メトリック チャートおよびグラフの操作
メトリック チャートおよびグラフは、MBean インスタンスおよび属性の値をプロットしたものです。この値としては、実行中の WebLogic Server からリアルタイムでポーリングしたメトリック値を使用できます。また、WLDF ハーベスタに保持されているすべてのメトリックを使用して、そのメトリック値の履歴を表示することもできます。
メトリック データに基づくチャートおよびグラフを作成するには、メトリック属性を [Metrics] タブから [View] パネルにドラッグします。新しいグラフが作成され、選択した属性の値が時間の経過とともに表示されます。
以下の節では、メトリック チャートおよびグラフを操作する方法について説明します。
メトリック チャートおよびグラフの操作や、メソッド パフォーマンス チャートおよびグラフの操作の概要については、「すべてのチャートおよびグラフの操作」を参照してください。
サーバの選択
[Metrics] タブに表示されるのは、1 つのサーバで一度に使用可能なメトリックです。[Server] ドロップダウン リストにはドメイン内のすべてのサーバが表示されます。
別のサーバを選択するには、次の手順に従います。
[Server] ドロップダウン リストでサーバを選択します。
[Reload] ボタンをクリックします。選択したサーバのメトリックが表示されます。ただし、選択したサーバが実行されていない (現在停止中の) 場合は、ドロップダウン リストが以前に選択したサーバに戻ります。
[Metrics] タブの MBean ツリーの内容について
[Metrics] タブには、以下を含むツリーが表示されます。
WebLogic MBean タイプ
現在登録されている WebLogic MBean タイプのインスタンス
現在登録されているカスタム MBean タイプのインスタンス
登録されているインスタンスの属性
ツリー内のアイコンを表 7-1 で説明します。
表 7-1 [Metrics] タブの MBean ツリーで使用されるグラフィック記号
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[Metrics] タブの項目の表示
ツリーには、サーバの MBean タイプ、インスタンス、および属性が表示されます。[Metrics] タブの項目は、次のようにして表示します。
ドメイン内の別のサーバの MBean を表示するには、[Server] ドロップダウン リストからサーバを選択する。一度に表示できるのは 1 つのサーバ インスタンスの MBean だけです。ただし、複数のサーバからのデータを使用したチャートを作成することは可能です。
選択したサーバのツリーを更新するには、[Reload] ボタンをクリックする。
一覧表示されている MBean タイプの現在登録されているインスタンスをすべて表示するには、タイプ名の左にある
([Expand]) ボタンをクリックする。
注意 : |
その MBean タイプに登録されているインスタンスがない場合、MBean タイプ名がグレーの斜体で表示されます。インスタンスが登録されていない状態ではノードは展開できません。 |
一覧表示されている MBean インスタンスのすべての属性を表示するには、MBean 名の左にある
([Expand]) ボタンをクリックする。
[Metrics] タブの MBean インスタンスと属性の詳細の表示
MBean インスタンスおよび属性に関する詳細を表示するには、[Metrics] タブに表示されている MBean のツリー上の項目をマウス ポインタでポイントします。
MBean インスタンス名をポイントすると、MBean インスタンスの完全なオブジェクト名が表示される。
MBean 属性名をポイントすると、その属性のタイプと説明が表示される。
こうした情報の表示方法の詳細については、「コントロール、ビュー、グラフ、チャートのツールチップの表示」を参照してください。
メトリック チャートおよびグラフの詳細の表示
メトリック チャートおよびグラフの詳細を表示するには、[View] パネル上のオブジェクトをマウス ポインタでポイントします。
グラフのデータ ポイントをポイントすると、そのデータ ポイントがプロットされた日時と、その時刻にサンプリングされたメトリック値が表示される。
チャートの凡例をポイントすると、凡例に示されている各属性のオブジェクト インスタンス名が表示される。
チャートのスクロールバーをポイントすると、表示されている時間間隔の開始日時と終了日時が表示される。
こうした情報の表示方法の詳細については、「コントロール、ビュー、グラフ、チャートのツールチップの表示」を参照してください。
カスタム メトリックの作成
登録されている MBean の属性に基づくメトリックは、チャートにその属性をドラッグするだけで追跡できるようになります。加えて、1 つまたは複数の MBean インスタンスの属性値にさまざまな関数を実行することで、より複雑なカスタム メトリックを作成することもできます。作成したカスタム メトリックは、あるタイプのすべてのインスタンスを示すグラフの作成に利用できます。
カスタム メトリックを作成するには、次の手順に従います。
[Metrics] タブで、カスタム メトリックを作成する MBean タイプの名前を右クリックします。
コンテキスト メニューから、[Create Custom Metric] を選択します。[View] パネルに表示されていたすべてのビューに代わって、右側のパネルに Custom Metric Editor が表示されます。
注意 : |
Custom Metric Editor では、ツールチップを通じて包括的なヘルプを利用できます。ツールチップを表示するには、フィールド、関数、または式中の項目をマウスでポイントします。わずかな時間を置いてツールチップが表示されます。 |
以下の説明に従って、Custom Metric Editor の [Expression] フィールドに式を作成してカスタム メトリックを定義します。
関数を挿入するには、関数を [Available Functions] ボックスからドラッグして [Expression] フィールドの適切な位置にドロップする。使用できる関数については表 7-2、表 7-3、および 表 7-4 で説明します。項目をドロップできる位置については、この手順で後述します。
MBean 属性に基づく単純なメトリックを挿入するには、[Metrics] タブから属性 (メトリック) をドラッグして [Expression] フィールドの適切な位置にドロップする。以前に定義したカスタム メトリックを [Expression] フィールドにドラッグして、ネストされたカスタム メトリックを作成することもできます。
式中のスカラー値を編集するには、[Expression] フィールドの値を右クリックし、コンテキスト メニューから [Edit] を選択して、新しい値を入力する。
[Expression] フィールドの式から項目を削除するには、項目を右クリックして、コンテキスト メニューから [Delete] を選択する。
Custom Metric Editor では、関数や属性をドロップできる位置が決まっています。項目を [Expression] フィールドのドロップ可能な位置にドラッグすると、その位置が強調表示されてドロップできることが示されます。ドロップは以下の位置で行えます。
メトリックまたは関数を直接、別のメトリックまたは関数上までドラッグした状態。この場合、メトリックまたは関数は置き換えられます。
注意 : |
メトリックまたは関数が必要な場所にまだ挿入されていない場合、<MP> (メトリック プレースホルダ) というプレースホルダが表示されます。このプレースホルダはメトリックまたは関数が必要だが追加されていない場所にはすべて表示されます。<MP> が表示されている箇所であれば、どこでも関数またはメトリックをドラッグできます。 |
関数を挿入領域までドラッグした状態。この場合、既存の項目は置き換えられず、その場所に関数が挿入されます。挿入された関数の右側に表示される用語は、その関数の最初の引数として使用されているものです。
注意 : |
挿入領域の場所を示す記号を表示するには、[Expression] フィールドの下にある [Show Insert Areas] チェック ボックスをチェックします。 |
[Save] をクリックしてメトリックを保存します。または、[Cancel] をクリックすると、メトリックを保存せずに Custom Metric Editor を閉じられます。
注意 : |
Custom Metric Editor で 1 つの MBean タイプを表示している場合、このエディタで作成できるのはその MBean タイプの式だけです。別の MBean タイプのカスタム メトリックを作成する場合、作成中の式を必ず保存またはキャンセルしてから、別の MBean タイプを右クリックして、その MBean タイプのカスタム メトリックを作成します。 |
カスタム メトリックの編集と削除
カスタム メトリックを編集または削除するには、次の手順に従います。
[Metrics] タブで、カスタム メトリックを定義した MBean タイプを見つけます。
MBean タイプのインスタンスが表示されていない場合、その MBean タイプの名前の横にある
アイコンをクリックして表示します。
MBean インスタンスのメトリックが表示されていない場合、その MBean インスタンスの
アイコンをクリックして表示します。ある MBean タイプに対して定義されたカスタム メトリックは、そのタイプから派生した MBean インスタンスごとに表示されます。
カスタム メトリックの名前を右クリックします。
[Edit Custom Metric] を選択してメトリックを編集するか、[Delete Custom Metric] を選択して削除します。ただし、現在チャート内に含まれているメトリックは削除できません。カスタム メトリックを編集する場合、そのタイプの MBean インスタンスごとに変更が適用されます。ある MBean インスタンスのメトリックの一覧からカスタム メトリックを削除すると、カスタム メトリックはそのタイプのすべてのインスタンスから削除されます。
カスタム メトリックの名前の変更
カスタム メトリックのコピーを作成するには、次の手順に従います。
[Metrics] タブで、名前を変更するカスタム メトリックが定義された MBean タイプを見つけます。
カスタム メトリックの名前を右クリックします。
[Edit Custom Metric] を選択します。
[Metric Name] フィールドでメトリックの名前を変更します。
[Save] をクリックします。
カスタム メトリックのコピーの作成
カスタム メトリックのコピーを作成するには、次の手順に従います。
[Metrics] タブで、コピーするカスタム メトリックが定義された MBean タイプを見つけます。
カスタム メトリックの名前を右クリックします。
[Edit Custom Metric] を選択します。
[Metric Name] フィールドでメトリックの名前を変更します。
[Save As] をクリックします。
カスタム メトリックを作成するための関数
Custom Metric Editor の [Available Functions] ボックスには、式の作成に使用できるすべての関数が一覧表示されます。各関数の働きに関するメモを表示するには、関数にマウス ポインタを置いて一時停止します。このようにするとツールチップが表示されます。関数はタイプごとに一覧表示されます。これについて以下の表で説明します。
注意 : |
表中の <MP> は関数または定義されたメトリックを表します。 |
表 7-2 では、ベクトル データまたはスカラー データ (あるいはその両方) を受け入れるが、以前のデータから算出した状態を使用して結果を比較する必要がない関数について説明します。
表 7-2 ベクトル データまたはスカラー データ (あるいはその両方) を受け入れるが、以前のデータからの状態は必要としない関数
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2 つの引数の測定値の差分。たとえば A1 - A2。
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Difference(<MP>,NumericValue)
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現在の値から指定したスカラー値を引いて求められる値。
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最初の引数の値が、指定した定数のしきい値よりも小さい場合を示すブール値 ( 0 または 1 )。
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2 つの引数の測定値を掛けた値。たとえば A1 * A2。
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Product(<MP,NumericValue>)
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現在の値に、指定したスカラー値を掛けて求められる値。
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現在の値と、指定したスカラー値の比率。たとえば A1 / A2。
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現在の値に、指定したスカラー値を掛けて求められる値。
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2 つの引数の測定値の合計。たとえば A1 + A2。
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現在の値に、指定したスカラー値を足して求められる値。
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最初の引数の値が、指定した定数のしきい値よりも小さい場合を示すブール値 ( 0 または 1 )。
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表 7-3 では、ベクトル データまたはスカラー データ (あるいはその両方) を受け入れ、結果を比較するために以前のデータから算出した状態を必要とする関数について説明します。
表 7-3 ベクトル データまたはスカラー データ (あるいはその両方) を受け入れ、以前のデータからの状態を必要とする関数
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表 7-4 では、時間間隔を操作する関数について説明します。
表 7-4 時間間隔を操作する関数
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T- I 時間以降における、最初の値と現在の値との差分。ここで、I は指定した時間間隔 (Interval) の値 (ミリ秒単位)。
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時間間隔における、引数の測定値の最大で最も頻度の高い値。たとえば、1 2 2 2 3 6 6 6 7 で HighMode は 6 です。
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時間間隔における、引数の測定値の最低で最も頻度の低い値です。たとえば、1 2 2 2 3 6 6 6 7 で LowMode は 2 です。
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指定した値で定義された時間間隔における、引数の測定値の中央値。
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