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データの収集と表示の方法について

以下の節では、WLDF コンソール拡張におけるデータの収集のプロセスと表示の関係について説明します。

 


データの収集と表示の概要

標準的な WLDF コンフィグレーションでは、指定した MBean インスタンスの指定した属性についてメトリックを収集するために、ハーベスタをコンフィグレーションできます。この情報はプログラム的なアクセスで利用でき、HarvestedDataArchive という標準ログに書き込まれ、標準の Administration Console で確認できます。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Oracle WebLogic Server 診断フレームワークのコンフィグレーションと使い方』の「メトリック収集用のハーベスタのコンフィグレーション」を参照してください。

インスツルメンテーション コンポーネントでは、診断アクションの実行時にインスツルメンテーション イベントを生成するように、診断アクションをコンフィグレーションできます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 診断フレームワークのコンフィグレーションと使い方』の「インスツルメンテーションのコンフィグレーション」を参照してください。この情報は EventsDataArchive という標準ログに永続化され、標準の Administration Console で確認できます。

WLDF のコンポーネントとログ ファイルを使用すると、WLDF コンソール拡張でデータを表示できます。

WLDF コンソール拡張に表示されるデータは、サーバ上で生成、収集、および (必要に応じて) 永続化されたものです。クライアント上の WLDF コンソール拡張は、そのデータを定期的にポーリングしてチャートに表示します。

 


メトリック データの収集と表示の方法

WLDF コンソール拡張で 1 つまたは複数のメトリック チャートを含むビューをアクティブ化すると、サーバ上でそうしたメトリックをリアルタイム表示するためのデータ収集が開始されます。データはデータ コレクタによって継続的に収集され、「ラップ アラウンド」型のキャッシュに格納されます。これは、新しいデータでキャッシュがいっぱいになると、キャッシュ内の最も古いデータが消失する形式のキャッシュです。ビューを停止すると (「ビューの起動と停止」を参照)、そこに含まれるチャート用のデータ収集も停止します。ただし、メトリックに対してデータ収集用にハーベスタがコンフィグレーションされている場合、データは引き続き収集されてログに永続化されます。

現在のデータを表示するため、WLDF コンソール拡張では現在のデータ群のキャッシュを定期的にポーリングしてチャートに表示します。

注意 : クライアントに返されるデータ群のサイズはコンフィグレーションできます。「グローバル プロパティの設定」を参照してください。

現在のメトリック データを表示する場合、前もって WLDF をコンフィグレーションする必要はありません。しかし、メトリックの履歴データを表示するには、WLDF ハーベスタをコンフィグレーションしてデータを収集しておく必要があります。

以下に示す 4 つの図 (図 4-1図 4-2図 4-3図 4-4) で、メトリック データが取得されて現在のデータや履歴データとして表示される仕組みについて、ハーベスタ使用時と非使用時に分けて示します。

以下の概念図では、サーバの起動時から現在までを時系列で表します。

  1. 矢印の始点 (左端) はサーバが起動した時間を表す。矢印の終点 (右端) は現在を表す。
  2. 矢印の中程にあるポイントは、メトリック チャートを含むビューがアクティブ化されて、コンソール拡張のクライアントでそのメトリックの表示用にデータのポーリングが開始された時点を表す。
  3. 丸く囲まれた部分は、コンソール拡張のチャートに表示されるデータの範囲 (ビューポートとも呼ぶ) を表す。
  4. データ キャッシュには常に現在のデータのほとんどが格納されます。ただし、古いデータがパージされるほどにポーリング時間が長くなると、ポーリング開始時からのデータがすべてキャッシュに含まれている状態ではなくなります。そのため、ビューポートの期間に表示されるデータの範囲は、ポーリング開始時からこれまでに収集されたデータの範囲とは異なります。

    このメトリック用のデータを収集するハーベスタがコンフィグレーションされていない場合、このメトリックでは履歴データを利用できず、WLDF コンソール拡張クライアントでも履歴データは表示できません。このメトリック用のデータを収集するためにハーベスタがコンフィグレーションされている場合、このメトリックでは履歴データを利用できます。履歴データはチャートを過去の方向にスクロールすると表示されます (「チャートに表示されたデータのスクロールとズーム」を参照)。

図 4-1 では、次のような場合について図解します。

  1. サーバ起動時には、メトリックに対してハーベスタがコンフィグレーションされていない状態です。そのため、後に取得対象となるデータは保存されません。
  2. サーバ起動後のある時点で、コンソール拡張を起動してメトリック チャートを含むビューをアクティブ化します。そのメトリック用のポーリングが開始され、現在のデータがキャッシュに格納されます。
  3. メトリック チャートには、キャッシュから取得した現在のデータが表示されます。ここでスクロールして履歴データを表示しようとしても、利用できるデータがないので何も表示されません。
  4. 図 4-1 ハーベスタなし、現在のデータを表示


    ハーベスタなし、現在のデータを表示

図 4-2 では、次のような場合について図解します。

  1. サーバ起動時にメトリックに対してハーベスタをコンフィグレーションし、サーバの起動と同時にデータの収集を開始します。データはアーカイブに永続化され、表示用に取得できる状態になります。
  2. サーバ起動後のある時点で、コンソール拡張を起動してメトリック チャートを含むビューをアクティブ化します。そのメトリック用のポーリングが開始され、現在のデータがキャッシュに格納されます。
  3. クライアントで表示されるメトリック チャートには、キャッシュから取得した現在のデータが表示されます。データは収集されてアーカイブ化されているので、チャートをスクロールすると履歴データを参照できます。しかしこの図の場合、チャートは現在のデータを表示する設定になっています。そのためアーカイブにはメトリック用データが保存されている一方で、依然としてキャッシュから現在のデータが取得されます。
  4. 図 4-2 ハーベスタあり、現在のデータを表示


    ハーベスタあり、現在のデータを表示

図 4-3図 4-2 と同様の状況ですが、この場合にはチャートがスクロールされて履歴データが表示されます。データはすべてアーカイブから取得されます。キャッシュには現在のデータが格納され続けていますが、この状況でそのデータを利用することはできません。

図 4-3 ハーベスタあり、履歴データを表示

ハーベスタあり、履歴データを表示

図 4-4図 4-2 および図 4-3 と同様の状況ですが、この場合にはチャートが若干スクロールされ、履歴データと現在のデータが少しずつ表示されます。履歴データはアーカイブから取得され、現在のデータはキャッシュから取得されます。

図 4-4 ハーベスタあり、現在のデータと履歴データを表示

ハーベスタあり、現在のデータと履歴データを表示

 


インスツルメンテーション データの収集と表示の方法

チャートにインスツルメンテーション データを表示するには、サーバの WLDF コンフィグレーションにインスツルメンテーションをコンフィグレーションする必要があります。データは常に永続化されたストアから取得されます。サーバでインスツルメンテーションのコンフィグレーションとアクティブ化が行われていない場合、[Requests] タブにイベントを表示することはできません。これらの要件の詳細については、「メソッド パフォーマンス チャートでのインスツルメンテーション データの使用」を参照してください。


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