この章では、Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)Agentのインストール方法を説明します。次の項で構成されています。
Oracle WSM Agentは、ターゲットのWebサービスまたは保護対象のWebサービス・クライアントと同じ処理領域で、ポリシーを実行するポリシー実行ポイント(PEP)です。Oracle WSM Agentは、クライアント・リクエストからターゲットのWebサービスまでのエンドツーエンドのセキュリティを提供します。Oracle WSM Agentは、Oracle WSM Policy Managerと通信できるように構成されているかどうかをチェックします。通信できる場合は、Oracle WSM Policy Managerからセキュリティ情報を取得します。Oracle WSM Policy Managerが無効の場合、Oracle WSM Agentは、実行するセキュリティ・ポリシーを含むローカル・ファイルを探します。
Oracle WSM Agentを使用するデプロイメントには、主に2つのタイプがあります。
Oracle WSMクライアント・エージェントおよびサーバー・エージェント: このデプロイメント(図6-1)では、クライアント・エージェントがWebサービス・リクエストを捕捉し、ポリシーを適用します。クライアント・エージェントがセキュリティ・アーティファクト(たとえば、認証のための署名、暗号化またはトークン)をSOAPヘッダーに挿入するように、ポリシーを構成できます。サーバー・エージェントは、Webサービス・リクエストをWebサービスに渡す前に、これらのセキュリティ・アーティファクトを検証します。同様に、Webサービス・レスポンスは、サービス・エージェントによって保護できます。サービス・エージェントは、SOAPヘッダーにセキュリティ・アーティファクトを挿入でき、クライアント・エージェントがレスポンスをクライアントに渡す前に、クライアント・エージェントによってこれらが検証されます。
図6-1 Oracle WSMクライアント・エージェントとサーバー・エージェントを使用するデプロイメント
図6-1は、トランザクションの両側にあるOracle WSM Agentを示しています。ただし、両方のエージェントがOracle WSM Agentである必要はありません。一般的なB2B(企業間)トランザクションでは、エージェントのどちらか一方がOracleエージェントではありません。
Oracle WSM GatewayとOracle WSM Agent: このデプロイメント(図6-2)では、Oracle WSM GatewayはDMZ内に設定されています。Oracle WSM Gatewayは、クライアントから送信されるWebリクエストに対するセキュリティを提供できますが、Oracle WSM GatewayとWebサービスとの間にはセキュリティ・ホールが存在する可能性があります。サーバー・エージェントは、そのようなセキュリティ攻撃を防ぐために使用できます。これはラストマイル・セキュリティとして知られています。
図6-3は、Oracle WSMクライアント・エージェントとOracle WSMサーバー・エージェントがどのように使用されるかを示しています。実際のB2Bの状況では、クライアントまたはサーバーにOracle WSMがない場合があります。Oracle WSMは、WS-Securityなどの業界標準を実装しているため、Oracle WSM Agentは、標準準拠の他のセキュリティ・システムと互換性があります。
図6-3 Oracle WSMクライアント・エージェントとOracle WSMサーバー・エージェントを使用したポリシーの実行
図6-3の番号は、サーバー・アプリケーションに対するクライアント・リクエストがOracle WSM Agentによってどのように捕捉されるかを説明する次の手順に対応しています。
Webサービス・クライアントは、Webサービスに対するリクエストを作成します。
Oracle WSMクライアント・エージェントは、送信されるリクエストを捕捉し、リクエスト・パイプラインでポリシーを実行します。
Oracle WSMクライアント・エージェントによってポリシーの手順が正常に実行されると、リクエストはWebサービスに送信されます。Oracle WSMサーバー・エージェントは、受信リクエストを捕捉し、リクエスト・パイプラインで定義されているポリシーを実行します。
Oracle WSMサーバー・エージェントによってポリシーの手順が正常に実行されると、リクエストはWebサーバーに渡されます。
Webサービスは、リクエストを処理します。
リクエスト・パイプラインは、Oracle WSMサーバー・エージェントまたはOracle WSMクライアント・エージェント(あるいは両方のエージェント)に対して定義できます。この場合、WebサービスがレスポンスをWebサービス・クライアントに返すと、送信メッセージはまずOracle WSMサーバー・エージェントによって捕捉されます。レスポンス・パイプラインでポリシーが定義されている場合、Oracle WSMサーバー・エージェントはこれらのポリシーを実行します。メッセージは、次にOracle WSMクライアント・エージェントによって捕捉され、最後にWebサービス・クライアント・アプリケーションにレスポンスが返されます。
Oracle WSM Agentのインストール手順の概要は、次のとおりです。
Oracle Enterprise Manager 10g Web Services Manager Controlコンソール(Web Services Manager Controlコンソール)を使用して、Oracle WSMクライアントまたはサーバー・エージェント・コンポーネントをOracle WSM Policy Managerに登録します。ポリシーは、Oracle WSM Agentの登録時に定義することも、後で定義することもできます。
WSMADMINツールを実行して、登録したOracle WSM Agentをインストールします。
エージェントを構成し、WebサービスまたはWebサービス・クライアントに組み入れます。
WebサービスまたはWebサービス・クライアントが変更されないため、この手順がOC4Jクライアントに干渉することはありません。Oracle WSMエージェントは、OC4Jランタイムまたはクライアント・ランタイムの一部です。
後続の項では、それぞれのタイプのOracle WSM Agentのインストール方法を説明します。
この項では、OC4J上の次のWebサービス用にサーバー・エージェントをインストールする方法について説明します。
Oracle Webサービス
Apache Axis 1.1および1.4(AXIS)Webサービス
Oracle Webサービス用にサーバー・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。
サーバー・エージェントを追加します。
サーバー・エージェントのポリシーを定義します。
サーバー・エージェントをインストールします。
Webサービス・デプロイメント・ディスクリプタを構成します。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
サーバー・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlコンソールを使用して、サーバー・エージェントを登録し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: サーバー・エージェント
コンテナ・タイプ: OC4J
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、サーバー・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
サーバー・エージェントのポリシーを定義する手順
Web Services Manager Controlで、エージェントと関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
サーバー・エージェントをインストールする手順
サーバー・エージェントをインストールする前に、Oracle Application Serverが稼働していることを確認します。
ORACLE_HOME
/owsm/bin/agent.properties
ファイルの属性を、次の値で編集します。
agent.componentType
: OC4JServerInterceptor
agent.containerType
: OC4J
agent.containerVersion
: 10.1.3
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されるコンポーネントIDを入力します。
ファイルに対する変更を保存します。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
次のプロパティは、自動的に値が入ります。値が、これらのプロパティに対して正しいことを確認します。
oc4j.home
oc4j.j2ee.home
external.oc4j.port
external.oc4j.adminPort
external.oc4j.adminID
これらのプロパティの詳細は、「agent.propertiesファイル」を参照してください。
wsmadmin installAgent
コマンドを実行して、エージェントをインストールします。
注意: このコマンドを実行する前に、サーバー・エージェントをインストールするOracle Application Serverが、稼働中であることを確認してください。 |
このコマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
Webサービス・デプロイメント・ディスクリプタを構成する手順
次の手順は、保護対象のWebサービスを含むアプリケーションが存在するOracle Application Serverで実行します。
Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールで、Oracle WSMサーバー・エージェントによって保護されるWebサービスが含まれるアプリケーションを選択します。
「Webサービス」タブをクリックします。
保護するWebサービスをクリックして、「管理」タブをクリックします。
「機能の有効化/無効化」をクリックします。
「Webサービス・エージェント」を「使用可能な機能」ボックスから「有効な機能」ボックスに移動して、「OK」をクリックします。
Webサービス・エージェントの「構成の編集」アイコンをクリックします。
「構成ディレクトリ」ボックスに、サーバー・エージェントのコンポーネントIDを入力します。ここで入力する値は、agent.properties
ファイルのagent.component.id
プロパティに入力した値と一致させる必要があります。
「保存」をクリックします。
サーバー・エージェントをインストールする前に、AXIS Webアプリケーションに、そのアプリケーションによってデプロイされたWebサービスを示すserver-config.wsdd
ファイルがあることを確認します。このファイルの詳細は、AXISドキュメントを参照してください。
AXIS Webサービス用にサーバー・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。
サーバー・エージェントを追加します。
サーバー・エージェントのポリシーを定義します。
サーバー・エージェントをインストールします。
Webサービス・アプリケーションを再デプロイします。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
サーバー・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlを使用して、サーバー・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: サーバー・エージェント
コンテナ・タイプ: AXIS
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、サーバー・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
サーバー・エージェントのポリシーを定義する手順
Web Services Manager Controlで、エージェントと関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
サーバー・エージェントをインストールする手順
ORACLE_HOME
/owsm/bin
ディレクトリにあるagent.properties
ファイルの属性を、次の値で編集します。
agent.componentType
: serveragent
agent.containerType
: AXIS
agent.containerVersion
: AXISのバージョンを入力します。有効値は、1.1または1.4です。
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されるコンポーネントIDを入力します。
Webサービス・アプリケーションがWeb Archive(WAR)ファイルとしてパッケージされている場合は、agent.properties
ファイルのwebservice.application.input
プロパティを編集します。WARファイルのフルパスと名前を入力します。
Webサービス・アプリケーションがEARファイルとしてパッケージされている場合は、agent.properties
ファイルの次のプロパティを編集します。
webservice.application.input
: EARファイルのフルパスと名前を入力します。
webservice.application.webapp.name
: 非コメント化し、WARファイル名(たとえば、hellows-web.war
)を入力します。
webservice.application.contexturi
: コンテキスト・ルート(たとえば、/hellows
)を入力します。
agent.properties
ファイルの詳細は、表6-1「agent.propertiesファイル」を参照してください。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
wsmadmin installAgent
コマンドを実行します。
このコマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
Webサービス・アプリケーションの再デプロイ
サーバー・エージェントを機能させるには、アプリケーションを再デプロイして、変更を有効にする必要があります。Webアプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Containers for J2EEデプロイメント・ガイド』を参照してください。
この項では、次のWebサービス・クライアント用にクライアント・エージェントをインストールする方法について説明します。
Oracle J2SEクライアント: これはスタンドアロンJavaアプリケーション(通常はエンドユーザーのコンピュータ上のSwingアプリケーション)で、Webサービスにアクセスします。J2SEクライアント用のクライアント・エージェントは、JavaアプリケーションとWebサービス間の送受信メッセージをフィルタ処理します。
Oracle J2EEクライアント: これはJ2EEモジュールで、アプリケーション・サーバーに置かれ、Webサービスにアクセスします。クライアント・エージェントは、J2EEモジュールとWebサービス間の送受信メッセージをフィルタ処理します。このクライアントは、サーブレット、JavaServer Page(JSP)またはEnterprise JavaBean(EJB)のいずれかの場合があります。または、コマンドラインから起動されるスタンドアロン・アプリケーションであるJ2EEアプリケーション・クライアントの場合もあります。通常、このJ2EEアプリケーション・クライアントは、J2EEアプリケーション・サーバーで実行されるEJBプログラムにアクセスします。
AXISクライアント: これは、AXISフレームワークを使用して作成されたWebサービス・クライアントです。Oracle WSM 10.1.3.3では、AXIS 1.1および1.4 J2EEクライアントのみをサポートします。
BPELまたはESBプロセス用クライアント・エージェント: これは、外部WebサービスをコールするBPELまたはESBプロセスです。クライアント・エージェントは、BPELまたはESBプロセスとWebサービス間の送受信メッセージをフィルタ処理します。
注意: クライアント・エージェントをインストールする前に、Webサービス・クライアントをテストし、クライアントがWebサービスから目的の結果を得られることを確認します。Webサービス・クライアントの開発の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
|
Oracle J2SEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。
クライアント・エージェントを追加します。
クライアント・エージェントのポリシーを定義します。
クライアント・エージェントをインストールします。
クライアント・エージェントをOracle J2SE Webサービス・クライアントと構成します。
ランタイム環境を設定します。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
クライアント・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント
コンテナ・タイプ: OC4J
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順
エージェントに関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
クライアント・エージェントをインストールする手順
注意: Oracle WSMは、クライアント・エージェントをインストールするマシン上にインストールする必要があります。次の手順では、Oracle WSMがORACLE_HOME で指定した場所にインストールされると想定しています。 |
ORACLE_HOME
/owsm/bin/
agent.properties
ファイルで次の属性を編集します。
agent.componentType
: OC4JClientInterceptor
agent.containerType
: OC4J
agent.containerVersion
: 10.1.3
client.home
: クライアントの場所のフルパス(たとえば、c:\oracle\client
)を入力します。
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
コマンド・プロンプトから、wsmadmin installAgent
コマンドを使用して、クライアント・エージェントをインストールします。
これにより、クライアント・エージェントはagent.properties
ファイルのclient.home
属性で指定した場所にインストールされます。たとえば、client.home
がc:\oracle\client
と指定され、エージェントのコンポーネントIDがC0003006の場合、次のディレクトリが作成されます。
C:\oracle\client\owsm\config\interceptors\C0003006
いくつかの構成ファイルとサブディレクトリが、この場所にコピーされます。
このコマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
クライアント・エージェントとOracle J2SE Webサービス・クライアントの構成
Webサービス・クライアントが作成され、コンパイルされると、いくつかのJavaアーティファクトが生成されます。具体的には、package
.runtime
.binding
_Stub.java
の形式の名前を持つJavaファイルが1つあります。
たとえば、org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.java
のようになります。
拡張子が.xml
であることを除けば.java
ファイルと同じ名前を持つ構成ファイルが生成されます。構成ファイルの名前は、package
.runtime
.binding
_Stub.xml
の形式です。
たとえば、次のようになります。
org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xml
このファイルが自動的に生成されない場合、oracle-webservices-client-10_0.xsd
スキーマを使用してファイルを作成します。構成ファイルは、org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xml
と同様に、クライアントのクラスパスに存在する必要があります。
<runtime enabled="owsm" ...</runtime>
タグをpackage
.runtime.
binding
_Stub.xml
ファイルに追加します。次の行は、例のorg.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xml
構成ファイルからのものです。
<oracle-webservice-clients>
<webservice-client>
<port-info>
<runtime enabled="owsm">
<owsm init-home="C:/oracle/client/owsm/config/interceptors/C0003005"/></runtime></port-info></webservice-client></oracle-webservice-clients>
owsm
要素のinit-home
属性に指定する値は、「クライアント・エージェントをインストールする手順」の手順でエージェント構成をコピーした場所にする必要があります。
ランタイム環境の設定
Webサービス・クライアントを実行する前に、次のJARファイルをクラスパスに追加します。
client.home
/owsm/lib/extlib
にあるすべてのJARファイル。変数client.home
は、Webサービス・クライアントがインストールされるディレクトリです。
ORACLE_HOME
/owsm/lib/cfluent-log4.j.jar
JDBC JARファイル。たとえば、「基本」スタンドアロン・インストールまたは「基本」SOAインストールの場合、この場所は、ORACLE_HOME
/Mobile/Sdk/BIN/OLITE40.JAR
です。「拡張」スタンドアロンまたは「拡張」SOAオプションでインストールした場合、JDBC JARファイルの場所を見つけるには、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
ORACLE_HOME
/jlib/orail8n.jar
とORACLE_HOME
/jlib/ojmisc.jar
Oracle J2EEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。
クライアント・エージェントを追加します。
クライアント・エージェントのポリシーを定義します。
クライアント・エージェントをインストールします。
クライアント・エージェントをOracle J2EE Webサービス・クライアントと構成します。
Webサービス・クライアントを再デプロイします(EJBクライアントとサーブレット・クライアントのみ)。
ランタイム環境を設定します(J2EEアプリケーション・クライアントのみ)。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
クライアント・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント
コンテナ・タイプ: OC4J
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順
エージェントに関連付けるポリシーを作成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
クライアント・エージェントをインストールする手順
注意: Oracle WSMは、クライアント・エージェントをインストールするマシン上にインストールする必要があります。次の手順では、Oracle WSMがORACLE_HOME で指定した場所にインストールされると想定しています。 |
ORACLE_HOME
/owsm/bin/
agent.properties
ファイルで次の属性を編集します。
agent.componentType
: OC4JClientInterceptor
agent.containerType
: OC4J
agent.containerVersion
: 10.1.3
client.home
: クライアント・エージェント構成がインストールされるパスを入力します。client.home
にはORACLE_HOME
を使用することをお薦めします。
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
コマンド・プロンプトから、wsmadmin installAgent
コマンドを使用して、クライアント・エージェントをインストールします。
これにより、クライアント・エージェントはagent.properties
ファイルのclient.home
属性で指定した場所にインストールされます。たとえば、client.home
がc:\oracle\client
と指定され、エージェントのコンポーネントIDがC0003006の場合、次のディレクトリが作成されます。
C:\oracle\client\owsm\config\interceptors\C0003006
いくつかの構成ファイルとサブディレクトリが、この場所にコピーされます。
wsmadmin installAgent
コマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
クライアント・エージェントとOracle J2EE Webサービス・クライアントの構成
Oracle J2EE Webサービス・クライアントに対してクライアント・エージェント構成の場所を特定します。該当するJ2EEクライアント・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルのプロパティを編集します。
サーブレットおよびJSP: WARアーカイブ内のWEB-INF/orion-web.xml
ファイルを編集します。
EJB: META-INF/orion-ejb-jar.xml
ファイルを編集します。
アプリケーション・クライアント: アプリケーション・クライアントのJARファイル内のMETA-INF/orion-application-client.xml
ファイルを編集します。
<runtime enabled="owsm" ...</runtime>
タグを、該当するJ2EEクライアント・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルに追加します。次の例は、クライアント・エージェント構成の場所でクライアント・デプロイメント・ディスクリプタがどのように構成されるかを示しています。
... <service-ref-mapping name="..."><port-info><wsdl-port namespaceURI="..." localport="..."/>
<runtime enabled="owsm"><owsn init-home="C:/oracle/client/owsm/config/interceptors/C0003006"/></runtime>
...</port-info></service-ref-mapping>
Webサービス・クライアントの再デプロイ
EJBクライアントおよびサーブレット・クライアントの場合、クライアント・エージェントの構成後に、Webサービス・クライアントを再デプロイする必要があります。この手順では、クライアント・エージェントがORACLE_HOME
にインストールされているものとします。
ランタイム環境の設定
注意: この手順では、クライアント・エージェントがORACLE_HOME にインストールされているものとします。 |
J2EEアプリケーション・クライアントの場合、次のJARファイルをWebサービス・クライアントのクラスパスに追加します。
ORACLE_HOME
/owsm/lib/extlib
にあるすべてのJARファイル。変数client.home
は、Webサービス・クライアントがインストールされるディレクトリです。
ORACLE_HOME
/owsm/lib/cfluent-log4.j.jar
JDBC JARファイル。たとえば、「基本」スタンドアロン・インストールまたは「基本」SOAインストールの場合、この場所は、ORACLE_HOME
/Mobile/Sdk/BIN/OLITE40.JAR
です。「拡張」スタンドアロンまたは「拡張」SOAオプションでインストールした場合、JDBC JARファイルの場所を見つけるには、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
ORACLE_HOME
\jlib\orail8n.jar
とORACLE_HOME
\jlib\ojmisc.jar
AXIS 1.1または1.4 J2EEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。
クライアント・エージェントを追加します。
クライアント・エージェントのポリシーを定義します。
クライアント・エージェントをインストールします。
Webサービス・クライアントを再デプロイします。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
クライアント・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント
コンテナ・タイプ: AXIS
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順
エージェントに関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
クライアント・エージェントをインストールする手順
ORACLE_HOME
/owsm/bin/
agent.properties
ファイルで次の属性を編集します。
agent.componentType
: clientagent
agent.containerType
: AXIS
agent.containerVersion
: AXISのバージョンを入力します。有効値は、1.1および1.4です。
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。
Webサービス・アプリケーションがWeb Archive(WAR)ファイルとしてパッケージされている場合は、agent.properties
ファイルのwebservice.application.input
プロパティを編集します。WARファイルのフルパスと名前を入力します。
Webサービス・クライアントがEARファイルとしてパッケージされている場合は、agent.properties
ファイルの次のプロパティを編集します。
webservice.application.input
: EARファイルのフルパスと名前を入力します。
webservice.application.webapp.name
: 非コメント化し、WARファイル名(たとえば、hellows-web.war
)を入力します。
webservice.application.contexturi
: コンテキスト・ルート(たとえば、/hellows
)を入力します。
agent.properties
ファイルの詳細は、表6-1「agent.propertiesファイル」を参照してください。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
wsmadmin installAgent
コマンドを実行します。
このコマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
Webサービス・クライアントの再デプロイ
変更が有効になるように、Webサービス・クライアントを再デプロイします。
次に、BPELまたはESBプロセス用のクライアント・エージェントをインストールする手順の概要を示します。
クライアント・エージェントを追加します。
クライアント・エージェントのポリシーを定義します。
クライアント・エージェントをインストールします。
oracle.wsm.agent
共有ライブラリを追加します。
BPELまたはESBプロセスにクライアント・エージェントをデプロイします。
後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。
クライアント・エージェントを追加する手順
Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。
コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント
コンテナ・タイプ: OC4J
「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。
クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順
エージェントに関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。
クライアント・エージェントをインストールする手順
ORACLE_HOME
/owsm/bin/
agent.properties
ファイルで次の属性を編集します。
agent.componentType
: OC4JClientInterceptor
client.home
: OC4Jのホーム・ディレクトリのパスを入力します。
agent.component.id
: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。
注意: 後からエージェントを再インストールする必要がある場合は、構成を再利用できるようにagent.properties ファイルのコピーを保存します。様々な構成の複数のエージェントを作成する場合は、構成ごとに別のagent.properties ファイルのコピーを保存してください。 |
wsmadmin installAgent
コマンドを実行します。
クライアント構成を格納するディレクトリ(CLIENT_HOME
\owsm\config\interceptors\
component_ID
)が作成されます。このディレクトリを記録しておきます。
このコマンドの詳細は、付録C「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」の「installAgent」を参照してください。
oracle.wsm.agent共有ライブラリの追加
OC4J_HOME
/j2ee/home/config/server.xml
ファイルを開き、次の行を探します。
<shared-library name="oracle.wsm.agent" version="10.1.3.1" library-compatible="true">
oracle.wsm.agent
という名前の共有ライブラリが見つからない場合は、必要なライブラリを追加するための処理を行う必要があります。その処理とは、一時サーバー・エージェントのインストールです。このエージェントによって、oracle.wsm.agent
共有ライブラリがserver.xml
ファイルに追加されます。ライブラリがこのファイルに追加されたら、一時サーバー・エージェントを削除します。
OC4J_HOME
/owsm/bin/agent.properties
ファイルで次のプロパティを編集します。
agent.componentType
: OC4JServerInterceptor
agent.component.id
: C0009999
agent.component.id
の値は、一時サーバー・エージェントに対する任意の識別子です。
Oracle Application Serverが稼働していることを確認します。
次のコマンドを実行して一時サーバー・エージェントを作成します。
ORACLE_HOME
/owsm/bin/owsmadmin installAgent
このコマンドによって共有ライブラリが追加され、サーバー・エージェントのディレクトリが作成されます。
OC4J_HOME
/owsm/config/interceptors/C0009999
ディレクトリを削除することで、一時サーバー・エージェントを削除します。
BPELまたはESBプロセスでのクライアント・エージェントのデプロイ
oracle-webservices-client-10_0.xsd
スキーマを使用してwsif-wsm-config.xml
ファイルを作成します。このスキーマはOC4J_HOME
/j2ee/home/lib/oc4j-schemas.jar
ファイルにあります。
詳細は、『Web Servicesアドバンスト開発者ガイド』を参照してください。
クライアント・エージェント・ランタイムの場所をwsif-wsm-config.xml
ファイルに追加します。
次のwsif-wsm-config.xml
ファイルの例では、クライアント・エージェント・ランタイムの場所を太字で示しています。
<oracle-webservice-clients> <webservice-client> <service-qnamenamespaceURI= namespaceURI="http://oracle.com/esb/namespaces/DefaultSystem" localpart="CalcService_CA"/> <port-info> <wsdl-port namespaceURI="http://oracle.com/esb/namespaces/DefaultSystem" localpart="CalcService_CASoapHttpPort"/> <runtime enabled="owsm"> <owsm init-home="C:\Oracle\product\owsm\config\interceptors\C0003003"/> </runtime> <operations/> </port-info> </webservice-client> </oracle-webservice-clients>
注意: Oracle Application Serverインストール全体でwsif-wsm-config.xml ファイルは1つです。クライアント・エージェントを複数のBPELまたはESBプロセスにインストールする場合は、クライアント・エージェントをインストールするプロセスごとに<service-name> タグと<wsdl-port> タグを指定する必要があります。 |
wsif-wsm-config.xml
ファイルをOC4J_HOME
/j2ee/home/config
ディレクトリに保存します。
Oracle Application Serverを再起動します。
サーバー・エージェントまたはクライアント・エージェントをカスタマイズするには、ORACLE_HOME
/owsm/bin/
agent.properties
ファイルを編集します。この項では、agent.properties
ファイル内のプロパティについて説明します。
注意: プロパティ値には、大文字と小文字の区別があります。 |
表6-1 agent.propertiesファイル
プロパティ | 説明 |
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有効な値は、 |
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AXIS WebサービスとAXISクライアントのエージェントを除くすべてのエージェントに |
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有効なOC4Jインストール・ディレクトリのパス(たとえば、 |
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OC4J J2EEインストール・ディレクトリのパス。 |
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OC4JがHTTPリクエストをリスニングするポート。 |
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RMIポート。このプロパティの値は、インストール後に自動的に追加されます。たとえば、デフォルト値は このプロパティは、Oracle Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、J2EEクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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OC4J管理者ユーザー。たとえば、 このプロパティは、Oracle Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、J2EEクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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有効なクライアント・ホーム・ディレクトリのパス。これは、クライアント・エージェントが存在する場所です。このプロパティは、クライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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アプリケーションEARファイルまたはWARファイルのフルパス。EARファイルのフルパスを指定した場合、 このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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デフォルトでは、このプロパティはコメント・アウトされています。EARファイルのフル・パスを指定した場合、このプロパティを非コメント化し、アプリケーションの名前を指定します。 このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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アプリケーション・サーバー内のコンテキストURI。このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。 |
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エージェントがインストールされるディレクトリ。このプロパティは、TIBCO Business Worksエージェントの場合にのみ必要です。 このプロパティは、Oracle WSM 10.1.3.1.0リリースではサポートされていません。 |
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TIBCO Business Works traファイルのパス。このプロパティは、TIBCO Business Worksエージェントの場合にのみ必要です。 このプロパティは、Oracle WSM 10.1.3.1.0リリースではサポートされていません。 |
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このプロパティの値は、エージェントをOracle WSM Policy Managerに登録するときに生成されます。 |
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Oracle WSM Policy Manager URLの場所。 |
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秒単位のポーリング頻度。 |
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デフォルト・ポリシー・セットの名前。 このプロパティは、Oracle WSMがオフライン・モードで実行中、つまり |
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Webアプリケーションとともにパッケージされているプロパティ・ファイル名。このファイルはポリシー・セット・ファイルの場所を指定します。 |