Oracle WebCenterは、Oracle Fusion Middlewareのミドルウェア・コンポーネントです。Oracle WebCenterは、ソーシャル・アプリケーション、エンタープライズ・ポータル、コンポジット・アプリケーションおよびインターネット/イントラネットWebサイトの作成に使用する一連の製品です。Oracle WebCenterは、Java Server Faces(JSF)の標準ベースの宣言的開発、ポータルの柔軟性とパワー、および統合された一連のWebCenter Web 2.0サービスを組み合せて、エンドユーザーの生産性を高めます。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle WebCenterには、次のコンポーネントが含まれています。
Oracle WebCenter Framework
WebCenterアプリケーションにポートレット、コンテンツおよびカスタマイズ可能なコンポーネントを組み込むことを可能にします。Oracle WebCenter Frameworkは、Oracle WebCenterのインストール時に自動的にインストールされます。
Oracle WebCenter Spaces
サービスとアプリケーションの強力なセットによる、ソーシャル・ネットワーキング、通信、および個人の生産性向上のための、統合された、単一の、Webベース環境を提供します。このコンポーネントを構成するかどうかは任意です。
Oracle WebCenterポートレット
標準ベースのポートレット(JSR 168、WSRP 1.0および2.0)と従来のOracle PDK-Javaベースのポートレットの両方のデプロイと実行をサポートします。これには、OmniPortlet、Web Clipping、Rich Text Portlet、WSRP Parameter Form Portlet、サンプルWSRPポートレット、ポートレット・プロデューサおよびサンプルPDK-Javaポートレット・プロデューサという複数の事前構成済ポートレット・プロデューサが含まれています。このコンポーネントを構成するかどうかは任意です。
Oracle WebCenter Discussions
WebCenterアプリケーションにディスカッション・フォーラムとお知らせを統合することを可能にします。このコンポーネントを構成するかどうかは任意です。
Oracle WebCenter Wiki and Blog Server
WebCenterアプリケーションにWikiとブログを統合することを可能にします。アプリケーション・ユーザーが自分のWikiとブログを作成できるようにする機能もサポートしています。このコンポーネントを構成するかどうかは任意です。
Oracle Content Server
作成と承認から、公開、検索、期限切れおよびアーカイブまたは処理まで、コンテンツ・ライフサイクルのすべてのフェーズを管理する、柔軟でセキュアな、集中管理される、Webベースのリポジトリを提供します。
表1-1では、Oracle WebCenterのインストールおよび構成の高レベルなタスクについて説明します。さらに、各タスクの詳細情報の入手先も示します。
表1-1 Oracle WebCenterのインストール手順
タスク | 説明 | ドキュメント | 必須/オプション? |
---|---|---|---|
タスク1 - インストレーション・プランニング要件の充足 |
システム環境がOracle Fusion Middleware、Oracle WebCenterおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の全般的なインストール要件を確実に満たすようにします。 |
システム要件情報の詳細は、次のサイトを参照してください。
動作保証情報の詳細は、次のサイトを参照してください。
|
必須 |
タスク2 - WebCenterスキーマの作成 |
Oracle WebCenterコンポーネントは、Oracleデータベースにスキーマがインストールされていることを必要とします。WebCenterスキーマに関してOracleデータベースの準備を行い、RCUを使用してスキーマを作成します。 |
サポートされているOracleデータベースが稼働していることを確認します。詳細は、次のOTNリンクを参照してください。
スキーマの作成の詳細は、第2.1.3項「Oracle WebCenterのスキーマの作成」を参照してください。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』も参照してください。 |
必須 |
タスク3 - Oracle WebLogic Serverのインストール |
Oracle WebCenter 11 インストーラにより、ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ内にWebLogic Serverホーム・ディレクトリが作成されます。 |
インストール手順の詳細は、第2.1.4項「Oracle WebLogic Serverのインストールとミドルウェア・ホームの作成」を参照してください。Oracle WebLogic Serverのインストレーション・ガイドも参照してください。 ミドルウェア・ホームおよびWebLogicホーム・ディレクトリの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』でミドルウェア・ホームおよびWebLogicホーム・ディレクトリに関する項を参照してください。 |
必須 |
タスク4 - Oracle WebCenterのインストール |
WebCenterインストーラを使用してOracle WebCenterをインストールします。デフォルトでは、インストーラにより、ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ内に インストーラは、WebCenter Spaces、Oracle WebCenterポートレット、Oracle WebCenter Discussions、Oracle WebCenter Wiki and Blog Server、Oracle Content Serverなどの様々な製品用のWebCenterバイナリを配置します。 |
詳細は、第2章「Oracle WebCenterのインストール」を参照してください。 |
必須 |
タスク5 - Oracle WebCenterの構成 |
Oracle WebCenterの新しいWebLogicドメインを作成および構成し、インストールする製品を選択します。 インストーラにより、 WebCenterドメインが作成された後、ドメインに別の製品を追加する必要がある場合は、そのドメインを後で拡張できます。 |
詳細は、第3章「Oracle WebCenterの構成」を参照してください。 |
必須 |
タスク6 - WebCenter Web 2.0サービスのバックエンド・コンポーネントのインストール |
WebCenter Web 2.0サービスをWebCenterアプリケーションに統合できます。ドキュメントなど、一部のWebCenter Web 2.0サービスは、Oracle Content Serverなどのバックエンド・コンポーネントに依存します。このようなサービスをWebCenterアプリケーションに統合するには、必要なバックエンド・コンポーネントをインストールする必要があります。 |
詳細は、第4章「バックエンド・コンポーネントのインストール」を参照してください。 |
オプション |
タスク7 - LDAPベースのアイデンティティ・ストアのインストールと構成 |
LDAPベースのアイデンティティ・ストアをインストールおよび構成して、様々なサーバー間でユーザーのアイデンティティを管理し、アプリケーション間でシングル・サインオンを可能にします。 |
詳細は、第4章「バックエンド・コンポーネントのインストール」を参照してください。 |
オプション |
図1-1は、Oracle WebCenterインストールのディレクトリ構造を示しています。
Oracle WebLogic Serverをインストールすると、インストーラにより、ミドルウェア・ホーム・ディレクトリの下にWebLogic Serverホーム・ディレクトリが作成されます。Oracle WebCenterをインストールすると、WebCenter OracleホームおよびUser Projectsディレクトリが作成されます。このディレクトリには、WebCenterバイナリとサポート・ファイルが含まれます。
ドメインを作成するようにOracle WebCenterを構成すると、図1-1に示すとおり、「ドメイン」の下にWebCenterドメイン・ディレクトリが作成されます。WebCenterドメイン・ディレクトリには、管理サーバーと、様々なWebCenterコンポーネントをホストする複数の管理対象サーバーが含まれます。インストールするコンポーネントに応じて、次の管理対象サーバーが作成されます。
WLS_Spaces
- WebCenter Spacesをホストします。
WLS_Portlet
- Oracle WebCenterポートレットをホストします。
WLS_Services
- Oracle WebCenter DiscussionsおよびOracle WebCenter Wiki and Blog Serverをホストします。