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Oracle® Smart Update パッチおよびメンテナンス パックのインストール
リリース 3.1
B55509-01
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A Smart Update クイック リファレンス

この節では、3 つの基本的なタスクを実行するための手順を示し、グラフィカル インタフェースで使用されるアイコンおよびラベルについて説明するためのものです。

A.1 プライベート パッチのダウンロードおよび適用方法

この節は、My Oracle Support から提供されたプライベート パッチを取得および適用するための手順を説明するクイック リファレンス エイドです。

プライベート パッチを取得してインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Smart Update を起動します。

    Windows :

    [スタート] メニューから、[スタートプログラムOracle WebLogicSmart Update] を選択します。

    UNIX :

    1. BEA_HOME/utils/bsu ディレクトリに移動します。

    2. bsu.sh コマンドを入力します。

  2. My Oracle Support にログインします。

  3. Smart Update のメイン ウィンドウに表示される [対象インストール] というラベルの付いたパネルで、プライベート パッチをダウンロードする Oracle Products のインストールを選択します。

  4. [パッチの取得] タブを選択します。

  5. [パッチプライベートの取得] を選択し、パッチの ID とパスコードを入力して、[ダウンロード] をクリックします。

  6. ダウンロード前にパッチの衝突の有無について確認するかどうかたずねるメッセージが表示されたら、[いいえ、ダウンロードを続行し、後から衝突チェックを行います] をクリックし、[OK] をクリックします。

  7. [パッチの管理] タブを選択します。

  8. [ダウンロードされたパッチ] パネルで、ダウンロードしたプライベート パッチの横に表示される [適用] をクリックします。

    パッチを適用する際には、適用するパッチと、すでに対象インストールに適用されている他のパッチとの間で衝突が発生するかどうかが検証されます。衝突が検出されなかった場合、Smart Update には次のダイアログ ボックスが表示されます。[OK] をクリックします。

A.2 メンテナンス スナップショットの作成方法

Smart Update には、My Oracle Support に問題を報告する際に送付するための、Oracle Products インストールに関する情報をキャプチャするメカニズムが用意されています。この情報は、メンテナンス スナップショットと呼ばれます。この節では、メンテナンス スナップショットを作成するための手順を説明します。

メンテナンス スナップショットを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Smart Update を起動します。

    Windows :

    [スタート] メニューから、[スタートプログラムOracle WebLogicSmart Update] を選択します。

    UNIX :

    1. BEA_HOME/utils/bsu ディレクトリに移動します。

    2. bsu.sh コマンドを入力します。


      注意 :

      メンテナンス スナップショットを生成するために My Oracle Support にログインする必要はありません。

  2. Smart Update のメイン ウィンドウに表示される [対象インストール] というラベルの付いたパネルで、問題を報告する Oracle Products のインストールを選択します。

  3. [パッチの管理] タブで、[パッチ プロファイル] を選択します。

  4. [パッチパッチ プロファイスナップショットの保存] を選択できます。

  5. [スナップショットの保存] ダイアログ ボックスで、メンテナンス スナップショットのファイル名を入力し、[OK] をクリックします。

    メンテナンス スナップショットは、単純な ASCII テキスト ファイルです。

  6. My Oracle Support に、メンテナンス スナップショットを送付します。電子メールを使用することをお勧めします。必要な場合は、印刷したファイルを郵送してもかまいません。

A.3 カスタム パッチ プロファイルの作成方法

クラス パスまたはライブラリ パスのパッチの適用範囲を特定のドメインまたはサーバ インスタンスに限定する場合は、次の作業を実行する必要があります。

  1. カスタム パッチ プロファイルを作成し、そのプロファイルにパッチを適用します。

  2. 該当するドメインまたはサーバの起動スクリプトを修正し、作成したカスタム パッチ プロファイルへの参照を追加します。

この節は、これらの作業を実行する手順について説明するクイック リファレンス エイドです。例として、パッチをプロダクション用ドメインに組み込む前に、テスト エンジニアが品質検査用ドメインを使用してパッチをテストする場合の作業内容を示します。

カスタム パッチ プロファイルを作成し、そのプロファイルに適用したパッチが特定のドメインまたはサーバから参照されるようにするには、次の手順を実行します。

  1. Smart Update を起動して、My Oracle Support にログインし、作業対象の Oracle Products を [対象インストール] パネルから選択します。

  2. 目的のパッチを My Oracle Support からダウンロードし、指定したパッチ ダウンロード ディレクトリに格納します。

  3. 次の手順に従って、パッチの適用先となるカスタム パッチ プロファイルを作成します。

    1. [パッチパッチ プロファイル新規] を選択します。

    2. カスタム パッチ プロファイルに名前を付けます。次に、対象インストールの既存のパッチ プロファイルから内容のクローンを作成することにより、新しいカスタム パッチ プロファイルに最初から含まれるパッチのセットを指定します。

      例 : 品質検査用ドメインは、プロダクション用ドメインと同じパッチ メンテナンス レベルに、手順 2 でダウンロードしたパッチを追加した状態で実行する必要があります。そこで、テスト エンジニアは QADomainProfile というカスタム パッチ プロファイルを作成し、デフォルト パッチ プロファイルの内容のクローンを作成して QADomainProfile に設定します。このカスタム パッチ プロファイルが、ダウンロードしたパッチの適用先となります。

インストール全体に対して有効になるパッチが対象インストールに適用されている場合、それらのパッチは、新しいカスタム パッチ プロファイルにもデフォルトで含まれます。

[作成] をクリックすると、デフォルト パッチ プロファイルのタブの隣のタブに、カスタム パッチ プロファイルが表示されます。

  1. カスタム パッチ プロファイルに対し、必要に応じてパッチの適用または削除を実行します。

    例 : テスト エンジニアは、手順 2 でダウンロードしたパッチを、カスタム パッチ プロファイル QADomainProfile に適用します。

  2. 起動スクリプト エディタを実行する前に、変更を加える予定のすべてのスクリプトについてバックアップを作成します。


    注意 :

    起動スクリプト エディタは、Oracle エンタープライズ リポジトリなどの OSG iベースの製品に適用されません。

  3. [パッチパッチ プロファイル] を選択し、起動スクリプト エディタを開きます。カスタム パッチ プロファイル内のパッチを参照するように起動スクリプトを修正します。

  4. [スクリプト エディタの起動] ダイアログ ボックスで、作成したカスタム パッチ プロファイルと、スクリプトの編集対象の製品を選択し、[開く] をクリックします。

  5. 目的のドメイン、クラスタ、またはサーバの実行時にカスタム パッチ プロファイル内のパッチが使用されるようにするために、適切な起動スクリプトを開きます。次の表の domain_home はドメインのルート ディレクトリへのパスを表しています。

    カスタム パッチ プロファイルに適用されているパッチを参照するドメインまたはサーバ 開く必要のあるスクリプト
    ドメイン Windows :
    domain_home\bin\setDomainEnv.cmd
    

    UNIX :

    domain_home/bin/setDomainEnv.sh
    
    ドメイン内にあるすべての WebLogic Server インスタンス Windows :
    domain_home\bin\startWebLogic.cmd
    

    UNIX :

    domain_home/bin/startWebLogic.sh
    
    すべての管理対象サーバ Windows :
    domain_home\bin\startManagedWebLogic.cmd
    

    UNIX :

    domain_home/bin/startManagedWebLogic.sh
    
    単一のサーバ インスタンス Windows :
    domain_home\bin\startServerName.cmd
    

    UNIX :

    domain_home/bin/startServerName.sh
    

    例 : テスト エンジニアは、QA ドメインからカスタム パッチ プロファイルを参照する必要があるため、エンジニアは setDomainEnv.cmd スクリプトを開きます。このスクリプトは、そのドメインに限り、すべてのサーバの環境を設定します。パッチの適用範囲を特定のサーバ インスタンスに制限する必要がない限り、通常は setDomainEnv を使用してカスタム パッチ プロファイルを参照することをお勧めします。

  6. 該当する起動スクリプトの中で、目的のカスタム パッチ プロファイルに含まれるクラス パス、拡張ディレクトリ パス、またはライブラリ パスのパッチを参照する環境変数を作成します。

    製品ごとにパッチ クラスパスとその他の環境変数が設定されます。wlserver_home\common\bin\setPatchEnv.cmd (Windows) または wlserver_home/common/bin/setPatchEnv.sh (UNIX) で設定した変数のように各製品に対する適切な変数を設定する必要があります。これらの環境変数について、次の表で説明します。

    参照先のパッチ カスタム パッチ プロファイル内のパッチを参照するために定義する必要のある環境変数
    WebLogic システム クラスパスに挿入されるクラスを含んだパッチ JAR 定義する環境変数 :
    PATCH_CLASSPATH 
    

    :

    set WLS_PATCH_CLASSPATH=
    %BEA_HOME%\patch_wls1030\profiles\NewProfile
    \sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar
    if "%PATCH_CLASSPATH%" == "" 
    set PATCH_CLASSPATH=%WLS_PATCH_CLASSPATH%;%WLW_PATCH_CLASSPATH%;%WLP_PATCH_CLASSPATH%
    
    WebLogic Server にデプロイされているアプリケーションのクラスパスに挿入されるクラスを含むパッチ JAR 定義する環境変数 :
    WEBLOGIC_EXTENSION_DIRS
    

    :

    set WEBLOGIC_EXTENSION_DIRS=
    %BEA_HOME%\patch_wls1030\profiles\NewProfile
    \sysext_manifest_classpath
    
    システム ライブラリ パスに挿入されるネイティブ ファイル (UNIX) 定義する環境変数 :
    PATCH_LIBPATH 
    

    :

    PATCH_LIBPATH="${BEA_HOME}/patch_wls1030/profiles
    /NewProfile/native"
    
    システム ライブラリ パスに挿入されるネイティブ ファイル (Windows) 定義する環境変数 :
    PATCH_PATH 
    

    :

    set PATCH_PATH=
    %BEA_HOME%\patch_wls1030\profiles\default\native
    

    次の図は、setDomainEnv.cmd スクリプトの変更に使用するスニペットの例を示しています。

    scriptsnippetnew.gif の後には説明を記載します。
    図 scriptsnippetnew.gif の説明

  7. 起動スクリプトに追加したパッチ パス変数は、その他の環境スクリプトに対する呼び出しよりも前に記述されている必要があります。たとえば、setDomainEnv スクリプトにパッチ パス変数の定義を追加する場合は、必ず commEnv スクリプトに対する呼び出しの前に追加します。

    WL_HOME\common\bin\commEnv スクリプトや、Configuration Wizard によって作成される他のデフォルトのスクリプトを呼び出さない環境でカスタム スクリプトを使用する場合は、その環境のクラス パスおよびライブラリ パスを設定するスクリプト内のステートメントも変更して、定義した環境変数をそれらのステートメントに正しく挿入する必要があります。

    たとえば、WebLogic のシステム クラスパスを設定して、カスタム パッチ プロファイル内のパッチ JAR が、クラスパスで後ろに表示される同じ名前のクラスよりも優先されるようにするには、変数 PATCH_CLASSPATH を次の例の太字部分で示すように追加します。

    set WEBLOGIC_CLASSPATH=%PATCH_CLASSPATH%;%JAVA_HOME%\lib\tools.jar;
    %WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar;%WL_HOME%\server\lib\webservices.jar
    
  8. [保存] をクリックします。

    パッチを有効にするには、そのパッチを使用するすべてのサーバ インスタンスを再起動する必要があります。

  9. 後になってパッチの適用範囲を変更する必要が生じ、そのパッチが別のドメインやサーバで使用されるようにする場合や、1 つのインストール上で動作するすべてのサーバおよびドメインで使用されるようにする場合は、適切なパッチ プロファイルを更新します。

    例 : テスト エンジニアによる品質検査用ドメインでのテストに合格したパッチは、プロモートされてプロダクション用ドメインで使用されます。パッチをプロモートするために、テスト エンジニアは次の作業を実行します。

    1. Smart Update を実行し、プロダクション用ドメインで使用される製品インストールを選択します。

    2. [パッチの管理] タブで、デフォルト パッチ プロファイルを選択し、目的のパッチを適用します。

    3. プロダクション用ドメイン内のサーバを再起動します。

A.4 Smart Update GUI 用語集

表 A-1 に、Smart Update グラフィカル インタフェースで使用される記号およびラベルの説明を示します。

表 A-1 Smart Update グラフィカル インタフェース

画面またはパネル 記号 説明

対象インストール

BEA ホーム ディレクトリを示すアイコン


BEA_HOME ディレクトリを表す。BEA_HOME ディレクトリ内には場合によって複数の Oracle Products が含まれることがある。メンテナンス スナップショットを作成する際には、目的の BEA_HOME ディレクトリを選択する必要がある。

Smart Update グラフィカル インタフェースには、現在のシステムでインストールされた製品の BEA_HOME ディレクトリしか表示されない。リモート マウントされたディスク上にある BEA_HOME ディレクトリは、現在のシステムからインストールされたものだけが表示される。

対象インストール

BEA Products ホーム ディレクトリを示すアイコン

Products ホーム ディレクトリを表す。たとえば、WebLogic Server、Oracle Service Bus など。

対象インストール

Products の特定のインストールを示すアイコン

Products の特定のインストール (対象インストールと呼ばれる) を表す。たとえば、WebLogic Server Release 9.1 など。

次の作業を実行する際には、特定のインストールを選択する必要がある。

  • 公開パッチまたはパッチ セットの表示またはダウンロード

  • パッチまたはパッチ セットの適用または削除

  • カスタム パッチ プロファイルの作成または削除

[パッチの取得] タブ

公開パッチの表示

選択されている対象インストールに対して使用可能な公開パッチまたはパッチ セットが表示される。また、現在のパッチ ディレクトリの内容が表示される。

[パッチの取得] タブ

個別のパッチを示すアイコン

個別のパッチを表す。このアイコンをクリックすると、該当するパッチに関する詳細情報が表示される。

[パッチの取得] タブ

パッチ セットを示すアイコン

複数のパッチを収めたパッチ セットを表す。このアイコンをクリックすると、セットを構成するパッチに関する詳細情報が表示される。

[パッチの取得] タブ

パッチまたはパッチ セットを選択するアイコン

チェックすると、該当する公開パッチまたはパッチ セットのダウンロードが有効になる。複数個を一度に選択することもできる。ダウンロードを開始するには、[選択したものをダウンロード] をクリックする。

[ダウンロードされたパッチ] パネル

パッチのダウンロードを有効にするアイコン

パッチ ダウンロード ディレクトリの内容が表示される。[パッチの取得] タブを選択した場合は、選択されている対象インストール用のダウンロード ディレクトリの内容が表示される。[パッチの管理] タブを選択した場合は、指定のプロファイルにまだ適用されていないパッチだけが表示される。

[ダウンロードされたパッチ] パネル

選択したパッチを適用するには、このアイコンをクリック

緑色の矢印をクリックすると、該当するパッチまたはパッチ セットが現在のパッチ プロファイルに適用される (パッチまたはパッチ セットの適用は、[パッチの管理] タブを選択した場合のみ実行可能)。

[パッチの管理] タブ

周囲のテキストは icon-managepatches.gif を説明します。

個々のパッチ プロファイルの内容 (現在選択されている対象インストールに適用されたパッチのセット) が表示される。パッチまたはパッチ セットの適用と削除は、[パッチの管理] タブで実行する。

注意 : パッチまたはパッチ セットを適用し、現在のプロファイルに追加するには、[ダウンロードされたパッチ] パネルのパッチまたはパッチ セットの横にある [適用] ボタンをクリックする。

[パッチの管理] タブ

周囲のテキストは defaultprofile.gif を説明します。

指定の BEA_HOME ディレクトリにあるインストール全体が適用範囲となっている、現在選択されている対象インストールに関連付けられたパッチおよびパッチ セットの一覧が表示される。

追加のパッチ プロファイル (カスタム パッチ プロファイル) を作成すると、この [デフォルト] プロファイル タブの横に、各カスタム パッチ プロファイルのタブが作成される。

[パッチの管理] タブ

周囲のテキストは icon-removepatch.gif を説明します。

赤色の矢印をクリックすると、該当するパッチまたはパッチ セットが現在の対象インストールおよびプロファイルから削除される (削除されたパッチまたはパッチ セットは、[パッチの管理] タブでパッチ プロファイルの内容を表示した場合に [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されるようになる)。

[パッチの適用の検証] ダイアログ ボックス

周囲のテキストは icon-confdb.gif を説明します。

パッチまたはパッチ セットの適用時に発生した衝突が表示される。どのパッチがどの適用済みパッチと衝突したのかが示される。パッチまたはパッチ セットの適用時に発生する可能性がある衝突条件を以下に示す。

[パッチの適用の検証] ダイアログ ボックス

周囲のテキストは icon-conflictprereq.gif を説明します。

選択したパッチを適用する前に、別のパッチを適用する必要がある。この衝突は次のようにして解決する。

  1. 前提条件となっているパッチの ID を記録する。

  2. [取り消し] をクリックし、前提条件パッチをダウンロードし適用してから、選択したパッチを適用する。

[パッチの適用の検証] ダイアログ ボックス

周囲のテキストは icon-conflictseq.gif を説明します。

選択したパッチを適用する前に、適用されている別のパッチをいったん削除する必要がある。この衝突は次のようにして解決する。

  1. 削除する必要のあるパッチの ID を記録する。

  2. [取り消し] をクリックし、特定されたパッチを削除する。

  3. 選択したパッチをダウンロードして適用する。

  4. 手順 2 で削除したパッチをもう一度適用する。

[パッチの適用の検証] ダイアログ ボックス

周囲のテキストは icon-conflictexc.gif を説明します。

選択したパッチと併用できない別のパッチが、1 つまたは複数適用されている。この衝突を解決するには、どちらのパッチを対象インストールに適用する必要があるかを選択する必要がある。