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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server インストール ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55508-01
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5 サイレント モードでのインストール プログラムの実行

以下の節では、サイレント モードでインストール プログラムを実行する方法を説明します。

5.1 サイレント モード インストールの概要

サイレント モード インストールは、インストール コンフィグレーションを一度だけ設定し、その後はこれらのコンフィグレーションを使用して、インストールを多くのマシンに複製する方法です。サイレント モード インストールでは、インストール開始前に作成した XML ファイルからコンフィグレーション用の設定が読み込まれます。インストール プログラムからは、インストール処理中にコンフィグレーション オプションは何も表示されません。サイレント モード インストールは、Windows システムと UNIX システムの両方で機能します。

この節の説明では、インストール プログラムを DVD または http://edelivery.oracle.com ですでに入手していることを前提としています。


注意 :

サイレント モード インストールの場合、パッケージ インストーラを使用する必要があります。サイレント モード インストールは、Net インストーラではサポートされていません。

5.2 サイレント モード インストールの使用 : 主な手順

サイレント モード インストール処理には、次の 2 つの手順があります。

  1. グラフィカル モード インストールやコンソール モード インストールなどの対話的なインストール処理中にユーザが通常入力するコンフィグレーション設定を定義する silent.xml ファイルを作成します。たとえば、Middleware ホーム ディレクトリ、製品ディレクトリ、およびインストールするコンポーネントの値を、silent.xml ァイルに設定します。

    詳細については「5.3 サイレント モード インストール用の silent.xml ファイルの作成」を参照してください。

  2. silent.xml ファイルで指定した値を使用してサイレント モード インストールを開始する。

    サイレント モードでインストールを開始する方法については、「2.2.3 サイレント モードでのインストール プログラムの起動」を参照してください。

サイレント モード インストールについての重要な注意事項

サイレント モードのインストール プログラムを実行する場合は、次の点に留意する必要があります。

5.3 サイレント モード インストール用の silent.xml ファイルの作成

サイレント モードでソフトウェアをインストールする場合、インストール プログラムは XML ファイル (silent.xml) を使用して、実装するインストール オプションを特定します。このため、サイレント モードでインストール プログラムを実行する前に、インストール オプションを指定する silent.xml ファイルを作成する必要があります。


注意 :

silent.xml ファイルのエントリが不適切な場合は、インストール エラーが発生するおそれがあります。エラー原因を容易に特定できるように、インストールを開始するときにログ ファイルを作成することをお勧めします。

サイレント モード インストール処理で使用する silent.xml ファイルを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. サイレント モード インストール用の silent.xml ファイルのサンプル」のコード サンプルをコピーし、XML ファイルに貼り付けます。

  2. ファイルを、インストール プログラムを含むディレクトリと同じディレクトリに silent.xml という名前で保存します。


    注意 :

    XML 定義 (<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>) は silent.xml ファイルの先頭に指定する必要があります。XML 定義の前にスペースや改行を入れないでください。

  3. システム上に保存した silent.xml ファイルで、キーワードの値を編集して、コンフィグレーションを反映します。

    たとえば、Oracle WebLogic Server をインストールするため、表 5-1 に示すようにサンプルの silent.xml ファイルの値を編集してください。


    注意 :

    値を変更するときは、文字についての XML ガイドラインに従う必要があります。つまり、<>[] など XML で予約済みの文字は使用できません。

表 5-1 Oracle WebLogic Server 用サンプルの silent.xml ファイルの値

データ値名 説明
MW_HOME

選択したホーム ディレクトリの絶対パス。ホーム ディレクトリの詳細については、「1.5.1 ホーム ディレクトリの選択」を参照。

WLS_INSTALL_DIR

Oracle WebLogic Server のインストール先ディレクトリの絶対パス。(たとえば、Windows の場合 : C:\MW_HOME\wlserver_10.3)

WLW_INSTALL_DIR

Workshop のインストール先ディレクトリの絶対パス。(たとえば、Windows の場合 :C:\MW_HOME\workshop_10.3)。

詳細については、「1.5.2 製品インストール ディレクトリの選択」を参照。

COMPONENT_PATHS

システムにインストールするコンポーネントおよびサブコンポーネントを指定する。

たとえば、次のようになる。

  • Oracle WebLogic Server をインストールするには、次の値を使用する。

    WebLogic Server/Core Application Server
    |WebLogic Server/Administration Console
    |WebLogic Server/Configuration Wizard and Upgrade Framework
    |WebLogic Server/Web 2.0 HTTP Pub-Sub Server
    |WebLogic Server/WebLogic JDBC Drivers
    |WebLogic Server/Third Party JDBC Drivers
    |WebLogic Server/WebLogic Server Clients
    |WebLogic Server/WebLogic Web Server Plugins
    |WebLogic Server/UDDI and Xquery Support
    |WebLogic Server/Server Examples
    
  • Workshop をインストールするには、次の値を使用する。

    Workshop/Workshop for WebLogic
    Workshop/Workshop Runtime Framework
    

これらの値の入力の詳細については、「コンポーネント選択のガイドライン」を参照。

USE_EXTERNAL_ECLIPSE

Eclipse の適切なバージョンが既にインストールされている場合、この変数は無視される。

デフォルト値は false

Eclipse がインストールされていない、または古いバージョンである場合、

  • この変数の値が true である場合、Eclipse プラグインのみが EXTERNAL_ECLIPSE_DIR で示したディレクトリにインストールされる。Eclipse ディレクトリに必要な依存関係はインストールされていない場合、インストールが失敗する。

  • この変数の値が false である場合、Eclipse がデフォルトの場所に完全にインストールされる。この場所は Eclipse の古いバージョンの場所と異なる。このため、Eclipse の古いバージョンが上書きされない。

EXTERNAL_ECLIPSE_DIR

既存の Eclipse インスタンスがインストールされているディレクトリ。

Eclipse の適切なバージョンが既にインストールされている場合、この変数は無視される。

INSTALL_NODE_MANAGER_SERVICE

(Windows プラットフォームのみ)

  • Oracle WebLogic Server ノード マネージャを Windows サービスとしてインストールする場合は、yes を指定する。

  • Oracle WebLogic Server ノード マネージャを Windows サービスとしてインストールすることを省略する場合は、no を指定する。デフォルトは no

注意 : ノード マネージャを Windows サービスとしてインストールするには管理者特権が必要。

NODEMGR_PORT

ノード マネージャのリスン ポート。

ポート番号を指定しない場合、インストーラはデフォルトのポート 5556 を使用する。

ポート番号が使用されている場合、インストーラでは次に使用可能なポートをスキャンし、そのポートをノード マネージャに割り当てる。

注意 : INSTALL_NODE_MANAGER_SERVICE オプションは yes に設定しておく必要がある。

インストール プロセスが完了すると、ノード マネージャが指定のポートを使用して起動される。

INSTALL_SHORTCUT_IN_ALL_USERS_FOLDER
  • [All Users] フォルダにショートカットを作成するには、この値を true または yes に設定。デフォルトは true

  • ローカル ユーザのフォルダにショートカットを作成するには、この値を false または no に設定。

[All Users] フォルダに [スタート] メニューのショートカットを作成するには、インストールを実行しているユーザに管理者特権が必要となる。詳細については、「1.4.3 管理者特権」を参照。

LOCAL_JVMS

これは省略可能な要素です。この要素を使用して、インストールするローカル JDK を指定できる。インストールする JDK の絶対パスをパイプ記号 ('|') で区切って入力する。

BEA_BUNDLED_JVMS

これは省略可能な要素です。この要素を使用して、インストールする BEA 提供の JDK を指定できる。インストールする JDK の絶対パスをパイプ記号 ('|') で区切って入力する。


コンポーネント選択のガイドライン

データ値名 COMPONENT_PATHS に値を指定する場合は、次のガイドラインに従います。

5.4 サイレント モード インストール用の終了コード

インストール プログラムをサイレント モードで実行すると、インストールの成功または失敗を示す終了コードが生成されます。

表 5-2 では、終了コードを示しています。

表 5-2 サイレント モード インストール用の終了コード

終了コード 説明

0

インストールは正常に完了した

-1

インストールは致命的なエラーにより失敗した

-2

インストールは内部的な XML 解析エラーのために失敗した


スクリプトからサイレント モード インストールを起動すると、その終了コードをコンソールに表示する選択もできます。

コード リスト 5-1 は、サイレント モードでインストール プログラムを呼び出し、スクリプトの実行元であるコンソールに終了コードをエコーするサンプル コマンド ファイルを示しています。

コード リスト 5-1 サイレント モードの終了コードを表示するサンプル コマンド ファイル

rem インストーラをサイレント モードで実行
@echo off
server103_win32.exe -mode=silent -silent_xml=C:\downloads\silent.xml -log=C:\logs\products_silent.log
@rem インストールが成功したかどうかを示す終了コードが返される
set exit_code=%ERRORLEVEL%

@echo.
@echo Exitcode=%exit_code%
@echo.
@echo Exit Code Key
@echo ---------------
@echo  0=Installation completed successfully
@echo -1=Installation failed due to a fatal error
@echo -2=Installation failed due to an internal XML parsing error
@echo.