUPに問い合せます。また、出力には、ディスク・グループの現行のリバランス操作の通知も含まれます。ディスク・グループが指定されている場合、lsdgからはそのディスク・グループに関する情報のみが戻されます。
構文および説明
lsdg [--suppressheader] [-g] [--discovery] [pattern]
表12-34に、lsdgコマンドのオプションを示します。
表12-34 lsdgコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
(なし) |
表12-35のディスク・グループ属性を表示します。 |
|
|
-gフラグも指定されている場合、 |
|
|
|
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
|
指定されたディスク・グループか、指定したパターンと一致するディスク・グループに関する情報のみを戻します。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。 |
表12-35に、各ディスク・グループの属性を示します。ディスク・グループのすべての属性を表示するには、V$ASM_DISKGROUP_STATまたはV$ASM_DISKGROUPビューを使用します。
|
関連項目: V$ASM_DISKGROUPビューに表示されるディスク・グループ情報の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 |
表12-35 lsdgコマンド出力の属性の説明
| 属性名 | 説明 |
|---|---|
|
State |
ディスク・グループの状態。値には、 |
|
Type |
ディスク・グループの冗長性( |
|
Rebal |
|
|
Sector |
セクタ・サイズ(バイト)。 |
|
Block |
ブロック・サイズ(バイト)。 |
|
AU |
割当て単位のサイズ(バイト)。 |
|
Total_MB |
ディスク・グループのサイズ(MB)。 |
|
Free_MB |
冗長性を考慮しない場合のディスク・グループの空き領域(MB)。 |
|
Req_mir_free_MB |
ディスク・グループで許容できる最悪の障害が発生した後、完全な冗長性をリストアするためにディスク・グループで使用可能にする必要のある領域の量。これは |
|
Usable_file_MB |
ミラー化のために調整され、新しいファイルに使用可能な空き領域の量。 |
|
Offline_disks |
ディスク・グループ内のオフライン・ディスクの数。オフライン・ディスクは、最後に削除されます。 |
|
Voting_files |
ディスク・グループに投票ファイルが含まれるかどうか( |
|
Name |
ディスク・グループ名。 |
例
次の例では、dataディスク・グループの属性を表示します。
用途
Oracle ASMディスクをリストします。
構文および説明
lsdsk [--suppressheader] [-kptgMI] [-G diskgroup ] [ --member|--candidate] [--discovery][--statistics][pattern]表12-36に、lsdskコマンドのオプションを示します。
表12-36 lsdskコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
(なし) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
-gフラグも指定されている場合、 |
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
|
Oracle ASMインスタンスから情報を抽出するのではなく、ディスク・ヘッダーで情報をスキャンします。このオプションにより、非接続モードが強制されます。 |
|
|
|
|
|
全部ではなく一部のアクティブ・インスタンスで参照できるディスクを表示します。これらのディスクがディスク・グループに含まれる場合、ディスクを参照できないインスタンスでは、そのディスク・グループのマウントが失敗します。 |
|
|
メンバーシップのステータスが |
|
|
メンバーシップのステータスが |
|
|
指定されたパターンと一致するディスクに関する情報のみを戻します。 |
lsdskコマンドは、接続モードまたは非接続モードで実行できます。最初は常に接続モードが試行されます。-Iオプションにより、非接続モードが強制されます。
接続モードのlsdskでは、V$ASM_DISK_STATおよびV$ASM_DISK動的ビューを使用してディスク情報を取得します。V$ASM_DISK_STATビューがデフォルトで使用されます。
非接続モードのlsdskでは、ディスク・ヘッダーをスキャンしてディスク情報を取得します。このモードでは、情報によって使用できないものがあり、オプションには組合せが無効なものがあります。
|
注意: Windowsでは非接続モードはサポートされていません。 |
patternによって、指定したパターンと一致するディスクにのみ出力先を制限します。ワイルドカードおよびスラッシュ(/または\)はパターンの一部として使用できます。patternは、コマンドの最後のオプションとして指定する必要があります。ワイルドカードの詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
-k、-p、-tおよび--statisticsオプションにより、ディスクごとに表示される情報量を変更します。任意の組合せのオプションを指定すると、出力には、各フラグに関連付けられた属性の組合せが表示されます。
例
次に、lsdskコマンドの例を示します。1つ目と2つ目の例では、dataディスク・グループ内のディスクに関する情報を表示します。3つ目の例では、候補ディスクに関する情報を表示します。
例12-38 ASMCMD lsdskコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsdsk -t -G data
Create_Date Mount_Date Repair_Timer Path
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska1
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska2
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska3
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb1
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb2
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb3
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskc1
13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskc2
...
ASMCMD [+] > lsdsk -p -G data /devices/diska*
Group_Num Disk_Num Incarn Mount_Stat Header_Stat Mode_Stat State Path
1 0 2105454210 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska1
1 1 2105454199 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska2
1 2 2105454205 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska3
ASMCMD [+] > lsdsk --candidate -p
Group_Num Disk_Num Incarn Mount_Stat Header_Stat Mode_Stat State Path
0 5 2105454171 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske1
0 25 2105454191 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske2
0 18 2105454184 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske3
0 31 2105454197 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk1
0 21 2105454187 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk2
0 26 2105454192 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk3
0 14 2105454180 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskl1
...
用途
オープンOracle ASMディスクをリストします。
構文および説明
lsod [--suppressheader] [-G diskgroup] [--process process] [pattern]表12-37に、lsodコマンドの構文オプションを示します。
表12-37 lsodコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
出力で列のヘッダー情報を非表示にします。 |
|
|
オープン・ディスクを含むディスク・グループを指定します。 |
|
|
プロセスのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。 |
|
|
ディスクのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。 |
リバランス操作(RBAL)はディスクをグローバルとローカルの両方でオープンするため、ディスクはRBALプロセスの出力に2回表示されます。
例
次に、lsodコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループおよびLGWRプロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。2つ目の例では、diskaパターンと一致するディスクのLGWRプロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。
例12-39 ASMCMD lsodコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsod -G data --process *LGWR* Instance Process OSPID Path 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska1 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska2 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska3 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diskb1 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diskb2 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diskb3 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diskd1 ASMCMD [+] > lsod --process *LGWR* *diska* Instance Process OSPID Path 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska1 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska2 1 oracle@dadvmn0652 (LGWR) 26593 /devices/diska3
lsodコマンドの別の例は、例12-2を参照してください。
用途
md_backupコマンドは、1つ以上のディスク・グループのメタデータを含むバックアップ・ファイルを作成します。
構文および説明
md_backup backup_file [-G 'diskgroup [,diskgroup,...]']表12-38に、md_backupコマンドのオプションを示します。
表12-38 md_backupコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
メタデータを格納するバックアップ・ファイルを指定します。 |
|
|
バックアップの必要があるディスク・グループのディスク・グループ名を指定します。 |
デフォルトでは、マウントされているすべてのディスク・グループがバックアップ・ファイルに含まれます。バックアップ・ファイルは、ファイル名にパスが指定されていない場合、現在の作業ディレクトリに保存されます。
Oracle自動ストレージ管理クラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS)ボリュームとファイルシステムの情報はバックアップされません。
例
1つ目の例は、ディスク・グループ・オプションを指定しないで実行する場合のバックアップ・コマンドの使用例です。この例では、マウントされているすべてのディスク・グループをバックアップし、/scratch/backup/alldgs20100422ファイルにバックアップ・イメージを作成します。2つ目の例では、dataディスク・グループのバックアップを作成します。この例で作成されるメタデータ・バックアップは、/scratch/backup/data20100422ファイルに保存されます。
例12-40 ASMCMD md_backupコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/alldgs20100422 Disk group metadata to be backed up: DATA Disk group metadata to be backed up: FRA Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ASM Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_20 Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_21 Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_19 Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_22 Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_20 Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_22 Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_21 ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/data20100422 -G data Disk group metadata to be backed up: DATA Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ASM Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE
用途
md_restoreコマンドは、ディスク・グループのメタデータのバックアップをリストアします。
構文および説明
md_restore backup_file [--silent] [--full|--nodg|--newdg -o 'old_diskgroup:new_diskgroup [,...]'] [-S sql_script_file] [-G 'diskgroup [,diskgroup...]']表12-39に、md_restoreコマンドのオプションを示します。
表12-39 md_restoreコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
メタデータ情報を |
|
|
エラーを無視します。通常、 |
|
|
ディスク・グループを作成し、メタデータをリストアすることを指定します。 |
|
|
メタデータのみをリストアすることを指定します。 |
|
|
メタデータのリストア時に別の名前を使用してディスク・グループを作成することを指定します。 |
|
|
コマンドを実行するかわりに、指定したSQLスクリプト・ファイルにSQLを書き込みます。 |
|
|
リストアされるディスク・グループを選択します。ディスク・グループを定義しない場合、すべてのディスク・グループがリストアされます。 |
例
1つ目の例では、ディスク・グループdataをバックアップ・スクリプトからリストアして、コピーを作成します。2つ目の例では、既存のディスク・グループdataを選択し、そのメタデータをリストアします。3つ目の例では、ディスク・グループdataを完全リストアしますが、作成される新しいディスク・グループの名前をdata2とします。4つ目の例では、override.sqlスクリプト・ファイルに定義されているオーバーライドを適用した後、バックアップ・ファイルからリストアします。
例12-41 ASMCMD md_restoreコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > md_restore –-full –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422 ASMCMD [+] > md_restore –-nodg –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422 ASMCMD [+] > md_restore –-newdg -o 'data:data2' --silent /scratch/backup/data20100422 ASMCMD [+] > md_restore -S override.sql --silent /scratch/backup/data20100422
用途
XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを作成します。
構文および説明
mkdg { config_file.xml | 'contents_of_xml_file' }表12-40に、mkdgコマンドの構文オプションを示します。
表12-40 mkdgコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
新規ディスク・グループの構成を含むXMLファイルの名前。 |
|
|
一重引用符で囲んだXMLスクリプト。 |
mkdgは、ディスク・グループの名前、冗長性、属性、およびディスク・グループを構成するディスクのパスを指定するXML構成ファイルにより、新規ディスク・グループを作成します。冗長性はオプションのパラメータです。デフォルトは標準冗長性です。冗長性の一部のタイプでは、ディスクを障害グループにまとめる必要があります。ディスク・グループの障害グループを指定しない場合、ディスク・グループ内の各ディスクは独自の障害グループに属します。
mkdgは、ローカル・ノードのディスク・グループのみマウントします。
ディスク・グループの作成時に、ディスク・グループ属性値のいくつかを設定できます。AU_SIZEやSECTOR_SIZEなどの一部の属性は、ディスク・グループの作成時にのみ設定できます。ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性」を参照してください。
デフォルトのディスク・グループの互換性設定は、Oracle ASM互換性の場合は10.1、データベース互換性の場合は10.1、Oracle ADVM互換性の場合は値がありません。ディスク・グループの互換性属性の詳細は、「ディスク・グループの互換性」を参照してください。
例12-42に、mkdgのXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。
例12-42 mkdgのXML構成ファイルのタグ
<dg> disk group
name disk group name
redundancy normal, external, high
<fg> failure group
name failure group name
</fg>
<dsk> disk
name disk name
string disk path
size size of the disk to add
force true specifies to use the force option
</dsk>
<a> attribute
name attribute name
value attribute value
</a>
</dg>
ASMCMD chdgを使用したディスク・グループの変更の詳細は、「chdg」を参照してください。ディスク・グループの作成の詳細は、「ディスク・グループの作成」を参照してください。
例
次に、mkdgのXML構成ファイルの例を示します。この構成ファイルでは、normal冗長性でdataというディスク・グループを作成します。2つの障害グループfg1およびfg2を作成します。各障害グループには、関連付けられたディスク文字列によって識別される2つのディスクがあります。ディスク・グループの互換性属性をすべて11.2に設定します。
例12-43 mkdgのサンプルXML構成ファイル
<dg name="data" redundancy="normal">
<fg name="fg1">
<dsk string="/dev/disk1"/>
<dsk string="/dev/disk2"/>
</fg>
<fg name="fg2">
<dsk string="/dev/disk3"/>
<dsk string="/dev/disk4"/>
</fg>
<a name="compatible.asm" value="11.2"/>
<a name="compatible.rdbms" value="11.2"/>
<a name="compatible.advm" value="11.2"/>
</dg>
次に、mkdgコマンドの例を示します。1つ目の例では、ASMCMDが起動されたディレクトリ内のXML構成ファイルを使用してmkdgを実行します。2つ目の例では、コマンドラインに情報を指定してmkdgを実行します。
用途
ディスク・グループをマウントします。
構文および説明
mount [--restrict] { [-a] | [-f] diskgroup[ diskgroup ...] }表12-41に、mountコマンドの構文オプションを示します。
表12-41 mountコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループの名前。 |
|
|
すべてのディスク・グループをマウントします。 |
|
|
制限モードでマウントします。 |
|
|
マウント操作を強制します。 |
この操作により、1つ以上のディスク・グループがマウントされます。ディスク・グループは、強制または制限のオプションを指定してまたは指定せずにマウントできます。ディスク・グループのマウントの詳細は、「ディスク・グループのマウントおよびディスマウント」を参照してください。
例
次に、強制、制限およびすべてのオプションを使用するmountコマンドの例を示します。
用途
ディスク・グループに属しているディスクまたは障害グループをオフラインにします。
構文および説明
offline -G diskgroup { -F failgroup |-D disk} [-t {minutes | hours}]表12-42に、offlineコマンドの構文オプションを示します。
表12-42 offlineコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループ名。 |
|
|
障害グループ名。 |
|
|
1つのディスク名を指定します。 |
|
|
指定されたディスクを削除するまでの時間を |
障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオフラインになることを意味します。
例
次に、offlineコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのfailgroup1障害グループをオフラインにします。2つ目の例では、ディスクの削除までの時間を1.5時間と指定し、dataディスク・グループのdata_0001ディスクをオフラインにします。
用途
ディスク・グループに属するすべてのディスク、単一のディスクまたは障害グループをオンラインにします。
構文および説明
online -G diskgroup { -a | -F failgroup |-D disk} [-w]表12-43に、onlineコマンドの構文オプションを示します。
表12-43 onlineコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループ内のすべてのオフライン・ディスクをオンラインにします。 |
|
|
ディスク・グループ名。 |
|
|
障害グループ名。 |
|
|
ディスク名。 |
|
|
待機オプション。ユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、待機することになります。デフォルトは、待機なしです。 |
障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオンラインになることを意味します。
例
次に、onlineコマンドの例を示します。1つ目の例では、waitオプションを有効にして、dataディスク・グループのfailgroup1障害グループのすべてのディスクをオンラインにします。2つ目の例では、dataディスク・グループのdata_0001ディスクをオンラインにします。
用途
ディスク・グループをリバランスします。
構文および説明
rebal [--power power] [-w] diskgroup表12-44に、rebalコマンドの構文オプションを示します。
表12-44 rebalコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループ名。 |
|
|
指数設定。 |
|
|
待機オプション。ユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、待機することになります。デフォルトは、待機なしです。 |
指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータと同じ値を設定できます。値0の場合、リバランスは無効です。リバランス指数が指定されていない場合、値はデフォルトでASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの設定になります。指数レベルの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」および「リバランス操作の調整」を参照してください。
ASMCMD lsopコマンドを使用すると、リバランス操作が発生しているかどうかを判別できます。「lsop」を参照してください。ディスク・グループのリバランスの詳細は、「ディスク・グループの手動リバランス」を参照してください。
例
次に、rebalコマンドの例を示します。この例では、指数レベルを4に設定してfraディスク・グループをリバランスします。
用途
ディスク上で使用できないブロックの範囲をマークし、その範囲に割り当てられたデータをすべて再配置します。
構文および説明
remap diskgroup disk block_range
表12-45に、remapコマンドの構文オプションを示します。
表12-45 remapコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
データの再配置が必要なディスクが属するディスク・グループの名前。 |
|
|
データの再配置が必要なディスクの名前。名前は、 |
|
|
再配置する物理ブロックの範囲。書式は |
remapコマンドでは、ブロックの再配置のみを行います。破損した内容を含むブロックの修正または修復は行いません。SECTOR_SIZEディスク・グループ属性に基づいて、物理ブロック・サイズを使用します。
例
1つ目の例では、ディスク・グループDATAにあるディスクDATA_0001の5000から5999のブロックを再マップします。2つ目の例では、ディスク・グループFRAにあるディスクFRA_0002の6230から6339のブロックを再マップします。
用途
Oracle ASMディスク・グループの属性を設定します。
構文および説明
setattr -G diskgroup attribute_name attribute_value表12-46に、setattrコマンドの構文オプションを示します。
表12-46 setattrコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループ名。 |
|
|
属性の名前。 |
|
|
属性の値。 |
COMPATIBLE.ASM属性は、他のディスク・グループの互換性属性を拡張する前に拡張する必要があります。また、その値は他のディスク・グループの互換性属性の値以上である必要があります。
ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性」を参照してください。
例
次に、setattrコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASMを11.2に設定します。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.RDBMSを11.2に設定します。
用途
ディスク・グループをディスマウントします。
構文および説明
umount { -a | [-f] diskgroup }表12-47に、umountコマンドの構文オプションを示します。
表12-47 umountコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
|
|
ディスク・グループの名前。 |
|
|
マウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。これらのディスク・グループは、 |
|
|
ディスマウント操作を強制します。 |
例
次に、umountコマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle ASMインスタンスでマウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスマウントを強制します。