この章では、OC4Jのインストールと、OC4Jインスタンスの起動、停止および再起動の手順について説明します。この章の内容は次のとおりです。
スタンドアロン環境のOC4Jサーバー・インスタンスは、oc4j
コマンド・スクリプトまたは実行可能なoc4j.jar
アーカイブのいずれかを用いて、デフォルト構成を使用して起動できます。
oc4j
スクリプトを使用してOC4Jを起動するには、次のコマンドをORACLE_HOME
/bin
ディレクトリから発行します。
oc4j -start
このコマンドを使用するには、ORACLE_HOME
およびJAVA_HOME
環境変数を設定する必要があります。詳細は、「スタンドアロンOC4Jサーバーのインストール前提条件への準拠」を参照してください。
oc4j.jar
を起動してOC4Jを起動するには、次のコマンドをORACLE_HOME
/j2ee/home
ディレクトリから発行します。
java -jar oc4j.jar [args]
このコマンドで示したようにoc4j.jar
を起動すると、OC4Jはデフォルトのserver.xml
構成ファイルを使用して起動されます。このファイルはj2ee/home/config
ディレクトリにあります。デフォルト以外のserver.xml
ファイルを使用してOC4Jを起動するには、次のコマンドを発行します。変更済の構成ファイルへのパスを指定する必要があります。
java -jar oc4j.jar -config /yourpath/server.xml [args]
ランタイム・オプションをOC4Jに設定するために、起動時に引数を渡すことができます。有効な引数の概要は、「起動時のOC4Jランタイム・オプションの設定」を参照してください。また、次のコマンドをORACLE_HOME
/j2ee/home
ディレクトリから発行して、コンソール・ヘルプを表示することもできます。
java -jar oc4j.jar -help
OC4Jの起動時にoc4j.jar
コマンドラインを使用して、システム・プロパティをJVMに設定することもできます。システム・プロパティの設定の詳細は、「起動時のシステム・プロパティの設定」を参照してください。
管理構成では、すべてのOracle Application Serverコンポーネント(OC4JおよびOracle HTTP Serverを含む)は、Application Server Controlの「クラスタ・トポロジ」ページから、またはOPMNコマンドライン・ツールopmnctl
を用いて、OPMNを使用して起動する必要があります。このツールは、ORACLE_HOME
/opmn/bin
ディレクトリにインストールされています。
ローカルのOracle Application Serverインスタンス上のすべてのOPMN管理プロセス(OC4Jを含む)を起動するには、次のコマンドを使用します。
opmnctl startall
ローカルのOracle Application Serverインスタンス上の特定の管理プロセス(この場合はOC4J)を起動するには、次のコマンドを使用します。
opmnctl startproc ias-component=default_group
複数のOC4Jインスタンスを含むクラスタ・トポロジでは、OC4Jインスタンスによって使用されるEARが単一の場所にある共有ディレクトリにある場合は、-sequential
フラグを使用してインスタンスを起動する必要があります。
opmnctl startproc ias-component=default_group -sequential
このオプションにより、すべてのOC4Jインスタンスを同時に起動した場合に発生する可能性のあるリソースの競合を防ぐことができます。
あるいは、OC4Jインスタンスを順番に起動するには、次に示すように、クラスタのOPMN構成ファイルopmn.xml
にsequential
オプションを指定できます。
<ias-component id="default_group"> <process-type id="home" module-id="OC4J" status="enabled"> <module-data> <category id="start-parameters"> <data id="oc4j-options" value="-sequential" </category> ... </module-data> </process-type> </ias-component>
opmnctl
コマンドの詳細は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。
注意: Windows環境でOracle Application Serverへの接続を試行する前に、サーバーのIPアドレスでC:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts ファイルを更新する必要があります。 |
スタンドアロンOC4Jサーバーは、admin_client.jar
またはadmin.jar
コマンドライン・ユーティリティで-shutdown
コマンドを起動するか、oc4j.cmd
またはoc4j
実行可能スクリプトを起動することで停止できます。
注意: Windows環境のControl-C などのオペレーティング・システム・コマンド、またはLinuxやUNIX環境のkill は、OC4Jの停止に使用しないでください。
EJBモジュールを使用するアプリケーションがOC4J内でアクティブに稼働している場合は、特にこれに該当します。これらのコマンドにより、サーバーが停止する前にEJBメソッド・コールやタイマー操作を完了することができなくなるためです。 |
admin_client.jar
を使用してOC4Jを停止するには、次のコマンドを発行します。
java -jar admin_client.jar uri adminId adminPassword -shutdown
次に例を示します。
java -jar admin_client.jar deployer:oc4j:localhost oc4jadmin password -shutdown
このコマンドは、ホスト・マシンが接続されていないかのように、すべてのスレッドを即座に終了させてOC4Jサーバー全体を停止します。このコマンドを使用すると、クラスタ化されたアプリケーションの現在の状態はレプリケートされません。
uri
、adminId
およびadminPassword
変数の詳細は、「admin_client.jarの構文およびURIの指定の概要」を参照してください。
スタンドアロンOC4Jインスタンスでは、admin_client.jar
の-shutdown
オプションは、「admin.jarによるOC4Jの停止」で説明されているadmin.jar
ユーティリティの-shutdown force
オプションと同等です。
admin.jar
を使用してOC4Jを停止するには、次のコマンドを発行します。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -shutdown [ordinary|force] [reason]
次のオプションを指定できます。
ordinary|force
停止タイプ。デフォルトはordinary
で、各スレッドを正常終了させます。
force
オプションは、すべてのスレッドを即時終了させます。実質的にはホスト・マシンのプラグを抜く場合と同じです。このオプションを使用すると、クラスタ化されたアプリケーションの現在の状態はレプリケートされません。
reason
停止の理由を文字列として指定します。この文字列はORACLE_HOME
/j2ee/home/log/server.log
ファイルに書き込まれます。文字列には空白を使用できません。
次の例では、admin.jar
を使用してOC4Jサーバーの停止を強制し、すべてのスレッドを即時終了させています。停止のreason
として入力された文字列は、ORACLE_HOME
/j2ee/home/config/server.log
ファイルに書き込まれます。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -shutdown force need_to_reboot_host_machine
oc4j
スクリプトの1つを使用してOC4Jを停止するには、次のコマンドをORACLE_HOME
/bin
ディレクトリから発行します。OC4Jで使用されるORMIポート(デフォルトでは23791
)とoc4jadmin
アカウントのパスワードを指定する必要があります。
oc4j -shutdown -port oc4jOrmiPort -password adminPassword
次に例を示します。
oc4j -shutdown -port 23791 -password adminpwd
このコマンドを使用するには、ORACLE_HOME
およびJAVA_HOME
環境変数を設定する必要があります。詳細は、「スタンドアロンOC4Jサーバーのインストール前提条件への準拠」を参照してください。
管理構成では、Application Server Controlの「クラスタ・トポロジ」ページからOC4Jインスタンスを停止できます。また、OPMNコマンドライン・ツールのopmnctl
や、OPMNにインスタンスが停止されたことを通知するadmin_client.jar
コマンドライン・ユーティリティを使用して停止することも可能です。このOPMNツールは、ORACLE_HOME
/opmn/bin
ディレクトリにインストールされています。admin_client.jar
ユーティリティは、ORACLE_HOME
/j2ee/
instance
ディレクトリにデフォルトでインストールされます。
ローカルのOracle Application Serverインスタンス上のすべてのOPMN管理プロセス(OC4Jを含む)を停止するには、次のコマンドを使用します。
opmnctl stopall
ローカルのOracle Application Serverインスタンス上の特定のOPMN管理コンポーネント(この場合はOC4J)を停止するには、次のコマンドを使用できます。
opmnctl stopproc ias-component=default_group
opmnctl
コマンドの詳細は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。
また、次のコマンドで、admin_client.jar
を使用してOC4Jインスタンスを停止することも可能です。
java -jar admin_client.jar uri adminId adminPassword -shutdown
次に例を示します。
java -jar admin_client.jar deployer:oc4j:opmn://localhost/home oc4jadmin password -shutdown
このコマンドは、すべてのスレッドを即座に終了させてOC4Jインスタンス全体を停止します。OPMN管理のOC4Jインスタンスでは、OPMNが再起動を試行しないように、サーバーを故意に停止中であることがadmin_client.jar
によりOPMNに通知されます。このコマンドを使用すると、クラスタ化されたアプリケーションの現在の状態はレプリケートされません。
uri
、adminId
およびadminPassword
変数の詳細は、「admin_client.jarの構文およびURIの指定の概要」を参照してください。
次のコマンドで、admin_client.jar
ユーティリティを使用して、スタンドアロンOC4Jサーバーを再起動できます。
java -jar admin_client.jar uri adminId adminPassword -restart
次に例を示します。
java -jar admin_client.jar deployer:oc4j:localhost oc4jadmin password -restart
uri
、adminId
およびadminPassword
変数の詳細は、「admin_client.jarの構文およびURIの指定の概要」を参照してください。
また、次のコマンドでadmin.jar
コマンドライン・ユーティリティを使用して、スタンドアロンOC4Jインスタンスを再起動することもできます。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -restart [reason]
[
reason
]
の値として文字列を入力できます。この文字列は、ORACLE_HOME
/j2ee/home/config/server.log
ファイルに書き込まれます。
管理構成では、Application Server Controlの「クラスタ・トポロジ」ページからOC4Jを再起動できます。また、OPMNコマンドライン・ツールのopmnctl
や、admin_client.jar
コマンドライン・ユーティリティを使用して再起動することも可能です。このOPMNツールは、ORACLE_HOME
/opmn/bin
ディレクトリにインストールされています。admin_client.jar
ユーティリティは、ORACLE_HOME
/j2ee/
instance
ディレクトリにデフォルトでインストールされます。
ローカルのOracle Application Serverインスタンス上のすべてのOPMN管理プロセス(OC4Jを含む)を再起動するには、次のコマンドを使用できます。
opmnctl startall
また、次のコマンドを使用して、ローカルのOracle Application Serverインスタンス上の特定の管理プロセス(この場合はOC4J)を再起動することもできます。
opmnctl restartproc ias-component=home
複数のOC4Jインスタンスを含むクラスタ・トポロジでは、opmnctl
コマンドおよび-sequential
フラグを使用してインスタンスを再起動する必要があります。
opmnctl startproc ias-component=default_group -sequential
-sequential
フラグを使用すると、すべてのOC4Jインスタンスを同時に起動した場合、特にOC4Jインスタンスによって使用されるEARが単一の場所にある共有ディレクトリにある場合に発生する可能性のあるリソースの競合を防ぐことができます。「Oracle Application Server環境でのOC4Jの起動」で説明されているように、クラスタのopmn.xml
構成ファイルに-sequential
オプションが含まれる場合は、-sequential
フラグを指定する必要はありません。
次のコマンドで、admin_client.jar
を使用してOC4Jインスタンスを再起動できます。
java -jar admin_client.jar uri adminId adminPassword -restart
uri
、adminId
およびadminPassword
変数の詳細は、「admin_client.jarの構文およびURIの指定の概要」を参照してください。
この項では、サーバーの起動と停止の間に発生するイベントの詳細な順序を示します。
サーバーの起動時には次のイベントが発生します。
JAZNセキュリティ・フレームワークが起動します。
アプリケーション・サーバーのスレッド・プールが起動し、Systemスレッド・プールおよびHTMLスレッド・プールが作成されます。
コンテナ・サービス・マネージャが起動し、イベント・サービス、タイマー・サービスおよびスケジューラ・サービスが作成されます。
OC4Jクラス・ローダーが初期化されます。
JMSサーバーが起動します。
RMIサーバーが起動します。
system
アプリケーションが起動します。
system.root:0.0.0
クラス・ローダーが初期化されます。
リソース・プロバイダが初期化されます。
EJBコンテナが初期化されます。
データソースが初期化されます。
アプリケーション・クライアントが初期化されます。
default
アプリケーションが起動します。
default.root:0.0.0
クラス・ローダーが初期化されます。
oc4jjms
リソース・プロバイダが初期化されます。
EJBコンテナが初期化されます。
データソース・コネクタが初期化されます。
データソースが初期化されます。
トランザクション・マネージャが起動します。
OracleASjms
コネクタが初期化されます。
アプリケーション・クライアントが初期化されます。
システムMBeanが登録されます。
javasso
アプリケーションが起動します。
javasso.root:0.0.0
クラス・ローダーが初期化されます。
リソース・プロバイダが初期化されます。
EJBコンテナが初期化されます。
データソース・コネクタが初期化されます。
データソースが初期化されます。
アプリケーション・クライアントが初期化されます。
ascontrol
アプリケーションが起動します。
ascontrol.root:0.0.0
クラス・ローダーが初期化されます。
リソース・プロバイダが初期化されます。
EJBコンテナが初期化されます。
データソース・コネクタが初期化されます。
データソースが初期化されます。
アプリケーション・クライアントが初期化されます。
デプロイしたアプリケーションが起動します。いずれのアプリケーションでも、順序は前述のとおりです。
クラス・ローダーが初期化されます。
リソース・プロバイダが初期化されます。
EJBコンテナが初期化されます。
コネクタが初期化されます。
データソース・コネクタが初期化されます。
データソースが初期化されます。
アプリケーション・クライアントが初期化されます。
リカバリ・マネージャが起動します。
HTTPサーバーが起動します。
デフォルトWebサイトが起動します。
default
Webアプリケーションが起動します。
dms0
Webアプリケーションが起動します。
JMXSoapAdapter-web
Webアプリケーションが起動します。
jmsrouter_web
Webアプリケーションが起動します。
javasso-web
Webアプリケーションが起動します。
ascontrol
Webアプリケーションが起動します。
デプロイしたWebアプリケーションが起動します。
その他のWebサイト(適用可能な場合)が起動します。
タスク・マネージャが起動します。
OC4Jサーバーの初期化が完了します。
サーバーの停止時には次のイベントが発生します。
タスク・マネージャが停止します。
コンテナ・サービス(イベント・サービス、タイマー・サービスおよびスケジューラ・サービス)が停止します。
HTTPサーバーが破棄されます。
javasso
アプリケーションが破棄されます。
ascontrol
アプリケーションが破棄されます。
デプロイしたアプリケーションが破棄されます。
default
アプリケーションが破棄されます。
system
アプリケーションが破棄されます。
RMIサーバーが破棄されます。
JMSサーバーが破棄されます。
トランザクション・マネージャが停止します。
Systemスレッド・プールやHTMLスレッド・プールを含むサーバー・スレッド・プールが破棄されます。
クラス・ローダーが破棄されます。
IIOPサーバーが停止されます。
OC4Jサーバーの停止が完了します。